吉田豪さんが2021年9月20日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』に出演。著書『証言モーヲタ~彼らが熱く狂っていた時代』について、宇多丸さんと話していました。
(宇多丸)本日、ご紹介いただく本は雑誌BUBKAで連載の豪さんによるインタビュー『証言モーヲタ~彼らが熱く狂っていた時代』が大幅に加筆され待望の単行本化ということで、詳しく伺っていきたいと思います。こちらの本、なんと明日発売。もうすでにたぶんね、並んでいる書店もあるんじゃないかということなんですが。
(宇多丸)連載中も当然これ、私も……要するに2000年代初頭からしばらくの熱狂のモーヲタ。熱狂というか、もう狂気のモーヲタ時代の私も当事者ですから。
(吉田豪)完全な当事者ですからね。
(宇多丸)連載にもちょいちょい名前が出てくるんで。
(吉田豪)毎回のように名前が出て。で、実は宇多丸さんの原稿チェックがありましたからね。意外と。
(宇多丸)うん。みんなの記憶で、別にいいんですけど。人に迷惑がかかりそうな記憶違いとかはちょっと、はい。みたいなことで直したりはしましたけど。まあまあ私、当事者で。だからドキドキしながら毎月、読んでましたよ(笑)。
(吉田豪)そうなんですよ。宇多丸さんの感想がまず、素直に聞きたいんですよ。本は読まれましたか?
(宇多丸)読みました、読みました。
(吉田豪)連載は読んでいたりっていうことでしょうけども。
(宇多丸)なんだろうな? でも、やっぱり同じ場所にいても見てる方向はそれぞれ実は激しく違うところもあって。なんかそこが面白かったですかね。と同時に、でもやっぱりその熱の共有ってことに関しては僕も言ってますけど。あんなにとち狂うことはもう2度とないんじゃないかなって。これは主にいい意味で。っていうとこでは共通してて。みんななんかそういう……まあもちろん、現役でね、ずっと狂い続けてる人もいるけど(笑)。
(吉田豪)何人かね(笑)。やめてない人たちは「今の方がヤバいです」って言っていてね。
(宇多丸)うん。で、それはそれですごく眩しいっていうか、格好いいなとも思うし。なんかだから、そうそう。それを読んでたから逆に僕はお呼びいただいた時に……最後に僕のインタビューが載っているんだけども。なんていうか、僕は僕のスタンスみたいなものをちゃんと明確にしないとなって思ったんです。やっぱり、そういう人たちと自分はやっぱり違うといえば違うから。みたいな感じですね。そうそう。
(吉田豪)あの時期は同じように熱狂をしていたけれども……っていう。
(宇多丸)そうですね。これ、何で豪さんはまず、この企画をやろうと思われたんですか?
(吉田豪)単純な話、僕はましばらくベテラン漫画家さんのインタビュー連載をやっていたんですよね。で、単行本を1冊、出して。それでもまだ続いていて。ただ、それがコロナになって老人に会いに行くのはさすがにまずいんじゃないかっていうことになって。まず、シンプルにそこなんですよね。で、身近で簡単に取材できる相手プラス、ちょうど『あの頃。』という劔樹人さんの漫画が映画化されるっていうのが決まったから。じゃあ、その映画化のタイミングで本を出そうと。たぶん映画もコロナで延期になるだろうから、1年ぐらい連載してちょうどいいぐらいになるんじゃないか?っていう、そのコロナでいろいろ取材がままならない間の代打みたいな感じで企画したら、思いの外盛り上がったのプラス、思いの外コロナが長引いて。連載もまた続いているっていうね。
(宇多丸)なるほどね。そうか。でも、そんな時でもなかったら掘り起こすこともない話だとしたら、これは貴重でしたね。
(吉田豪)そうですね。あと、だからずっと定期的にいろいろトークイベントをやっていて。で、劔さんのその映画化もからんで、ちょうど最近モーニングの話をしだした時期だったんですよね。で、杉作J太郎さんなり掟ポルシェさんなりコンバットRECなり。この本に出てる人たちが話をすると、その記憶のズレがとんでもないんですよ。で、「これはちゃんと誰かがまとめなきゃいけないんじゃないか?」みたいな話にもなってたんですよね。
(宇多丸)たしかにね。だってせいぜいでも10年ちょっとぐらい前なのに……。
(吉田豪)15年、20年っていう感じですね。
(宇多丸)ぐらい前だけど。やっぱりそうですね。ここで……ギリ、ここで聞いておかないと、もう永久にそのズレは是正できないみたいなところもありますよね。たしかにな。ちなみに、大枠の話をしておくのであれば、90年代末から2000年代初頭にかけてモーニング娘。が大ブレイクして。そこで、もちろんそれまでのアイドルファンもそうなんだけど。それまでアイドルって「冬の時代」って言われていて。これは熊崎くんへの説明ね。「冬の時代」って言われていて、盛り上がっていないというか、もうこのまま全然盛り上がらずに消えていくんだろうなって思っていたら、モーニング娘。がドーン!って盛り上がって。
それまで、あんまりアイドルファンとかじゃなかったような、たとえばそれこそすごい洋楽マニアとか、ラッパーとかさ。そういう人が大量流入して。それでなんというか、ちょっと秘密結社的なというか。モーヲタってなんかお互いの絆も含めて、ものすごい熱い時期っていうのが今、振り返るとほんの、本当の蜜月時代は数年なんだけども。まあ、そういうのがあって……っていう。基本はそこですよね。核となるのは。
(吉田豪)そうですね。本当、それまでプロレスにハマっていたような人たちとかが急激にモーニングにハマって。で、アイドルの免疫が何もないから、どこまで暴走をしていいのか、みんなわからないんですよ。
(宇多丸)「アイドルの免疫ってなんだよ?」っていう話ですけど(笑)。
アイドルの免疫がなかった人たちがハマる
(吉田豪)まあ、僕とか掟さんとかは「アイドルのブームは常に終わるもの」っていう自覚があって。だからちょっと僕とかは距離を置いて接していたわけですよ。いろんなイベントとかに行きながらも、ハマりきらないぐらいのスタンスで眺めていて。
(宇多丸)吉田さんにはね、「観察されているな」って当時から思っていました。
(吉田豪)当時から(笑)。掟さんはそれがわかっていながらも「この祭を終わらせてはならない」と思って頑張っていたっていう側なんですよね。で、それ以外の人たちは本当に「こんなの初めてだから、どこまでもやってやれ!」みたいな感じで明らかにどうかしていた。でも、そのどうかしていた時代が懐かしいし、あれぐらい燃えられるものがその後、なかったみたいな話をする人が多いっていう。
(宇多丸)熊崎くんも読んでみて……というか、もう完全に外野から見てどう思うの? この話って。
(吉田豪)それ、知りたいですね。
(熊崎風斗)宇多丸さんのブロックだけちょっと拝読させていただいたんですが。今のこの『アフター6ジャンクション』でもよくRECさんとか出演される、そういった皆さんがきっかけがここなんだっていう。そこを私、まずは知らなかったのですごくびっくりして。なんか、今の宇多丸さんの感覚で接しているとこの感じってちょっと特殊というか。今からはちょっと想像できないっていう。この宇多丸さんのある意味知らない時代……20年前から15年前。その一端がこの本にあるなというところでなんか、いろいろと発見をできました。
(吉田豪)宇多丸さんがヲタの飲み会とかに普通に参加しまくってた時代ですよね。
(宇多丸)そうそう。ヲタの飲み会とかに参加して、そこにいる若いヲタとかにものすごいぞんざいな扱いを受けているみたいな。で、吉田さんはそこから先に目撃してるから、一応頭では「いや、RHYMESTERの人で、ヒップホップ界ではそこそこの人らしいぞ」ってわかっていても、どうしても俺をナメる気持ちを捨てられないっていうか(笑)。
(吉田豪)そうなんですよ(笑)。最初にそのヲタの集まりで会っちゃったから、みんな宇多丸さんのことをすごい雑な扱いしていたんですよ(笑)。
(宇多丸)俺が『いいとも!』に出た時のダメ出しとかをされてるんだよね(笑)。いや、でもこれはね、全体に皆さん言ってるんだけど。モーヲタってそれで急に集まってきて。「モーニングが好き」っていう一点で集まってきてるから。立場も年齢も、それこそわかんないけど社会的地位もさ。そういうのが全員、バラバラなんだけど全く関係なくフラットに接してるっていうか。「お前もモーニング、好きなんだよね」っていうことで全然フラットに接してるっていうのがあって。そこがすごい美しかったんだよね。だから僕はすごい雑に扱われるのもなんか嬉しくてっていうか。そういうところはあったのかなっていうのはありますよね。
(吉田豪)ただ、その美しい何年間の幻想と、そしてね、とあるメンバーのスキャンダルによって、それの受け止め方によってそれぞれが分裂していくというか。
(宇多丸)まあ、そこが分岐点になるっていうのもあくまでも僕とかREC史観かもしれないですけどね。
(吉田豪)でも、それはやっぱり大きかったと思いますよ。うんうん。
(宇多丸)そうなんですよ。だから僕はすごい「モーニングファン、最高! アイドルファンってのはすごくいいんだ!」って思ってたんだけど、まあ別にいいんだけど。やっぱり僕がずっとアイドルという産業に感じてた問題点とかが意外とそのまま残っちゃっていて。そう。だからちょっと幻想のハードルが高すぎたなっていう、すごい失望する瞬間がやっぱりこう、あって。ひとつね、それが僕のパートの話のメインにはなってくるんですけど。
(吉田豪)この話もそれぞれの視点で全然違うのが面白いんですよね。杉作J太郎さんの視点だとまた全然違うしっていうね。
(宇多丸)うんうん。なんか杉作さんのあれとかも読んでたりしたから。まあ、これはだから僕サイドはどう思ってたかっていうので。「でも、面白おかしく言われてるけど、別に杉作さんとそんな対立はしていないですけどね。だって、同じ店で待ち合わせているんですよ?」みたいなさ(笑)。そんなのはあるんだけども。でも、そうね。まあ、熊崎くんから見るとこの人脈がここから始まったっていうのがすごい驚きだったんだね。
(熊崎風斗)はい。そこきっかけ……だって、それがないと今のゲストというか、宇多丸さんの周りの付き合いっていうのもちょっと変わってきたり。
モーニング娘。つながりでできた人脈
(宇多丸)そうね。順繰りに言うと、だから僕がBUBKAでアイドルソングの連載みたいなのをはじめて。そこに至る流れみたいなものも説明していますけど。で、それの企画の一環で掟さんと引き合わされて。で、掟さんと仲良くなり。当然、掟さんとすぐそばにいる吉田さんも……僕は吉田さんの本とか、すごい読んでたけど。吉田さんと一緒に食事したりして。「うわっ、吉田豪だ!」なんて言って。「すげえ!」なんて感動をしていて。で、コンバットRECはどっちかっていうと吉田さんたちの友達としてその場に現れて。で、何かの、やっぱり清里のコンサートという歴史的なのがあって。
それの打ち上げでRECとすごい話し込んで仲良くなったのとか、すごく覚えてるんですよ。で、あとその清里のコンサート……清里なんか行きやすい場所じゃないのに、なぜかそこに全員いるんだけども。清里のところでやっぱり杉作さんがいらっしゃって。僕、杉作さんのファンでもあったから。「ヤベえ! 杉作J太郎だ! 杉作さんがいるんだから、俺の選んだこの道は間違いじゃない!」みたいに思って。俺はすごい感動してたのに、杉作さんは俺が「すごいファンです!」って言ったら、向こうは「なんかサングラスしたスキンヘッドの人が来て、気持ち悪いな」みたいな。「そんなこと言わないでよ……」みたいな(笑)。そうそう。
(吉田豪)宇多丸さんもどうかしていた時代だったっていうのがこれを読むとはっきりわかるんですよ。今ほどの冷静さもなかった時代というか。
(宇多丸)そう……そうなのかな?(笑)。でも、大半の、この本の全体に載っている皆さんの本当に突き進みっぷりからすれば、僕はそりゃあもういい大人でもありましたし。そこまでじゃないですよ。そこまでじゃない。
(吉田豪)だってね、言っちゃうとこの出てるゲストのうちね、法を犯してる人がいたりしますからね(笑)。
(宇多丸)そうですね。はっきり、そこはもう犯罪に手を染めた人とかも……だから意外と豪さんのシリーズで言うとさ、『人間コク宝』とかとも重なる部分がある場合も……(笑)。吉田さん的にいろいろとみんなの話を聞いていて、発見とかあったんですか?
(吉田豪)発見というか、やっぱり本当にそれぞれの矛盾点を突き合わせていく感じの面白さとかはあるし。でも、やっぱ立体的にしていきつつ、なんですかね? 誰もが言うのが本当にほんの10数年前の出来事なのに、記憶が薄れまくっているんですよ。記憶が曖昧になっていて。だからある種、戦争の後のPTSDに近いような状態になってるぐらいな言い方をしてる人もいるし。
(宇多丸)ああ、そこだけぽっかり空いてるっていう人もいるもんね。
(吉田豪)そうなんですよ。「何も思い出せないんですよ」みたいな。まあ、その時期に全日酒を飲んで楽しくやってたから、飲みすぎで記憶を失っている可能性もあるんですけども(笑)。あまりにもそのへんの記憶の曖昧さもあるから、ちゃんと残しとくべきだなと思ったんですよね。
(宇多丸)でもすごく、言っちゃえばみんなね、歳はバラバラで。めちゃ若い人もいるけど。俺らなんか30代に全然行ってたし。でもなんか、もうはっきり青春感がものすごいですよね。なんかね。
(吉田豪)そうなんですよ。やっぱりこう、ちゃんとした部活とかで青春を味わってこなかった人たちがはじめて味わったっていう……(笑)。
(宇多丸)その決めつけ、カテゴライズもどうなんだよ?(笑)。
(吉田豪)でも、だいたいそうだと思いますよ。だいたい皆さん、学校でそんなに青春感を味わえなかった人たちがようやく、仲間たちと楽しくいろんなことをやるっていうことに目覚めて。
(宇多丸)そこに括られてるのか?(笑)。まあ、でもそうかな。楽しかったからね。やっぱりね。
(吉田豪)そして、やっぱり最終的には杉作さんの人生の美しさみたいなものを感じちゃうんですよね。なんだろうな? 犯罪性のない『タクシードライバー』みたいなね。愛する者のためにどこまでできるか、みたいな。
(宇多丸)自分はね、当然踏み台になってもというかね。だって杉作さんと一緒に僕が、feat. 宇多丸で作った曲『ロバート・デ・ニーロになれなかったよ』だからね。完全に『タクシードライバー』ですよね。
(吉田豪)そうです、そうです。
杉作J太郎『ロバート・デ・ニーロになれなかったよ』
(吉田豪)当時、その意識で動いていたのは間違いないんですよ。
(宇多丸)それ、聞いたことがない人がいたら……リリックも完全にモーヲタ時代のそういう内容ですし。聞いていただきたいですしね。僕はもう、好きあらばリリックとかにモーヲタ、モーニング記号を入れるみたいなことをずっとやっていましたからね。
(吉田豪)CDのスペシャルサンクスにオタクの名前を入れたり。
(宇多丸)というか、メジャーデビューシングル『ロイヤル・ストレート・フラッシュ』。俺のバースはいきなり「ぶっちゃけモー娘。より好物」とか、いきなりそんな話から始めるわけだから。ちなみに、その『ロイヤル・ストレート・フラッシュ』ってミュージックビデオがあるんですけども。そこに俺はモーヲタをいっぱい出したいとか、そういう案を出していたりしたんですよ。もう却下されて本当によかったっていう(笑)。
(吉田豪)ちなみに杉作さんも当時、すべての連載でモーニング娘。のことを書くってやってたんですけど。そのへんも今だから話せる話として、実は当時だから加護ちゃんがいろいろあってちょっとメンタルやられて弱っていたんじゃないかと。テレビの生放送で泣き出した瞬間を見て、それで杉作さんは「なんとかしなきゃいけない」って思って。で、どうやらちょっと家庭のゴタゴタがあって。それをマスコミが動いて追った結果、弱っているっぽい。
「でも、そのことを書いたりとか、言うわけにはいかないから、彼女を元気づけるには我々がバカになって応援するしかない!」っていう結論になるんですよね。プラス、「いろんな原稿で彼女のことを書いていたら、もしかしたら彼女がそれを目にするかもしれない。そして『自分のことを応援してくれる人がこういうところにもいるんだ』と思って元気になるかもしれない」という、それだけの目的でひたすらエロ本とかにまで「加護ちゃん、加護ちゃん」って書いていたっていう。
(宇多丸)でもなー、いいこと言ってた方はあんまり伝わってなかったよな。結論としては。俺の実感としては。すごく褒めたり、すごく熱くあれしていたことはあんまり伝わってなくて。やっぱり全体としては「BUBKAでしょう? BUBKA野郎でしょう?」みたいな。それはあまりにもBUBKAの印象が……当時ね。今はもう立派な、コンビニにも置いてある、どこに出しても恥ずかしくない雑誌だけども。当時の印象があったからね。
(吉田豪)それは当時のBUBKAだからしょうがないっていうのもあるんですよ。
(宇多丸)まあ、それはBUBKAが悪いっていう話なんですけども。あと、やっぱりなんというか、僕がさっき言ったアイドル産業そのものに根本的にあるいろんな問題みたいなのが割とやっぱり全然是正されずに……今もそういうところは全然あるというか。今、むしろそれが、吉田さんなんかモロにそれをいろいろ目撃されていると思うけど。その話ができたのはよかったかなと思ってますけどね。
(吉田豪)そうですよね。締めとしてやっぱり宇多田さんが入ったのはすごいよかったと思います。
(宇多丸)なんかね、単に「よかった、よかった」っていう話でもないんですよね。アイドル産業とかアイドルファンのあり方ってこれでいいの?っていうのはすごく、問題提起というかな? 僕はそこがちょっと、どうしても我慢できなかったみたいなところの話もしているので。意外とね、こんな話をまとまってしてないですからね。
(吉田豪)ですね。そういうの、あると思うんですよ。それぞれやっぱりいろんなところでこういう話をしているとしても、ちゃんとまとめてこのレベルで掘り起こしてることはないので。いい形にできたなと思っていますね。
(宇多丸)アイドルファンの証言というか、もちろんアイドルファン論みたいなものでもあるもんね。これはある意味ね。
アイドルファンの証言、アイドルファン論
(吉田豪)そうですね。だから「モーニングとか興味ないから読んでいいのかな?」みたいに言っている人が結構いたんですけど。全然、何かに熱くなってどうかしてた時の人たちの姿を見るのが楽しいと思うのであれば、おすすめなんですよ。
(宇多丸)その話としても面白いしね。たしかにね。だし、そのアイドルファンの言葉っていうのが今、熱狂してる人はさ、当然さ、これはいい意味でだけどさ。バカになっちゃってるから。何を聞いてもそんな、変な言葉しか出てこないんだけど。やっぱり振り返って大人たちが自分をどう総括しているのか、みたいなことだから。なんか、なかなかありそうでなかった視点がいっぱい入っていて。すごい本だと思いますよ、吉田さん。コロナ禍で図らずも出てしまった本だけども。連載もじゃあ、まだまだ続くんですか?
(吉田豪)そうなんですよ。単行本には入らない連載が実はまだ続いていて。この前の号だとハコイリ♡ムスメのプロデューサーの鈴木P。彼女はそれこそ『申し訳ないと』とかに通っていた人がプロデューサーになったっていうね。
(宇多丸)それでまた俺が出てくるんだけど。すごいね、その当時のAKBの音源の音質が悪い件をものすごく怒られたっていう(笑)。
(吉田豪)彼女、AKBヲタだったんですよね。
(宇多丸)で、俺が最初のAKBの音源って、最初に出たやつってひどいのよ。全然音質とか。それで「あんなもん、聞けるか、馬鹿野郎!」みたいな(笑)。「私が怒られました」みたいな感じで。もう、それはすいませんね……みたいなくだりとかありましたね。ありがとうございました(笑)。
鈴木Pインタビュー、締切の関係で単行本には未収録なので要注意! https://t.co/KyyDJbkPbQ pic.twitter.com/YIoMRnK7nb
— 吉田光雄 (@WORLDJAPAN) August 28, 2021
(宇多丸)ということで、改めて『証言モーヲタ~彼らが熱く狂っていた時代』。白夜書房から1980円で明日発売でございます。私、宇多丸とか、この番組にゆかりのある人でいうとコンバットRECとか掟ポルシェさん。そしてもちろん杉作J太郎さんとか、あとはいろいろね、法の一線を越えてしまった人とか。いろいろtめちゃめちゃ、本当に普通に面白いと思うので。ぜひぜひ、私からもおすすめしたいと思います。
<書き起こしおわり>