安住紳一郎さんが2009年11月にTBSラジオ『日曜天国』の中でしたトークの書き起こし。前週に失敗した長風呂でかいた汗を採取し、そこから塩を作るという挑戦に万全の準備の上で再びトライしていました。
(安住紳一郎)さて、実は先週、いろいろ皆さまからメッセージをいただいて。お叱りのメッセージも大変多かったんですけども。
(中澤有美子)はあ。
(安住紳一郎)『日曜日の朝から、そういう話はやめてほしい!』というようなお叱りが7割。『いいぞ、いいぞ。やれ!』っていう人が3割くらい。
(中澤有美子)あ、そうでしたかー。
(安住紳一郎)でも、逆風の方が、前に進む癖っていうのが私にはありまして。
(中澤有美子)(笑)。そうですよねー。
(安住紳一郎)ちょうどあの、1年に1度ぐらい、こういう類の話をしているんですけども。ちょうど、もうあれから1年ぐらいたちましたね。ちょうど、昨年のこの時期には、過敏性腸症候群の私のお腹をして、歩道橋を上った場合に、上りが辛いか?下りが辛いか?
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)あるいは、その1年くらい前になりますと、秋田ドトールでの小学生に言われた一言という。
(中澤有美子)そうそう(笑)。それぞれもう1年前なんだ(笑)。
(安住紳一郎)それぞれ、1年スパンで皆さまにお伺いを立てて。いかがですか?という。まあ特にね、こういう秋のいい陽気の頃合いにご提供するのが、いちばん角が立たないだろうということでお届けしている・・・
(中澤有美子)(笑)。あー、もう1年たつとは思えない。やっぱり衝撃度が強かったんですかね?
(安住紳一郎)比較的、品のある放送というものを自負している私たちにとっては、まあ大変鬼門とも言われているんですけども。まあ、私のドラフト第八位的な・・・(笑)。ものなんですけども。今日はそういう、日曜の朝に相応しくないお話をさせていただきたいと思います。
(中澤有美子)はい。
(安住紳一郎)まあ商売をしている立場上、こういうのもなんですけども。今週は思いきって、ダイヤルを変えてみるのもいいと思います。
(中澤有美子)(笑)。言っておく?先に?
(安住紳一郎)先に申し上げておきます。マイナス情報を進んで開示いたします。
(中澤有美子)まあ!
(安住紳一郎)ちょっと話が遠回りになりましたが、先週、話したことなんですけども。ちょっと行儀が悪いんですけども、私は風呂に本を持って入る癖がある。湯船に浸かりながら本を読むのが生活の楽しみなんですという話をしました。
(中澤有美子)はい。
(安住紳一郎)また、1時間、2時間と家族もいないものですから、長々とお風呂に入っています。そうしますと、いい具合に、額から、あるいは頬からと、汗が吹き出してきまして、大変に気持ちがいい。本を読む小机がわりに洗面器を逆さにして浮かべていたところ、気づくと、そこにしたたる汗が偶然溜まっていた。
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)やおら私の好奇心に火がつきまして、では、1時間2時間入っていると、どれぐらい溜まるものなのだろうか?やってみよう!汗がたくさん出るのは、うれしいと思うんですが、皆さんはいかがですか?
(中澤有美子)あ、うれしいです。自分の汗がこんなに出たな!って思って。
(安住紳一郎)運動、スポーツなどをして、『いやー、結構汗、かいちゃったな!いや、もう背中、ビチョビチョだよ。困ったな。風邪ひいちゃうな』なんて、ちょっと嫌そうな、不快そうな表情を作りながら嘆くものの、一方心のどこかでは絶対うれしいような気持ちがありますよね?
(中澤有美子)(笑)。あります、あります。うん。
(安住紳一郎)こんなに汗かいちゃった・・・なんか俺ってすごくない?みたいな。
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)Tシャツなんかこう絞って、汗が出たら勲章をもらったような気持ちになる。ですよね?
(中澤有美子)いやー、もうそんな、なったことないです。本当、羨ましい。
(安住紳一郎)また、先週の繰り返しになりますけども、自分の体から出るものというのは、とても興味がありますよね。
(中澤有美子)そうですよね。
自分の体から出るものにはとても興味がある
(安住紳一郎)他人のものは本当に、反射的に憎しみがわきますけども。自分の体内から出るもの。特に固有名詞はあげませんけども。まあ、ここがいちばん嫌われる要因ですが。『どう?えっ?こんなに出るの?』とか、『こんなに取れた』とか。じっと見ちゃう。『あっ、珍しい!あれ?はじめて?』とか。『どんな匂いなんだろう?』とか。『どうしてこういう形状になるの?』とか。
(中澤有美子)(笑)。そのへんで!もうそのへんで!そうそうそう(笑)。はい、ストップ。
(安住紳一郎)私もこう、そのお風呂場で、洗面器に溜まった自分の汗を見て、ものすごい達成感を感じたわけですね。とても満たされた気持ちになった。
(中澤有美子)よかった!
(安住紳一郎)しかし、もうひとつの感情が、小さく芽生えていることにも気づいたんですね。この溜まった汗を捨てるのがもったいない。
(中澤有美子)(笑)。そうだったんですよねー。
(安住紳一郎)独身男一人暮らし、秋の夜長に風呂場でここから迷走が始まります。私の好奇心の火薬庫に火がつきました。もう大爆発です。
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)事故としか言いようがありません。ドーン!まあ、ちょっとね、どれぐらい汗が出るのかな?っていうところの興味まではね、みなさんお分かりになると思うんですが。ドーン!と爆発いたしまして。この汗から、塩を作ってみたい。
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)たくさん汗をかいて気持ちよかった。溜まった汗を見て、ものすごい達成感を得られた。じゃあ、こっから塩を作ったら、どんな幸福感を脳のセロトニンは運んでくれるんだろうか?
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)これ、たぶんすごい感動とか達成感があると思うんですよ。で、早速先週、塩作りを始めたんですよね。ただし、先週は失敗した。やはり1回分の入浴の量では足りないというのが、いちばんの失敗の原因のようだった。そこで私は、やるなら一度、ちゃんとやってみようと。
(中澤有美子)いいよー!(笑)。
(安住紳一郎)しかも、最高のものを作りたいのだ!
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)先週までの牧歌的なやり方を改めました。拙宅の風呂場、脱衣所はラボラトリーになりました。
(中澤有美子)(爆笑)
(安住紳一郎)もう実験室になりました。大げさじゃありません。いちばん気をつけたのは、まずは食品を扱うものとしてのいちばんの心構えは、安全。そして、衛生的であること。そこから始めました。
(中澤有美子)食品衛生(笑)。
(安住紳一郎)食品を扱うものとしてね。まず、お風呂の大掃除から始めました!
(中澤有美子)うわー、すごーい!えらい!
(安住紳一郎)それから、もう洗面器などはこれ、使えませんので。滅菌処理をされました、特大のシャーレを東急ハンズで買ってきました。これが高い。
(中澤有美子)へー!そんなのあるんですか。
(安住紳一郎)8千円くらいするんですよ。高い!
(中澤有美子)えっ、そうなんですか?
(安住紳一郎)7900円ですが。
(中澤有美子)直径どれぐらいするんですか?
(安住紳一郎)直径はですね、20センチぐらい。で、スポイトを使って、顔面に吹き出た汗を一粒一粒丁寧に吸い上げていきます。
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)あれから1週間。集めたものがこちらになります。
(中澤有美子)へっ!?(笑)。えっ、わー・・・
(安住紳一郎)こちらになります。
(中澤有美子)その瓶の中?
(安住紳一郎)ええ。これはですね、滅菌処理をされましたプラスチックビーカーの中で凍っていたものですね。いま、ちょうど湯煎をして溶かしているところなんですけども。
(中澤有美子)ああ、そうなんですか!
(安住紳一郎)ええ。ちょうど、冷凍されている時は三層にわたって冷凍されていまして。横から見ますと、地層のように三層になっていました。
(中澤有美子)あ、三回に分けてためたから?
(安住紳一郎)下から11月3日分、4日分、5日分となっております。
(中澤有美子)へー!
(安住紳一郎)火、水、木となっておりました。いま、少し湯煎が進んでおりますので、もうほぼ液体状に戻ってまいりました。
(中澤有美子)そうですね!
(安住紳一郎)しかもですね、この冷凍技術に関しましても、私の学生時代の知人が食品メーカーの研究所に勤めておりまして。ラーメンスープを鮮度を保ちながら冷凍保存するという技術を持っているメーカーがありましてですね。そこの設備と技術を拝借しております。
(中澤有美子)へー!
(安住紳一郎)結婚式の司会を数多くやっておりますと、思わぬところから助け舟が出てまいります。
(中澤有美子)(笑)。えっ、家庭の冷凍庫でできたんですか?
(安住紳一郎)あ、ですからこれは、あれですよ。その食品メーカーの冷凍庫をちょっとお借りして。
(中澤有美子)ええーっ!?
(安住紳一郎)しっかり、安全を持って落としておりますから。手前どものメーカーは。
(中澤有美子)メーカーですか(笑)。
安全、衛生を第一に
(安住紳一郎)手前どものメーカーは。安全、衛生を第一に考えておりますから。
(中澤有美子)大掛かりですね!
(安住紳一郎)ええ。大掛かりです。それから、お金も大変かかっております。
(中澤有美子)そうですか!
(安住紳一郎)10万円単位でかかっております。
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)ちょっとあの、汗の話と思ってですね、ちょっとね、『ん!?』ってね、避けたいなっていう感じの方もいらっしゃるかと思いますけども。アカデミックですから。
(中澤有美子)そうなんですね。はい。