入江悠さんと駒木根隆介さんがTBSラジオ『タマフル』にゲスト出演。宇多丸さんとテレビドラマシリーズ『SR サイタマノラッパー~マイクの細道~』について話していました。
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— 【公式】ドラマ「SRサイタマノラッパー」 (@tvtokyo_sr) 2017年3月29日
(宇多丸)はい。ということで入れ替わるように、ちょっとこの番組に縁のゲストをお招きしたいと思います。はい。2009年3月21日に、現在はムービーウォッチメンという名前になっておりますが。当時、シネマハスラーという名前でやっておりました。いまでもやっている映画時評コーナーで扱わせていただいた映画『SR サイタマノラッパー』。2009年度、私、シネマハスラーランキングベスト1位に選ばせていただきました。そちらの監督・脚本を手掛けた入江悠監督と、主演のMC IKKUこと名優・駒木根隆介さんです。いらっしゃいませー!
(入江悠)お邪魔します。
(駒木根隆介)どうも、お邪魔します。
(宇多丸)はい。というよりね、昨晩お世話になったばかりということで。まあ、どういうことか?っていうと、『サイタマノラッパー』シリーズは3作、映画が作られておりますけども。いま現在ね、昨日。まさに第1回放送で。テレビ東京で深夜0時52分から30分のドラマシリーズ『SR サイタマノラッパー~マイクの細道~』として、まさかの復活というか。テレビドラマシリーズで。
(入江悠)そうですね。僕らも撮影が1作目は2007年だったんで。
テレビドラマシリーズでまさかの復活
(宇多丸)ちょうど10年という。で、10年たって、ある意味……昨日、橋本吉史もですね、実はその『マイクの細道』のクライマックスシーンの撮影がクラブチッタ川崎であって。で、それが本当にリアルなライブイベントとして開かれて。それの撮りをですね、恥ずかしながらですね、私がですね……。
(入江・駒木根)(笑)
(宇多丸)みなさんね、これね、ラジオのしょうがないところもあるんだけど。宇多丸、ラップもできる映画評論家だなんてね、面白おかしく言われる面もわかるけど……いや、お前、RHYMESTERのライブを見たことあんのか、ボケ! 殺すぞ、ボケ!っていうね。声を裏返らせて……その、トリを務めさせていただいて、というイベントを経てということですね。ここに来たということでございます。なので、橋本さんが言っていたのは、昨日見に来ていて。「やっぱり『サイタマノラッパー』チームとはこの10年を並走してきた感がちょっとあるじゃない?っていう感じがあって。勝手ながら仲間意識というか、戦友意識というか。が、ちょっとあるな」なんてことをね。
(入江悠)はい。
(宇多丸)しかもこの番組はだって入江さん。『タマフルTHE MOVIE~暗黒街の黒い霧』というね、この番組に残る黒歴史をですね……(笑)。
(入江悠)(笑)
(駒木根隆介)いやいやいや、素晴らしい演技を見せてくれているじゃないですか(笑)。
(宇多丸)(笑)。昨日のラッパーとしてのかわいがりに対抗するかのように、演技かわいがりが駒木根さんからいただいて。まあその素晴らしい作品も作っていただいたり南下してということで今日、来ていただいたんですけども。まず、撮影を昨日……イベント自体は23時過ぎぐらいですかね? 結構押しちゃってね。
(入江悠)そうですね。はい。
(宇多丸)それぞれ昨日、出演者が全員、なんかものすごい気合い入ったアクトで。KEN THE 390、HI-KING TAKASE、P.O.Pも出ましたし、Creepy Nuts、ぼくのりりっくのぼうよみ、SHO-GUNGも当然出て。あと、鎮座DOPENESSがすごかったなー。鎮座のライブ、やられちゃって。すごい感動しちゃって。で、トリがRHYMESTER。全員めちゃめちゃ、それぞれのやり方で殺しにかかっているっていうのがね。全員殺しにかかっているすごいライブで。CreepyなんかもKEN THEのライブを見ていて「ヤバい!」って急遽、曲目を変えたり。
(駒木根隆介)へー!
(宇多丸)SHO-GUNGもでも、よかったですよ。
(駒木根隆介)本当ですか? 僕ら、でもあまりに必死だったんで他のアーティストの方とかほとんど見れなかったんですよ。
(宇多丸)その後も……ライブシーンを撮った後も、あれはやっぱり寄りの画を撮ったりするようにって。何度も何度も、また同じくだりをやっていたよね。またね。
(駒木根隆介)僕、右膝が途中からすげー痛くなっちゃって(笑)。
(宇多丸)だよね。いや、もう普通に後ろでも「これ、キツいぜ?」って。やっぱり入江悠さん、映画を撮る時は鬼なんだなって。
(入江悠)いやいや、結構チッタさんを全部使って撮影をさせてもらったんで。今朝4時ぐらいに終わりました。全部。
(宇多丸)お疲れ様でございます。まあでも、クラブチッタはまさに数々のヒップホップイベント、実際に本当に伝説的なイベントも開かれてきたところでもあるし。あと、僕らが89年に最初にライブの舞台、ステージに立ったのも実はクラブチッタ。しかも、ガラガラのね。みんな最後に、「おい、ステージに上がってこいよ! フリースタイルに上がってこいよ!」って言ったら、さっきまでそこそこいたように見えた客席から誰もいなくなった。全員出演者でしかなかったっていうね。
(入江悠)(笑)
(宇多丸)なのでSHO-GUNGの気持ちはよくわかるんですね。でも、そういう意味ではあんな満杯のところでやれて。
(駒木根隆介)いや、本当ですよ。
(宇多丸)しかも『サイタマノラッパー』ファン、結構実は来ていましたよね。
(入江悠)多かったですよね。
(宇多丸)「盛り上がりすぎないでください」ってちゃんと言わないといけないぐらい。
(駒木根隆介)あと、「固有名詞を言わないように」っていう(笑)。
(宇多丸)「IKKU~!」とか言わないようにっていう(笑)。とかね、そんぐらいちゃんとSHO-GUNGタオルとかかけたりとか。Tシャツ着たりなんかもいて。どうでした、ライブは? 駒木根さん。
(駒木根隆介)ライブですか。やっぱりペース配分が全然わからないんで。
(宇多丸)歌を歌う時の?
(駒木根隆介)歌う時の。あと、マイクがどうしてもね、声を張っちゃうんですよ。マイクだから張らなくていいのに。
(宇多丸)はいはい。そこまでがならなくてもいいのに。でもね、これ監督、問題なのは……昨日実はね、第1回の『サイタマノラッパー マイクの細道』を見ていても思ったんですけど。やっぱね、IKKUがラップ上手くなりすぎている問題。
(入江悠)あ、なりすぎている?
IKKUがラップ上手くなりすぎている問題
(駒木根隆介)昨日Mummy-Dさんにも「これ以上上手くなったら、あんまり面白くないよ」って言われて(笑)。
(宇多丸)あのね、そうなの。もう1作目の時の「あ、こいつダメだ」っていう感じが無いんだよ。ラッパーとして結構そこそこイケてるの。もう。発声とか、諸々。
(駒木根隆介)いやー、でもねー、あえて下手にやるっていうわけにもいかないですからねえ。
(宇多丸)(笑)。あえて下手にやれよ! それが演技だろ?(笑)。
(入江悠)それは名優、やってけよ。名優!
(宇多丸)名優! まばたきの回数をコントロールするのと同じにしてくれよ(笑)。でも、昨日も拝見しまして。あれですね。入江さん、テレビドラマシリーズにして、特に『サイタマノラッパー』はそうなのかな?って思ったけど。あの1シーン1カットっていうか長回しっぷり、すごい貫いてますね。相変わらず。
(入江悠)そうですね。昨日、Twitterで見ていて面白かったのが、IKKUが大間のマグロを食うんですけど。「マグロには寄るのに、ヒロインには寄らねえんだ」って(笑)。
(宇多丸)あの、そうでしたね。あそこだけグーッて急にね。俺もあれね、「あっ、カメラ動いた! カメラ、動いた。動いた。何? 何かここで……何が起こるんだ?」っつったらIKKUがこう、気持ち悪くマグロを食うっていう。
(駒木根隆介)上からね、放り込むように。
(宇多丸)汚い食い方しやがって(笑)。
(入江悠)上から、そうですね。汚い(笑)。
(宇多丸)そうなんですよ。でも、テレビドラマシリーズで、すごく深夜枠で面白いドラマシリーズをやっている枠だからあれですけど。結構冒険ですよね、あれ。
(入江悠)結構、冒険ですね。CM明けてから1カットで終わるとかありますからね。ドラマとしてはかなり挑戦的なことを。
(宇多丸)ねえ。でも、やっぱり『サイタマノラッパー』だから。これは1作目からずっと長回し感は。あと、やっぱり1作目のあそこから始まるのがまた、「ワーッ!」ってなったりとかね。
(入江悠)ええ。
(駒木根隆介)久々に、約10年ぶりぐらいに(笑)。
(入江悠)撮影をさせてもらって。
(宇多丸)いろんな場所が。あのガード横のところとかね。「ああ、ここ、ここ!」とかね。グッと来てしまいました。実は昨日も私、SHO-GUNGのライブを見ながら……撮られてる時は役柄上、こうやって冷たく見ているっていうね。で、「軽く乗れ」とか言われていたんだけど。その後に、もうカメラ向かなくなってから、普通に泣いてましたからね。「よかったね~」って(笑)。「できたじゃん!」って(笑)。
(入江・駒木根)(笑)
(宇多丸)ねー。ということで、まあこれから、あと何話続くんですか? こっから。
(入江悠)あと10話ですね。全11話なので。はい。
(宇多丸)ロケがすごいですね。東北ロケ。
(入江悠)東北をずーっと南下してきましたから。ようやく関東に戻ってきて。
(宇多丸)普通に雪景色が半端ないですね。青森。
(入江悠)もうちょっと音が録れないレベルで風が強くて。
(宇多丸)いや、でもすごい見事なスケール感の画っていうか。それこそ長回しの中できっちり。しかも雪が降っていて、広い道で。結構本気で誰も……人っ子一人通らないみたいな。
(入江悠)で、雪で大変なのが、足跡がテストでつくんで。毎回戻さなきゃいけないんですよね。
(宇多丸)なるほど、なるほど。そうか。スタッフとかも結構いるわけで。そうか。いろいろと気をつけなきゃいけないんだ。
(駒木根隆介)だから新雪をなるべく通らないように、一発でやってみたいな。結構プレッシャーがかかったりとかするシーンもありましたね。
(宇多丸)はいはい。いや、素晴らしい。これからも楽しみになるというか。あいつもいましたしね。夜のスナックにいましたしね。
(入江悠)ああ、いましたね。
(宇多丸)やつがいたりなんかして、盛り上がってまいりましたということで。で、ですね、なんで我々RHYMESTERが昨日のイベントでもトリを取らせていただいたかというと、ちょっと縁として、オープニングテーマを我々がご依頼いただいてというか。
(入江悠)いや、素晴らしい曲を。
(宇多丸)いえいえ。まず、まあこんなことは聞かずもがなですか? なんで我々にお声をいただいたんでしょうか?(笑)。
(入江悠)いや、もうシネマハスラーから続いて、僕らタマフルのおかげでここまで来たみたいなところもあって。で、RHYMESTERさんにちょっとダメ元でお願いしようっていう話になって。そしたら、まさかの快諾をいただいたというか。
(宇多丸)いや、もちろんそれはやりますし。昨日も言いましたけど、僕らの活動再開後の『ONCE AGAIN』っていう曲は結構『サイタマノラッパー』の1作目を見た直後から作り出していて。テーマ的にもテンション的にもめちゃめちゃ影響を……そのまま反映されているぐらいの曲なんで。僕らにとってもすごくそこは、ありがとうございますっていうこともございまして作らせていただきました。大丈夫でした? 本当に。
(入江悠)いや、しかも打ち合わせまでさせていただいて。ドラマのテーマと方針というか、全部お伝えさせていただいて。で、それが歌詞に入っていて感動しました。
(宇多丸)いやいや、恐縮です。昨日、オープニングで初めて拝見して。いい感じのかっこいいオープニングになって。それも素晴らしく、私、感慨を……感動しました。
(入江悠)(笑)
(宇多丸)ということで、テレビの方では1分間程度のショートバージョンなんですけども、ここで宇宙初オンエアー。RHYMESTERの正式リリース、RHYMESTER名義としては2年ぶりですね。となる新曲をここでフルバージョン、フル尺をオンエアーしたいと思います。トラックプロデュースはバックロジック。『ONCE AGAIN』と同じくバックロジックでございます。4月26日より配信予定のこの曲、よろしいでしょうか? 聞いていただきたいと思います。『SRサイタマノラッパー マイクの細道』のオープニングテーマです。RHYMESTERで『マイクの細道』。
RHYMESTER『マイクの細道』
(宇多丸)はい。ということで『サイタマノラッパー マイクの細道』オープニングテーマでありますRHYMESTERの新曲『マイクの細道』、フルバージョンでお聞きいただきました。『SR サイタマノラッパー マイクの細道』はテレビ東京にて毎週金曜日深夜0時52分から30分間、続いております。昨日、第1回が。オンデマンドでまた見れたりもするんで、ぜひぜひ追っかけでも見てください。すごく面白くなっていくと思います。クライマックスは昨日撮影したクラブチッタのライブシーンということで。どんな感じで映っているのか、こちらも楽しみです。
<書き起こしおわり>