サイプレス上野 スチャダラパー『後者-THE LATTER-』を解説する

サイプレス上野 スチャダラパー『後者-THE LATTER-』を解説する ザ・トップ5

サイプレス上野さんが2015年10月6日放送のTBSラジオ『ザ・トップ5』の中で、日本語ラップ初心者の外山惠理さんに推薦曲を紹介。スチャダラパーの『後者-THE LATTER-』について解説していました。

(サイプレス上野)さて、このランキングの締めくくり。私、サイプレス上野が外山さんを日本語ラップ漬けにしていくこの試み。

(外山惠理)いよっ!待ってました!

(サイプレス上野)待ってました?本当に待ってんすか?(笑)。

(外山惠理)(笑)。待ってました!

(サイプレス上野)題して、『日本語ラップKILLA☆2015(仮)』!興味のないものにはとことん興味なさそうな外山さんに、なんとかこのね、半年間。日本語ラップに興味を持ってもらうチャレンジ企画です。

(外山惠理)はい。まだ『(仮)』なんですね。

(サイプレス上野)まだ『(仮)』でございます。ぜんぜん生まれてません。で、今夜紹介する曲はスチャダラパーで『後者』という曲でございます。

(外山惠理)『後者』?

(サイプレス上野)スチャダラパーさんは、もうご存知ですね。まあ、『今夜はブギーバック』っていうもう特大ヒットもあるし、日本のヒップホップを本当にぜんぜん盛り上がる前から、オリジナルスタイルで引っ張っていってくれた先輩で。

(外山惠理)ポンキッキーズの人でしょ?

(サイプレス上野)そう。パーパラッパッパッパラッ♪の人ですね。そう。BOSEさん、そうで。まあ、どんな運命なのか、いま自分、同じ事務所に所属させてもらっていて。

(外山惠理)へー!そうなんですか。

(サイプレス上野)めちゃめちゃ憧れた先輩と一緒で。前座とかもやらせてもらったりとか、すごい仲良くしてくれて。スチャダラパーのANIさんは自分たちの作業場 a.k.a ヤサにも泊まったことがあるっていう。

(外山惠理)へー!それはうれしいですね。憧れのね、方々が。

(サイプレス上野)BOSEさんとも曲も作らせてもらったりとかもしてるんですけども。この曲は94年かな?アルバム『WILD FANCY ALLIANCE』っていう、素晴らしい名盤の中に入っているんですけども。なんだろう?BOSEさんとANIさんっていう2人のMCが、逆のことを言い合うっていう曲なんですよ。

スチャダラパー『WILD FANCY ALLIANCE』

(外山惠理)へー。あ、前者後者の『後者』。

(サイプレス上野)そうなんですよ。前者をやって、後者。で、言い合いをするというか、違うことを言っていくっていう。なんだろう?その組みたて方がめちゃくちゃ面白いんですよね。

(外山惠理)へー。

(サイプレス上野)真っ当な人がやっていることを言っていて。こっちはダメな人みたいな。それがずーっと延々と続いていくっていう。で、曲自体の完成度とかは、もうその当時の日本語ラップのやっている人たちに衝撃を与えちゃって。『なんでこんなの作れるの?』みたいな。誰もがなんとなく思っている、ギャグとかでもあるじゃないですか。逆のことを言って面白いみたいな。それを曲として、すごいかっこいいビートの上で2人が上手いラップでやって。

(外山惠理)へー!

(サイプレス上野)で、それを海外にいた、先日お亡くなりになられたんですけども、ブッダ・ブランド(BUDDHA BRAND)のデブラージ(DEV LARGE)さんっていう方。すごい人なんですけど。その人が、『本当にすげーことを先にやられた。悔しすぎる!』って言うぐらい。

(外山惠理)そうなんですか!

(サイプレス上野)俺もね、あれなんですよ。中学校の頃に聞いて、最初爆笑したんすよ。『なんだよこれ、くだらねー!』みたいな。『違うことをお互いに言っていて、くだらねえ』って思ったんですけど、大人になればなるほど、この曲のすごさが伝わりすぎて。こんなの作れねえよ!みたいな。ちょっとがっかりするような感じの曲でございます。

(外山惠理)へー!聞いてみたい。

(サイプレス上野)ぜひ。これはまたね、先週はキミドリの『自己嫌悪』という曲で。ちょっとしんみりというか。そういう感じの曲だったんですけども。これは、普通に掛け合いとして、すごい面白い曲なんで。ぜひ聞いていただきたいと思います。

サイプレス上野 日本語ラップ解説 キミドリ『自己嫌悪』
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(外山惠理)お願いします。

(サイプレス上野)スチャダラパーで『後者-THE LATTER-』。

(サイプレス上野)さあ、外山さん。いかがでしたか?

(外山惠理)うん。すごい。なんか『犬が好き・・猫が好き』とか本当にそういう単純なのもあるけど、意外と深いところ突いてますよね。

(サイプレス上野)『使えるやつ・つっかえるやつ』とか。同じ言葉で変えたり。『竹を割るような性格・竹を割るような生活』。要するに、ぜんぜん違うじゃないですか。あとは『月収100万・年収100万』とか。そういう・・・『活字中毒・ただの中毒』とか。そういう、言葉の面白さをずーっと2人で掛け合っていくっていう曲でございました。

(外山惠理)すごい。だってこれ、昔ですもんね。

(サイプレス上野)そうですね。これ、93年のアルバムでしたね。1年間違っちゃってましたけど。まだ『ブギーバック』前夜で。まだ、めちゃくちゃ人気はあったっすけども、世間的に大ブレイクする前に、もうこういうことをやっているっていうのが。

(外山惠理)すごいですね。これはこう、書いてレコーディングしてるわけですけど。そういうことをやるわけでしょ?ラップで戦ってって。その場なわけじゃないですか。すぐ出てこないとさ、負けちゃうわけじゃない。

(サイプレス上野)負けちゃうわけです。自分たちは。

(外山惠理)すごいですね!賢くないとできないよね。言葉とか、いっぱい知ってないとできないし。

(サイプレス上野)この方たちは本当に賢いし。憧れです。いまだに。

(外山惠理)うわー、もうなんかちょっと尊敬しました。

(サイプレス上野)あ、本当ですか?よかったー。先週ちょっとね、まだ馴染まないかな?と思ったっすけど(笑)。

(外山惠理)いやいや、最初のね、自己紹介の時からちょっと尊敬したんですけど。

(サイプレス上野)あ、本当ですか?ありがとうございます。

(外山惠理)あんまり『尊敬してる』って口に出すと、嘘っぽいじゃないですか?(笑)。

(サイプレス上野)(笑)。大丈夫ですよ。うれしいですよ。

(外山惠理)いや、本当に思いました。

<書き起こしおわり>
https://miyearnzzlabo.com/archives/32118

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