星野源さんがニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で『Family Song』のミュージックビデオについてトーク。女装して気づいたリップの話や、曲の中にドラムのシンバルを入れていない理由などについて話していました。
(星野源)先週ミュージックビデオが公開されまして。本当にものすごい反響をいただきましてありがとうございます。先週もいろんなお話をしましたが、その曲の感想が届いておりますのでちょっと読みたいと思います。茨城県の方。(メールを読む)「『Family Song』のミュージックビデオを見てからこの曲の印象が変わりました。最初に聞いた時には『やさしい曲だな』と思い、ほっこりした気持ちで聞いていましたが、ミュージックビデオを見てこの曲の世界観がすごく広がりました。見ているうちに、だんだん体を動かしたくなるような、リズムを取りたくなりました。最後には楽しくなって、すごく幸せな気持ちにさせてくれる。そんな曲にイメージが変わりました。ミュージックビデオによって曲のイメージがガラッと変わるんだなと思いました。本当に素敵な曲だなと改めて再確認できました」ということで。ありがとうございます。
そうなんです。先週も言いましたけど、リズムを感じていただければということで。僕の動きとか、たとえば楽器を弾いている姿とかを見て、こうリズムをより感じてもらえるといいなと。そして、明るいミュージックビデオにするとこの曲の僕のやりたかったことっていうのがより伝わるのではないかというお話をさせていただきましたけども。先週言ったんだけど、あれですよ。まあこの曲は「さあ、どうぞ。泣いてくださいっていう曲じゃないんです」っていうお話をしたんですけど。まあ、それは本当にそのままなんですけど。あの……別に泣いてもいいんですっていうことです。それを言うのを忘れていたと思って。
で、僕はなんとなくこの曲を聞いて思うのは、なんかすっげー楽しかったことがあった時に、なんかね、「うっ……」ってなる時が僕、あるんですよ。ライブツアーとかがあって、ライブが終わって打ち上げするじゃないですか。で、メンバーとかスタッフさんとかも含めて。その、食べたり飲んだりとかして話したりして。で、トイレに行って1人になってふと戻った時にめちゃくちゃみんなが楽しそうな瞬間を見た時に「うっ……」って泣きそうになる時があるんですよ。なんか、そんな感じの涙みたいなのを感じるんですね。そういう涙ってあるじゃない? なんか幸せな涙っていうか。なにか、がんばってホッとした時に泣けてくるとか。そういう涙もあるなと思って。僕がなんとなくこの曲に感じるイメージの「泣く」っていうことは、なんかそんなイメージかなと思ったりもしました。
でも、もちろん聞いてくれる人の中でいろんな聞こえ方があると思うので。なので「泣くな!」って言っているわけではございませんので。すいません。それを言うのを先週、忘れていた。さて、大分県の方。(メールを読む)「『Family Song』のミュージックビデオ解禁から毎日のように見ています。先週の『ミュージックステーション』でメイキングが放送されていました。ピンクのセットに使っていたペンキの量が100リットルと聞いて驚きました。時間がかかった分、素晴らしいミュージックビデオなんだと改めて感じることができました」という。そうなんですよね。すっごい手間暇かかっているんですよ。セットもね。いやー、本当に素晴らしい。服装もそうですけど。いや、本当に何度見ても飽きないんだよな。
(メールを読む)「『Family Song』のミュージックビデオを見ました。口紅、リップの色がマッチしていてきれいでした。女性の私から見てもうらやましかったです。また女装してください」だって。ありがとうございます。ねえ。リップ、きれいですよね。ピンク。あれ、メイクさんがリップもピンクにしてくれて。ねえ。で、リップってはがれるんだね。あれ、本当に大変だね。女の人って。リップをつけるのって。すごい思うんだけど。なにか物を飲むたびに全部はがれるんだね。あれ。まあ、物にもよるのかもしれないけど。テカテカするやつ。だからみんなストローとかで飲むんだね。女優さん。なんであんなにストローなんだろう?って思ったけど、すっごいはがれるんだね。あれ、びっくりしちゃった。
女性はたくさんリップを食べている
本当にあれ……女の人ってほとんどリップをいっぱい食べてるよね。だから。すっごい体の中に入れているでしょう? あれ。女の人。って、すごい思った。女装してみて。だから、なんか食べる時とか、唇をちょっとなめちゃったるする時あるじゃん? だから本当に体内にリップをいっぱい入れているんだなって。女性は。本当にそうやって思いました(笑)。ごめん、どうでもいいね。
最後。福岡県19才の方。(メールを読む)「先日公開された『Family Song』のミュージックビデオを見て思いました。ドラマーのカースケさんのセットがシンバルなしで、なんでだろう? と耳を傾けて聞いていると、どこにもシンバル入ってないじゃん! しかもスネアと同時にちょくちょくタンバリンが鳴っているということに気がつきました。気づきそうで案外気づかなかった音でした。でも源さんが音にこだわっているのが少しわかる部分でもあるなと思いました。なんて心地いいサウンド」ということで。ありがとうございます。
シンバルを入れない理由
そうなんです、そうなんです。気づいてもらえてうれしいですね。あと、ドラマーの人とかはきっと気づくと思うんですけど、今回はシンバルを入れてないんですよ。で、僕ずーっとやってみたかったの。シンバルを入れないということを。で、日本のいわゆるJ-POPとか歌謡曲も含め、生ドラムで演奏してノリがよい曲とか、バラードもほとんどだと思うんだけど、シンバルが入っていない曲ってほどんどないんですよ。「全くない」と言ってもいいぐらいなくて。打ち込みとかだとちょっと違ったりはするとは思うんですけど。「ドシャーン!」っていうやつね。シンバル。でも、外国のR&Bとかを聞くと入っていない曲も多くて。なんで日本ではそれができないんだろう?って思っていて。僕もドラムをやっていましたから、シンバルを叩いちゃうんですよ。
でも、そうじゃない曲をやってみたいとずーっと思っていて。で、でもそれを実現できる曲というのがないと、やっても意味が無いと思ったので。で、今回はそういう曲だなと思ったので、やってみようと思ってやってみました。なのでシンバルが1個も入っていなくて。で、なんでかな? と思うんですけど、やっぱりみんな小節の区切りとかAメロ・Bメロの区切りとか、ここからサビですよっていうのをやっぱりシンバルで表しているんですよね。で、それをずーっと聞いてきているし、ずーっとミュージシャンもやってきているから「やらなきゃいけないんじゃないか?」っていう強迫観念があるんだと思うんですよ。特に日本は。
で、それを取っ払って実際に録音してみたんですけど。最初のうちはめちゃくちゃ不安で。「これ、大丈夫かな? ちゃんと盛り上がっている?」みたいな。すごい不安になったんですけど、でもそれを感じさせないようにアレンジを工夫してやったら、すごくこの楽曲のソウル感みたいなものに結びついてくれて、これはすごく自分にとってかなり楽しい……「やったぜ!」みたいな達成感がある(笑)。すごくニッチかもしれないんだけど、すごく達成感のあるチャレンジでした。シンバルを入れないというのは。なので、気づいてもらえてうれしいですし、タンバリンがどこで入っているのか? というのもぜひ聞いてもらえるとより楽しいと思います。それでは、じっくり聞いてください。星野源で『Family Song』。
星野源『Family Song』
さあ、先ほど『Family Song』のお話を……「シンバルが入っていないんですよ」というお話をしたら、メールがたくさん来ました。ありがとう。北海道14才の方。(メールを読む)「よく聞いてみたらわかりました。シンバルがないですね。はじめてシンバルがない曲を聞きました。シンバルがなくても全然違和感がなくて、すごいです。タンバリンってこんなにインパクトが有るものなんですね。学校で少し使ったことがありますが、こんなにかっこよくタンバリンを使えるなんてすごいです。感動です!」ということで。ありがとう。14才からタンバリンとか、シンバルがある・なしで曲を聞くのはすごいいいと思うよ。「この曲は入っている」って……まあ、ほとんど入っているんだけど(笑)。日本の曲だと入ってない曲はなかなかないと思うんだよね。
21才の方。(メールを読む)「私はドラムをやっていますが、なにかとシンバルを鳴らしてしまいます。それにクラッシュ(シンバル)を鳴らさないと盛り上がるか不安になってしまうのが当たり前の世界です。でも『Family Song』は聞いていて違和感がなくて、シンバルにたよらなくても曲って成り立つんだなって改めて思いました。私もいつか、クラッシュを鳴らさずに叩いてみたいと思いました」ということで。ありがとう。ねえ。こういうの、意外と注目して聞くといろんな世界が広がると思います。
あとやっぱり、僕もだけどほとんどの人が音楽を聞いているつもりなんだけど、全部は聞けていないっていうのがやるよね。音楽って全部の音が鳴っているように聞こえているけど、自分でかならずどこかに注目して聞いているんだと思うんで。まあ、歌だったら歌で。あと楽器のなにかこの楽器が好きだったらその楽器にフォーカスしているんだと思うし。だから、いろいろと自分で耳がどこにフォーカスするかっていうのを変えて聞いてみるとより音楽は面白くなると思います。
で、続いて、僕がさっき「女の人ってみんなリップを食べているね」っていう話をしました。女装をして気づいた。すっごく食べちゃう。で、ずっと口紅の味がしていた。ミュージックビデオの撮影中。その話をしたら、メールが来ました。東京都の方。(メールを読む)「最近聞きましたが、女性は一生で口紅を3本分食べているそうです」。すごい! 3本も? 続いて、兵庫県18才の方。(メールを読む)「源さん、そうなんですよ。女性は一生で保湿用のリップも合わせて平均で5本ぐらいリップを食べているみたいです」。増えましたよ! 大変ですね。5本も? 結構ですよ。5本食べるって。
北海道の方。(メールを読む)「源さん、こんばんは。毎日口紅をつけている女性は計20本分の口紅を食べているらしいです」(笑)。20本も!? すっごい! すごい! 20本?! 誰が正解なのか、わかんないけど。もちろん、職業にもよるだろうけど。20本はすごいね! ちゃんと体に入っても大丈夫なものなんでしょうかね。いやー、すごい。大変だな。いやー、かっこいい(笑)。リップってね、いいよね。リップ、すごい怖い話でしたね(笑)。すごい怖かったですけども……。
<書き起こしおわり>
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