トミヤマユキコと宇多丸 ネオ日本食を語る

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ライター、研究者、パンケーキのエバンジェリストのトミヤマユキコさんがTBSラジオ『タマフル』に出演。海外からやってきて日本で独自に進化した『ネオ日本食』について宇多丸さんと語り合っていました。

(宇多丸)そんなトミヤマさんがいま追いかけているテーマがこのネオ日本食。これ、マジですね?マジで追いかけている。『ネオ日本食って何だよ?』というみなさん、私とともに、今夜はみんなで一緒にこのネオ日本食とは何か?を考えていこうという特集です。

(トミヤマユキコ)はい、よろしくお願いします。

(宇多丸)ではまず、ネオ日本食。聞き慣れない感じの言葉なんで、定義からお願いしたいんですが。

(トミヤマユキコ)はい。講義1、ネオ日本食とは何か?その定義。

(宇多丸)学術。学術。

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ネオ日本食の定義

(トミヤマユキコ)(笑)。まずはですね、もともと海外からやってきた料理なんですよ。それが、時間的、あるいは物理的、あるいは文化的な要因によって、日本国内でガラパゴス的進化を遂げて、日本独自の料理になったものという風にお考えいただきたいんですね。で、一般に『日本食』と言ってみなさんがイメージするのは、無形文化遺産に指定されました和食ですとか、寿司、天ぷら、そば・・・

(宇多丸)『和食』ってすごいよね。くくりが。なんだよ、そのくくり?って思うけど。無形文化遺産なんだ。

(トミヤマユキコ)寿司、天ぷら、そば、とかね。外国の方がイメージするようなもの。しかし、ネオ日本食の多くはそういった伝統、権威からはすこし離れたところにあります。極めて庶民的な料理であって、本当の意味で我々日本の民のソウルフードということだと思います。

(宇多丸)なるほど。これ、一言で言えばさ、外国人の観光客。特にじゃあ欧米の方とかが来て、まあ『スシ、テンプラ、ソバ・・・』っていう方が選ばないであろう食い物。でも、俺たちがいちばん食っているのはこっち!みたいな。でも、どこの国にもありますよね。きっとね。

(トミヤマユキコ)でね、知らないんですよね。日本の人も。その外国の人に何かをすすめようと思った時に、パッとやっぱり出てきちゃうのが・・・

(宇多丸)まあ、当然『スシ、テンプラ、ソバ、ハラキリ・・・』って。

(トミヤマユキコ)そうそうそう(笑)。そうなっちゃうんだけど、いやいや、他にあるでしょう?と。

(宇多丸)で、しかもそれが、日本独自のものだっていう頭がないから。『これってだってほら、洋食じゃない。これって、食べ慣れてるんでしょうが。ねえ?』なんて。そういうことになりかねないという。

(トミヤマユキコ)そうなんですよね。だから『洋食』っていう名前がついているから、外国から来たものだと思っているんだけど。いやいや、ないから。もう変わりすぎてなくなっちゃってるから!っていう。

(宇多丸)なんだかよくわからないことになっているみたいな。ということで、日本人でさえも気づいていないケースが。

(トミヤマユキコ)そう。ありますということですね。で、前回私が出た時にしゃべらせてもらったパンケーキ。

(宇多丸)肉ですね。肉。

(トミヤマユキコ)そう。パンケーキは肉なんです。3年たっても全く浸透しなくて、いまだに言い続けているんですけど(笑)。

(宇多丸)(笑)。この浸透しなかった概念。『パンケーキは肉』(笑)。

(トミヤマユキコ)なかなか浸透しない概念(笑)。これも、まあスイーツ界のネオっているやつと考えられると思うんですが。まずあれ、パンケーキは海外から入ってきた食べ物です。それが日本の中で『ホットケーキ』という、甘さ、あるいは厚さなどに特化したお菓子になっていきますね。で、これが『ジャパニーズパンケーキ』あるいは、アジア圏では『日本式・日式パンケーキ』として、台湾なり香港なりでお店があったりするんですよ。

(宇多丸)あ、そうなんだ!

(トミヤマユキコ)あるんです。で、これは西洋のパンケーキ群とは別物として考えられるようになっています。

(宇多丸)へー!あ、その流れ、知らなかったな。

(トミヤマユキコ)つまりパンケーキが日本に来る→日本でネオっちゃう→ホットケーキになる→ネオ日本食として海外にもう1回、出て行くと。

(宇多丸)逆輸出というか。感じになるんだ。へー!あ、そういうことになっているんですね。

(トミヤマユキコ)ということからもわかる通り、日本人はどうやらこの『ネオくする』技術っていうのが・・・

(宇多丸)はい。新しい動詞、来たよ!『ネオくする』。

(トミヤマユキコ)(笑)。そう。ネオらしちゃう技術がどうも得意なのではないか?と。

(宇多丸)要するに、海外から来たものを独自のものに変えてしまう。

(トミヤマユキコ)そうです。そうです。で、今回私は、まあ食べ物の話をしていますが。宇多丸さんなどがやられておられますヒップホップなどもそうではないですか?

(宇多丸)日本語ラップはもう完全にそういうところ、ありますよね。まあ、まさに私、食べ物のメタファーで言っています『たらこスパゲティー』というのは、日本で独自に生まれた文化で。もう根付いているもので・・・みたいな話をね、歌詞の中で言ったりしているぐらいで。まあ、音楽の例はいっぱいありますよね。日本語ヒップホップ。あとまあ、90年代MAXがデビューした当時につけられていたキャッチフレーズ『Jユーロ(J-EURO)』。

(トミヤマユキコ)(笑)

(宇多丸)なんですか?どこの国のなんなんだ?っていうね。まさにJユーロなんて、この言葉そのものがネオっているという。『ネオってやるぞ!』っていう意志ですよね。『おう、ネオってやるよ、コラッ!』っていうMAX松浦の意思を感じるネーミングですよね。

(トミヤマユキコ)そう。たしかに。ということで、ネオ日本食について話すということは、日本文化そのものの話でもあるんじゃねーのかな?と。今日は日本文化論の話をしに来たと。

(宇多丸)いいですね。ワタシ好みの話ですよ、これは。

(トミヤマユキコ)ありがとうございます。しかもですね、このネオ日本食とかが面白いのは、庶民から生まれたものだっていうことですね。

(宇多丸)ああ、自然に生まれてきたものですもんね。なんかどっかが流行らそうとしてやったとか、そういうことじゃなくて。

(トミヤマユキコ)そう。伝統、権威から離れて、庶民が勝手に、ある意味ではクリエイトしたものを楽しむ。で、それをまた庶民の側で分析したり考察したりするっていう、楽しく、でも実は実証的かつ高尚な話にもなりうるんじゃないか?と。

(宇多丸)なるほど、なるほど。いや、これはでも面白いですよ。しかも、意外と体系だてて研究されている方もいないでしょうから。これ、トミヤマさん、美味しい領域ですね!

(トミヤマユキコ)ありがとうございます(笑)。あのね、各々ではいるんですよ。洋食やっている人とか、B級グルメに詳しい人とか、ラーメンにすごく詳しい人とかいるんですけど。それをネオ日本食という名前で平定してやろうという・・・

(宇多丸)なるほど、いいですね。平定(笑)。平定って、穏やかじゃねえな、おい(笑)。

(トミヤマユキコ)いやいや、仲良くしましょうということですよ。

(宇多丸)ああ、そうですか。わかりました。

(トミヤマユキコ)各々でそっぽを向かないで、横にならしていこうっていう。

(宇多丸)なるほど。でも、横断的に見るのは大事かもしれないですね。ということでじゃあ、どんどん講義をうかがっていきたいんですが。

トミヤマユキコ的四大ネオ日本食

(トミヤマユキコ)はい。じゃあ次に行きましょう。講義その2、私が考える四大ネオ日本食。これ、(仮)です。これからまた考えていかなきゃいけないので。

(宇多丸)あの、時代によってはね、変わっていっちゃいますもんね。たぶんネオ日本食の範疇もね。広がる一方ではあるかもしれない。

(トミヤマユキコ)やっぱりね、偉い人が述べているわけではないので。みんな勝手にネオっていくんで。

(宇多丸)まあ、そこらへんのアホどもがね、『ウェーイ!これにこうしたら、美味しくね?ワーイ!』『これにこれかけたら、美味しんじゃね?ワハハーッ!』ってね。そういう食いもんだからね。

(トミヤマユキコ)そうそうそう。なので、まあ暫定版という風にお考え頂きたいんですけど。まあ、だいたい4つぐらいあるんじゃないかと。1つ目。『カツ』。

(宇多丸)これがね、僕ね、今回の特集の企画をうかがった時にいちばん目からウロコっていうか。

(トミヤマユキコ)あ、本当ですか?

(宇多丸)やっぱり、カツっていう言葉がさ、日本語だと思っちゃっているんですね。普段は。カレーとかに比べて、カツは日本語でしょ?って思っちゃうんだけど。『カツレツ』だ。

(トミヤマユキコ)そう。フランス料理『コートレット(cotelette)』が、コートレット、コートレット、カツレツ・・・になっていくということなんで。

(宇多丸)要するに、小麦粉で揚げたと。

(トミヤマユキコ)そうそう。だから、勝手に卵でとじたりとかしちゃったりしてるわけね。甘辛のタレとかつけちゃって。

(宇多丸)そうなんだね。つまり、カツ丼はもうすでに元は西洋ルーツだけど。もう、もう、見る影もない(笑)。

(トミヤマユキコ)そうなんですよ。カツレツぐらいまではね、ちゃんと洋食として守っている人もいるけど。

(宇多丸)デミグラスソースがかかっていれば、まだね。洋食とは言えるけど。

(トミヤマユキコ)そう。でも、北陸のソースカツ丼とか、卵でとじているカツ丼とか。あとは駄菓子のカツ、あるじゃないですか。あれに至っては、肉を使っていないわけだから。もう勝手なの、みんな(笑)。

(宇多丸)しかもいわゆるソース。あれだって、『ソースって何だ?』って話だけどさ。

(トミヤマユキコ)そうなんですよ!

(宇多丸)日本で言うソースって、我々が思うあのソースだけど。よく考えたら、ソースって何だよ?っていうさ(笑)。話ですもんね。

(トミヤマユキコ)このへん、ネオりが激しいですね。

(宇多丸)激しいね!もう見る影もない(笑)。見るも無残な変貌を遂げて(笑)。

(トミヤマユキコ)はい。今後もまあ、ネオるでしょうっていうことですね。

(宇多丸)いろんなものにまたね、カツは行っちゃいますからね。バーガーや、いろんなものに混ぜられちゃいますから。カレーも混ぜられちゃいますしね。

(トミヤマユキコ)そうそうそう。じゃあ、次に行きます。2つ目はね、ラーメン、餃子などの『中華系』。

(宇多丸)一応中華ベースっていうか中華由来であるっていうのは、頭では理解しているけど。やっぱり『ラーメン屋、行こうぜ!』っていう時に、『中華料理、行こうぜ!』っていうのとは違うよね。中華料理屋で出てくるラーメンと違うもんね。

(トミヤマユキコ)そうです。そうです。で、やっぱり餃子とかも、具に凝りすぎた結果、もうネオって・・・

(宇多丸)ああー、あとほら、中華の餃子は水餃子が中心だけど。我々はやっぱり焼き餃子が中心であるとかね。

(トミヤマユキコ)そうなんですよ。で、特にラーメン業界。ラーメン二郎さんなどはネオりが激しい(笑)。

(宇多丸)まあ、そうですよ。もうバロック化の領域ですね。

(トミヤマユキコ)そうです、そうです。なぜ、ああなったのか?というのはもう、分からないんだけど・・・

(宇多丸)大聖堂のようなことですからね。

(トミヤマユキコ)あれはあれで良い!ということになって、受け入れられて行き。あれはもう、ネオ日本食と言っていいだろうと。あるいは、中華丼って何だ?みたいな。

(宇多丸)中華丼っていうのは・・・

(トミヤマユキコ)『中華』っていう雑な・・・『欧米丼』とか言ってるようなもんでしょ?(笑)。

(宇多丸)そうですね(笑)。欧米丼(笑)。欧米か!?本当にね。もちろん、中華丼は中華料理屋にはないのね?

(トミヤマユキコ)には、ないです。本場中国には『中華丼ください』と言っても出て来やしない。

(宇多丸)冷やし中華。冷やし麺みたいなものは・・・

(トミヤマユキコ)は、あるけど。『冷やし中華』とは言われても・・・

(宇多丸)『冷やし欧米』(笑)。しかもさ、中華丼ってね、これさ、ホワーイ?ジャパニーズ、ホワーイ!?の領域だと思うけどさ。その中華丼でかかっているあのあんかけとさ、冷やし中華。要するに『中華』でくくられる何かに統一性がないんだよ!

(トミヤマユキコ)ないです、ないです(笑)。

(宇多丸)ホワーイ!?(笑)。ねえ。

(トミヤマユキコ)そうですね。中華丼にかかっているのは一応、八宝菜だからね。だから『八宝菜丼』でいいと思うんだけど。あれ、なんか中華丼って呼んだりとかすると。ちなみに、ウィキペディアによりますと、『中華丼とは日本の中華料理である』という(笑)。

(宇多丸)出た!Jユーロ。Jユーロ的なものだったんですね。中華丼とはMAXだということですね。

(トミヤマユキコ)そうです。そうです。もう、こうとしか説明できない料理が日本では美味しく食べられていると。

(宇多丸)はいはい。楽しいなー。

(トミヤマユキコ)では、三番目、行きましょうか。三番目はね、『カレー』。

(宇多丸)これはね、まあインドでしょ?っていう風に思う人が多いと思いますけど。

(トミヤマユキコ)でも、イギリスでしょ、インドでしょ、お母さんが作ったやつでしょ、最近はタイ風もあるでしょ・・・っていう風になってくると、『カレー味って、何?』っていうことにもなってきて。

(宇多丸)それこそ『カレー』っていう言葉も、ほとんどソースに近いような感じですもんね。本当は、本来はね。

(トミヤマユキコ)だからこれも、勝手な解釈。あるいは、軽く日本人向けにネオったものに、かつ、己のトッピングでさらにネオらせろ!っていうココイチ的な。

(宇多丸)そうですね。まあ、カツカレー然りですね。いちばんね、もうダブルですね。ダブルでネオってるし。そうか。

(トミヤマユキコ)そうなんですよ。ネオりをね、煽ってくるのがカレー。

(宇多丸)本格インド料理店みたいなのがここ20数年ぐらいで浸透してきた結果、『ああ、でもカレーってそう言えば、あれって完全に日本の食い物になっているよな』っていうのは逆に際立つ感じもしますね。いまね。

(トミヤマユキコ)そうですね。で、最後。4つ目。『パスタ』。

(宇多丸)『パスタ』なんて言い方をすると、もうさ、『おい、本格ちゃうんんかい!?』ってね。『スパゲッティー』みたいなね。パスタなんて呼んだこととかなかったですからね。パスタ。

(トミヤマユキコ)本当ですね(笑)。『ナポリタンはナポリにない』など、まあ、パスタだけじゃなくて、ピザとかもそうだし。あと、カルパッチョとかもそうなんですけど。魚のカルパッチョは日本で生まれたと言われていて。

(宇多丸)あっ、そうなの!?

(トミヤマユキコ)そう。肉なんだって。

(宇多丸)ああー、そうなんすか!?

(トミヤマユキコ)でも、『魚でも合うじゃん?』みたいになって・・・(笑)。

(宇多丸)ああ、そうなんすか!?あんなに堂々とカルパッチョ、カルパッチョ言ってるから!マジかよ!?

(トミヤマユキコ)そうなんです。だからパスタを中心とするイタリアン系はやっぱりね、ネオりの一大実験場なんですよね。

(宇多丸)へー!

(トミヤマユキコ)あと、さっきのカレー味問題ともかぶるんですけど。『ピザ味とは何なのか?』という・・・

(宇多丸)(爆笑)。ピザ味は、なんかチーズをベースに、でもちょっとトマトを・・・まあ、そんな感じで(笑)。そうだよね。ピザなんてね、味・・・

(トミヤマユキコ)なんなんだ?っていうことをね、思ったり。

(宇多丸)うまい棒ピザ味。ありますよ。

(トミヤマユキコ)あるあるある。と、いうような、だいたいこの辺りを攻めるとネオ日本食はいちばん面白いと。

(宇多丸)でもさ、いまこうやって話してみるとですよ、普段食べているものの8割ぐらいはね、家で作る伝統のお惣菜みたいなものしか食べませんっていうのじゃない限り、8割はネオ日本食じゃねえの?もはや。

(トミヤマユキコ)だと思いますね。

(宇多丸)その勢い、感じますよね。

(トミヤマユキコ)勝手にネオって行っちゃうからね。

(宇多丸)あいつら、もう、庶民が!(笑)。

(トミヤマユキコ)そうなんです。庶民の戯れがすぎるので。日本の場合は特に。

(宇多丸)はい。ということでまあ、四大ネオ日本食をちょっと整理してみたところで、次の講義に入りたいと思います。

(トミヤマユキコ)はい。じゃあ講義3、パスタを例に考える、ネオるパターンとその理由。

(宇多丸)ネオるパターンとその理由。

ネオるパターンとその理由

(トミヤマユキコ)スパゲッティーあたりのことをちょっと各論としてね、考えていきたいと。

(宇多丸)個別にね、考えてみる。うんうん。

(トミヤマユキコ)そうそう。全部やっているとね、日が暮れてしまうので。

(宇多丸)まあ、暮れてますけどね。

(トミヤマユキコ)すいません(笑)。そうだった。『ナポリにナポリタンはない』っていう話をさっき、しましたけど。あれは港町横浜のホテルニューグランドさんが発祥という説が最有力になっていて。ネオ日本食にとって重要なキーワード『戦後のどさくさ』に紛れ、料理人たちのKUFU(工夫)によって生まれた、工夫の一品です。

(宇多丸)『戦後のどさくさ』(笑)。ネオ日本食にとって重要なキーワードは『戦後のどさくさ』。このへん、ちょっとうががいたいですね。

(トミヤマユキコ)ええとですね、やっぱり本場、本国の情報なり、本国と同じ材料なりが入ってこないわけです。戦後のどさくさ期って。情報も材料も微妙なんですね。そうすると、パンケーキなんかもそうなんですけど。『だいたいこんな感じじゃね?』っていうことで、アメリカの軍隊の人からちょっと聞いた情報とかを聞きつつ、でも、同じ材料はないし・・・ということで、ちょっとずつ、アレンジが加わっていくわけですよ。

(宇多丸)うんうんうん。

(トミヤマユキコ)たとえば、ナポリタンの場合はよく言われているのは、海外にもケチャップ和えのスパゲッティーはあったんだと。でも、それを見ていて、『具がないのは寂しくね?』みたいな感じで、勝手に入れちゃうとか。

(宇多丸)ああ、まあピーマンと、ソーセージと・・・みたいな。

(トミヤマユキコ)ええ。で、他のイタリアのパスタの具には、野菜が入ったり肉が入ったりしてるものはあるわけだから、その情報は知っているわけね。で、それとこのケチャップ和えの具のないパスタを掛け合わせるっていうのとかを、正解がない、教えてくれる人がいない、本格的な材料がない中で、どんどん・・・

(宇多丸)当然、作り方とか麺のあれとかも、ぜんぜん知らないわけですね。いわゆるアルデンテで何分とか、そういうのも知らない時代に。

(トミヤマユキコ)うんうん。ネオらせていくということです。で、ナポリタンあたりに関しては、ネオりは現在に至っても複雑化の一途を辿っておりまして。ナポリタンからケチャップ成分を抜いたものを『イタリアン』と呼ぶ店がまず、あります。

(宇多丸)えっ?えっ?

(トミヤマユキコ)塩味。塩味。

(宇多丸)ああー!すごいね。ナポリタンからケチャップを抜くと、イタリアンって。その足し引きがもう、論理が・・・ホワーイ、ジャパニーズ!?だよね、本当にまた。

(トミヤマユキコ)とか。あとは関西圏では、そもそもの関東の人が思っているケチャップのナポリタンのことを『イタリアン』と呼んでいるエリアもある。同じものをイタリアンと呼ぶやつもいれば、ナポリタンと呼ぶやつもいるっていう。まず、混乱してるのね。そこで。

(宇多丸)うんうんうん。

(トミヤマユキコ)で、新潟県の長岡エリアでは、ナポリタンと言えば焼きそばにミートソースをかけたものを指します。

(宇多丸)これ私、食べたことがありますよ。バスターミナルのね、カレーが有名な。それこそ、ネオ日本食の1つ、真っ黄っ黄のカレーライスがね。美味しいんだけさ。それの上のところにある、ファーストフードみたいなお店なんですよね。

(トミヤマユキコ)フードコートっぽい。

(宇多丸)で、そこで『イタリアン』っていう五文字が輝かしくこう、あるわけですよ。あれにちょっとショックを受けましたね。新潟県。ミッツィーさんが前に店をやっていた、新潟市の。

(トミヤマユキコ)そうです。まさにそれのことです。なので、焼きそばにミートソースをかけたものをナポリタンと呼ぶんだが、同じものをイタリアンと呼んでいる店もあるという。これもまた、混乱(笑)。

(宇多丸)いま、私の前にあるものは、これは・・・?

(トミヤマユキコ)イタリアンです(笑)。

(宇多丸)焼きそばにミートソースをかけた。じゃあ、いきますね。開けますよ・・・わーお!なんですか、この・・・

(トミヤマユキコ)(笑)

(宇多丸)っていうかまず、焼きそばというものがね、ソースという謎の。もうそれ自体がネオっている代物で和えているというか、焼いているものじゃないですか。で、その上に、これ、ミートソースって言うけど、なんだろう?これ。なんかオレンジ色っぽい、まあでも、ミートソースか。

(トミヤマユキコ)一応、ミートソース。

(宇多丸)で、そこのしかも横に、なんかお新香?これ。

(トミヤマユキコ)それね、生姜です。

(宇多丸)生姜?これ、合うってこと?まあ、焼きそばに紅生姜があるわけだからね。ちょっとじゃあ、私、いただいてよろしいでしょうか?はい。

(トミヤマユキコ)味見していただければと思います。

(宇多丸)僕は普段、あんまりこういうものは食さないんですけどね(笑)。

(トミヤマユキコ)申し訳ございません(笑)。

(宇多丸)(ズルズル・・・)うん。はい・・・

(トミヤマユキコ)頭、混乱するでしょ?(笑)。

(宇多丸)あの・・・焼きそばと、ミートソースですね。

(トミヤマユキコ)(笑)。融合しない?

(宇多丸)融合してない気がしますけどね。これ、でもみなさん、新潟の方なんかはこれ、頭でちゃんとミックスされているんですかね。これね。

(トミヤマユキコ)うん。でも、美味しいでしょ?軽食っていうか。おやつ的に考えると。

(宇多丸)うん。子供とか最高に好きじゃないですか?好きな要素がミックスされているわけだから。だから、好きなものと好きなものを混ぜれば、超好きじゃね?みたいな。

(トミヤマユキコ)そうそう。小学生みたいな(笑)。

(宇多丸)『○○だし、○○だし、最高じゃないですか!』っていう、ああいう論理ですね。

(トミヤマユキコ)そうです、そうです。こういうものがあって、これが堂々と『イタリアン』という名前で売られているということです。

(宇多丸)なるほど、なるほど。これは奇怪な文化ですよ。なんかもう、まだじゃあナポリタンだ何だはさ、日本人がなんかしたんだなって思うけど。これに至っては、もうパスタじゃないからね(笑)。

(トミヤマユキコ)ないからね。スパゲッティーを使ってないからね。

(宇多丸)これにイタリアンの要素があるとしたら、ミートソース的な?

(トミヤマユキコ)でも、さっきおっしゃった通り、ミートソースかな?っていうものなので。もうこれは、ネオっているという解釈で食べるしかないっていうことですね。

(宇多丸)ぜひみなさん、新潟に行った際はね。たまんない食い物ですよ。『イタリアン』の五文字がたまらないんだ。

(トミヤマユキコ)(笑)。ぜひぜひ!という感じで、もうちょっと行くとですね、ナポリタンなどの茹で置きの麺を後から炒めてお客さんに出すという調理法を独自解釈した、『ロメスパ』と呼ばれる一大ジャンルがございます。

(宇多丸)えっ?知らない。

(トミヤマユキコ)なんかね、『路面のスパゲッティー』が縮まって、『ロメスパ』っていう。

(宇多丸)路面って・・・路上?

(トミヤマユキコ)そうそう。炒めたパスタを食べさせてくれる路面店があったって言う。

(宇多丸)ああー!そういうことか!

(トミヤマユキコ)ストリート的なことです。と、言われているという。

(宇多丸)知らなかったです。

(トミヤマユキコ)で、いちばん有名なところは、銀座にあるジャポネさんというところが多分いちばん有名だと思うんですが。もう、メニューがね、ネオってるんですよ。

(宇多丸)見たことない。あ、これね。本に載っているやつですね。

(トミヤマユキコ)そう。一応写真の資料をお見せしながらしゃべりますが。ジャポネのメニュー。明太子、ジャリコ、梅のり、チャイナ、ナポリタン、インディアン、バジリコ、キムチスパ、ヘルシースパとなっており、味付けは塩、醤油、ケチャップなどが主で。

(宇多丸)ちゃ、チャイナ!?

(トミヤマユキコ)チャイナってもう、わかんないですよね(笑)。で、大盛りサービスがあるんですが。その名もジャンボ、横綱という名前でして。もう『ネオいの極み』としか言いようがないという。

(宇多丸)でも、すげー美味そうですね!俺、今度行ってみよう。

(トミヤマユキコ)美味しそうでしょう?

(宇多丸)へー!美味しそう、美味しそう。なんか。

(トミヤマユキコ)で、これはやっぱりね、ナポリタンマナーがある人はすぐに
美味しそうと絶対に思うと思いますけども。イタリアから来たばっかりの人がご覧になってどう思うかはまた、別(笑)。

(宇多丸)オーウ!オーウ、ルックステリブル!ねえ。

(トミヤマユキコ)ちょっとストリートすぎるという可能性もあるけど、まあ面白いですよね。

(宇多丸)でも、面白い。はい。

(トミヤマユキコ)あるいは、名古屋のあんかけスパなんかもネオ日本食かなと。

(宇多丸)AK-69さんの地元ですよ、これ。

(トミヤマユキコ)で、名古屋は独特の朝食文化があったりとかしますよね。モーニングなどがあり、ネオりがキツい地方として注目していきたいと。

(宇多丸)たしかに。ネオりがキツい。わかります。

(トミヤマユキコ)味噌カツなどもありますし。ネオりのキツさが魅力のエリアかな?と思います。だいたいざっくりご紹介するとこんな感じなんですけども。ナポリタンを中心にネオって行ったのは。

(宇多丸)まだまだ、進化してそうですね。

(トミヤマユキコ)まだあると思うんですよね。で、なぜパスタ方面でネオりがよく見られるのか?だいたいで味付けしても美味いものが作れてしまう。

(宇多丸)ああー、まあね、スパゲッティーの麺そのものが味があるっていうか。美味しいですしね。そういうのもあるのか。

(トミヤマユキコ)はい。で、やっぱり米と米のおかずっていうので鍛錬をある程度積んでいる場合、いけるんですよ。麺でも。

(宇多丸)あ、そうか。炭水化物とその上に乗る何か、みたいなことで。それでだいたいそういうもんだろうと思えるっていう。

(トミヤマユキコ)そう。米の国の人ならではのね。

(宇多丸)たしかに、上に乗っかっていたり混ざっていたりしりゃあ、そりゃそうだよね。

(トミヤマユキコ)いけると思いやすいのでは?ということ。それから、さっきも言ったけど、だって本場と同じ材料が揃わないからしょうがないじゃないか!という代用の精神。

(宇多丸)初期においては、そういうね、戦後のどさくさでそういうのがあったりとか。麺なんか、そうですよね。まさにね。デュラムセモリナのああいうのなんか、なかなかなかったでしょうからね。

(トミヤマユキコ)そう。で、そういうことが相まって、全国各地に広がりながら、手前勝手な解釈でどんどん美味しく面白くなっていくということだと思います。

(宇多丸)でも、それはそれで別の旨味になるんだからすごいよね。クリエイトだよね。

(トミヤマユキコ)ぜんぜんいいんです。そうそう。で、この広い日本には、我々の知らないスパゲッティーもあるはず。ということで、情報のタレコミをお待ちしたいなと。

(宇多丸)ああー、でもこれはまさに学術調査ですね。

(トミヤマユキコ)思いますが。みなさん、Twitterとかで書いてくださったら嬉しいです。という感じですね。

(宇多丸)はい。じゃあもうタレコミ、来てるみたいなんですよね。ええとね、(タレコミメールを読む)『宇多丸さん、トミヤマさん、こんばんは。私が思う最高で最強な日本食。そいつは、ドライカレーと呼ばれたり、カレーチャーハンと呼ばれたり。どれが正しい名前なのかわかりません。そして、どこの国の料理なのかわかりません。でも、名前なんていいんです。ただ言えるのは、土曜のお昼に学校から帰って来たら母が作ってくれたそいつは最高に美味しかったということだけです。我々世代はみな、吉本新喜劇を見ながら、こいつを食べたのです』と。

(トミヤマユキコ)素晴らしい!

(宇多丸)あの、ドライカレーって言うと上にあんまり水気のないカレーの塊みたいなのがあるパターンと、いわゆるデリーにおけるドライカレー。カレーピラフパターンですよね。両方あるということで、こちらの方を指しているということですかね?

(トミヤマユキコ)いいですね!素晴らしいです。

(宇多丸)あとですね、(タレコミメールを読む)『ネオ日本食と言えば、僕は真っ先にあんパンを思い浮かべます』。

(トミヤマユキコ)そうそうそう!パンもそうです!

(宇多丸)(タレコミメールを読む)『第一パン 手包みつぶあんぱん、山崎の薄皮つぶあんぱん、フジパンの大福みたいなホイップあんぱんと主だったメーカーの商品を挙げてみましたが、お気づきでしょうか?いずれも「あんぱん」が平仮名表記。その味もさることながら、本来は英語であるはずのパンを平仮名にしても違和感を持たれないほどに日本食然とした存在のあんパンを僕は推したいです』と。たしかにね!

(トミヤマユキコ)本当にそう。素晴らしい。本当にそう。メロンパンとかもね。

(宇多丸)どこがメロンだよ!?っていう。

(トミヤマユキコ)(笑)

(宇多丸)どこが?系で言うと、これちょっと話ずれるけど、いわゆるインスタント焼きそばですよね。私が異を唱えたいのはね。『焼く』という工程が1個も入っていないっていうね。『ソース和えそば』でしょう?和えそば、混ぜそばでしょう。

(トミヤマユキコ)それで言ったら、『ごはんですよ!』って、ごはんじゃないじゃん!っていうのもあるしね。

(宇多丸)ああー。

(トミヤマユキコ)『ごはんが進む何らかの海苔ですよ!』っていう(笑)。

(宇多丸)まあ、そうですね。『ごはんがススムくん』の方がまだ合っているというか。あ、もう1個、行きますか。(タレコミメールを読む)『愛知在住24才です。アレンジが効きすぎてどこの国の食べ物かよくわからなくなってしまったローカルフードを投稿させていただきます。それは、名古屋名物台湾ラーメンアメリカン』。(爆笑)。

(トミヤマユキコ)(爆笑)

(宇多丸)(タレコミメールを読む)『名古屋でチェーン展開している中華料理屋 味仙のメニューです。アメリカンは通常の台湾ラーメンよりも薄めの味のため、辛いものが苦手な人でも食べられるメニューです。名前の由来はコーヒーのアメリカンと同じだそうです。ちなみに、通常の3倍の辛さのイタリアンもあります。台湾ラーメンイタリアン。名前の由来はおそらくノリです。注文すると、「アメリカひとつ、イタリアひとつですね」と言われます。台湾ラーメンはすすれないぐらい辛いですが、一度食べてみる価値はあると思います。名古屋に来た時はぜひ、食べてみてください』。

(トミヤマユキコ)はい。

(宇多丸)味仙はね、行ったことあるんですけどね。そうか。これ、食べてないな。これ、たのんでみたいね。やっぱ、『台湾ラーメンイタリアン!』って。

(トミヤマユキコ)(笑)。素晴らしい!

(宇多丸)すごい。さすがやっぱり名古屋ですね。名古屋は先んじてますね!ネオりがね。

(トミヤマユキコ)うーん。かっこいいんだよな、名古屋はなー!

(宇多丸)『かっこいい』と表現しますか(笑)。という感じでじゃあ、講義。第四講義に行きましょうかね。

(トミヤマユキコ)はい。講義その4、ネオ日本食の最前線はどこにあるか?

(宇多丸)最前線。

ネオ日本食の最前線

(トミヤマユキコ)ということで、まあ過去、現在、未来と考えていった方がいいかな?と思うので。いまから先のことを考えたい。ネオ日本食を考える上で重要なポイント。それは何か?というと、日本の食事が、さっきも言いましたけど、米。炭水化物中心主義だということです。

(宇多丸)ふんふん。

(トミヤマユキコ)ご飯や麺類を中心に考えて、それを美味しく食べ進めるにはどうしたらいいか?という観点から、おかずやフレイバーが発展していったのでは?という。

(宇多丸)ああー。そもそも触媒的なというか。何でも乗っけられるものが中心にあるから、ということですかね?お肉。たとえば日本でも、食べ物っていう発想の時に肉がドン!で、『これが主食です』っていうんじゃないもんね。ご飯をベースに、これをどう食うか?みたいな。

(トミヤマユキコ)そうです。だから、『パンが主食です』と言っている文化圏の方々って、別にパンを自分の体の前に置いて、『いただきまーす』ってあんまり食べないですよね?だいたい、ステーキ、ドン!みたいな感じで。

(宇多丸)で、その付け合せとしてパンがあるわけですもんね。

(トミヤマユキコ)みたいな配置になりがちじゃないですか。だけど日本、あるいはアジア圏の場合は、かならずここに白飯がある。

(宇多丸)これは、なんでなんですかね?

(トミヤマユキコ)なんでなんですかね?

(宇多丸)でも日本の米信仰とね、やっぱりいちばん結びついているから。米がいちばんありがたいものであるという。

(トミヤマユキコ)神様がね、一粒一粒に住んでいると。

(宇多丸)そこはぜったいにベースにありますもんね。

(トミヤマユキコ)あると思います。

(宇多丸)まあ、本当はその理屈で言ったらね、殺生しているものを中心に置けよ!っていうね、感じもあったりするけれども。まあまあまあ、米信仰があるから、ドン!とあって。しかもその米っていうのは、なんて言うんですかね?80年代、90年代における小泉今日子さんって言うんですか?

(トミヤマユキコ)えっ?(笑)。

(宇多丸)なんでも触媒。なんでも器になりますから。っていうことじゃないですか?

(トミヤマユキコ)はい。そうなんですよ。で、ありながら、その中心である米。炭水化物そのものは意外に進化してないんですね。

(宇多丸)まあ米はね。密かにはしてるんでしょうけど。無洗米とかあるかもしれないけど。

(トミヤマユキコ)でも、炊きたての白飯を食う。最高!みたいなことであって。基本的には『炭水化物』という中心を『味』という周縁が彩っているのであって。真ん中自体はそうでもないんですよ。もう、ガワだけが、周縁だけがひたすらすごいことになっていて。

(宇多丸)ここになんか『空虚な炭水化物という中心を味という周縁が彩っている。ロラン・バルト風』って書いてありますけど(笑)。

(トミヤマユキコ)そうそうそう。ロラン・バルト先生曰く、まあね、空虚な中心という話を。東京という街には皇居があって・・・と。

(宇多丸)無理して学術にやらなくていいですよ!

(トミヤマユキコ)(笑)

(宇多丸)でも、まあまあ、そうか。要は主張しすぎてないですもんね。

(トミヤマユキコ)そう。大事だし、なきゃいけないんだけど・・・

(宇多丸)それ自体が強く主張することはないと。

(トミヤマユキコ)むしろ、周縁だけがどんどん盛り上がっていくというような。

(宇多丸)逆に言えば、中心がドシン!とあるから、もう周りでどれだけワッショイワッショイ言ってやっても、『別に?』っていう。『別に、そんな美味しいんですけど?』みたいな。『大抵のことじゃ、美味しいんですけど?』みたいな、そんな余裕が生まれるっていうのはあるかもしれないですね。

(トミヤマユキコ)そうです。そうです。そういう風になっていると考えると、学術的なのではないかと。

(宇多丸)学術的が目的化しちゃダメですよ!

(トミヤマユキコ)(笑)

(宇多丸)まあまあでも、はい。わかります。わかります。

(トミヤマユキコ)まあまあ、忘れましょう。じゃあ。それでですね、ネオ化の最前線、もしくは実験場として見逃せないのは、ふりかけ、おにぎりの具、すき家のメニュー、ランチパック。

(宇多丸)ちょっと1個1個掘り下げてみたいですけども。ふりかけはやっぱりすごいいま、進化してるんですか?

(トミヤマユキコ)ふりかけ、今日ちょっと持ってきたのは、じゃあ、読み上げていただけますか?

(宇多丸)ええーっ!?これ、ふりかけですよね?ええと、日本生まれの美味しさ スコーン和風バーベキュー味。これ、要するにさ、ご飯の上に細かく砕いたスナック菓子を乗せてるっていうこと?

(トミヤマユキコ)そうです。あのスコーンです。

(宇多丸)あと、ドンタコス!?チリタコス味。

(トミヤマユキコ)(笑)

(宇多丸)まあ、これってさ、昔の貧乏学生がさ、なんとかして味をつけたいっていうんでやった工夫っていうのが商品化されているような感じですね。ほとんどね。

(トミヤマユキコ)そうです。そうです。

(宇多丸)えっ、食えってか?いま、シャリが用意されてますけども。

(トミヤマユキコ)ちょっとお食べください。

(宇多丸)じゃあスコーン、行ってみようか?スコーン・・・あ、ドンタコスね。

(トミヤマユキコ)ドンタコスからどうぞ。ふりかけ、面白いですよ。いまはもう発売されてないですけど、グラノーラのふりかけとかもあったりとかして。海外から・・・

(宇多丸)(モグモグ・・・)すんげータコス味がしますよ。

(トミヤマユキコ)あ、しますか?そうなんですよ。

(宇多丸)まあ、そりゃあね、まあ、美味いよ。米だから。

(トミヤマユキコ)うんうん。そうでしょう?

(宇多丸)任せておけ!みたいな感じがありますね。ドンタコス。じゃあ、次。スコーンね。あ、スコーンはすげー粒が荒いな!スナック感が残っている。(モグモグ・・・)うん。あ、でもさ、あられってね、お茶漬けの時にかけたりするから。まあ、無しじゃないんだな。まあ、美味しいです。まあ、米だよね。米という米が美味いからね。はい。

(トミヤマユキコ)そうですね。他にはカラムーチョふりかけ、すっぱムーチョふりかけなどもあります。

(宇多丸)子供が喜びそう。やっぱり。

(トミヤマユキコ)こんなのもあると。それから、ランチパックを持ってきたんですけど。まあ、いろいろあるんですけど。とりあえずこれを・・・

(宇多丸)ランチパックはやっぱりね、パンの・・・ええっ?なにこれ?家系とんこつラーメン風ランチパック!?こんなのがあるの!?ええーっ!?

(トミヤマユキコ)もうね、焼きそばパンだけじゃないんですよ。いまや。

(宇多丸)ちょっと待ってよー!これ、俺、食うの?俺、普段これぜったい食わないやつだよ、これ。

(トミヤマユキコ)ちょっとでいいんで。ちょっと。

(宇多丸)もうランチパック自体がね、もうネオ。パンのネオ化だもんね。

(トミヤマユキコ)そうです。サンドイッチを食べやすくしましたっていうところで既にネオってるんですけど。そこにラーメンを入れるっていう(笑)。

(宇多丸)(モグモグ・・・)だってね、うん・・・

(トミヤマユキコ)考えてる(笑)。

(宇多丸)あのね、肉まんだね。

(トミヤマユキコ)ああー!肉まんと思えばいける?

(宇多丸)うん、うん。ただ、ランチパックだから、あの・・・冷えてるんだ(笑)。

(トミヤマユキコ)温かくない(笑)。

(宇多丸)あったかい方がいいかな?これ。美味しいですよ。美味しいですよ。やっぱりね、パンが美味しいから。

(トミヤマユキコ)(笑)

(宇多丸)パンでもう、なんとでもなるから。

(トミヤマユキコ)そうか。

(宇多丸)うん。という感じですかね。あと、すき家の新メニュー?

(トミヤマユキコ)すき家の新メニュー。

(宇多丸)実験的なものがいっぱいあるとかね。おにぎりの具も。あっ、でもそうだね。コンビニなんか行くといま、おにぎりとか、あと手巻き寿司風のやつとかさ。なにこれ!?っていう。

(トミヤマユキコ)最初ね、なんかツナとマヨネーズぐらいしかなかったけど。もういま、デミグラスソースのハンバーグと目玉焼きのおにぎらずみたいなのとか。だいたい、おにぎりをおにぎらなくなったこともね!

(宇多丸)おにぎらず(笑)。

(トミヤマユキコ)ひとつのネオ化と考えたいんですけど。

(宇多丸)たしかに。もうなんかおにぎりという上で料理が展開されているような世界だもんね。完全にね。

(トミヤマユキコ)放っておくとこうやってどんどんネオ化していって・・・

(宇多丸)油断も隙もない(笑)。

(トミヤマユキコ)ありゃしないんですよ。で、コンビニとかスーパーで結構商品の出入りが激しいので。当然、一発屋みたいな感じで消えていくものもありますが、上手く行くと生き残っていくものもあると。

(宇多丸)これはでも、本当に自然の淘汰だもんね。美味しけりゃ残っていくんだからね。すごいよね。

(トミヤマユキコ)すごいですね。で、ちなみにこれからさらにネオ化するであろうジャンルとして、サラダ、鍋、アヒージョあたりは今後ヤバいのでは?と。

(宇多丸)アヒージョってすごいね。数年前までみんなね、そんなに知らない。スペインのね、ああいう、マッシュルームとか、エビとか、やったりしますけど。あれもさ、だからオリーブでニンニクやって、ジューッてやれば、何入っていたって良さそうですもんね。

(トミヤマユキコ)だから今日、朝Twitter見ていたら、『アヒージョに餅入れたら美味い』って書いてあって。もうさっそくネオってた。

(宇多丸)うんうん。でも、わかる気がするな。あと、鍋。ねえ。もうトマト鍋だのさ、カレー鍋だのね。もうすでにいっぱいありますもんね。

(トミヤマユキコ)はい。

(宇多丸)僕ね、前にカレーが好きだし、あと鍋も好きって。要するに、煮込んで栄養が出た状態のものが好きっていうので、僕の中では結構一直線上なんですよね。鍋とカレーは。

(トミヤマユキコ)うんうん。たしかに。許せる。

(宇多丸)許せる?

(トミヤマユキコ)許せる系。

(宇多丸)あの、温野菜なんかだと最後の雑炊、トマト系のやつとかだとチーズを入れて。『リゾット』って言ってますからね。鍋の雑炊のことをリゾットって言ってるの。たしかに、そういう感じも残ってますよね。

(トミヤマユキコ)ちょっと持ち上がる感じね。位が。『雑炊じゃない。リゾットです』と。

(宇多丸)で、家系のランチパックね、いまね、結構完食してしまいました。さすがランチパック。食べてしまう力がある。

(トミヤマユキコ)(笑)。ランチパック、ホームページを見てください。超面白いの、他にもたくさんありますので。はい。

[リンク]ランチパックホームページ

山崎製パン「ランチパック」のスペシャルサイト。キャンペーン情報や新商品、今までに販売されたランチパックなどいろいろな情報をお届けします!

(宇多丸)(モグモグ・・・)すいません。ランチパックを口いっぱいに頬張ってしまって。

(トミヤマユキコ)ああ、どうぞ。お召し上がりください。あとは、サラダも私は今後は注目していきたいです。一般にサラダで白飯食えないよという人が多いように、なかなか米との相性というのが難しいのでは?と。

(宇多丸)サラダじゃご飯、食べないね。

(トミヤマユキコ)特に生野菜系のサラダね。

(宇多丸)サラダだけの店とか増えてますけどね。うん。

(トミヤマユキコ)だからこのへんで革新を起こす人がいれば、ネオ化の裾野も広がるのではないか?と。

(宇多丸)でもさ、タコライスってもちろん肉はいっぱい入ってますけども。かなり野菜の比率も高いじゃないですか。つまり、味がきっちりついている野菜であれば、いけるんじゃないかな?と。

(トミヤマユキコ)でもあれはね、ひき肉っていうやつがいるから・・・

(宇多丸)あと、サラダスパゲッティーみたいなの、あるじゃないですか。ああいうのもあるんだから、まあご飯まで・・・ただなー、あんまり白いご飯がグチャグチャに浸されるみたいなのをよしとしないじゃないですか。その汁気とのバランスですよね。

(トミヤマユキコ)そうそうそう(笑)。

(宇多丸)あと、サラダはやっぱりホカホカ状態はよろしくないわけで。

(トミヤマユキコ)そうなんですよ。米はホカホカじゃないとダメだから。

(宇多丸)ちょっとそこの相性をどう解決するか?ですかね。

(トミヤマユキコ)はい。

(宇多丸)ということで、あっという間に。楽しいですね、これ。

(トミヤマユキコ)あ、本当ですか?

(宇多丸)やっぱり自分の身の回りのことだから。あれはどうかな?これはどうかな?とか考えているだけでもすごく楽しいですね。あっという間に時間が立ってしまいました。ということで、トミヤマ先生、最後にお知らせなどがあれば、お願いします。

(トミヤマユキコ)はい。このネオ日本食のネタで来年、本を出したいと思います。

(宇多丸)よいしょー!やっぱり領域!私のシマだぞ!というね。高らかにこれ、うたっておいた方がいいですからね。

(トミヤマユキコ)すいません。頑張ります。

(宇多丸)はい。近々の予定とかは?

(トミヤマユキコ)はい。4月から大学教員の仕事が始まりますので。学生のみなさん、よろしくお願いします。

(宇多丸)学生のみなさん、ちゃんと尊敬するように!ということですね。はい。ということで、以上、あの中華もあのイタリアンも、いまやすっかりジャパネスク。私たちのリアルソウルフード、ネオ日本食をみんなで語ろう! By トミヤマユキコさんでした。ありがとうございました!

(トミヤマユキコ)ありがとうございました!

<書き起こしおわり>

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