砂原良徳 METAFIVEを語る

砂原良徳 METAFIVEを語る block.fm

砂原良徳さんがblock.fm『Smooth Navigation with EMPORIO ARMANI』に出演。タケル・ジョン・オトグロ(TJO)さんとバンドMETAFIVEについてトーク。バンド内での砂原さんの役割や楽曲制作、衣装やリハーサルなどについて話していました。

(TJO)これ、いま後ろで聞いてもらっている曲は?

(砂原良徳)これは自分たちの曲なんですけど(笑)。今年、アルバムが出ましたけど。METAFIVEの『Whiteout』という曲ですね。

(TJO)改めて、METAFIVEの活動についてお聞きしたいんですけども。たぶん結成の逸話とか、やられていることに関してはいろんなところでお話されていると思うんですけど。いわゆるMETAFIVEの中で、もちろん自分が憧れの人と一緒にいま、お仕事されていると……

(砂原良徳)そうですね。(高橋)幸宏さんですよね。

(TJO)ですよね。ということだと思うんですけど。バンドの中で、自分の立ち位置ってなんだろうと?

(砂原良徳)立ち位置ですか? なんでもやる雑用。

(TJO)そうなんですか(笑)。

(砂原良徳)「すぐやる課」っていう感じだと思うんですけど(笑)。

(TJO)なんか僕、聞いた話によるとまりんさん、YMOの完コピのMIDIデータを作られていると?

(砂原良徳)ああー、ありますね。いくつか。

(TJO)それはもう、ご自分で、趣味で?

YMOを完コピする意味

(砂原良徳)これね、正確に言うと趣味っていうよりは、たとえばコンピューターの中に新しい音楽制作用のソフトウェアとかを、新しく導入することがありますよね? で、その能力を試すために、やるわけですよ。

(TJO)えっ、どういうことですか?

(砂原良徳)たとえば、YMOの『ライディーン』っていう曲があったとしたら、このソフトウェアでは『ライディーン』をどれぐらい再現できるか?っていう。で、できれば、「これはそういう80年代初期のサウンドのシミュレーションには向いている」っていう判断ができるわけです。

(TJO)なるほど!

(砂原良徳)で、ダメだとしたら、じゃあ別のものを探さなきゃ……みたいな。そういうために作っていたんですね。そもそも。YMOだけじゃなくて、普通に。『イース(?)』のオープニングテーマの完コピとかもやってますけども。

(TJO)ああ、そうなんですか!

(砂原良徳)ええ(笑)。実は、そうなんです。はい。

(TJO)CMとかも大好きで?

(砂原良徳)ああ、一時はCM大好きで。YouTubeなんかが出る前ですから、90年代ですかね。いろいろ、みんなでCMのビデオを持ちあって。それをVHSからVHSに編集してダビングしてコピーして。CMだけのビデオを作って、それをずーっと見てたりとかしてましたけどね。

(TJO)はー。

(砂原良徳)で、今でこそ割とそういう楽しみ方ってあるじゃないですか。YouTube以降は。当時はまだなかったですから。

(TJO)めちゃめちゃ新しかったっすね。そう考えると(笑)。

(砂原良徳)楽しかったですね。すごい。だからなんか、売っているものだけじゃもう楽しくないなっていう風に思い始めて。みんなで、そうじゃないものを見たり聞いたりしていたんですけども。

(TJO)だから本当にあれですよね。いち早く、いまの時代より先に、あるものを使ってさらに遊ぶ。

(砂原良徳)そうですね。ただ、売っているものだけじゃあね、もう楽しめないなっていまでも思うこと、当然ありますし。だからなんか、そうじゃない楽しみ方もしています。

(TJO)なるほど。METAFIVEも含めてなんですけど。今年、そして今後の未来の展望とか。こんなことをやっていきたいなっていうのをぜひ、お聞きしたいんですけど。

(砂原良徳)うーん。METAFIVEは今年、アルバムが出て。ライブも何本かやりましたけども。夏にかけても、何本か。夏だけじゃないですね。今年1年はライブ、結構何本かやることになると思います。で、まあちょっと楽曲制作の話も、ちらほら聞きます。

(TJO)ああ、METAFIVEとして?

(砂原良徳)METAFIVEですね。聞いてますけど、まだやってないと思います。

(TJO)それは、あれですか? 次のアルバムに向けて、みたいなことですか?

(砂原良徳)次のアルバムなのか何なのかはわからないですけど。アルバムが出て、12曲いまレパートリーがあるんですけど。ただ、その12曲だけだと、なんか曲順とかが決まってきちゃうんですよね。もうちょっとバリエーションをつけたいなって僕らも思っているんで。そのためにも、楽曲もうちょっとあってもいいのかなとは思いますけど。

(TJO)いわゆるライブでしか聞けない最新アレンジバージョンみたいなこともあったりするんですか?

(砂原良徳)そうですね。YMOの曲とかもMETAFIVEでやってますから。それは、METAFIVEのアレンジでやっています。

(TJO)実際に楽曲制作の時はさっきも「雑用」っておっしゃられてましたけど。基本的に、「じゃあ僕、トラック作ってきます!」みたいな感じで、手を挙げてやる感じですか?

(砂原良徳)METAFIVEの場合は6人、メンバーがいるんですけども。今回のアルバムは1人2曲ずつ担当っていうことで。責任者が1人2曲っていうことですけど。あんまり、そういう決め事もなくてもなんとかなるかなっていう。まあ、オリジナルが最初だったんで。そういうやり方だったんですけど。

(TJO)なんか、今回のアルバムからさらに発展させて、こういうことをもっとやっていきたいなっていうことがあったりします?

(砂原良徳)うーん。みんないろいろ思っていると思うんですけどね。こういう楽曲もありだな、とか。こういうのもあるだよな、とか。僕も、『Whiteout』はこれ、なんて言うんだ? R&Bなの? これ、なんだかわからないですけどね。ちょっと黒人っぽい感じっていうのは結構できるかなと思って。まだこういうのを作ってもいいのかなって。

(TJO)じゃあ、もっと突き詰めて、次はこういう系をやっても?

(砂原良徳)そうですね。でもあと、基本ライブが結構多いんで。体が動く曲がいいなっていうのはありますね。

(TJO)ああ、いいですね。逆に、まりんさん個人の活動は今後は?

(砂原良徳)個人での活動、どうなんでしょうね?

(TJO)実際、なんかリリースとかの予定とかは?

(砂原良徳)全くないと思うんですよ。あまり考えないで……ソロのことを考えないようにしているんですよ。

(TJO)それは、わざとそういうようにしてるんですか?

(砂原良徳)はい。考えちゃうと、「さあ、始めるぞ!」っていう時に、なんかそこにものがあるじゃないですか。普段から考えていると。白紙の状態から始めたくて。あんまり考えないように、実はしていて。

(TJO)ああ、そうなんですね。じゃあ、実際に作る時も、「さあ、作るぞ!」っていうよりかは、作っているうちに、「ああ、これ自分のにしちゃおうかな?」みたいな。そういう感じですか?

(砂原良徳)そういうのも、たまにありますね。でもね、僕は割と作っていいのができたら、「自分のにしちゃおう」じゃなくて、「バンドのものにしよう」っていう方が多いですね。やっぱりそっちの方が大きいかなと思うんですど。

(TJO)なるほど。それは外を向いているのは、すごくいいことですね。

(砂原良徳)自分のソロに入れちゃうと、みんな聞いてくれないんで。いい曲です(笑)。

(TJO)そんなことないですよ(笑)。

(中略)

METAFIVEの衣装

(TJO)あれですか? METAFIVEでたとえばライブをやられる時も、基本的に衣装についてはどういう形で?

(砂原良徳)まあ基本はでも、幸宏さんとか小山田くんとかが結構メインで決めているのかな? 僕はなんか、おりてきたものを「ああ、いいね」とか「悪いね」とか無責任に言うだけの仕事なんで(笑)。

(TJO)(笑)。でも、逆にあれですか? 無責任に言われるっていうことは、「ちょっと違うな」って言う時もあるんですか?

(砂原良徳)ああ、それはね、いまんところないですけど。でも、よっぽどのことがあれば、たぶん言うんだと思うんですよ。

(TJO)衣装を着て、バンドっていうともちろん1人じゃないので。いろんな人たちと一緒に並んで立つ時に、衣装を着て自分の中でのテンションが変わったりとかっていうのもあります?

(砂原良徳)それはね、たぶん僕だけじゃなくてみんな、あると思うんですよね。あの、METAFIVEはだいたい平均年齢が48才ぐらいで。とても若いバンドとは言えないんですけども。やっぱり、もうそれなりに48になると、人間が出来上がっているじゃないですか。だからやっぱりね、なんか着るものとかを一緒にしないと、集団が一体化しないっていうんですかね?

(TJO)なるほど、なるほど(笑)。

(砂原良徳)それもあると思います。仕事着に着替えて、「さあやるぞ!」みたいなね。白衣みたいな感じとか。板前さんの着ているものとか。そういう感覚にも近いんじゃないかっていう。そういう、「着ると仕事」っていう。

(TJO)なるほど。で、もうステージ上でバシッとみなさんで決められてっていう。

(砂原良徳)そうですね。

(TJO)僕が個人的に気になるのは、「リハ」。ライブもいっぱいやられていると思うんですけど。リハの時ってどういう雰囲気なんですか?

(砂原良徳)リハの時はですね、どうかな? 始まって1時間か2時間ぐらいは、結構みんなダラーッていう感じかな?(笑)。どうだろうな、日によりますね。今日はシャキッとしてるなとか。でもね、あんまり回数をやらないです。

(TJO)ああ、そうなんですね。

(砂原良徳)あの、やりすぎると、飽きるんですよね。だから合わせるのはそんなにたくさんは合わせないですね。で、「練習したければ、個人で練習してこい」みたいな(笑)。

(TJO)で、当日ドーンと。

(砂原良徳)そうですね。割とそういう感じが多いです。

<書き起こしおわり>

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