海野つなみとジェーン・スー『逃げるは恥だが役に立つ』最終回を語る

海野つなみとジェーン・スー『逃げるは恥だが役に立つ』最終回を語る ジェーン・スー 生活は踊る

ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の原作者、海野つなみ先生がTBSラジオ『ジェーン・スー生活は踊る』にゲスト出演。ジェーン・スーさんとドラマ最終回などについて話していました。

(小倉弘子)今日はいつもの生活情報のコーナーはおやすみです。『逃げるは恥だが役に立つ』原作者の海野つなみ先生にお話をうかがってまいります。

(ジェーン・スー)よろしくお願いします。

(海野つなみ)よろしくお願いします。

(ジェーン・スー)二度目ましてなんですよ。私は。

(小倉弘子)特番をやられましたよね?

(海野つなみ)そうなんです。お久しぶりです。

ジェーン・スー『逃げるは恥だが役に立つ』海野つなみインタビュー
ジェーン・スーさんがTBSラジオ『逃げるは恥だが役に立つ』大好き! ジェーン・スーが原作漫画家 海野つなみ先生に恥をしのんで聞いてきた特番の中で漫画原作者の海野つなみさんへのインタビューの模様、そして星野源さんのコメントを紹介していました。...

(ジェーン・スー)お久しぶりです。たくさんの方に聞いていただけて。あの特番もありがとうございました。いろいろ詳しいお話も聞かせていただいて。というわけで……

(小倉弘子)先生、お肌ツヤツヤ!

(海野つなみ)いやいやいや……

(ジェーン・スー)ずーっと室内にいる仕事なんですから(笑)。

(小倉弘子)そうか。そういうことか。

(海野つなみ)でもここ数日、上京してからずっとあんまり寝ていないので。

(ジェーン・スー)あ、そうなのですね!

(海野つなみ)忙しかったので。はい。

(ジェーン・スー)昨日はオンタイムで見られました?

(海野つなみ)あの……言っていいのかな? 打ち上げで演者のみなさん全員で見たので。

出演者たちと一緒に最終回を見る

(ジェーン・スー)ああっ! それ、超楽しいやつじゃないですか!

(小倉弘子)えっ? 平匡さんもみくりさんも?

(海野つなみ)そう。で、なんかちょいちょい古田(新太)さんがガヤを入れるっていう(笑)。

(ジェーン・スー)うわー! その席、20万ぐらいで買うわ(笑)。

(海野つなみ)CMの時に大谷(亮平)さんがすごい恥ずかしがっていて(笑)。

(ジェーン・スー)「きれいな人の……」っていうね。あのCM、「今日で見納めか……」って思いながら私も見てました。

(海野つなみ)3回来ましたからね。

(ジェーン・スー)ねえ。あのはっきりした寝言ももう聞けないと思うと……

(海野つなみ)(笑)

(小倉弘子)いやー、そんな最終回。お見事でしたね。

(ジェーン・スー)いかがでした?

(海野つなみ)もう、全部入れてくださったなと思いました。雑誌には載ったけどまだ単行本化されていないところまで、本当に全部入れてくださったなって。

(ジェーン・スー)なんとですね、漫画の方は実はこんな奇跡があっていいのか? シリーズなんですけど。12月24日発売の『Kiss』という月刊漫画誌で最終回なんですよね。

(海野つなみ)そうなんです。

(ジェーン・スー)その前の週にドラマ、普通終わる?

(小倉弘子)えっ、そんな足並みが……揃えたんですか?

(海野つなみ)たまたまですね。

(ジェーン・スー)たまたま。いや、今回すごいたまたまが重なりまくってっていう感じですよね。で、もちろんそこにはいろんな方のたくさんの努力と調整があるんだと思うんですが。で、私がびっくりしたのはこの最終回の1個前に出ている……実は先日、私が大阪にお邪魔して特番を収録した時に発売になっていた『Kiss』に載っていたところまで、昨日入っていたんですよ。

(小倉弘子)じゃあ、単行本を読んでいる方にはまだ届いていないストーリーが盛り込まれていた?

(ジェーン・スー)っていうか、脚本の野木(亜紀子)さん、すごいよ!っていう話でしょう?

(海野つなみ)最終回もまだ原稿は仕上がっていなかったんですけど。ドラマの方の最終回の前に漫画の方の最終回のネーム、絵コンテみたいな感じの段階でもうお送りして。「こういう感じで終わる」っていうのもお渡ししたので、本当に最後まで全部入れてくださいました。

(小倉弘子)じゃあ本当に素晴らしいチームワークのもとに生まれた最終回だったんですね。

(ジェーン・スー)いやー、みくりちゃんと……まあ、(イントネーションが)み↑くりちゃんなのか、み↓くりちゃんなのか?っていう。それでドラマの人なのか漫画の人なのかがわかるみたいなのもあるんですけど。と、平匡さん。もともと、「この人でやるんだったらいいな」とか、「あの人でやったら面白いな」っていう、遊び半分みたいな妄想っていうのはあったんですか?

(海野つなみ)そうですね。なんか、誰がいい? みたいなのでキャッキャキャッキャは言っていたけど、「この人じゃなきゃ嫌だ」っていうのはなかったですね。

(ジェーン・スー)実際にそれで星野(源)さんと新垣(結衣)さんの2人が再現されたわけですけど。まあ、地球上のほとんどの人が、自分の頭の中にある作品とか書いたものが実写化されるっていう経験をしないで生きてきているんですよ。これ、実際に起こるとどういう?

(海野つなみ)なんかみなさんに「どんな気持ち? どんな気持ち?」って言われているんですけど、なんかね、あんまり自分の作品っていうよりは、本当にドラマ好きなのでなんか普通に面白いドラマを見ている感じで。で、見ていて「あっ、このシーン、知ってる!」とか「あれっ、このセリフ、知ってる!」みたいな。そんな感じ(笑)。

(ジェーン・スー)自分! 自分!

(海野つなみ)そう。意外とね、ちょっと客観視していて。やっぱり、全く同じにはならないんで。たぶんアニメとかの方が漫画に近くなると思うんですけど、ドラマってやっぱり原作にない方が出たりとか、名前とか微妙に変わったり、年齢設定が変わったりするので。だからもう、100%自分の作品にはならないものなので。どっちかって言うと、ドラマを楽しんでいて、時々「ああ、これは自分が書いたのか」みたいな感じがするだけで。結構視聴者の方とそんなに変わらない感じで見ていました。

(ジェーン・スー)じゃあ、楽しかったでしょう?

(海野つなみ)楽しかったですー(笑)。

(ジェーン・スー)いや、このドラマのすごいところは、漫画を全巻すでに読んでいて、次になにが来るか、ややわかっていても来た時に「ギャーッ!」ってなるんですよ。最初は「漫画を読み終わっているから、1話ぐらい飛ばしても次に追いつけるからいいや」と思っていたんですけど、そういう話じゃなかったですね。

(海野つなみ)そうですね。もう、上手いことシャッフルして、いろんなセリフとかも組み替えてくるので、わかっていると「あっ、これとこれとを組み合わせるの!?」みたいな。その楽しみがありましたね。

(小倉弘子)コーディネートが変わっているわけですね。

(ジェーン・スー)そうそうそう。着回し術30日間みたいになっている。

(小倉弘子)でも本当にセリフが印象的なものが多いじゃないですか。実際に先生、普通にそれは普段使ったりする言葉を盛り込んだりするんですか?

(海野つなみ)そうですね。私、結構言葉にこだわる方の作家なので、漫画の方もすごい言葉にはいろいろとこだわりますけども。でも、ドラマオリジナルの野木さんのセリフもすっごいよかったのがたくさんありましたね。

(ジェーン・スー)たしかにテンポ感とか、それこそ動いている人がしゃべるのと、止まっている漫画っていう状態でしゃべらせるのと、たぶんセリフも全然違うんでしょうしね。

肉声セリフのすごさ

(海野つなみ)特に平匡さんの「愛される人はいいな……」っていうセリフ。あれ、漫画でも書いて自分でももちろんグッとは来たんですけど、あれをすごい震える声で「愛される人は、いいなあ……」みたいな感じで言われた時に「うわー!」みたいな(笑)。

(ジェーン・小倉)(笑)

(海野つなみ)なんかもう、漫画よりも自分に入ってくる度合いが全然……肉声ってすごいな!って。

(小倉弘子)ドキドキしますよね。「イチャイチャしないんですか?」とか。「イチャイチャしようか?」とか!

(ジェーン・海野)(笑)

(ジェーン・スー)ちょっと待って下さい、小倉さん。なんで胸元のネックレスをずっといじってるんですか?(笑)。

(小倉弘子)なんかドキドキして。「私も言ったかしら、そんなこと?」みたいな。色々とね。どうでもいいわね(笑)。

(ジェーン・スー)「どうでもいい」(笑)。

(海野つなみ)やっぱりあんなね、かわいいセリフを漫画で読むのと、実際にガッキーが肉声で言うのとでは全然違いますよね。

(ジェーン・スー)そうね。襟足ハネていてもかわいいからね。

(小倉弘子)本当ですよね。

(ジェーン・スー)本当に。毎週見ていて、「また襟足がハネてる」って。でも、平匡さんの前髪はある時から、ちょっと直線になりましたよね。ちょっとアバンギャルドな斜め前髪だったのが、ある時から「あれっ、なんだこれ? なんの変化?」っていう。

(海野つなみ)なんか、こだわりなんですかね?

(ジェーン・スー)でもね、その前回。昨日の最終回じゃなくてその前の回の時に、みくりが「NO! 一旦保留!」っていうね。あれは特番の時にも海野先生が話していた、これがお仕事漫画なのか? それとも恋愛漫画なのか?って見ることによって、やっぱりあそこに対するリアクションが変わるということをおっしゃっていましたけども。まさにそういうところでしたね。

(海野つなみ)そうですね。ドラマの時も番組ホームページのBBSとかを見ていても、やっぱりすごい賛否両論の意見があって。「ああ、やっぱりここは漫画と一緒なんだな。でも、ここがいちばん大事なんだな」って思いました。

(ジェーン・スー)”好き”だけで超えられないものもあるし、超えちゃいけないし。親しき仲にも礼儀ありっていうところもあるのでね。でも、昨日、本当に来たのは、「衣食住の最低のところが最低賃金」っていうね。本当、そうだよね。いろいろと考えてやっていかなきゃいけないなと思いましたけども……あーあ。

(小倉弘子)お時間が来ちゃった。

(ジェーン・スー)カラータイマーがピコピコしだしました。

(小倉弘子)もうね、スタッフがパタパタパタパタ、慌て始めました。

(ジェーン・スー)もともとは漫画家の上田倫子先生がこの番組のリスナーさんでいらっしゃって。それで、この番組で私たちが「『逃げ恥』! わーわー!」とかって言っているのを海野先生に伝えてくださったんですよ。

(小倉弘子)上田倫子先生って、『マーガレット』とか『YOU』とかで書かれている。

(ジェーン・スー)で、海野先生がまた本当にいい人で。それをこっちの番組にメールをくださったんですよ。

(海野つなみ)なんか、「いま送ったら絶対読まれるから! つなみさん、書いて!」みたいに。「ここで、ラジオクラウドで聞けるから聞いて!」みたいなのをいただいて。

(ジェーン・スー)で、私たちびっくりしちゃって番組内で読まなくて(笑)。

(小倉弘子)震えちゃって。「これ、本当!?」みたいな。

(ジェーン・スー)「ほ、本物!?」とかいろいろと。

(海野つなみ)2人で「あれー? 読まれなかったね」なんて言っていて(笑)。

(小倉弘子)逃げたわけですね、みんな(笑)。

(ジェーン・スー)そう。逃げた、逃げた。でも、役に立った。結果的にここで役に立った(笑)。という流れからでしたけど、本当にありがとうございました。

(海野つなみ)ありがとうございました。

(ジェーン・スー)またぜひ来てください。本当に素晴らしい漫画をありがとうございました。

(海野つなみ)今度は上田先生と一緒に。見学させてください(笑)。

(ジェーン・スー)はい。ありがとうございました!

(海野つなみ)ありがとうございました。

(ジェーン・スー)というわけで、『逃げるは恥だが役に立つ』原作者の海野つなみ先生をお迎えしました。

<書き起こしおわり>

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