PUNPEEと沖田英宣 宇多田ヒカル『DEEP RIVER』を語る

PUNPEEと沖田英宣 宇多田ヒカル『Fantome』を語る block.fm

宇多田ヒカルのディレクターとして知られる沖田英宣さんがblock.fm『SUMMITimes』に出演。宇多田ヒカルさんのアルバム『DEEP RIVER』などについてPUNPEEさん、増田岳哉さん、RENさんと話していました。

(REN)全然関係ないですけど、宇多田さんって沖田さんにはタメ口なんですか?

(沖田英宣)いや、いや……

(増田岳哉)どうでもエエ話を……

(PUNPEE)いや、でもそれ、結構聞きたい。

(REN)なんかそういう距離感なのかな?って。

(沖田英宣)いや、”さん”付けですよね。っていう彼女は誰に対しても”さん”付けじゃないですかね。たぶん。だから、まあよっぽど近くなると……っていうのはあるかもしれないけど。

(増田岳哉)いや、もちろん「沖田」とは言っているとは思ってないですけど。「沖田さん」って言っていると思いますけど……

(沖田英宣)裏では言っているかもしれないけどね(笑)。

(増田岳哉)いやそういう意味じゃなくて、なんか「沖田さん、これいいよ」みたいな。そういう距離感なのかな?って感じるっていう意味なんですけど。

(沖田英宣)あ、そうそう。その感じですね。「そうじゃない?」みたいな感じですよね。

(増田岳哉)その包容力が沖田さんも梶さんも……三宅彰さんと宇多田照實さんがプロデューサーさんだと思うんですけど。方向を指し示すのがそのお二人で、具体的に進めていくのが沖田さんっていう感じなんでしょうか?

(沖田英宣)ええと、やっぱり役割はどんどん変わっていって。ファーストアルバムっていうのは本人も言っていますけど、あれは明らかに宇多田照實さんと三宅彰さんっていう2人のプロデューサーが宇多田ヒカルという素材を使って作り上げた作品だと思っているんですよね。だから、もしかしたらいちばんウェルメイドなアルバムだと思うんですよ。破綻がないっていうか。だからあんなに売れたのかもしれないけど。っていう風に思っていて。でも、そこからどんどん彼女が曲作りのみならず……曲はデビューから作っていますけど、アレンジとかそういうところに踏み出していったのが、それが顕著になったのが3枚目の『DEEP RIVER』かなと。

(増田岳哉)PUNPEEさんがいちばん好きな。

(沖田英宣)ああ、マジっすか?

(PUNPEE)いちばん好きです。

(REN)『DEEP RIVER』、好きですもんね。

PUNPEEがいちばん好きな『DEEP RIVER』

(沖田英宣)あそこらへんからやっぱりいろいろ、すごくこういう何気ない会話が彼女の中で作品のヒントになったのかな? みたいな感じが。

(PUNPEE)ああ、そんな感じがします。ファーストとセカンドは普段使わない会話の話じゃないけど……ちょっと当時の年齢からしたら少し大人びているというか。3、4、5枚目ぐらいはもう話してくるみたいな。柔らかい感じというか。

(沖田英宣)そうだと思う。やっぱ、明らかにあそこから変わったっていうのは……それはスタジオに一緒にいても思った。

(PUNPEE)ああ、じゃあやっぱり3枚目から照實さんと三宅さんはそこまで?

(沖田英宣)いや、もちろんいるし、素晴らしいプロデュースをしていると思うけど、でもやっぱりヒカルの「自分はこういうものを作りたいんだ!」みたいなものがものすごい具体的に、明確に……

(増田岳哉)じゃあ、ご本人さんの自我がもっと明確になってきた感じというか?

(沖田英宣)グワーッとあふれてきたのはそうですよね。3枚目。

(PUNPEE)いちばん好きっす。

(増田岳哉)3枚目のラストの曲(『光』)がちょうど流れてきましたけども。

(沖田英宣)そう。まあこういう話は喜ばれると思うんですけど、3枚目のアルバムセッションでいちばん最初にレコーディングし始めたのが『幸せになろう』なんですよ。

(PUNPEE)へー!

(沖田英宣)で、あの歌詞を本人から見せられた時に、「すごいところに来ちゃったな!」って思いましたね。『幸せになろう』を歌詞カードに書いてあって。「ついにここまで来ちゃったか」と思いましたね。「こんなに早くここまで来ちゃったのか……」みたいな。なんかすごい、俺はあんまりよくわかんないけど、『あしたのジョー』的に言うとさ、ノーガードなんだけどすごい俊敏みたいな。

(一同)ああーっ!

(増田岳哉)わかります。ピュアの強さみたいな感じですよね?

(沖田英宣)なんかファイティングポーズをしない強さみたいな。

(増田岳哉)本人は傷だらけのつもりやけど、なんか打つところがないみたいな。そのまま立っているみたいな感じですよね。

(PUNPEE)もう作ったものじゃなくて、自然なものっていう感じですよね。

(沖田英宣)むき出し、むき身の……みたいな感じの。イカの刺身にするのに皮を剥くでしょ? あの感じみたいなさ。剥いたら、すごいきれいな(身が)白く光る……

(増田岳哉)その感じを歌詞を見て感じ取られるんですね。やっぱり、沖田さんが。

(沖田英宣)だから、なんていうんですかね……

(増田岳哉)やっぱり沖田さんがヒカルさん自身のことをすごく好きというか、ずっと見ているっていうことがそれに気づけるっていうことなんでしょうね。おそらく。

(沖田英宣)でもやっぱり彼女の言葉の強さっていうのがやっぱりすごいなっていうのをあらためて気づいたのは3枚目からですけど。もう『traveling』の歌詞を初めて見た時も「よくやった!」っていうか。そう思いましたもんね。だから、あんなにヒットする曲になるとは思わなかったぐらいに。一部の人が熱狂するぐらいかな?って思ったんですけど……ちゃんとそこにポピュラリティーの要素も含めているっていうところの凄さっていうのはとても感じましたよね。

(増田岳哉)『traveling』は結構衝撃的に覚えているよ。ビデオも。当時、本当かっこいいな!って思いました。

(PUNPEE)たしかに。ビデオの衝撃もすごかったですね。

(沖田英宣)だからもう世代的に宇多田ヒカルといえば『First Love』っていう人たちと『traveling』っていう人たちで二分化されるというか。なんかあそこはまたひとつ、宇多田ヒカルの新たなシグネチャーというか。

(増田岳哉)でも、今年出た『Fantome』でもすごいなと思う曲がいっぱいあるんで。

(沖田英宣)ありがとうございます!

(増田岳哉)まあ、僕が言っても意味ないんですけど……

(沖田英宣)PUNPEEさんから聞いた『Fantome』の感想って聞きたいですけどね。

PUNPEEと沖田英宣 宇多田ヒカル『Fantome』を語る
宇多田ヒカルのディレクターとして知られる沖田英宣さんがblock.fm『SUMMITimes』に出演。SUMMITの増田さんやPUNPEEさんらとともにアルバム『Fantome』について話していました。 ありがとうございました。 pic.t

<書き起こしおわり>

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