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町山智浩『橋』『地下水道』『激動の昭和史 沖縄決戦』を語る

町山智浩 戦争映画『橋』『地下水道』『激動の昭和史 沖縄決戦』を語る たまむすび
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(町山智浩)ボーッとしましたよ。本当に。中学生ぐらいだったですけどね。それでね、3本目に紹介するのはこれ、日本映画です。これはね、『沖縄決戦』っていう映画です。全タイトルは『激動の昭和史 沖縄決戦』っていうのが正式なタイトルですけど。はい。

(町山智浩)これはね、もう予告編を僕は子どもの頃、映画館で、怪獣映画とかを見に行った時にやっていてですね。で、すげーな!と思っていたんですけど。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)これはいわゆる沖縄戦をもう超リアルに描いた1971年の映画なんですが。スティーブン・スピルバーグが作った『プライベート・ライアン』っていう映画、ご存知ですよね?

(赤江珠緒)はいはい。

(町山智浩)あれは、冒頭のノルマンディー上陸作戦っていう連合軍の上陸作戦をものすごくリアルに描いて。まあ、凄まじい残虐描写だったんで世界中をびっくりさせたんですよ。

(赤江珠緒)そうですね。

(町山智浩)でも、冒頭でしかないんですよ。そういうシーンは。ところが、この沖縄決戦っていう71年の東宝映画は、2時間半、全部あれなんですよ。

(赤江珠緒)はー・・・・

(町山智浩)『プライベート・ライアン』の冒頭の大虐殺が2時間半続く映画なんですよ。この沖縄決戦っていうのは。これはもう、凄まじいですよ。これ、世界の映画史上でもこんなに凄まじい映画、ないと思うんですよね。はい。で、これは岡本喜八監督っていう人がですね、戦争を体験していて。自分の友達がみんな、特攻隊とかで死んでいったっていう経験があってですね。第二次大戦の映画をいくつも作っている監督なんですけども。この沖縄決戦は、まず映画の始まりがですね、沖縄決戦の準備から始まって、2時間半、ほとんどずーっと戦闘シーンなんですよ。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)で、2時間半、ほとんど砲弾が爆発する音が聞こえない瞬間がないんですよ。常にドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ってずっといってるんですよ。こんな映画、ないですよ。普通、なんかしっとりとした場面とかあるんですよね。そうじゃない場面って。戦闘シーンじゃない場面って。

(赤江珠緒)人間のドラマを描く場面がね。でも、事実沖縄戦がそうだったんでしょうから。

(町山智浩)『プライベート・ライアン』ですら、ありましたからね。これ、一切ないと言っていいぐらいなんですよ。すっごいんですけど。で、もうこれ、オールスターキャストなんですけど。まずその、牛島司令官っていう小林桂樹さんっていう俳優さんが演じてますけど。が、沖縄に来てですね、『沖縄で米軍をできるだけ長い間、食い止めて、日本本土に入ってくる時間を遅らせる、時間稼ぎをしてくれ』みたいな話になるんですね。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)でも、沖縄の普通の住民は逃さなきゃいけないって避難させようとして、船に乗せるんですけどその船が米軍の魚雷に撃沈されてしまって、避難もできなくなっちゃうんですよ。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)で、沖縄の県民がいる状態でもって、沖縄を激戦地にしていくっていうことになるんですね。しかもですね、そこに来た日本兵の数っていうのは11万6千人しかいないんですけど、それに対してアメリカ軍は陸海空あわせて54万人が沖縄を攻撃したんですよ。5倍なんですよ。数が。

(赤江珠緒)そんな兵力差があったんですね。

(町山智浩)そうなんですよ。で、しかもですね、中で出てくるんですけど、戦艦が沖縄に集まってくるわけですよね。アメリカ軍の。あまりにも戦艦の数が多くて、海が見えないぐらいなんですよ。それで、ものすごい数の爆撃機が来るんですけど、空が見えないぐらいの爆撃機なんですよ。

(赤江珠緒)えー・・・

(町山智浩)で、ものすごい数の艦砲射撃とか爆弾を落としていって、地形が変わったんですね。沖縄、それで。爆弾で。そのぐらいの爆弾をくらいながら、ずーっと1945年の4月から夏にかけて、延々と沖縄の人たちは戦ったんですよ。で、これがまたね、兵隊さんがいないわけですね。日本兵が。だから沖縄県の普通の沖縄県民を徴収して、武器を持たせて戦わせるっていう形になるんですよ。で、これ有名な沖縄の中学生。14才ぐらいの男の子たちは、武器を持たされて兵隊にされてですね。もちろん、大人もそうですね。何万人も。あと、すごく有名なのは、14才以上の女の子たちも戦場で看護兵として働かされたと。

(山里亮太)ひめゆりですね。はい。

(町山智浩)これはまあ、非常に有名なひめゆりですけども。俺、沖縄映画祭で行った時に、全部回ったんですけど。戦地だったところをね。この映画はね、それを徹底的にリアルに描いているんですよ。ひとつひとつの死を、細かく描いているんですね。でね、これがね、また岡本喜八監督は容赦のない、全く容赦のない描き方をしてて。なんとなく、こんな感じで死にましたっていうんじゃなくて、全部死に様を見せていくわけですよ。

(山里亮太)へー!

容赦なく死に様を見せていく

(町山智浩)だからもう、見ていると、これは地獄だな!っていう感じなんですよね。それでもね、『とにかく日本を、本土を守るためだ。沖縄が犠牲にならなきゃなんない』みたいなことを言われてですね、徹底的にここで粘ればいいんだってことで、参謀の、仲代達矢さんが演じているんですけど、八原参謀っていうのが『とにかく粘りましょう。洞窟に入って徹底的に粘りましょう』って言ってるんですけども、だんだん、徹底的にアメリカ軍の軍艦に対して神風特攻を仕掛け続けているから、陸軍も特攻しなきゃいけない!みたいな話になってくるんですよ。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)このまま粘ればいいのに、『総攻撃を仕掛けよう!』みたいな感じになってくるんですね。メンツの問題で。

(赤江珠緒)ええっ!?メンツで?

(町山智浩)で、これ、丹波哲郎さんが演じている長参謀長がですね、『これはもう、総攻撃をかけるしかない!』って総攻撃をかけちゃうんですよ。無茶にも。それで日本兵、半分以上それで死んじゃうんですよ。で、ボロボロになっていって。だんだんですね、連絡とかも互いにできなくなって、統率もとれなくなってですね。いわゆる指揮系統が完全に崩壊。戦線崩壊っていう、もう、なにをやっているか?って集団行動ができない状態になってくるんですけど。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)それでも、戦闘を続けるんですね。で、薬もなにもないから、怪我した兵士とかも、手術ができなくて手足をバンバン切るだけだったりね。それをまあ、女の子がやらされるんですよ。14才ぐらいの。

(赤江珠緒)ああ、そうですね。

(町山智浩)で、そこにも爆弾が落ちてきて。女の子がみんな死んじゃうんですけど。でね、これでいちばんひどいのは、南部の民間人が避難しているところに司令部が撤退してくるんで、だんだんアメリカ軍がそこに引き寄せされていっちゃうんですよ。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)しかもそこで、もうダメだと思った時に司令官がですね、なんと自決しちゃうんですね。これ、沈みかけた船で船長が先に死んじゃうみたいなもんなんですよ。で、勝手に自決しちゃって、しかもその時に降伏をちゃんとしないで自決しちゃうんですね。だから米軍の攻撃がそのまま続くんですよ。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)で、しかもその司令官の自決する前の命令っていうのが、『生きて俘虜の辱めを受けるな』っていう命令だったんで、みんな降伏できないんですよ。だから、戦い続けるか、自殺するしかないんですよ。

(赤江珠緒)そうですね。崖から飛び込んだりね。

(山里亮太)集団自決ですね。

(町山智浩)そういうことしか許されない状態になっていって。これで、沖縄県民の4人に1人が死亡するという状況になるんですよね。こんなすごい映画はないですよ。これ。世界戦争映画史上でも、最凶最悪の状況ですよね。これね。

(赤江珠緒)それが、『沖縄決戦』。

(町山智浩)『沖縄決戦』っていう映画なんで。これね、実はAmazonでですね、名前、言ってますけども(笑)。あの、ネット配信ですぐ見れるんですよ。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)はい。で、まあWOWOWでも放送するみたいですけど。まあね、本当に沖縄に行って楽しい思いをしたりするのもいいんですが、なにがあったのか?っていうことですよね。一体ね。

(赤江珠緒)そうですね。知っておかないとね。

(山里亮太)僕も、ひめゆりの塔とかの、ガマっていうみんなが最終的に逃げこんで病院にしていたところとかも、僕、見に行ったんですよ。この前の沖縄映画祭の時に。あれ、すごいですよ。あそこにずっとね、あの暗闇の中で。

(赤江珠緒)洞窟みたいなところですよね。

(山里亮太)いつ、もうアメリカ兵が来るかわからない中で、ずっと暮らしていたって考えると、もうすごかったんだなって思いましたよ。

(町山智浩)そこに駆り出しておいて、『現地解散!』って言われたんですよ。いきなり、戦闘中に。

(赤江珠緒)そうですね。

(町山智浩)『司令官、みんな死にましたから』っていうね。『ええっ!?』みたいな世界ですね。

(山里亮太)そうですね。みんな、自分で命を断っていっちゃったんですよね。その後、どんどん。

(町山智浩)そうなんですけどもね。まあ、この『沖縄決戦』っていう映画は本当にすごい映画なんで。まあ、一生に一度は見た方がいい映画だと思います。

一生に一度は見た方がいい映画

(山里亮太)『プライベート・ライアン』のオープニングのやつがずっと続くって、すごいな。

(赤江珠緒)そうですね。そうかー。

(町山智浩)『プライベート・ライアン』のファーストシーンが2時間半、続きますから。

(赤江珠緒)でも、考えると戦争映画って本当は、そうですよね。見てね。

(山里亮太)やった!勝った!で終わっちゃいけない映画なんだよね。

(赤江珠緒)そんなわけがなくて。

(町山智浩)そうなんですよ。まあ、楽しくて映画を見るっていうのもあるんですけども、まあ、ねえ。人間として生きてきた、生まれた時にこれは見なきゃなんない映画っていうのは、『沖縄決戦』だなと思います。はい。一度は見ておかないと。

(赤江珠緒)そうですね。はい。見ます!ありがとうございます。町山さん。

(山里亮太)こんなしっかりした町山さんもあるんですね。

(赤江珠緒)そうですね。

(町山智浩)すいません。ぜんぜんエッチなことを言わなくて。はい(笑)。

(赤江珠緒)いいんですよ!いいんですよ、ぜんぜん!

(山里亮太)いつだって、エッチなことを求めてませんから!

(町山智浩)あ、そうですか?期待されてない?最初から。はい。すいませんでした。

(赤江珠緒)はい。ちょうどね、8月ですし。はい。考えてみたいと思います。町山さん、ありがとうございました。

(町山智浩)はい。どもでした。

<書き起こしおわり>

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