ジェーン・スーさんがTBSラジオ『土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS!』の週末ブックガイドコーナーに出演。新著『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』について紹介。堀尾正明さんが気になった3項目を解説しました。
(堀尾正明)今週のゲストは『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』という本の著者。ジェーン・スーさんをお迎えしました。
(秋沢淳子)おはようございます。
(ジェーン・スー)おはようございます。よろしくお願いします。
(堀尾正明)おはようございます。2回目の出演ということでございます。去年12月7日に『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』という長いタイトルの本を紹介していただきまして。もういろいろと目から鱗が落ちることがたくさんございました。女性という、男性にとっては非常に不可思議な、生物?の実態が非常にわかる本でございました。
(ジェーン・スー)ありがとうございます。
(堀尾正明)こちらも、貴様いつまで女子でいるつもりだ問題、ですよね。まずは、プロフィール、ご紹介しましょうか。
(秋沢淳子)ジェーン・スーさんは1973年。東京生まれ、東京育ち。生粋の日本人です。
(ジェーン・スー)そうでございます。
(秋沢淳子)作詞家、コラムニストで未婚のプロ。現在、毎週土曜日夜7時から放送中。『週末お悩み解消系ラジオ ジェーン・スー相談は踊る』のパーソナリティーでいらっしゃいます。先日、貴様いつまで女子でいるつもりだ問題という本が幻冬舎から発売されました。こちらの本は女にまつわる諸問題。たとえば女子問題、ブスとババア問題、おばさん問題などなどから、恋愛、結婚、家族、老後まで、笑いと毒を交え、自らの経験や失敗を開陳するというエッセイとなっております。
(堀尾正明)いやー、面白かったですね。
(ジェーン・スー)ありがとうございます。
(秋沢淳子)本当、面白いですね。
(堀尾正明)この本で言う『女子』ってどういう定義なんですか?
(ジェーン・スー)そうですね。女子っていう言葉がですね、ここ10年ぐらいでかなり広い範囲に適応されるようになったじゃないですか。
(堀尾正明)どこに行っても、女子会、女子会って。
(ジェーン・スー)そうですね。『40代女子万歳!』っていうコピーでデビューした本がございまして。女性誌が。そこあたりからですね、50代、それこそいまもう、60代ぐらいの方も女子、女子会っていうのをこう、笑いながらね、おっしゃっていて。
(堀尾正明)60代でも言ってるんだね(笑)。
(ジェーン・スー)『女子会よー!』って言いながら、こうゲラゲラゲラッとやってらっしゃる方とかいて。おやおや?と。女子ってどんどん幅が広くなって、これはなんだ?っていうのをですね、ちょっと研究してみたところ、女子はやっぱり生涯、一女子だったんですよ。いろいろ調べてみたら。どういうことか?っていうと、調べてみたらって別に調査機関とかを使ったわけじゃないんですけども。女性の場合はスピリッツですね。メンタリティーとして少女性だったりとか、女子と言われる年の頃に思ったような不安定な気持ちっていうのは、まあこれは消えると思った。蒙古斑みたいなものだと思ったら、尾てい骨みたいにずーっと残ってるんですよ。
(堀尾・秋沢)(笑)
(ジェーン・スー)尻尾がなくならなくて。私も成長痛だと思っていたんですね。不安定な気持ちとか、かわいがられたい気持ちっていうのは。それがいつまでたってもあるんで、病気だと思ったらそうじゃなくて。みんなそうだったって話なんですけども。なんで、スピリッツの話をしているのが女性。しかし社会は、そして男性はやっぱりそこに肉体や年齢っていうのがセットで来ないと女子ではないんじゃないの?と。
(秋沢淳子)そうよねー!
(ジェーン・スー)思いますよね。で、たしかにそちらの側から。向こう岸から見てみれば、社会経験と、小ずるい知恵と、金。小金を持った女たちが『女子です!私たち、ずっと女子です!』って言ったら、まあそれは暴動に近いかなと思いまして。
(堀尾正明)『子ども』って書くからね。『女の子』って書くから。『おんなのこ』が訓読み?
(ジェーン・スー)そうですね。
(堀尾正明)『じょし』って音読みにしたら、大手を振って歩いているみたいな。
(ジェーン・スー)そうです。あの、言葉の定義になるとたぶん『男子・女子』みたいなのは男性と女性っていうのでわかれていたりするっていう。普通の大人の意味も意味すると思うんですけど。まあ、基本的には理屈より気分を優先する女子メンタリティーみたいなものは、社会的弱者に宿るから美しいっていうのはあったじゃないですか。
(堀尾正明)はい。
(ジェーン・スー)で、なんでかっていうとやっぱりちょっと前までは年齢でどんどん役割を与えられていたんですよ。『はい、20代後半結婚。嫁、お母さん、姑・・・』みたいな感じでどんどんどんどん次に役割を女性は与えられてきたんですが。でも、よくよく考えてみると、ちょっと女子だと・・・
(堀尾正明)あんまり年齢ばかりを言うのはおかしいんじゃないか?と。
(ジェーン・スー)まあ、だから『板垣死すとも自由は死せず』と。『加齢すれども女子魂は死なず』というか。
(堀尾正明)加齢すれども(笑)。ということで、貴様いつまで女子でいるつもりだ問題の目次から、気になる見出しについて、これはどういうことなのか?を伺ってまいります。いつまで女子でいるつもりだ問題、その1は?
(秋沢淳子)『女子会には二種類あってだな』
(堀尾正明)お、女子会っていうと華やかなイメージが強いんですけども。二種類あるんですか?
(ジェーン・スー)そうでございます。あの、Google検索でですね、『女子会』と書いて画像検索してください。そうするとですね、みなさんの知っている女子会が出てまいります。
[関連リンク]Google画像検索-女子会
(ジェーン・スー)一般的に華やかな女性たちが集まって、美味しいものを食べて。自分の顔のそばに手を置いて、少しでも顔を小さく見せることに頭をおきながら。
(堀尾正明)そういうこと、するんだ。
(ジェーン・スー)そうですよ。いまの女の子たち、若い子見てください。全員、歯が痛いみたいですよ。顔のそばに手を置いてるんで。
(堀尾正明)そうか。顔の線を狭めている。
(ジェーン・スー)そうなんですよ。歯痛じゃないんです。別に。歯が痛いわけではなくて。
(堀尾正明)本当?
(ジェーン・スー)そうなんです。で、やっぱりフェイスブックとかに『今日は○○ちゃんとご飯。フレンチのコース、美味しかった。でもこのデザートはやめられない』みたいなのが一般的に思われている女子会ですけど。それはですね、女同士の集まりっていうのを自称しながらも、参加者はやっぱり対異性、対社会っていうのを意識していまして。これはですね、建前上の女子会でもあるわけですよ。実は、秋沢さんも見に覚えがあると思いますけども。同じメンツが別のことをやっているわけです。
(秋沢淳子)来た!
(ジェーン・スー)SNSにのらない女子会っていうのをやってるんですね。これはですね、『海賊の宴』と私、申していまして。
(秋沢淳子)(笑)
(堀尾正明)なにそれ?
(ジェーン・スー)あのですね、脂浮きした化粧の状態で集まるんです。夕方とか夜に。遅くなってから。で、昭和のおっさんのような疲労感を漂わせながら、アホのようにワインを開けていって。聞かれてもないのに、『今日は飲む!』って。『いいお酒は残らない!』って言いながら。
(堀尾・秋沢)(笑)
(ジェーン・スー)どんどん食べて。
(秋沢淳子)やるね、それ(笑)。
(ジェーン・スー)やりますよね。で、みんなでワーッ!っとしゃべって、お互いを攻撃しながら、愚痴りながら、最後は『なんとかなるよ!なんとかなる!』って言いながら。そういう時はね、写真撮らないんですよ。
(秋沢淳子)撮らない。
(ジェーン・スー)撮らないですよね。
(堀尾正明)化粧もちょっと・・・
(ジェーン・スー)落ちています。もうね、ディズニーランドの『カリブの海賊』っていう乗り物があるんですけど。唯一ミッキーマウスとかが出てこない乗り物なんですけど。あそこに酔っ払った海賊たちが襲った島のものを略奪してるシーンっていうのが出てくるんですけど。そっくりです。あれに。
(秋沢淳子)(笑)
(堀尾正明)いつまで女子でいるつもりだ問題、その2は?
(秋沢淳子)『ブスとババアの有用性』
(堀尾正明)これはどういうことなんでしょうか?
(ジェーン・スー)あの、赤子から今わの際までね、すべての女の人を等しく貶める言葉。これが『ブス』じゃないですか。ブスって言われて、それが喜びに変わる人って、本当にね、いないですよ。で、その次に有用なのがやっぱりちょっと加齢をしたらすぐ言われる『ババア』。
(秋沢淳子)これも嫌。
(堀尾正明)でも自分でもさ、『私おばさんだから』って自虐的に言う人、いるじゃない?
(ジェーン・スー)もうね、『二十歳過ぎたらババア』とか言われると、じゃあ私、死後ですか?って。もう40になったら。余生をこえちゃってるんですけど。『ブスのくせに』『ババアのくせに』とか。『かわいいからって』。いろいろ文句を言いますけど、結局ね、淡麗な容姿とか若さ以外に価値を認めないっていうのは、実は『男性が!』って言ってますけど、女の側も結構自分の中でそれがあって。ただ、それをじゃあ完全にやめてピース、ハッピー、ラブっていうことで。みんなが全ての女性をブスと呼ばない、ババアと言わない世界になりましょうっていうのはたぶん無理なんですよ。だとしたら、どういう気持ちの時に自分が言っちゃうのかな?とか。そういう風に言ってくるっていうことは、向こうはなにが言いたいのかな?みたいな。お互いの心の中の内訳をね、わかるようにしたらずいぶん気が楽になりますよ、っていう。ブス、ババア。このへんをですね、丁寧に3章にわたって分解していますので。
(堀尾・秋沢)(笑)
(堀尾正明)読んで驚いたんだけど、なんでここまで深く考察できるのかな?と。
(ジェーン・スー)一人っ子だからだと思います。友達がいないから、ずっと考えてないと、時間が潰れないから。
(堀尾正明)だけど、勉強になる。女性というものがよーくわかりますよ。ここまで深く考えられているのかなと。やっぱりちょっとね、ジジイとかとニュアンスが違うんですね。ババアとジジイはニュアンスが違います。ジジイってね、結構うれしいですよ。
(ジェーン・スー)そう。男性は年を取るごとにどんどん、年齢とともに地位と年収が高くなるとされているじゃないですか。まあ、今後の日本はどうなるかわかんないですけど。女性は、これまた、『とされている』という言い方しかできないんでうすけど。若い方が価値が高い。年齢が上になっていくとそれが下がっていくとされているという話を、この間ちょっと別の男性からも聞いたんですけども。まあ、そうなるとやっぱりババアとジジイじゃ価値は変わってくるなとは思いますね。
(堀尾正明)はい。さあ、いつまで女子でいるつもりだ問題、その3に行きましょう。
(秋沢淳子)『男女間に友情は成立するか否か問題が着地しました』
(堀尾正明)とても気になる問題ですね、これ。
(ジェーン・スー)堀尾さん、いかがですか?
(堀尾正明)僕は・・・どうだろう?この年齢、50代になってくると、成立するんじゃないか?と思うようになってきました。
(ジェーン・スー)なるほど。っていうことは、ついこの間まではそうは思ってらっしゃらなかったと。やっぱり、そうなんですよ。私も成立しない派なんです。なぜなら、どんどん仲良くなっていって、お互いのことを話していって。お互いが信頼できる、たよりになる相手になったら、それ、彼氏じゃん?っていうのが私の発想なんですけども。で、『するする。男女間のはぜんぜん成立するよ』っていう人、いて。結構、鈍感な人だと思っていたんですよ。
(堀尾正明)うん。
(ジェーン・スー)じゃなくて。そういう人たちはですね、恋愛にいかないように最新の注意を払っているっていうことがわかって。なぜか?っていうと、それは恋愛が面倒くさいんですって。いわゆる、チュクチュン・・・ってなって。東京ラブストーリー!みたいなことに自分を持っていかないことに全神経を集中させている。そういう人たちのお話をちょっと伺ってまとめてみたりしました。
(堀尾正明)わかるわかる。面倒くさいってあるよね。
(ジェーン・スー)でも、面倒くさいの楽しいじゃないですか。
(堀尾正明)うん。でもそこにまた入っていくのかーって思うのとね。あと、『下着同士で一緒にいられたら、それは友情だ』と。
(ジェーン・スー)まあまあ、そうですよね。
(堀尾正明)でもやっぱり、下着同士ではいられない(笑)。
(ジェーン・スー)いられないですねー。
(堀尾正明)他にもいろいろ気になる項目がありますね。
(秋沢淳子)そんなジェーン・スーさんの貴様いつまで女子でいるつもりだ問題。幻冬舎から発売中です。ぜひ、手にとって読んでみていただきたいと思います。また、TBSラジオお聞きのみなさま、毎週土曜日夜7時から放送中。『ジェーン・スー相談は踊る』。ぜひ、聞いてください。今日は蓮見(孝之)アナ。
(ジェーン・スー)はい、よろしくお願いします。
(堀尾正明)いやー、女性は本当に深いということがよくわかります。この本、男の人にも読んでほしいですね。
(ジェーン・スー)ぜひ、男性にも読んでいただきたいです。
<書き起こしおわり>