渡辺志保 2016年グラミー賞ノミネートを語る

渡辺志保 2016年グラミー賞ノミネートを語る INSIDE OUT

渡辺志保さんがblock.fm『INSIDE OUT』の中で発表されたばかりの2016年グラミー賞ノミネートについてトーク。最多の11部門にノミネートされたケンドリック・ラマーなどヒップホップ、R&B勢の話をしていました。

(渡辺志保)はい。ではですね、ここでまた1曲、私の方からオンエアーしたいと思うんですけども。もうね、最近いろいろ巷を騒がせているニュース。ちょうど1週間前ですかね?2016年2月15日に行われる、来年のグラミー賞のノミネートが発表されまして。にゃんと!今年の最多ノミネートアーティストはあのケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)なんですよね。

本当に、アルバムが大ヒットしたテイラー・スウィフト(Taylor Swift)やザ・ウィークエンド(The Weekend)を抑えて、計11部門でノミネートされているということで。これって本当にヒップホップシーンにおいてもすごく意味のあることだと思うし。で、本当、レコード・オブ・ジ・イヤーとかね、コラボレーションソング・オブ・ジ・イヤーとかも、本当にいろんな部門にノミネートされているわけなんですけども。

私が『おっ!』っと思ったのは、ベストソング・オブ・ジ・イヤーっていうカテゴリーがありまして。今年の1曲を決めるべきカテゴリー、部門があって。そこに『Alright』がノミネートされてたんですね。

Kendrick Lamar『Alright』

で、『Alright』って前も、私もこのラジオでも話したし、高橋芳朗さんとかもね、TBSラジオなんかでお話されてましたけども。

高橋芳朗 ヒップホップと新たな公民権運動を語る
音楽評論家の高橋芳朗さんがTBSラジオ『Session22』に出演。近年、アメリカで盛り上がりつつある人種差別問題と、それに対するプロテストソングとなったヒップホップの楽曲について紹介していました。 (荻上チキ)今回の、今日話していただく内

結構、向こうのデモの運動とか、人種差別反対とか、そういう運動の時のシュプレヒコールっぽく使われているのがこのケンドリック・ラマーの『Alright』で。前に、AKLOくんもこの番組でケンドリック・ラマーのアルバムの解説をしてくれた時にもかけましたけども。

AKLO アルバム解説 Kendrick Lamar『To Pimp A Butterfly』
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みんなで『We Gonna Be Alright!』っていう。あのフックをみんなでシュプレヒコールっぽく合唱しながらプラカードとかを持って街を歩くみたいな風景が、この半年ぐらいの間ですかね?すごくたくさんアメリカのニュースなんかでは報道されておりましたし。それがニュース記事になったり、ヒップホップマガジンに特集として取り上げられたりということもありまして。

なんかそういう、ケンドリック・ラマーがそういうアメリカ、もしくはその他、世界の民衆の声の代弁者みたいな感じでケンドリック・ラマーっていう1人のラッパーが認知されるのがすごく素敵なことだなと私は思いまして。

あとですね、ヒップホップのベストソングのカテゴリーもありまして。その中にも、ケンドリックの曲もそうなんだけど、コモン(Common)とジョン・レジェンド(John Legend)が歌っている『Glory』もノミネートされていて。

で、『Glory』もね、日本語のタイトルはそのまま『グローリー(明日への行進)』っていうタイトルでしたけど。キング牧師の運動を描いた、原題は『Selma』という映画でしたけども。そのテーマソングとして。一足先にもうアカデミー賞、オスカーはとっている楽曲でもありますけども。またこちらもヒップホップソング・オブ・ジ・イヤーにもノミネートされていて。

あと、もうひとつノミネートされているのが、いまからかけたいんですけども。ビッグ・ショーン(Big Sean)の『One Man Can Change The World』という。これもジョン・レジェンドが参加してるんだけど。ジョン・レジェンドとカニエ・ウェスト(Kanye West)。そして、ビッグ・ショーンの楽曲なんですね。で、これもビッグ・ショーン自身が自分のおばあちゃんが亡くなった時のことを受けて作った曲みたいなんですけども。

『君が今後もし、将来お金持ちになって成功することがあっても、これだけは忘れないでほしい。たった1人の人の力でも世界は変えられるんだよ』っていう、すごくポジティブなメッセージにあふれた曲で。なんかここに来て、またいまのヒップホップが世間に求められているヒップホップの役割というか、ラップソングの役割みたいなものが2015年、ちょっと変わってきたのかな?というのは個人的にもすごく思っていて。

まあ冒頭にもね、『「フリースタイルダンジョン」を見に行ってきました』みたいな話をしましたけども。まあ、そういうちょっと、世間とヒップホップの、もしかしたら前はギャップがあったのかもしれないですけど。なんかそのギャップがだんだん埋まってきているような気もしますし。もっともっと大きい役割っていうのをヒップホップがいま、担っているんじゃないのかな?という風にも感じましたので。ここで、1曲。新譜の曲ではないですけど、改めてみなさんに聞いてほしいなと思って。オンエアーしたいと思います。
それでは聞いてください。ビッグ・ショーンで『One Man Can Change The World ft. ジョン・レジェンド&カニエ・ウェスト』。

Big Sean『One Man Can Change The World ft. Kanye West, John Legend』

(渡辺志保)はい。というわけでいまお送りしましたのはビッグ・ショーンで『One Man Can Change The World ft. ジョン・レジェンド&カニエ・ウェスト』。私の曲紹介の時にちょっと誤報というか、曖昧な情報があったんですけど。この曲がノミネートされているのはグラミー賞のベスト・ラップソング・コラボレーション。ラップと歌のコラボレーションの部門でした。

この曲の他には、コモンとジョン・レジェンドの『Glory』。あとはジデンナ(Jidenna)。今年大ブレイクしましたけども、ジデンナの『Classic Man』。

ケンドリック・ラマーの、この部門では『These Walls』ね。ビラル(Bilal)と一緒にやった『These Walls』。

あとはニッキー・ミナージュ(Nicki Minaj)、ドレイク(Drake)、リル・ウェイン(Lil Wayne)、そしてクリス・ブラウン(Chris Brown)の『Only』がノミネートされているということで。

結構意外だったんだけど、フューチャー(Future)がひとつもノミネートされていないのが個人的にはズコッて感じがしましたけど。あのフェッティ・ワップ(Fetty Wapp)も三部門でノミネートされているし。なんとかかんとか、グラミーを、足を怪我しながらですけども、地元のニュージャージーに持って帰ってほしいななんて、勝手に思っちゃいました。グラミー賞は来年の2月15日に行われます。

<書き起こしおわり>

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