安住紳一郎さんがTBSラジオ『日曜天国』の中で一泊四日の超ハードな旅程でオランダ出張した際の模様について話していました。
(安住紳一郎)先週、私オランダに行ってまいりまして。
(中澤有美子)あの、オランダに?
(安住紳一郎)そうです。ヨーロッパのオランダに行ってきたんです。オランダ村じゃありませんよ。オランダに行ってきましてね。先週のちょうどこのラジオの放送終わりですぐに出まして、ヨーロッパのオランダに行ってまいりました。
(中澤有美子)珍しい!
(安住紳一郎)一泊四日っていう旅程でした。そんな旅程、聞いたことあります?
(中澤有美子)ええっ、どういうことだろう?(笑)。
(安住紳一郎)一泊四日ですって。私もびっくりしてしまいました。なかなかね、プライベートでは行かないので。仕事で連れて行ってもらえるならうれしいなっていうようなところがありましてね。「たまにはこういう、ちょっとうらやましいなと思うような仕事も俺に回ってきたぞ! しめしめ!」と思って飛びついたんですけどね……「一泊四日でお願いします」「いっ、一泊四日ってどういうことですか?」って。
(中澤有美子)ちょっと待ってよ(笑)。
一泊四日の旅程
(安住紳一郎)日曜日の夕方に飛行機に乗ったんです。そしたら、ヨーロッパって遠いですもんね。アメリカの東海岸とかヨーロッパって遠いですよね。飛行機で13時間かかるのかな? 着くと、向こうの早朝なんですよ。それで、乗り換えをしまして。またそこから2時間ぐらい飛行機に乗ったんですけども。そして着きますと、朝の7時ぐらいなんですね。で、ホテルに入りまして、すこしシャワーを浴びたり、荷物をほどいたりして。ちょっと食事なんかをいただいて、向こうで仕事を始めたんです。午前中ぐらいから。そして、まあ1日働きました。また向こうが日が長くて。午後10時ぐらいまで明るいんですよ。
(中澤有美子)へー。
(安住紳一郎)で、なんだか日は暮れないし、眠いし、何なんだ? みたいな感じだったんですが、「午後10時ぐらいまで日が暮れないんですよ」なんて言って。「へー!」なんて思って。まあ夜の7時ぐらいに仕事が終わって。「ご苦労様でした」なんて言って、ヨーロッパのビールかなんかをいただいて。ゴキゲンで。ホテルに帰って、疲れもあったんでぐっすりと眠って、次の日の朝に起きて、飛行場に向かって、そこから飛行機に乗ってまた13時間ぐらいかけてブーン! と東の方に向かってきまして、成田空港に水曜日の朝7時ぐらいに着いて。日、月、火、水ですもんね。4日間ですもんね。それで、「あれ? 俺、1日しか寝ていないな?」みたいな。まあ、飛行機の中で寝ていますのでね。なんで、まあ一泊四日ということで。飛行機の中で行きで1回、帰りで1回。よーく寝ましたねということで、一応。
(中澤有美子)それでいいでしょうと(笑)。
(安住紳一郎)一応、そうでしょうね。「これでいいでしょ?」ってことになっているのかなと思って。私的には納得という。「そうか、そうか。あれを一晩分寝なきゃダメだったんだ」なんて思いながらね。
(中澤有美子)そうなんですね。映画とか見ちゃったりして(笑)。
(安住紳一郎)「よかった」なんて思って。オランダ、いやー、みなさん行かれたこと、あります? なかなか行くチャンス、ないですもんね。なんか、よかったです。
(中澤有美子)よかったですか?
(安住紳一郎)本当によかったです。
(中澤有美子)そんな旅程でも、やっぱりよかったですか。
(安住紳一郎)そんな旅程だからこそ、貪るようにいろいろと見たりしてね(笑)。もう、恐ろしい感じ。寝ずの観光みたいな。
(中澤有美子)フフフ(笑)。
(安住紳一郎)「明日、早いですから。そろそろ……」「いいや、見る!」なんて言って。
(中澤有美子)へー!(笑)。
(安住紳一郎)そうですね。オランダ。ザ・ヨーロッパっていう感じですね。
(中澤有美子)そうですか。
(安住紳一郎)全盛期は17世紀ぐらいですか? もう地球上の利益をイギリス、スペイン、オランダで独り占めしていたみたいな時代がありますからね。首都アムステルダムは世界でもっとも裕福な街などと言われましてね。「植民地から相当搾取したんだな!」なんてアジア人の1人としては、「この!」っていう気持ちがありながらもね。
(中澤有美子)ありながらも(笑)。
(安住紳一郎)「相当搾取したなっ! くぁーっ! 絶対にこの国土でこんなこと、できないもんね。相当アジアから搾取しましたね? はぁー! 見せてください。見せてください!」。
(中澤有美子)ああ、それを? その吸い上げたものを?(笑)。
(安住紳一郎)「吸い上げたものを、見せてください!」。結局ね(笑)。結局、「見せてください!」って。
(中澤有美子)「よーく見せてください!」(笑)。
搾取したもの、見せてください!
(安住紳一郎)「そのレンブラントの絵を、見せてください!……ひどい。もう、本当にひどい! ヨーロッパ至上主義、ひどい! 『大航海時代』なんてヨーロッパ側から見た言い訳ですからね! 見せてください! 見せてください!」って(笑)。
(中澤有美子)アハハ!(笑)。「とくと、見せてください」(笑)。
(安住紳一郎)(裏返った声で)「ちょっと、それも見せて。それも見せて!」みたいな(笑)。
(中澤有美子)声が裏返って(笑)。
(安住紳一郎)声が裏返って。「素晴らしいですね。……ひどい!」みたいな。二面性ね。一応、そう。アジア人としてのプライドがあるからね。やっぱりね。「このインドネシアの人たちのさ、汗と涙の結晶でしょう? 見せてください。触らせてください。触っていいんですか?」みたいな。「Can I try? いいんですか? へー、ひどい!」。その繰り返し。
(中澤有美子)そうですね(笑)。いやいや、そうかそうか(笑)。
(安住紳一郎)対日感情が少し悪いんですよ。なぜかというと、オランダの植民地インドネシアを今度は日本が攻めて、そのオランダの支配から開放したきっかけを作ったということで。対日感情悪し。
(中澤有美子)わあ!
(安住紳一郎)さらにザ・ヨーロッパということで、若干の有色人種に対する差別感、強しっていうところ、ありますね。うーん。
(中澤有美子)ええっ、いまだに対日感情がちょっと悪いんですか?
(安住紳一郎)年配の人だけみたいですけどもね。オランダ。平均身長184センチ。ええっ?って感じですよね。
(中澤有美子)平均がですか?
(安住紳一郎)平均がですよ。なので、190センチ超えの人がゴロゴロいるっていう。はー! 空港で私たちを迎えてくださった現地のガイドの方が196センチって言いましたかね? びっくりしました。足がスラーっとしてね。腰が上っていう感じで。ええ。汚い字で「安住さん」って書いた紙、持っていましたけども(笑)。190……本当、『美女と野獣』の野獣が来たっていう感じで。
(中澤有美子)おお、そうですか。
(安住紳一郎)ズコズコズコズコ!って来て、一瞬何されるんだ?って思ったら、「アズミサン」って。びっくりしました。196センチですって。へー!って思って。
(中澤有美子)ちょっと見たことがないサイズですよね。
(安住紳一郎)そうですよね。
(中澤有美子)それが普通にいるんですもんね。
(安住紳一郎)で、はっきり名前が聞き取れなかったんで。「パーロです」っていうから、「ああ、パウロさんですか」なんて言ったら、「パウロじゃありません。タロウです」「えっ? なんですか、名前は?」「ヒロセタロウです」「ええっ? 随分日本っぽい名前ですね」って言ったら、なんかお母さんが日本人だっていうことみたいですね。ヒロセタロウさんに案内してもらいました。
(中澤有美子)あらー。へー。
(安住紳一郎)身長が高いんで、男性用トイレの便器がことごとく高いんですよ。屈辱!
(中澤有美子)アハハ!(笑)。
超高い男性用トイレの便器
(安住紳一郎)空港とかレストランなどは外国人も使うことを想定してあるので、そこまで強烈なのはないんだけども、やっぱり高い。でも、やっぱり地元の人しか行かないような、街のはずれの地元のおじさんがニシンをおつまみにして立ち飲みしているようなパブに連れて行ってもらったんですけども。トイレを見るためだけにね。
(中澤有美子)ええっ?(笑)。
(安住紳一郎)「絶対に地元の人しか使わないトイレは高いだろうな」と思って。街のはずれのパブに連れて行ってもらったら、本当に便器が高くて。私、身長が173センチで足はさほど長くはないんですが。短い方なんですが。とは言え、小便器に届かなかったことはさすがに一度もありませんよ。
(中澤有美子)ええ、ええ。
(安住紳一郎)でも、そのアムステルダム郊外のパブの男性用小便器、私もかろうじて。乗るか乗らないかぐらいの。本当、大げさじゃなくて。これは本当!
(中澤有美子)ええっ?(笑)。
(安住紳一郎)もう上に打ち上げるしかないみたいな。ICBMみたいな感じで、もう。
(中澤有美子)ちょっと……こら!(笑)。
(安住紳一郎)「最後まで強めに!」みたいな感じじゃないと。意識してなんとか無事終了っていう感じで。本当にびっくりした。「こんなことがあるのか!」と思って。
(中澤有美子)ああ、そうですか(笑)。へー!
(安住紳一郎)「つま先立ちして、どこか攣ってはなるまい……」みたいなことがあるから。なんか、ねえ。つま先立ちしてうっかりつま先立ちをやめちゃった場合なんかはもう、大変なことになるでしょう? だから、なんとかもう、かかともつけながら。どうしたらいいかな? なるべく足は開かずに……みたいな。小便小僧みたいな感じの打ち上げスタイルになっちゃって。「そーれ!」みたいな(笑)。「アジア人、屈辱だぜ!」みたいな。
(中澤有美子)好んで行ったくせに(笑)。
(安住紳一郎)そう(笑)。好んで行ったんだけどね。これを私の中のアジア人自虐史観って読んでいるんだけども。
(中澤有美子)そうですね(笑)。
(安住紳一郎)常にね。「おう、植民地から何を持っていったんだよ?」とか言いながらね、「見せてください」ってなるし。「ずいぶん小便器、高いな! アジア人を馬鹿にしているのか!」って言いながら、「地元の人だけが行くパブで高い小便器を見せてください。ほぉー、高いな!」なんて言いながら。すっごいの。本当、びっくり。
(中澤有美子)そうですか。
(安住紳一郎)で、手を洗う時の洗面台は意外に低くて。小便器の方が高くて、洗面台は低いの。「こっちでしてやろうかいな!」っていう話ですよ!
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)驚いちゃった。
(中澤有美子)本当に?(笑)。
(安住紳一郎)本当に。これね、私の話は大げさだっていうこと、多いですけどね、これだけは本当。びっくり。
(中澤有美子)「信じて」(笑)。
(安住紳一郎)ねえ。平均身長男性が184センチ、女性が173センチですって。平均がですよ。「ふーん、こういう国もあるんだな」と思って。
(中澤有美子)そうですねー。
(安住紳一郎)でもやっぱり、世界中から搾取した国だねえ。
(中澤有美子)改めて?(笑)。
(安住紳一郎)街並みが素晴らしかった。なんですか? ネオゴシック形式っていうのかな? ネオ・ルネッサンス形式っていうのかな? 165本の運河と1200本の橋で。ふーん。もうレンガ造りのね、いわゆる東京駅。レンガ造りの。
(中澤有美子)ああ、丸の内側のね。
(安住紳一郎)丸の内側の。あの東京駅のような形式のものが街中に全部つながっていますね。東京駅を設計された辰野金吾先生もそのアムステルダム市の中央駅のイメージで東京駅をお作りになったという話もちらほらと聞きましたので、そういうような感じですね。
アムステルダム中央駅
(中澤有美子)へー!
(安住紳一郎)一度ね、行かれてみてはいかがかなと思いますが。
(中澤有美子)本当ですねー。
(安住紳一郎)あとはね、絵画がたくさんありましてね。ゴッホ、レンブラント、フェルメールですか。すんごいのがいっぱいあるのね。「はーっ!」って思って。あの、ゴッホの自画像で有名ですよね。ちょっとハンカチを広げたぐらいの大きさの小さめの絵で。なんとなく麦わら帽子をかぶっているような感じのゴッホの自画像かな? 博物館にかかっていましたけどね。もうオランダの高校生、素通りですもんね。「あっ! それ、素通りするの?」みたいな。「それは……俺でも知っている絵なのに素通りするんだ! へー!」みたいな。なんか、オランダの地元の人はゴッホよりもレンブラント。昔の貴族の絵の方が人気だっていうことで。
(中澤有美子)ふーん。
(安住紳一郎)そんなね、ゴッホみたいな苦労人の絵は、うん。「しみったれとるわい!」みたいな感じなのかな? わかんないけど。まあちょっと、ゴッホ自体があんまりオランダを代表する、ザ・オランダっていう感じの画家じゃないからかもしれないですけども。
(中澤有美子)そうかそうか。
(安住紳一郎)「へー! ところ変われば全然違うな」と思って。スーッてみんな素通りしちゃって。
(中澤有美子)そうなんですね。
(安住紳一郎)日本だとね、展覧会があるともう、大行列で大人気ですけどね。
(中澤有美子)そうですよね。南仏でもゴッホ、崇められていたですけどね。
(安住紳一郎)そうですよね。だからやっぱり国の趣味っていうのがあるんですかね。あとは、あんまりこういう話は放送でしない方がいいのかもしれませんが。ラジオなので、しましょうね。一部だけ切り取られると、ちょっとあんまりよくないですけども。一部だけ切り取らないという約束のもとでお話しますけども。
(中澤有美子)ええ、ええ。
(安住紳一郎)オランダはソフトドラッグが使用が可能というような。大麻、使っていいみたいなイメージ、ありますよね。
(中澤有美子)あります。
(安住紳一郎)国内に「コーヒーショップ」って呼ばれているんですけども。コーヒーショップというところがその大麻を吸わせてくれるカフェみたいになっているんですけどもね。オランダ国内にいま650店舗ぐらいあるらしいです。
(中澤有美子)おおーっ。
(安住紳一郎)ちょっとしたね、立派なチェーン店ですよね。650店ぐらいあるらしいですよ
(中澤有美子)コーヒーも飲めるの?
(安住紳一郎)コーヒーを飲みたい人は、コーヒースタンドかな? ちょっと間違いがちなんですって。「コーヒーショップ」って書いてあるところに行っちゃうと、大麻をごちそうになれるっていうことで。本当にコーヒーを飲みたい人はコーヒースタンドかな? 別のコーヒーの方に行ってくれっていう感じみたいですね。
(中澤有美子)そうですか。へー。
(安住紳一郎)ただ、誤解されがちなんですけども、「大麻が合法」ということじゃなくて。「大麻の使用が認められている」という風によく日本人は勘違いしがちですけども。1日に5グラムまでだったかな? 「自分1人で吸引する量くらいなら、起訴を猶予するよ」ということのようですね。
(中澤有美子)ふーん!
(安住紳一郎)なので、違法は違法らしいです。本当に合法の場所は世界中を探すといくつかあるみたいですけども。オランダの麻薬政策は「麻薬を全面的に禁止するというのは不可能だ」という現実的な見地から、「少量のソフトドラッグの使用を許容することで、ハードドラッグや組織的な麻薬犯罪の撲滅に集中する」という考え方のようですね。
(中澤有美子)なるほど! 必要悪というか?
(安住紳一郎)必要悪っていうか、もっとエグい薬剤の方に行かれるよりは、妥協策というか。「これは認めているんで、みなさん、このへんだけでお願いします」みたいなことのようですけどね。
(中澤有美子)へー!
(安住紳一郎)なので、いわゆるハードドラッグに対する取り締まりは大変厳しい。しかも、コーヒーショップなどは届け出制ということになっているんで、要するに「監視当局の目の見えるところでソフトドラッグをやるんだったら、やりなさい。ギリギリ猶予します」みたいなことのようですね。
(中澤有美子)ふーん! ハードとソフトの違いもわかんないですけどね。私たちにとっては。
(安住紳一郎)その、だから大麻とかマジックマッシュルーム的なものがソフトドラッグで。覚醒剤とかコカインみたいなものがハードドラッグって言うんじゃないですか? 日曜日の午前中から大丈夫ですか? こんな話で。
(中澤有美子)すごいですね。へー。
(安住紳一郎)ほら。「安住紳一郎 大麻を語る」みたいなことになるでしょう?
(中澤有美子)でしょうね(笑)。
(安住紳一郎)お願いしますね。オランダ見聞録ですからね。でもやっぱり、国民の1/3ぐらいは大麻を使用しているような? そんなような……まあ、正しくはデータ取っていないらしいですけども。
(中澤有美子)わー。ほう! 結構ですねー。
(安住紳一郎)はい。あとは、普通に大麻キャンディーとか大麻ミントタブレットみたいなものが売っていましたね。
(中澤有美子)へー!
(安住紳一郎)カルチャーショックですよね。へー!って思いましたけどね。あとは、日本と同じように暑くなってくると人気なのがアイスクリームですね。大麻エキス入りアイスクリームっていうのが2ユーロぐらいで売っていましたね。300円ぐらいで。
(中澤有美子)えっ、それはいわゆるコーヒーショップというところに?
(安住紳一郎)それはね、お土産屋とかの店先で日本のアイスみたいにショーケースに入って。ガラスのドアをガラガラッて開けると、中に入っているの。
(中澤有美子)普通に選べるの?
(安住紳一郎)普通に選べる。エクレアみたいな、普通のアイスケーキみたいなのがプラスチックの袋に入っていて。
(中澤有美子)垣根、低いですねー。
(安住紳一郎)そうね。「ふーん!」って思って。ちょっとやっぱり、興味ありますよね?
(中澤有美子)ありますね。
(安住紳一郎)で、袋から取り出してすぐに食べる人が多いみたいで。アイスの袋がそのアイスほショーケースの上にちょっと捨ててあるのね。で、私はそんなのを食べる勇気がないから、そのアイスの袋を見せてもらおうと思って、そのショーケースの上のアイスの袋を1枚とって、「へー!」なんて。袋を眺めたりしてね。「英語で『Cannabis』っていうんだ」って。オランダ語では「Hennep」って書いてあったかな? で、緑をモチーフにした、笹の葉アイスみたいなパッケージになっていてね。
(中澤有美子)おおーっ!
(安住紳一郎)で、「へー」なんて思って、いろいろ見たりして。で、日本から一緒に行った同僚に見せてあげようと思って、ズボンの左ポケットに畳んで突っ込んで。縦折りにして、横折りにして突っ込んで。で、ホテルに戻ってみんなに得意げになって。「こんなの、見つけました!」なんて。で、見せて喜んでいたんです。
(中澤有美子)はい。
(安住紳一郎)で、それはそのホテルで捨てたんですけどね。で、帰りですよね。次の日の朝に起きて、そしてアムステルダムから空路12時間。成田空港に着くんですけども。荷物がベルトコンベアーでグルグルと回るところ、ありますよね? そこに麻薬探知犬、たまに見ますか?
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)たまーに見ますよね。毎回は見ないですよね。「あっ、麻薬探知犬、活躍している!」みたいな。
(中澤有美子)「やっぱりいるんだー」みたいなね(笑)。
(安住紳一郎)「へー。本当にスーツケースの上をあんな風に飛び越えるんだー」なんて。毎回は見ないですよね?
(中澤有美子)私も1回、遠くで見ただけです。
(安住紳一郎)日本の優秀な税関のみなさん、アムステルダムから来た飛行機はかなり警戒を厳にして臨んでいますね!
(中澤有美子)ああ、そうなんですか。
(安住紳一郎)アムステルダムから着いた荷物、麻薬犬が来る来る。8頭ぐらい来るからね!
(中澤有美子)ええーっ!
(安住紳一郎)ドッグショーのように、次から次へと。奥の扉から来てさ。
(中澤有美子)いい犬が(笑)。
(安住紳一郎)いい犬がさ。シェパードなのかなんなのか。来る来る。「そんないるんだ、成田空港に!」っていうぐらいなもんで。わんさわんさと。「ムツゴロウ王国か!?」みたいな感じでウワーッて来ちゃって。一回り、二回り、3回、4回ずっと回っているわけ。
(中澤有美子)おおーっ!
(安住紳一郎)みんな俺の左ポケットが気になるみたいで(笑)。
(中澤有美子)やっぱり?(笑)。えっ、本当に?(笑)。
(安住紳一郎)気まずい、気まずい。
(中澤有美子)ええーっ! そんな感じ、するんだ。そんなちょっとでも。
(安住紳一郎)匂いを嗅ぎに来るけども……「ん? あっ、違います!」みたいな。「違います! ああっ、違う!」みたいな。みんな。申し訳ない。
(中澤有美子)面白い(笑)。
(安住紳一郎)面白くはないけども、やっぱり優秀だね。ちょっと気になってフッと見て、俺の方にちょっと寄るんだけど……「あっ、違う!」みたいな。
(中澤有美子)すごい!
(安住紳一郎)すごい! 「エキスの匂いだけ。ない! ブツは、ない!」みたいな。
(中澤有美子)すごーい!
(安住紳一郎)すごいよね。いや、そんなに付いてないと思うんだけど。きっと、疑っているわけじゃなくて、人間がいて。で、なんか匂いのするところにちょっと反応して、いなくなるんだろうけど。「へー!」なんて思って。でも、そのうちなんか、犬たちが職務に対してあまりにも忠実で。なんか惑わすようなことをして申し訳ないなという気持ちになって。いちいち犬が来るたびに会釈しちゃったりして(笑)。
(中澤有美子)「ご苦労様です!」って(笑)。
(安住紳一郎)「ご苦労様です! お勤め、ご苦労様でございます! 悪いことはしておりません」って(笑)。
(中澤有美子)「お疲れ様です」って(笑)。会釈(笑)。
お勤めご苦労様です!
(安住紳一郎)「小さい人間でございますから。悪事を働く根性なんてございやせん」って(笑)。「本当に申し訳ございません。ちょっとエキス的な匂いがついているかもしれないですけど、全然。全然でございます。本当に。ご苦労さんでございまーす! 本当にご苦労様でございます」って。優秀だねえ。かっこよかったわー。堂々としてね。
(中澤有美子)へー!
(安住紳一郎)パッカパッカパッカパッカ。かっこいいねー。
(中澤有美子)へー!
(安住紳一郎)アムステルダム、行ってまいりました。建物がやっぱり素晴らしかったですね。うーん。飛行機の時間、長くてね。
(中澤有美子)そうですねー。
(安住紳一郎)そうです。夏休み、旅行を考えている方。ちょっとね、料金もかかりますし。時間もかかりますけども。ぜひ。フランスもいいです。イタリアもいいと思います。オランダもいいんじゃないかなと思います。真っ平らなんでね、自転車に乗っている人がたくさんいましたね。
(中澤有美子)ええ、ええ。
(安住紳一郎)で、ものすごい漕ぐのが早いんですよね。やっぱりね。なんとなく、オランダとかスピードスケートと自転車が強い感じ、やっぱりわかりましたね。ごっついごっつい。びっくり。「チーズ1かけらちょうだい」って言ったらもうほとんど、4人家族分ぐらいくれちゃったりして。「こんな食べないよ!」って。
(中澤有美子)ねえ。びっくりしちゃう。小人の国から行って。
(安住紳一郎)本当ですね。
<書き起こしおわり>