砂原良徳 旅と飛行機を語る

砂原良徳 METAFIVEを語る block.fm

砂原良徳さんがblock.fm『Smooth Navigation with EMPORIO ARMANI』に出演。タケル・ジョン・オトグロ(TJO)さんと旅や飛行機、レコード発掘などについて話していました。

(TJO)はー。今度、音楽以外の趣味的なところでお聞きしたいのが、航空会社をテーマにしようと思ったってことは、もともと飛行機が好きだった?

(砂原良徳)飛行機は……そうですね。飛行機は好きですけど。まあ、嫌いな飛行機もありますけどね(笑)。

(TJO)あ、そうなんですか(笑)。あるんですね。それはどんな飛行機なんですか?

(砂原良徳)まあ、そうですね。好きなのはボーイングの747は形が非常に好きですね。

(TJO)曲名にもなっている。はい。

(砂原良徳)まあ、嫌いなのは、軍用機であんま好きじゃないのもありますね(笑)。

(TJO)それは形、フォルムの話ですか? 完全に。

(砂原良徳)ああ、いまはそうですね。はい(笑)。

(TJO)やっぱり、あれですか? いろいろ、飛行機に乗るチャンスもお仕事柄、多くなってきて好きになったのか、それとも元々憧れがあったとか?

(砂原良徳)それも影響あると思います。それで、あと飛行機に乗る時ってやっぱりボディーチェックとか、あとは荷物の検査とか。空港の独特の雰囲気ってなんか、あるじゃないですか。ああいうのがちょっと特別な感じだなって。昔はもっと特別な感じがしたんですね。いまはもう、サンダルで飛行機に乗っちゃう人とかいますけど。昔はあんまりいなかったんですね。

(TJO)たしかに(笑)。いまはだいぶ、カジュアルに通れるようになりましたもんね。

(砂原良徳)そうですね。昔は飛行機に乗るって、結構一大イベントだったと思うんですよ。

(TJO)たしかに。それで、日本国内もそうですし、海外もいろんなところをたぶん回られたと思うんですけど。世界各国、音楽活動をしてきた中で、いろんなところがあると思うんですけど。いちばん印象に残っている都市とか、その都市の音楽について……

(砂原良徳)都市ねえ。いや、どこもやっぱりその都市の特徴があると思うんですよ。ニューヨークもそうだし、ドイツ・ベルリンとかもそうだし。ロンドンもそうですけど。ただ、僕が行っていた頃はまだ、ニューヨークに行くと「ああ、ニューヨークのエナジーだな」とか。なんとなくそういうのがわかったんですけど。最近はやっぱりもう、だいぶそういうのが薄れてきてはいると……

(TJO)それは、どこに行っても……

(砂原良徳)同じっていうことですね。それは昔よりは感じますね。なんとなく。

(TJO)それは、あれですか? ネットとか、情報ですか?

(砂原良徳)そうですね。情報のスピードと量がやっぱり当時とは圧倒的に変わったというところだと思うんですよ。

(TJO)逆に初めて海外に行ったりとか、回った国で本当にここは衝撃を受けたな! みたいなところってあったりしますか?

(砂原良徳)まあ、その街自体にすごい衝撃を受けたっていうのはないんですけど。どこに行ってもその国のその街の特徴っていうのがあって。それはいいことだなと思うんですけど。最近、日本の地方都市とか行くと、空港とか全部一緒で。面白くねえなって思うんですよね。

(TJO)うんうんうん。

(砂原良徳)なんかもうちょっと、その土地の特徴っていうのがね。空港だけじゃなくても、あってもいいんじゃないかな?っていう風には僕は思いますね。どこに行っても同じは、もう面白くないっすよ。本当に(笑)。

(TJO)ってなります?(笑)。

(砂原良徳)なりますね。それは。

(TJO)逆に、意外とここは楽しかったな、みたいなところもあるんですか?

(砂原良徳)意外と楽しかった? あ、以前に電気グルーヴ時代ですけどね。ポーランドっていう場所に、20年以上前だと思うんですけどね。まだ資本主義な感じっていうのがあまりないっていうか、お店に入った時に、「いや、これは物を売るっていう気持ち、あるのかな? その感覚、ないのかも」みたいな。

(TJO)(笑)

(砂原良徳)なんにもない大きい壁に突然、1枚だけでっかい広告とかがあって。すごい変わった雰囲気だなと思いました。

(TJO)異様な光景ですね。それ、ちょっと。

(砂原良徳)うん。

(TJO)いま、後ろで聞いてもらっているこの曲はなんですか?

(砂原良徳)これはね、マークス&レブゼルタ(MARKS & LEBZELTER)っていう人たちのアルバムから『It’s True』っていう曲なんですけども。僕の中では、サイケデリックっていうジャンルに一応入っているんですけども。僕が生まれた頃、たぶん1968年とか9年のですね。

MARKS & LEBZELTER『It’s True』

(TJO)ああ、そんな前の曲なんですね。

(砂原良徳)はい。アルバムに入っている曲は結構全部ノイズみたいな、ギャーギャーなんですけど。これだけ曲らしい曲で。ちょっと気持ち悪い感じが、あんまり他にはないよなっていう(笑)。

(TJO)そうですね(笑)。どこでこの曲とか、見つけてきたんですか?

(砂原良徳)これはね、人に教えてもらった曲だと思うんですけど。僕が買ったのはね、ロスアンゼルスのちょっと外れのパサディナっていうところの大学のフリーマーケットで買いました(笑)。

(TJO)ああ、売ってたんですか。それはずっと探していて、見つかんなかったけど行ったらあった、みたいなそういうことですか?

(砂原良徳)探してましたね。ただ、そこに行くと、日本で買うと1万円とかのレコードが3ドルとかで売ってるんで。行って、安いやつをどんどん抜くっていう感じですね。朝3時半ぐらいから行ってやるんですけど(笑)。口に懐中電灯くわえて。真っ暗なんで。まだ。

(TJO)あ、本当の朝3時半なんですね(笑)。

(砂原良徳)そうですね。それで口に懐中電灯くわえて、ダダダダダッてレコードを見るわけですけども。

(TJO)結構あれですか? 本当にいろんな音楽を聞かれていると思うんですけど、いま聞いていて自分の制作に関係なく、面白いなと思う音楽とかって、なんか……

(砂原良徳)あんまりね、ないです(笑)。

(TJO)ないですか(笑)。

(砂原良徳)あの、制作しているのばっかり聞いてますね。

(TJO)制作に結びつく?

(砂原良徳)結びつくっていうか、自分の作っているものしか聞いてないって言ってもいいと思います。あまり時間の余裕がないですね。

(TJO)なるほど。じゃあ、本当に海外旅行とか行った時に少し余裕ができて、レコードを買おうかな?っていう感じになるって感じですか?

(砂原良徳)たぶん、時間が空けばそういう感覚になると思うんですけど。あと、僕楽曲作るのに結構時間がかかるんですよね。

(TJO)ああ、そうなんですね。

(砂原良徳)で、作っている最中のものも何十回も聞くんで。なかなか音楽を聞く……聞きたいなとは思っているんですけど、時間がないなって。

(TJO)なるほど。この『Smooth Navigation with EMPORIO ARMANI』なんですけど、『EMPORIO ARMANI SOUNDS』っていうEMPORIO ARMANIが定期的に開催しているイベントが世界各国であってですね。で、同時に、もうそろそろ日本でも本格的に動くかなっていう噂のSpotify。その中でもSpotifyと共同開発した『EMPORIO ARMANI SOUNDS』っていうアプリがあるんですよ。そこでは、EMPORIO ARMANIのセレクトした音楽が聞けるようになっているんですけど。

(砂原良徳)はい。

(TJO)たとえばそういうSpotifyとかいったサービスって、僕はいま、まりんさんが気分的に聞いているもの、セレクトした楽曲とかあったら、そういうところとかでまりんさんのセレクトを聞いてみたいなと思っていて。

(砂原良徳)ああ、プレイリストみたいなやつとか?

(TJO)そうですね。

(砂原良徳)そうですね、なんかどんなのが入っているのかっていうのはちょっと興味がありますね。最近、結構そういうところでもライブラリ、以前に比べると随分充実してきてますから。

(TJO)でも、逆にあれですか? デジタル化されていない音の方が探すのが好きだったりとか、聞くのが好きだったりとか?

(砂原良徳)うーん、どうかな? いや、まあどっちも好きですよ。デジタル化されていないものには、「うわっ、こんなもんあるんだな!」みたいなものはありますし。あとは、個人的に作られたレコードとか。「誕生日おめでとう」みたいなやつとか(笑)。

(TJO)はいはいはい(笑)。

(砂原良徳)外国人の、アメリカ人の家族の写真が入っていたりとか。そういうのも買っていたこともありましたね(笑)。

(TJO)すごい(笑)。なにが入っているんですか? その中。

(砂原良徳)普通に7インチで、なんか『Happy Birthday ○○』とか書いてあって。家族の写真が入っていて。聞いたら、「ハッピーバースデー」とかいう歌が入っていて。

(TJO)その家族が歌っているみたいな(笑)。

(砂原良徳)みたいなのが入っていて。2ドルぐらいですけどね(笑)。

(TJO)安いですね(笑)。

(中略)

(TJO)そしてこちら、聞いてもらっているのは?

(砂原良徳)これはね、なんて読むんだろうな? Lindstrom & Christabelleっていうのの『High & Low』っていう曲なんですけど。これは小山田くんに教えてもらった曲ですね。まあ、会ったりすると「これ、よかったよ」とかっていう。

Lindstrom & Christabelle『High & Low』

(TJO)ああ、結構情報交換は?

(砂原良徳)よくやります。みんなで。

(TJO)この曲なんか、まさにすごくシンプルな感じで。

(砂原良徳)そうなんですよ。シンプルなんですよね。僕、ちょっとこういう曲を作れたらな、なんて実は思っていたんですけど。

(TJO)へー! 楽しみですね、それ。まりんさん、この放送の他にも、block.fmのアプリの方でEMPORIO ARMANIのシーンMIXのチャンネルがありまして。そこにMIXを提供いただけるということで。

(砂原良徳)はい。あの、さっき「新譜はあまり聞いてない」って言いましたけど、割とクラブトラックのみ、新譜はチェックしてますね。

(TJO)あ、じゃあそれも嘘だったんですね。

(砂原良徳)まあ、正確に言うと、嘘になりますかね(笑)。

(TJO)(笑)。どんなのを聞いてるんですか?

(砂原良徳)割と4つ打ちものの、最近は仕分けてみると東ヨーロッパの方の音を好んでいるっぽいですね。僕自身は。

(TJO)じゃあ、それをテーマにした?

(砂原良徳)まあ、そうですね。東欧のテクノが結構多いかなとは思いますね。

(TJO)おおー! ちょっとそれも聞くの、すごい楽しみです。

(砂原良徳)がんばって作ります(笑)。

<書き起こしおわり>

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