西寺郷太 ジャネット・ジャクソンを語る

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NONA REEVESの西寺郷太さんがTBSラジオ『SOUND AVENUE 905』でジャネット・ジャクソンを特集。『いまこそジャネットじゃね?』と題して、彼女のデビュー作から最新作『Unbreakable』まで、そのキャリアを振り返りました。

(西寺郷太)こんばんは。NONA REEVES西寺郷太です。11月6日金曜日。時刻は9時になりました。SOUND AVENUE 905。週替りの金曜日。今夜は僕、西寺郷太が1時間担当いたします。ちなみに、レギュラーDJのラインナップの中にも、火曜日の佐野さんや木曜日の小西さんは僕も一緒にね、音楽させてもらったり、仲良くさせてもらっている先輩なので。この枠、2年前は僕、『TAMAGO RADIO』っていうのもやっていたんで、すごく懐かしいというかうれしいお誘いでした。ありがとうございます。

今夜、私が選曲するテーマはこちら。『いまこそジャネットじゃね?』。ということで、ご存知、キング・オブ・ポップ、マイケル・ジャクソンの妹でもあり、本人も大スターのジャネット・ジャクソンですが。なぜいまジャネット特集か?というと、10月3日に7年ぶりとなるニューアルバム『Unbreakable』を発売。今月19日。木曜日から、僕も行きますけども約14年ぶりの来日公演が決定ということで、いまこそジャネット・ジャクソンを聞き直すには絶好の機会ということで。ぜひ、デビューからいまに至るジャネットの軌跡を追いかけてみたいと思います。

というわけで、デビュー・アルバム。聞いてみましょうか。ジャネット・ジャクソンのアルバムから『Say You Do』。

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Janet Jackson『Say You Do』

はい。ジャネット・ジャクソンのファースト・アルバム『Young Love』。1982年リリースのアルバムから『Say You Do』、聞いていただいております。

1982年というと、マイケル・ジャクソンが『Thriller』を発表する直前ですね。でも、その前にまあ、マイケル・ジャクソンと言えばジャクソンズというグループ。ジャクソン5というグループがありました。考えてもみてほしいんですけども、お兄さんがマイケル・ジャクソンだったら・・・っていうのはすごい僕、嫌だと思うんですよね。

まあ、すごいジャネットっていうのは1966年生まれでして。マイケルとはちょうど8才離れているのかな?結構離れているんですけども。1969年にジャクソン5は『I Want You Back』、それから『ABC』、『The Love You Save』、『I’ll Be There』という曲を4曲連続で全米ナンバーワンにするという、もう本当センセーショナルなデビューをしてるんですね。

上のお兄ちゃん5人なんですけども。っていうことは、まあジャネットにすれば3才の時にもう自分のお兄ちゃんたち5人が、もう大人気になっている。特に、このグループはファミリーバンドとしてすごく人気があったので。お父さんがマネージャーだったりとか、もう家族全員がテレビとか出る機会が多かったんですね。ってことはですけど、もうジャネットっていうのは、ある種、どこかの国の皇族とかよりも、逆に言うと小さいころからすごく有名だった。むしろパパラッチなんかにも追われて。まあ、豪邸の中の塀にファンがへばりついているような。

本当にそういう、プライバシーなんかも全くない状況で生まれ育った女の子だったということなんです。これ、すごくジャネット・ジャクソンを考える時に大きなテーマで。彼女はもう最初から有名だったし、最初からお金もあったんです。彼女のモチベーションに、マドンナのように8千円しか持たずにニューヨークに行って、『私を有名にしてください。私はお金持ちになって成功するわ!』っていう、ああいうモチベーションって別にないんですよ。

最初からテレビカメラに囲まれていた。だからこそ僕は、彼女のこの軌跡っていうか足跡を追いかけるのはすごく、なんて言うのかな?スピリチュアルなというか、精神性の高いものを感じるんです。エルビス・プレスリーにせよ、ボブ・マーリーにせよ、ボブ・ディランにせよ、ジョン・レノンにせよ、それこそマイケル・ジャクソンにせよ、ポール・マッカトニーにせよ。そこまで上り詰めた、もうベストテンのようなレジェンドになった家族の中で、妹や弟。それから次の世代の息子たちがお父さんとかお母さんとか、そういうのを超えた話っていうのは実はないんですよね。

同じジャンルで兄マイケル・ジャクソンに一時は並び、それからそれを追い抜くような影響力を持っていたというこのジャネット・ジャクソン。彼女のキャリアとともにいろいろ紹介していきたいと思います。CMの後は80年代中盤から90年代中盤までのジャネット・ジャクソンの名曲を紹介していきます。

(CM明け)

TBSラジオSOUND AVENUE 905。週替りの金曜日。今夜は僕、西寺郷太が『いまこそジャネットじゃね?』と題して、先月ニューアルバムをリリースし来日公演も控えるジャネット・ジャクソンの名曲を彼女のキャリアを振り返りつつ紹介していきます。ここからは、彼女のターニングポイントになったあの大ヒットアルバムの話から始めたいと思います。

彼女のキャリア、長いキャリアですけども。16才で先ほどかけた『Say You Do』も入っている『Young Love』でデビューしました。このアルバムはですね、リネイ&アンジェラとかルーファス。チャカ・カーンと組んでいたバンドのメンバーなんかがバックを務めて。まあ、なんて言うのかな?親のとか兄弟の思いの中で『この子をスターにさせよう』っていう、まあ16才のジャネットに期待がかかっていたわけですよね。

これにはひとつ、事情がありまして。お父さんのジョー・ジャクソンという方は、本当に貧乏な大家族だったジャクソン兄弟・姉妹。合計で9人の子を持つ、もう大家族なんですけど。まあ、ビッグダディみたいなもんですよね。で、このお父さんはもともと、『プロのミュージシャンになりたいな』なんて。ギターも弾いていて、ファルコンズっていうグループに入っていたんですけど。まあ、それはなかなか芽が出ず。一生懸命働いていたんですけども。

まあ、ある時、ジャーメイン、ティト、ジャッキーという上の3人の兄弟。それから、マーロン・ジャクソン、そしてマイケルですよね。この子たちが家の中でいろいろ音楽をやっているのを見て、『これはイケるんちゃうか?』いうことで。関西人じゃないですけど、思ったわけです。それで、マネージャーとしてその地域。シカゴの周辺のゲイリーっていうところにいたんですけど。そこにいた人たちにいろいろ売り込んだりして。まあ、なかなか有名になっていく。

で、その後に結果的にモータウンっていう本当に名門レーベルにダイアナ・ロス、スティービー・ワンダー、テンピテーションズ、マーヴィン・ゲイなんかがいたモータウンにマイケル・ジャクソンやジャクソン5の才能は見込まれて。ベリー・ゴーディ・ジュニアという社長の下でヒット曲を出し、マイケル・ジャクソン、ジャクソン5は人気者になっていくんですけど。お父さんのジョーにとってはそれ、ちょっとつまんないことだったんですよ。

つまり、自分はマネージャーとしてバリバリやっていくぞ!と思っていたのに、モータウンっていうのは本当に優秀なチームがいましたから。自分のやることもなんか、世話役みたいな係しかないんですよ。それで、まあ目をつけたのが姉と妹ですよね。『女の子の姉妹だったら俺はマネージメントをまたできるかもしれない』ということがありまして。

で、いちばん最後に目をつけたのがこのジャネットです。『この子だったら俺が思い通りにマネージメントできるかもしれない』と。この頃にはマイケルのマネージャーも外されちゃって。で、そんなことで出したのが最初の2枚のアルバムだったんです。家族も手伝ったりとかいろいろしてたんですが。ジャネット・ジャクソンはそれが嫌だったんですよね。

まあ、結局いつもマイケルの妹、マイケルの妹と言われ。そのジャネットが親、ジョー・ジャクソンおよび兄弟たちとのある種の音楽的な縁を断ち切って。コントロールを逃れて、自分の人生は自分でコントロールするんだ!という風に作ったアルバムが1986年の『Control』といことで。そこから、特大ヒット曲がたくさん生まれました。1曲、聞いてください。『What Have You Done For Me Lately』。

Janet Jackson『What Have You Done For Me Lately』

はい。アルバム『Control』から『What Have You Done For Me Lately』。『What Have You Done(なにをしたんだ)』『For Me(私に)』『Lately(最近)』。『アンタは私に最近、何してくれた?』っていうような感じのフィーリングですかね。この歌はジャム&ルイスというプロデューサー。名プロデューサーですけども。に、プロデュースされております。

このジャム&ルイスはミネアポリスという街出身のスーパープロデューサーで。ですが、まあこのジャネットとのこの『Control』は彼らにとってもひとつその、成功の基盤という風になっているアルバムなんですが。

それまでの、マイケル・ジャクソンだったり、それこそお父さんのジョーの力を借りてやっていたロスアンゼルスのシーンと全く違うミネアポリスに、なんかまさか、妹のジャネットがプリンスの一派であるジャム&ルイス。ジャム&ルイスっていうのはプリンスのなんて言うのかな?まあ仲間であってちょっと芸能界的な後輩のような感じで。ザ・タイムというバンドに所属していたんですが。

そのジャム&ルイスと組むとは思ってもみなかったんですよね。世の中の人は。ただ、ジャネットは自分のアルバムをプロデュースしてもらう時に、ミネアポリスに単身飛びました。ちょっとね、また次の曲も聞きたいので聞いてみましょうか。これはポップな曲で僕も大好きな曲です。『Control』に入っております。ジャム&ルイスのプロデュースでジャネット・ジャクソン『When I Think Of You(あなたを想うとき)』。

Janet Jackson『When I Think Of You』

はい。アルバム『Control』から『あなたを想うとき(When I Think Of You)』。全米一位になっておりますけども、聞いていただきました。これはですね、この曲も含めた『Control』っていうアルバムは全9曲のうち、6曲がR&Bチャート、もしくはポップチャートのいずれかで首位を獲得するという、もうモンスターアルバムでグラミーにもノミネートされました。

これはですね、先ほどちょっと話が途中になりましたけど。この間にジャネットは離婚を経験してるんですね。デバージという、これもまたブラックミュージックファンには大人気の兄弟グループなんですが。同じモータウンからデビューしてということで、ジャーメインさんのプロデュースワークの一貫だったんですけども。その流れの中でデバージというグループがまた出てきまして。これがですね、まあすごい人気者の兄弟たちだったんですけども。その中のジェイムズ・デバージという若いスターとジャネットは恋に落ちる。

しかし、まあみんなが反対するんですよね。あんな若い人気者の、もう本当に不良っぽいキャラクター。まあ実際もう、本当に悪いことをして捕まったりとかいっぱいしてるようなキャラクターの方なんですが。『ジェイムズなんかダメだ』って反対されたのに、『いや、私は自分で自分の道を選ぶ!』って言うて結婚したんですが、それがやっぱり上手くいかずに、半年ぐらいですかね?もう短い結婚生活で失敗に終わってしまうんです。

で、兄弟とか家族、親、両親が『これ見たことか。言うた通りやろ?』ということだったんですが、その中で結局ジャネット自身はまあ、実はいいきっかけになったんですよね。その1回結婚したことの傷ついたことと、それから親たちの反対を押し切った結婚が失敗に終わったことで、ジャクソン家というひとつのでっかい、逃れられないブランドから逃れなければいけないような状況にもうなったし。

自分もお兄ちゃんとかの力を借りるんじゃなくて、いちばん自分がかっこいいと思う人のプロデュースを頼みたい!っていうことで、先ほどのジャム&ルイスを選び、ジョン・マクレーンというね、名物A&Rがいるんですけど彼と一緒にミネアポリスに行って、密かに曲をジャム&ルイスと作った。それが、この『Control』として結実するということになります。

で、その若くして結婚を失敗したというようなイメージも、結果よかったんですよね。黒人女性だったりティーンエイジャーたちの『あの子はめっちゃ恵まれている、エエとこのお嬢さんでしょ?』っていうのがすごく傷ついたジャネット。スキャンダルでそれこそパパラッチに追われていたジャネットを見て、それまでのファン層とはまた違う、リアルな、『この子は傷ついたことがある』っていうことをわかった上でのラブソングだったり、先ほどの彼氏とのケンカの歌だったり。そんなようなことがすごくリアリティーを持ってジャネットの歌が響いてきたのがこの1986年の『Control』というアルバムだったと。

そのジャネット。次が期待されている中で、アルバム『Rhythm Nation 1814』という空前の大傑作をリリースします。このアルバムは日本でも大ヒットしたから知っている方も多いと思います。それでは、『Rhythm Nation 1814』。1989年のアルバムから『Rhythm Nation』。

Janet Jackson『Rhythm Nation』

はい。血沸き肉踊るとはこのことでしょうか。ジャネット・ジャクソン『Rhythm Nation 1814』から『Rhythm Nation』、聞いていただいていますが。この放送が1時間ということで、すごく僕もね、迷って選んでいる選曲なんですが。もうジャネット・ジャクソンはヒット曲、名曲の連打連打でですね、すごいんですが。1989年の『Rhythm Nation 1814』はもう確実の90’sといいますか、90年代の音楽的な進み方みたいなのを変えたアルバムだと思っています。

これから1年、2年とずーっとこのアルバムからヒット曲が生まれまして。面白いビデオが出てきて。それでまたアルバムが売れていくっていうのをずーっと繰り返しながらジャネットの名声と評価は高まっていきます。で、いちばん焦ったのはたぶんマイケル・ジャクソン。兄貴だったと思うんですよね。『BAD』っていうアルバムを1987年に出していまして。で、その次に『Dangerous』って言うアルバムを出すのが1991年ですけども。

その時にテディ・ライリーという、またこのジャム&ルイスの世代といいますか。次の世代のプロデューサー。ベイビーフェイス。LA&ベイビーフェイスとそしてテディ・ライリー、このジャム&ルイスというのがマイケルやプリンスの次のトレンドを作っていった大物ヒットメーカーだったんですが。あのマイケルですら、若干20代前半のテディ・ライリーにプロデュースを頼むということは、やっぱりこの妹であるジャネットにここまでダンサブルなことをやられたと。

特にこのスライ&ザ・ファミリーストーンというマイケルもジャネットも大好きった『Thank You』っていう曲をサンプリングしてたりとか。本当に80年代前半では考えられなかった音楽の作り方がこの『Rhythm Nation』では成し遂げられているということになります。僕自身は、このいまなぜ『ジャネットじゃね?』っていうのは、この90年代の音楽シーンっていうのを実は作ったのはマイケル・ジャクソンやプリンスではなく、ジャネット・ジャクソンではないか?と思っているんですよね。

特に日本でも宇多田ヒカルさんの『Automatic』。宇多田さんはこのプロデューサーであるジャム&ルイスとも仕事を直接されていますし。それから、SPEEDだったり、それから安室奈美恵さんとか。まあ、ああいう90年代を作り上げたディーバっていうのは、実はマイケルよりは女性であるジャネットに影響を受けて、子供の頃から沖縄のアクターズスクールなんかでトレーニングを積んできた方じゃないかな?って僕は思っているんです。

あの、マイケル・ジャクソンの『Thriller』とか、マイケル・ジャクソンっていうのは亡くなっていますごく評価が高まっていますが。あの、90年代にはその当時の流行からはやっぱり外れていたんですよね。好きな人は好きだけれども・・・っていう。それに反して、ジャネットっていう人こそが女性が輝いて、ディーバブームなんかが起こった90年代のパイオニアになったんじゃないか?と。

ホイットニー・ヒューストンという方もいたんですが、彼女は歌いあげるタイプで。シンガーとしてのすごい能力を持っていた。ハイトーンから伸ばすロングトーンまで聞かせる。ジャネットはそうじゃない。もっとウィスパーに近いような部分だったり、いまのようなシャウトのような部分で、リズムで音楽を聞かせるということを成し遂げた人です。ヒップホップをヴォーカルの中に上手に導入した、そのジャネットの力っていうのは90年代以降につながっていったんじゃないかな?と思っています。

では、アルバム『Rhythm Nation 1814』からもポップなナンバー、聞いてもらいましょうか。これは航空会社のCMで日本でも流行りました。『Escapade』。

Janet Jackson『Escapade』

はい。ジャネット・ジャクソンでアルバム『Rhythm Nation 1814』から『Escapade』を聞いていただいております。この『Rhythm Nation 1814』はもうジャネットの代表作のひとつと言っていいでしょう。金字塔ですね。『Miss You Much』、全米一位。『Rhythm Nation』、全米二位。『Escapade』、いま聞いてもらっているこの曲が全米一位。そして『Alright』、全米四位。そして『Come Back To Me』、バラードですね。全米二位。そして『Black Cat』、これちょっとロック調の曲なんですが、この曲も全米一位。そして『Love Will Never Do』、全米一位ということで、出すシングル出すシングル、もうベスト5にこれだけ入っているということでね、すごいアルバムだったんですが。

次はどうするんだ?次はどうするんだ?っていうプレッシャーがどんどん高まってきたのもこの時期です。1993年、ジャネット・ジャクソンはこれだけのヒットアルバムを作って、もうないだろ?と言われていた『Rhythm Nation 1814』から、次の90年代を切り拓くアルバムをリリースします。その名も『janet.』。これ、どういうことか?というと、『ジャネット・ジャクソンでは私はもうない』ということで。『ジャネット』というアーティスト名に正式にしたんですね。

『ジャクソンっていう名前を私は取っても、私は生きていける』っていう。これが、僕、ジャネット・ジャクソンをいま本当に語りたい最大の理由なんですよ。お金のためでもない。別に最初からお金持ちだった。有名になるためでもない。最初から有名だった。ジャネットが音楽を続けてきたのは、『私っていう人間を私として見てほしい』っていうすごい欲求なんですよ。

これ、もう本当に僕、言っていて心が震えるぐらいで。マイケルとかジャクソンズの、ジャクソン5の妹ってずーっと言われてきた彼女が何のために戦ったか?何のために苦しい思いをして戦ったのか?っていうのは、ジャネットっていう私を見てください。私の音楽っていうものを知ってほしいっていうことだったんですよね。そんな、スピリチュアルで僕もグッと来るアルバム『janet.』の中から1993年。みんなが度肝を抜かれました。こういう形で来るのか!ということで、『That’s The Way Love Goes』。全米第一位になっております。『それが愛というものだから』。

Janet Jackson『That’s The Way Love Goes』

アルバム『janet.』から『That’s The Way Love Goes』、聞いていただいております。CMの後もジャネット・ジャクソンの名曲、紹介していきます。

(CM明け)

TBSラジオSOUND AVENUE 905。週替りの金曜日。今夜は僕、西寺郷太が『いまこそジャネットじゃね?』と題して、先月ニューアルバムをリリースし来日公演も控えるジャネット・ジャクソンの名曲を彼女のキャリアを振り返りつつ紹介していきます。このブロックでは、お兄さん、マイケル・ジャクソンとのデュエット曲『Scream』の話からさせていただきたいと思います。

この兄妹が全員ミュージシャンというかスーパースターというか。芸能活動をしているってこれ、珍しいと思うんですよね。あの、マイケル・ジャクソン。ジャーメイン・ジャクソン。この2人はヒット曲もありますし、ジャクソン5の中には、まあ6人の男兄弟が全員ある時期は絶対に入っていたということで。9人兄妹のまあ男6人はもちろんミュージシャンだった。

で、女の子は姉妹が3姉妹で。いちばん上のリビーっていう美しいお姉さんなんですけどね。リビー・ジャクソン。もういちばん年上だったんですけど、本当に美しい方で。彼女は結果的にはすごくコンスタントな音楽活動をされていたり、まあマイケルもプロデュースしたりして活躍されていますけど。で、実は二番目のラトーヤっていうお姉ちゃんが、本当はいちばん芸能に向いているんじゃないか?と言われる、すごい美しいというかかわいい、キュートな子だったんですけど。結果、妹のジャネットがなんて言うか、徳川家康のようにジャクソン家でマイケル・ジャクソンに匹敵するスターになっていくんですよね。

で、二番目に有名だったのはジャーメイン・ジャクソンという方だったんですが。まあ、ジャーメインなんかはかわいそうで。最初、ジャネットがデビューしたばっかりの頃に『ジャーメインのライブの前座につけてくれ』って頼んだことがあるんですけど、ジャーメインが『妹だからっていい気になるな!』みたいな感じで怒っちゃって。そうすると、バーン!って80年代にジャネットが人気になった時にジャーメインが『一緒にライブさせてくれ』って言ったらジャネットに『NO!』って言われたっていうね、まあかわいそうなこともあるんですが。

そんなね、ジャネットですけど、この『Scream』という曲でマイケル・ジャクソンから、どちらかと言うと頼まれる形で『History』というアルバムで。この頃のマイケルって本当にスキャンダルとかいろんなものがあって、世の中から叩かれていたんですけど。それを、かっこいい妹が救いに来た!っていう感じで出てきたのがこの『Scream』だったんです。だから、全然そのマイケルの妹っていうんじゃなっくて、マイケルとジャネットっていうのがもう、ガチで合体。それもプロデュースはジャネット陣営であるジャム&ルイスも関わってくるっていうことで。

まあ、そういった意味でもこの90年代のジャネットっていかにすごかったか?っていうのがわかる曲です。ビデオもすごく評判になりました。マイケル・ジャクソン&ジャネット・ジャクソンで『Scream』。

Michael Jackson『Scream』

はい。マイケル・ジャクソン&ジャネット・ジャクソンで『Scream』、聞いていただきました。これはマイケルの初めての、自分が認めたベスト盤『History』というアルバムから新曲として作られてヒットしたんですが。まあ、かなりビデオを見てもジャネットと2人で踊ったりとか。まあ、マイケルが亡くなったいま見ると、すごく兄妹愛というか泣けるビデオで。まあ、いちばんマイケル・ジャクソンが弱っていたというか。精神的にも社会的にもかなりひどい目にあっていた時期に、強い、かっこいい妹が守りに来た、兄ちゃんを助けに来た!みたいな感じで怒っているジャネットがすごくかっこいいですね。

90年代、ジャネットの時代と言っていいぐらいヒット曲もたくさんありましたし。6枚目のアルバム『The Velvet Rope』ではジョニ・ミッチェルの『Big Yellow Taxi』をサンプリングしてQティップをフィーチャーした『Got Til It’s Gone』。これもすごいかっこいい曲なんですが。

どちらかと言うと、この『The Velvet Rope』はヒップホップだったりオルタナティブR&Bというか。こう、暗いと言いますかね、パーソナルな感じの色を出して。それはそれでまた、その90年代のシーンを牽引するというか。滲んでいくというか、合っていく。ジャネット・ジャクソンの同時代性みたいなものをすごく証明するアルバムが1997年の『The Velvet Rope』というアルバムにもなったりしました。

それで2000年代に突入したジャネット・ジャクソン。ここもまたね、日本でもヒット曲が多かったので、聞いていただきたい。『あ、これか』ということで実はもう2001年と言ってももう14年前なので、『懐かしいな』と思う方もいらっしゃるかもしれません。全米一位で『Doesn’t Really Matter』。

Janet Jackson『Doesn’t Really Matter』

はい。2001年のアルバム。7枚目のアルバム『All for You』から『Doesn’t Really Matter』、聞いていただいております。この曲は日本でも『パピヨン papillon』というタイトルでしたか。島谷ひとみさんがカヴァーされて。

そういうことも、日本人の中で『あ、この曲知ってる!』っていうのは多いかもしれませんね。80年代に『Control』『Rhythm Nation』という傑作を出したジャネットは90年代もシーンを牽引して、2000年代もこの勢いで行くんじゃないか?ということで、たくさんのヒット曲を出したのがこの『All For You』というアルバムです。

もう1曲、聞いていただきましょうか。タイトル曲で『All For You』。

Janet Jackson『All For You』

ジャネット・ジャクソンのアルバム『All For You』からタイトル曲『All For You』を聞いていただいております。2001年に発売されたシングルですがこれ、自分がラジオ局のディレクターだったら絶対にかけるだろ!っていうね、かけたくなる曲ナンバーワンと言っていいぐらいのノリを持っていますけども。いま聞いても、素晴らしいですね。このアルバムにも、かけられなかった名曲もたくさんありますけども。CMの後はジャネットの最新アルバム『Unbreakable』を紹介します。

(CM明け)

TBSラジオSOUND AVENUE 905。週替りの金曜日。今夜は僕、西寺郷太が『いまこそジャネットじゃね?』と題して、ジャネットの名曲を彼女のキャリアを振り返りつつ紹介しております。ここでは、ジャネットの最新アルバム『Unbreakable』の紹介をさせていただきます。今回ね、本当に久しぶりにジャネットがアルバムを出すということで。マイケル・ジャクソン。お兄さんが亡くなったのが2009年。で、その前に出したアルバム『Discipline』。僕もすごい好きなアルバムでしたけども。

それからもう7年たっているんですね。早いですね。で、ということで、ジャネットにとってもしばらく休んでいたというか。ベストヒットツアーなんかはやっていましたけども。ちょっとその、時の流れの中で彼女がいろいろ考えていた時期を越えて、新しいアルバムを作った。それも、実は先ほどまでかけていた『All For You』あたりまではずーっとジャム&ルイスとのプロデュースでタッグをガチで組んでやっていたんですけど。

2000年代は恋人であったジャーメイン・デュプリとやったりとか、ロドニー・ジャーキンスとやったりと、まあいろんな人とプロデューサーを変えていた時期もあったんですが。また、今回のアルバムでその仲間であるジャム&ルイスとガチで、もう1回組もうぜ!ということでやられて。それがね、僕、実はこのアルバムを何回も聞かせてもらいましたけど、大成功だと思いますね。

いちばん、なんて言うのかな?彼女ってやっぱり、この番組を通じて言っているんですけど、やっぱりスピリチュアルなんですよ。最初から求めているものが自分だったり正しいものっていうか、自分のあり方っていうものにやっぱり向いていて。で、それこそ彼女はもちろん美しいですしスタイルもいいですけど、もともととっても太りやすい体型で。

子供の頃はマイケルにも『ロバ(Dunk)』っていうか、そういうアダ名を付けられていたぐらい、先ほど言っていたキレイなお姉さん2人に比べると、『なんか妹は太ってんな』ぐらいの感じのキャラクターで。

それを、もう自分の力でシェイプアップしてがんばって美しい体にしていくっていうのも、もう最初から記録として残されちゃっている女の子なんですよね。子供の頃の映像とかも全部残っちゃっている。まあ、そんなようなこともあって今回の『Unbreakable』っていうのは本当に、なんて言うの?『壊れないわ』っていうようなことだと思うんですが。彼女の精神性が出ている素敵なアルバムだと思いますが。

その中から、僕が好きな曲を聞いてください。『Night』

Janet Jackson『Night』

はい。『Unbreakable』。最新アルバムから『Night』、聞いていただいてます。もうこのあたりとか完全にミネアポリス・ファンクですよね。プリンス『I Wanna Be Your Lover』のオマージュをジャム&ルイスが、プリンスの後輩というか、年齢はそんな差はないですけど。芸能界的な先輩であるプリンスの影響をそのままこのジャネットに落とし込んでやっているという。今回のアルバムのいいところは、そういうところなんですよ。

つまり、ジャネット・ジャクソンというのはモータウンの申し子でもあり、プリンスやミネアポリス・ファンクの申し子でもあり、そしてもちろん、マイケル・ジャクソン。お兄さんの遺伝子に最も近いスーパースターなわけで。で、『声もよく似てるね』って言われていたんですよ。マイケルもハイトーンですから。実は、男兄弟にマイケルと声が似ている人ってあんまりいなくて。マイケルといちばん声が似ているのは女性であるジャネットだったんですけど。

ジャネットも年齢を重ねたからか、ちょっとずつキーを落としているんですよね。それによってどんどんマイケルの声に似てきていて。で、これが、実はいまジャネット、49才で来年50才ですけど。この50才の時に兄のマイケルは亡くなっているんですよ。『This Is It』って映画でみなさん、ご覧になったと思うんですけど。あれはマイケルが50才だったんですよね。51才になろうか?という直前に亡くなっているということで。

ジャネットのもう、『私がやらなきゃ誰がやるの?』っていう。で、一時期はジャネット・ジャクソンの『私はジャクソンじゃない。「janet.』ですよ』って言っていたジャネットが、スライ&ザ・ファミリーストーンから、このアルバムを聞くとわかるんですけど、モータウンから、それからプリンスのミネアポリス・ファンクから、全部その伝統って言うものを引き継いでいきますよ!私がやらなきゃ誰がやるの?っていうのをすごく出ている。

そこがね、このジャネット・ジャクソンという人の真摯さっていうか。すごくこう、特別なところだと思うので。実はその2004年の2月に、みなさんも覚えているかもしれないんですが。スーパーボウルでジャネットがおっぱいポロリするっていう事件があって。今回、2000年代の曲もあんまりかけてないんですけど。実はそこですごくペースが落ちたんですね。こう、一時の・・・あれは一種の炎上作戦で、妙な注目を浴びちゃったんですけど。

それが実はそのアルバムとかのヒットにつながらず、ジャネットもだからちょっと失敗したんですよ。で、そのことですごく落ち込んでいた時にマイケルが慰めたりとかいろんなことがあって。で、そのマイケルが2009年に亡くなり、それで久しぶりにこのアルバムを引っさげて戻ってくるし、日本にも来てくれるということで僕は非常に喜んでおりますし、今回のアルバムはそういうジャネット。もうすぐ50才。来年50才になろうとするジャネットの全てのキャリアを彼女が総括して盟友であるジャム&ルイスと作り上げたという風に思っております。

ジャネット・ジャクソンのニューアルバム『Unbreakable』は現在発売中です。そしてこのアルバムを引っさげて来日公演が決定しています。11月19日 木曜日、インテックス大阪五号館。11月21日 土曜日と22日 日曜日はさいたまスーパーアリーナでジャネットに会えます。なかなかね、日本っていうのは意外と大物アーティストが来てくれない国に最近、なっていますから。これ、ジャネットが来てくれて僕ももちろん行きますけど。すっごい喜んでいます。

当たり前のように東京、来るよねみたいなのが最近、なくなっているので。ぜひ、この機会にジャネット・ジャクソンを体感してほしいなと思っています。詳しくはジャネット・ジャクソン公式ホームページで確認してください。

<書き起こしおわり>

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