星野源『喜劇 feat. DJ Jazzy Jeff & Kaidi Tatham』制作を語る

星野源『喜劇 feat. DJ Jazzy Jeff & Kaidi Tatham』制作を語る 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2022年6月28日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で自身の楽曲『喜劇』のリミックス、『喜劇 feat. DJ Jazzy Jeff & Kaidi Tatham』制作についてトーク。ジャジー・ジェフとの制作経緯やリズムの裏拍問題などについて話していました。

(星野源)さあ、また先週から今週まで、いろんなことがありまして。私、先ほど流しました最新曲『喜劇』を……いやー、そうですね。今日、ここに入ってきた瞬間に大沢さんが「すごいですね! ジャジー・ジェフ、すごいですね!」って興奮して言ってくれましたけれども。DJジャジー・ジェフとカイディ・テイタムが作り上げたリミックス『喜劇 feat. DJ Jazzy Jeff & Kaidi Tatham』がリリースされました! 昨日の月曜日から配信されております。

さあ、メールが来ております。埼玉県の方。「星野さん! 『喜劇 feat. DJ Jazzy Jeff & Kaidi Tatham』、何度も聞いてます。最初に聞いた時、『拍子を裏表逆にするとこんな風に腰のあたりがふわふわするような浮遊感を感じるのか』ととても驚きましたし、楽しくてニヤニヤしてしまいました。『仕事明けに……』からの部分に天使のラッパ的な祝福感を感じるのですが、ここをこのように表現したのは歌詞の内容についてよく話し合った結果でしょうか? リミックスが単純に音楽の側面を重視したのか、歌詞の内容についてもディスカッションがあったのか、制作の道のりについて教えていただければ嬉しいです」という。ありがとうございます。

神戸市の方。「聞きました。最初に聞いた時は『耳と脳がついていかない』とびっくりしましたが、何度か聞くうちに揺れるような不思議な感覚がやみつきになり、リピートしまくりです。裏拍が表拍になるとあんなにも変わるんですね。語彙力のない素人の感想でごめんなさい。イヤホンで聞くといろんな音と、左右から交互に聞こえる音が心地よくて最高です。源さんには音楽の面白さ、楽しさをたくさん教えていただいてます。本当にいつもありがとうございます」という。ありがとうございます。

埼玉県の方。「『喜劇』リミックス、聞きました。耳慣れないリズムで『なんだ、これは?』となりながら、不思議と楽しくて鬼リピートが止まりません。寝る時も起きてからも出勤中も退勤中もずっと聞いてます。もっとたくさん聞いて、この面白く楽しいリズムを自分の体にどんどん染み込ませていこうと思います。源さんが世界というご近所さんと楽しく交流されている様。それを心から喜ばれてる様を見ると、つられて私も嬉しくなります。源さん、よかったですね。相変わらず心が沈みそうになる毎日ですが、源さんのおかげで笑顔を忘れないでいられます」。ありがとうございます。こちらこそ。そう言っていただけると嬉しいですね。

さあ、この話を軽くしたいなあとは思うんですけども。そうですね。まず、みんなに伝えたいなと思うのはこれ、オファーしたものじゃないんですよね。たとえば、こういうリミックスって割と形としてきっと多いだろうなと考えられる……いろいろと話を聞いたりとかで。僕、そもそもそのリミックスっていうのをこれまでに出したことが全然ないので。話として聞くのは、海外の人にリミックスされるとか、してもらうとか、そういうのって日本から海外に対してオファーをして。「この金額でリミックスしてくれませんか」みたいな。それでやる、やらないみたいな決まって返ってきて、音源が送られてくるみたいな。なんかそういう形がおそらく多いようです。

なんですけど、今回はそうじゃないですよね。これの発表があって、ジェフと同じ写真を撮ってるのを見て察した方もいらっしゃると思うんですけど。僕、この間ちょっと地方に行ってまして(笑)。そうなんですよ。ちょっと前なんですけど、地方に行ってまして。それがフィラデルフィアっていうところだったんですけど。そうですね。それもだからそのリミックスをやってもらうために行ったんじゃなくて、遊びに行ったんですよね。

で、遊びに行って、そこでジェフと話して。すごい、本当に素敵な人なんですよね。もうレジェンドなんです。めちゃくちゃレジェンドなんです。ヒップホップもそうだし、R&B、ネオソウルを含め、いろんな時代を作り続けている人で。今でも……レジェンドなんだけど今でも、素晴らしい仕事を続けている。あと音楽の、なんだろうな? もちろんビジネスみたいなところもきっとあるのかもしれないけど。あまりそれを感じないというか。本当にもうずっと音楽の話をしてるし、ずっと音楽のソフトをいじってるし、みたいな人なんですよ。

で、めっちゃ素敵な人で大好きで。それでジェフと話してるうちに盛り上がって、「お前の音楽はクレイジーだ。お前の音楽はヤバい」っていう風に言ってくれて。気に入ってくれて。それで、気がついたらリミックスができていたんですよ(笑)。だからそういうのって、なんか噂で聞いたことがあるんだけど。そういう風に「いつの間にか、できてました」みたいな話ってたまに、その海外の話で聞くんだけど。そういうことって、本当にあるのかな?って思っていたんだけど、本当にあります(笑)。話して、楽しくて、盛り上がって。「すごくいいね! これ、いいよね」って。「お前のこれ、いいね。源のこれ、いいね」っていう話をしてたら、できてましたっていう(笑)。なんか、そういうことなんです。

話をしていたら、いつの間にかできていた

(星野源)だから、ビジネスでは全然ないんですよね。なので、本当に自分の音楽人生でいろんなすごく素敵なこと山ほどあって。忘れられない瞬間がいろいろあるんですけど。これも本当に忘れられないなと思います。うん。これが出来上がっていく様もそうだし、出来上がった瞬間もそうだし。そうですね。うん。

で、そうそう。あのですね、結構メールでいただいてるのが、その裏……裏拍。「拍が裏から表に変わるとか、表が裏に変わる。それがすごい面白いですね」って書いてくれてる人がいるんですけど、それは違うんすよ。あの裏拍とか表拍じゃないんですよね、これは。で、どう説明したらわかりやすいかなと思うので、いわゆる裏拍の説明をたぶんした方がいいと思うんですけど。この曲って、ちょっとサビを流して。元曲の。

(星野源)「1、2、3、4……」って、これが1小節なんですよ。「1、2、3、4、1拍、2拍、3拍、4拍……」って。で、裏拍っていうのは今の「1、2、3、4……」の裏なんですよ。なんで「「1(パン)、2(パン)、3(パン)、4(パン)……」って。この指が鳴っている、スナップが鳴っているのが裏拍なんです。なんで「いちぃー、にぃー、さんー、しぃー」って。この「ぃ」みたいなのが裏拍になるんですよ。

で、このリミックスはなにが違うのかというと、僕のこの曲はAメロもそうだしサビもそうなんですけど。「争いあって」という歌詞から始まるんですけど。「争いあ(パン)って」のここが頭なんですよ。「争いあ(パン)って」なんですよ。で、前から数えてると、「争いあって」の最初の(「争い」の)「あ」は「1拍前」なんですよ。なので、これは裏拍にずれてるんじゃないんですよ。ね。この1拍を裏としてしまうとものすごく変なことになってしまうので。なんていうのかな? 僕の曲っていうのは、僕は裏拍が自分で感じるように作るのが一番気持ちよくて自然なんです。

なので、でも裏拍に音が入ってるかどうかじゃなくて、裏拍に自分でアクセントを置きたくなるかどうかなんですよね。なのでこの曲ではハイハットの「チッチッチッチ……」ってのが入ってるのが裏拍なんですけど。

(星野源)これが裏拍です。これが気持ちいいので僕は裏拍にアクセントを……でも「アクセント」って言っても音が鳴るんじゃないっていうことですね。それと日本語の気持ちいい部分っていうのをすり合わせて作っているっていう感じですね。なので「裏拍を表とひっくり返してる」って言ってるのは間違いです。

なので「1拍丸々ずれている」っていう。だから1拍早く……なんいうのかな? 1拍食って、そのサビだったりAメロなりの歌始まりがあるっていうところで。だから小節で言うと前の小節の3拍目から歌が入るっていう。そこを次の小節の頭にしちゃったっていうことなんですね。1拍、丸々ずらしたっていうことなんです。

で、それはサビもそうで。だからそれはなんていうか、裏表をひっくり返しそうではなくて、食ってる歌の頭を頭にしてリミックスを作っていったってことですね。それで、普通そういうことをすると、曲として成立するのって難しいのかもしれないんだけど。このリミックスはもう見事なほどに面白くて素晴らしいグルーヴなんですよ。なんかそれがいわゆる本当に再構築っていう感じがすごくして。なんか感動したんですよね。

1拍丸々ずれている

(星野源)で、聞いた時にもう本当に興奮してしまって。「いやーっ!」みたいな。聞いた時っていうか、もう完成した時に「いやーっ! 最高だよーっ!」みたいな。なんかそういうやり取りがあったのは非常に楽しかったですね。なので、なんだろうな? またそれぞれの良さがきっとあって。なんか僕は今、ちょっとどっちを聞くのも楽しい状態ですね。

また元曲を聞くと、1回客観的になれて。自分の曲なんで、客観的になった状態で聞けて面白いし。で、ジェフのリミックスを聞いた時に、僕もそのミックスは参加してるんですけど。なんだろう? やっぱり、また生まれ変わって違う形……全然違う景色が見えるっていう感じですかね。なので、めっちゃ面白いんですよね。「音楽って面白いな」って思ったのと、「音楽好きでよかったな」っていうのと、あと「音楽好きな人と会えて嬉しいな」っていう感じですね。

なので、ぜひデカい音で……あ、そうそう。あともう1個。ええとね、これは1回も繰り返しがないんですよ。Aメロ2回出てくるし、Bメロも2回出てきて、サビも何回も出てくるんだけど、必ず変化があるので。同じことを繰り返してないんですよ。2回目のAも違うし、サビも全部違うんです。ちょっとずつ違って。最後に、なんだろう? 旅をしてるような。ずっと何かに進んでいって、最後にワーッとさらに開けて。で、あと最後のね、フルートでいいと思うんですけど。すごいちっちゃく「フー……」って入るんですよ。それが「行かないで!」っていう気持ちになるっていう風にジェフが言っていて。本当にそうだなって思ったんだけど。

なので、そういうところまでぜひ大きい音で聞いていただきたいと思います。星野源で『喜劇 feat. DJ Jazzy Jeff & Kaidi Tatham』。

星野源『喜劇 feat. DJ Jazzy Jeff & Kaidi Tatham』

(星野源)お送りしたのは星野源で『喜劇 feat. DJ Jazzy Jeff & Kaidi Tatham』でした。いやー、いいですね。何度聞いてもいい。これを聞きながらニューヨークのすごい青空の下を歩いたんですけど。本当に最高で。この間、原宿をこれ聞きながら歩いたんですけど、それもマジで最高でした。ぜひ、外で歩きながら聞いてください。

<書き起こしおわり>

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