DJ YANATAKEさんがblock.fm『INSIDE OUT』の中でAKLOのニューアルバム『Outside the Frame』からの先行シングル『McLaren』を紹介。ミュージックビデオの元ネタなどを解説していました。
(DJ YANATAKE)賢明な『INSIDE OUT』リスナーの方はもちろん、このインストを聞いた段階でこの後になにがかかるのかはわかると思いますが、もちろんAKLO! はい。このAKLOさんの6月22日に発売が迫った待望のサードアルバム『Outside the Frame』からの先行シングル『McLaren』。キターッ! という感じですね。オープニング、この後にかけるんですけど。昨晩、公開されたミュージックビデオの方はみなさん、見ましたでしょうか? AKLOね、いつもビデオをすごい凝っていて。『RGTO』のビデオをさっき見たら300何十万回再生されていて、もう大ヒット曲になっていましたけども。
今回もかなり面白い、凝っているミュージックビデオになっています。監督はですね、KLOOZの『KLOOZ MOVIE DAY』とかも手がけた天才監督 大月壮さんということで。僕、もう本当に大月さんの大ファンなんで、かなり楽しみにしていたんですけども。まあ、普通に見ても、全然バックグラウンドとかを知らない人が見ても普通に楽しめるビデオになっているんですけども。ここはですね、Rap Genius的にと言いますか。あのビデオね、実はいろいろと隠された秘密があるようなので。今日は、一応僕が気がついた点をいくつか挙げていきたいと思うんですけども。
まず、ビデオの前に先行で公開されたティザーのビデオがあって。8ビット風っていうんですかね? 昔のファミコンみたいなゲームのティザーがあってですね。そこにもあるんですけど、AKLOおよび登場人物はプロビデオゲームプレイヤーのチーム戦が行われているっていう設定になっております。
AKLOティザー
で、それぞれの細かい名称とかは省くんですけど。AKLOはすごい最強のプロビデオゲームのチームにいて、連戦連勝だったんですけども、その後に1人修行に出ていきます。で、そのAKLOがいなくなった後、そのプロビデオゲームプレイのシーンには新しいチームが出てきて。そいつらがめちゃめちゃ強くてやっつけられちゃっている。で、AKLOが戻ってきて、その新しいチームを倒しに来るという設定なんですけども……そのビデオゲームの対戦相手なんですけど、これは本当に実在するプロゲーム集団。プロeスポーツって呼ばれているそうなんですけども、DetonatioNっていうチームのDustelBoxさんというすごい有名なプロゲーマーの方が実際に本当に出演していることが、結構そのゲーマー界隈でも話題になっているようでございます。
ラッパーAKLO「McLaren」MVは大月壮 プロeスポーツチームとゲーム対決! #kai_you https://t.co/9lyA8vUR8Y
AKLOさんはもちろん、SALUさんの名演も光る秀逸すぎるMV! pic.twitter.com/WNoucJWxNE
— KAI-YOU (@KAI_YOU_ed) 2016年6月13日
すごい、フルタイム出勤で給料制のプロゲーム集団らしいですから、すごいですよね。ゲームやってお金をもらっているっていうか。まあでもなかなかね、それをスポーツとして捉えているので過酷な感じだとは思いますけども。世界に行くとね、結構そういうプロゲームの賞金がすごいもらえる大会とかいっぱいあるので、そういうのに出てるんじゃないでしょうか。で、ですね、このゲームの対戦をしている様子なんですけど、これは漫画・アニメの『ジョジョの奇妙な冒険』の第三章、ダービー弟戦っていう回があるんですけども、それのオマージュになっています。実際にアニメとかを見ても、ゲームで対戦しているシーンがあったりして、「ああ、これをAKLOがオマージュにしてるんだ」っていう感じが見たらわかると思います。で、F1レースみたいなゲームをやっているんですけど、ボタンを連射すると速く走れるっていうシステムだと思うんですけど、AKLOがコントローラーの代わりにボタンをガーッと押しているのが、なんとAKAIのサンプラーの名機、MPCを連打しているのもヒップホップ的に面白かったり。
Akai MPC5000
MPCシリーズでは初めてとなるバーチャル・アナログ・シンセと8trハード・ディスク・レコーダーを搭載し、音源制作からレコーデイングまで一台で完結できる高性能なハイブリッド・マシン。 pic.twitter.com/ZTCEYbVsAk— シンセ&サンプラーbot (@synthsamplerbot) 2016年6月11日
あと、腕につけているのはオールドスクールゲーマーならご存知だと思うんですけど。パワーグローブ。1990年に発売されたファミコン用のゲームコントローラーで。すごいカルトなアイテムで。親指を曲げるとAボタンを押したことになったりとか。手を前に突き出すと上下の上ボタンを押したことになったりする、結構訓練が必要なマニアックな代物で。当時も流行ったわけじゃないんだけど、結構話題にはなっていたんですが、なかなかマニアックなアイテムが出てきたり……
あと、レース終盤になって、AKLOがある必殺の道具を使います。これがですね、鉄定規というんですけど、鉄定規をゲームに使うってわかる人、いるかな? スタッフとかもわかる人、いますか? ああ、やっぱり若いんだね。みんなね。これ、鉄っていうかステンレス製の定規なんですけど。昔、ハイパーオリンピックっていうゲームがあって、オリンピックのゲームだから100メートル走とかあるんだけど。ボタンを連打すると速く走れると。で、昔はボタンをガガガがガッてこすっていたんだけど、いっぱいこするとゲーム機のボタンが壊れちゃうんで、よくゲームセンターでは禁止になっていたんですよね。
で、子供たちが考えだした技として、どうやったら速くボタンを押せるか?っていうので、今度は鉄定規をバネのように弾いて、ボタンのところにやるとボタンが連打できるシステムを作ったんですね。鉄定規を使って。そうすると、めちゃめちゃ速く走れたりするっていう、言わば裏ワザっていうよりは割と禁じ手だったんですけど。まあ、それもね、流行りすぎて結構全国的に鉄定規をゲーセンで使うの禁止になったりしたんですけど。なんか昔のゲームを知っている人だったらニヤニヤするようなポイントがいっぱい出てきて、僕は非常に楽しかったです。
※動画1:20から定規連射が登場します
で、ですね、この鉄定規。『RGTO』のビデオでAKLOとSALUくんが学校で決闘するシーンでも、SALUくんが武器として使って、AKLOの額が割れるシーンなんかでも使われていたりして。ビデオ的にもつながりがあったりして面白いな、なんていう感じでございました。あとね、AKLO的にはもちろん歌詞なんかもいろいろ面白いところが散りばめられているんですが。なんと、実は来週の『INSIDE OUT』。6月20日はですね、AKLOのニューアルバム『Outside the Frame』、まるごと60分特集! というわけで、渡辺志保はもちろんですけど、AKLO、そしてHIPHOP HYPE!の中の人も戻ってきて、オリジナルINSIDE OUTスクワッド勢揃いでAKLOのアルバムを特集しますんで。来週も楽しみに聞いてください。というわけで、その前にじゃあAKLOの話題の新曲をいってみたいと思います。『McLaren』。
AKLO『McLaren』
はい。お送りしましたのはAKLOのニューシングルで『McLaren』でございました。結構、鉄定規とか反応してくださっている方、いろいろいらっしゃいますけども。ありがとうございます。年齢がバレるぞ、お前ら! というわけでですね(笑)。でも、いいですよね。こういうのも。さすが、大月壮さんの仕込みだなと思いました。
<書き起こしおわり>