サイプレス上野さんが2015年11月3日放送のTBSラジオ『ザ・トップ5』の中で、日本語ラップ初心者向けに推薦曲を紹介。キングギドラ『見まわそう』について解説していました。
(サイプレス上野)さて、このランキングの締めくくりはこちらのコーナー!『日本語ラップKILLA☆2015 まだ(仮)』!
(外山惠理)待ってました!
(サイプレス上野)待ってましたか?ここからはね、外山さんに私サイプレス上野が日本語ラップをどんどん聞かせていくというチャレンジ企画です。で、お休みされた時にはBUDDHA BRANDの『人間発電所』という曲をかけたんですが。
(外山惠理)聞きました。
(サイプレス上野)あ、本当ですか?あのハセンくんがこういう、手を上下にさせながらノッていて。『ヤバいっすね』みたいな感じで、簡単なノリだったんで、『ああ、彼もあんまり興味ねえのか?』って思う瞬間、ありましたけども。
(外山惠理)(笑)
(サイプレス上野)今日、紹介するのはキングギドラ。いまはもうKGDRっていう名前なんですけども。
(外山惠理)キングギドラって、聞いたことある。
(サイプレス上野)あ、ありますか?で、『見まわそう』という曲で。ZEEBRAさん。あと、いまテレビに出まくっているK DUB SHINEさん。そしてDJのDJ OASISさんの三人組で結成されたグループでありまして。この『見まわそう』っていう曲が、アルバムが1995年で、アナログ。レコードが96年に出まして。なんだろう?それまで宇多丸さんの曲とかもかけさせてもらったり、あと、BUDDHA BRAND。先々週かけた曲とかが、まあいわゆる黒船的な日本のラップに影響がすごかったっていう中で、その前かな?キングギドラっていうグループは日本語で韻を踏むことにすごい意義をもたらしたグループで。
(外山惠理)ふんふん。
日本語で韻を踏むことにすごい意義をもたらしたグループ
(サイプレス上野)すごいこだわっているんですよ。いままで、『踏んでなくてもまあいいだろう』っていう考えもちょっとあったりとか。『踏まない方が日本語的には合っているからいいじゃん』とか。あったんですけど、この人たちが来たことによって、中学生だった俺たちとかは、『がっちり踏まなきゃ!』っていう意識改革がいきなり行われたグループで。
(外山惠理)へー。
(サイプレス上野)で、この曲と『未確認飛行物体』っていう曲が同時にテープとかだけしかなくて。関係者しかないんですけど、それがたまたまラジオとかで流れた時に俺も聞いてショックを受けて。
(外山惠理)へー。
(サイプレス上野)へっ?みたいな。スチャダラパーとかもすごい好きだし、イーストエンドとかももちろん聞いていたけど、『なに、この曲の作り方?日本人でこんなラップする人たち、いんの?』みたいな。ちょっと思ったものなんですよ。BUDDHA BRANDともまた違う、なんか、もともとバイリンガルな人たちなんですけども。海外に行ったりとかしてたから、英語でもできるんだけど、日本語にやたらこだわって、韻を踏むことにめちゃくちゃこだわっている曲なんで。さらにこれは『見まわそう』っていう、その時の東京の状況を。
(外山惠理)ふんふん。
(サイプレス上野)ちゃんと見まわして、『お前ら、しっかりやってっか?』って。いきなり。新人ですよ。本当に。喝を入れるような曲なんで。いままでまったく名前を知られてなかった人たちが、この曲で塗り替えたっていう曲なんで。ぜひ、聞いてもらいたいと思います。それでは、行きましょう。キングギドラで『見まわそう』。
キングギドラ『見まわそう』
(サイプレス上野)見まわすと♪ってね、いまK DUB SHINEさんのヴァースが始まりました。テレビでお馴染みの。その上に乗っかるっていう、後輩としてはちょっとね、心痛いという感じですけども。どうでした?
(外山惠理)すごいね。
(サイプレス上野)ZEEBRAさんのヴァースだけだったですけど。
(外山惠理)でもこれ、ちゃんと言葉を考えるのが大変そうですよね。
(サイプレス上野)そう。いまね、みなさん何をやっているかわからないと思いますけど、外山さんが目の前で四角を4つ書いて、『ここでたぶん韻を踏んでいるんだろうな』っていう分析が、いま目の前でね。
(外山惠理)なんか最後のさ、文字ね。
(サイプレス上野)そうそう。合わせたりとか。『大怪獣、また社会に攻撃再開中』とか。ケツでパシッとハマると、こんなに気持ちいいのか!っていうのを教えてくれた人たちみたいな感じですね。
(外山惠理)古文とかでさ、よく韻を踏むみたいなことがありましたけど。それがまた戻ってきた感じですね。
(サイプレス上野)戻ってきて。この人たちが、海外にいたのにこの人たちが持ってきたと。
(外山惠理)すごい!
(サイプレス上野)俺はもう中3の時にラジオで聞いてショックを受けましたよ。本当に。
(外山惠理)でも、それで中学生の時に『ああ、こういうことを続けることなのか』っていう風になると、言葉をすごく一生懸命にさ、探したりとか。勉強になるね。
(サイプレス上野)勉強になっているんですけど、この人、ZEEBRAさんが言っているのが、フリースタイルっていう、前にやった即興でやるなら、『韻辞典は禁じ手』っていう風に言っていたから、韻辞典とか辞典を見るのはダメなんじゃないか?みたいな。けど、その後に『あくまで参考』って言ってるんですよ。
(外山惠理)(笑)
(サイプレス上野)『あくまで参考』。あくまで参考の分にはいいっていう。言ってることがよくわかんないですね(笑)。けど、だからいいんだろうなって。韻をずっと書いてましたよ。同じ韻を、ずっと。もともといとうせいこうさんのCDにも、韻の辞典はあったんですけど。それをまたやってましたね。
(外山惠理)ふーん!いいですよ。いい。
(サイプレス上野)なので、こういう風に。また日本語ラップが進化していく1曲でございました。お送りした曲はキングギドラで『見まわそう』!以上、『サイプレス上野の日本語ラップKILLA☆2015 まだまだ(仮)』でした!
(外山惠理)(笑)
<書き起こしおわり>
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