プチ鹿島 日刊ゲンダイの紙面で2014年を振り返る

プチ鹿島 日刊ゲンダイの紙面で2014年を振り返る 荒川強啓デイ・キャッチ!

時事芸人のプチ鹿島さんがTBSラジオ『荒川強啓デイ・キャッチ!』の中で、夕刊紙の日刊ゲンダイの紙面・見出しから2014年を振り返っていました。

(プチ鹿島)さて、去年の年末に引き続いて、プチ鹿島さん。今年もこの企画をお送りいたします。

(片桐千晶)オヤジジャーナル的見出し大賞2014!

(荒川強啓)はい。オヤジジャーナルということでね。

(プチ鹿島)あの、まずこれ、僕が勝手に定義付けたものなんですけども。ご説明しますと、たとえばですよ、これマスコミというのはオヤジが発信してオヤジが受信してるのがマスコミの正体じゃないか?と考えるとですね、オヤジをウォッチするのがやっぱり楽しみになってきたんですね。

(荒川強啓)うん。

(プチ鹿島)で、たとえばいま、もうネットが発達してますから。たとえばそういう人たちからすると、既存の紙媒体というのはですね、なんだよっていう。ちょっとバカにする傾向もあるんですが。僕はあえてですね、もうオヤジがオヤジとして擬人化して考えてみたら、たとえばスポーツ紙、週刊誌、タブロイド紙。これ、読み比べるのが楽しくなって、愛おしくなってきたんですね。もうオヤジがこんなに世の中の中心にね、投げはなっているということでね。

(片桐千晶)うんうん。

(荒川強啓)いや、おっしゃるとおり。オヤジジャーナル、なかなかいいネーミングですし。切り口も面白いですよー。

(プチ鹿島)で、意外と情報の大半ってそういうことじゃないか?と。オヤジをわかることが、いまの世の中の中心がわかるようなものと僕は見立てまして。もうバカにするのではなくて、読み比べていったら、結構面白いんですよね。で、その中で、僕がいまいちばんハマっているのがこれ、タブロイド紙の日刊ゲンダイという。

(片桐千晶)ゲンダイ師匠。

(プチ鹿島)はい。日刊ゲンダイが大好きなんです。僕。好きすぎて、『ゲンダイ師匠』と呼んでまして。なぜか?というと、毎日怒ってるんですね。喜怒哀楽が激しいんです。

(荒川強啓)切り口が鋭いんですね。

(プチ鹿島)切り口が鋭く、その次、鋭いんですけど、感情のゆらぎが見える時があるんです。もう怒りすぎちゃって。自分の主張通りにいかないと、感情がゆらいで焦ってくる時もあるんですね。で、たまにですけど、言ってることが変わる時がある。で、それを見ると、この1年がわかるんじゃないか?ということで。まず最初は1月にですね、発表されたSTAP細胞の件ですね。で、3月にどうやらこの論文、どうなの?というのがわかってきてですね。たとえば、この3月17日の日刊ゲンダイの見出しをご紹介しましょう。

(荒川強啓)はい。

(プチ鹿島)『論文疑惑全真相 リケジョの星と祭り上げたマスコミの罪と早大の赤っ恥』ということですね。で、記事の最後は・・・

(荒川強啓)早大って早稲田ってこと?

(プチ鹿島)そうです。『大騒ぎした挙句、なにもかもがデタラメだった』と。ゲンダイさんが言ってるんですよ。で、『小保方さんを過剰に持ち上げ、ここまで騒ぎを大きくしたマスコミと、スケベ心を出した早大の罪はあまりに重い』という。まあ、ご正論を言ってらっしゃるんですけども。これ、調べてみると1ヶ月前ですね。STAP細胞が発表された時、ゲンダイさんは2月3日付けでこう言ってるんですね。『早くも国民的大スター。晴ちゃんを育てた両親と豪邸』ということで、実家まで押しかけて。取材して。実家の壁の色まで伝えてるんですよね。

(荒川強啓)はー・・・

(プチ鹿島)ですから、自分も実は言ってたんじゃないのか、ゲンダイ師匠!という。そこらへんの、あわせて読みたい感じがSTAP細胞ではわかるということですね。続いて、ソチ五輪というのが2月にありましたですね。そこでも、やっぱりおじさんから見るとよくわからない競技というのが日本勢、活躍しだして。そこで感情のゆらぎが見えるわけですね。

(片桐千晶)ゆらぎ(笑)。

(プチ鹿島)そのひとつがスノーボード。スノーボードがこれから競技が始まるよという時に、2月8日の日刊ゲンダイではこういう見出しを出しています。『ガキの遊びが五輪競技になった理由』。かなりもう、オヤジ目線でズバッと言っちゃってるわけなんです。

(荒川強啓)なにに注目したの?その記事は。

(プチ鹿島)この記事は、要はガキの遊び。俺らからするとわかんないけど、なんでこんなにスノーボードが人気あるんだ?と。

(荒川強啓)スノーボードが。うん。

(プチ鹿島)特に欧米での人気は高いんだよというのを記事では紹介しているんですが。もう見出しが『ガキの遊び』と切り捨てている。ただ、その1週間後にメダルをとっちゃったんですね。そん時、ゲンダイさんがどう報じたか?というと、『ガキの遊び 銀』とこう見出しが来ているわけですよ。

(片桐千晶)ブレてない。

(プチ鹿島)ええ。ブレてない。ただ、記事の締めを見るとですね、『かつて「遊び人風情の若者がクルクル回っているだけ。およそアスリートとは言えない。単なるガキの遊び」とボロクソに言われた時代もあったが・・・』ってこれ、1週間前に自分で言ってるんです。

(荒川・片桐)(笑)

(プチ鹿島)1週間前に自分が言ってるんです。これ。で、ネットで見るとこれ、『ガキの遊び』っていうのをこっそり隠してですね、『子供の遊び』って直してます。炎上するから。

(荒川・片桐)(笑)

(プチ鹿島)そうなんですね。

(片桐千晶)ゆらいでますねー。

(プチ鹿島)で、そんな辛口のゲンダイ師匠なんですが、羽生選手がですね、スケートで、ショートプログラムで世界最高101点をとった、その速報の見出しがこれすごかったんですね。『羽生 金当確 本紙もケチつけられず』。

(荒川・片桐)(笑)

(プチ鹿島)これ、自分が辛口っていうのをわかってらっしゃるんですよね。

(荒川強啓)なんか一言、言いたかったんだろうね(笑)。

(プチ鹿島)『本紙もケチつけられず』っていうね。

(荒川強啓)隙がなかった。

(プチ鹿島)はい。俺たちゲンダイもケチつけらんない羽生、すごい!っていう。とにかく、いろんなものにね、噛み付いちゃうんです。この間、白鵬が32回優勝しましたよね?その次の日の見出し。『白鵬32回優勝 そんなにうれしいか?』って噛み付いてる(笑)。あの、すごいうれしいと思うんですけど。

(片桐千晶)うれしいですよね(笑)。

(プチ鹿島)噛み付いているのがこれ、ゲンダイ師匠のエネルギッシュなところですね。

(片桐千晶)ならではですねー。

(プチ鹿島)あと、芸能。ちょっといきたいと思うんですけど。ASKA容疑者の事件がありましたよね?で、実はこのゲンダイ師匠というのが、ASKA事件に異様に食いついて。毎日記事にしてたんですよ。で、たまにこう、必要以上にASKAを叩いているなっていうのがあって。なんなんだろう?って考えてたんですよ。たとえば、これ週刊誌に最初ね、クスリで捕まったんで『シャブ&ASKA(笑)』みたいな。そういう見出し、ありましたよね?

(片桐千晶)うんうん。

(プチ鹿島)で、ゲンダイ師匠もずーっと『シャブ&ASKAこと・・・』って皮肉って。茶化して報道してたわけですよ。たとえばこれ、5月21日。『シャブ&ASKAこと宮崎重明容疑者』という記事が始まってますよね?ところが、5月23日から、肩書が変わるんです。『シャブ&ASKAとともに逮捕された会社員・・・』って、『シャブ&ASKA』というのが正式な肩書になってるんですよ。

(片桐千晶)(笑)

(プチ鹿島)これ、見てください。あの、茶化しとかじゃないんですよ。『シャブ&ASKA』っていうのが新聞の正式名称。記事で使い出したのが5月23日。

(片桐千晶)本当だ。

(プチ鹿島)だからなにかこう、もしかしたら同世代の、ASKAさんと同世代ですから。『なんだよ、いまもよろしくやりやがって!』みたいな嫉妬がうかがえるということでしたね。肩書が変わっていた事件。

(荒川強啓)はい。

(プチ鹿島)あともうひとつ。ゲンダイ師匠はやっぱり権力を常にチェックする。それがもう過ぎてですね、とにかく安倍政権が大っ嫌いなんですよ。ゲンダイさんと安倍政権のお互いのやり合いを見るのも僕、大好きなんです。安倍さんも、言わなくてもいいのに、国会で『私のことを悪口を書いているタブロイド紙がありますが』って。ゲンダイさんを読んでるんですよ。

(片桐千晶)ああ、ありました。

(プチ鹿島)お互いに、一周回って両想いなんじゃないか?って思うんですけども。そんな中、安倍さんの行動全てチェックしてるんだなと思うのが、見出しが3月24日付け。一面で。『安倍 いいとも失敗』っていうデカい見出しが出て。これ、どういうことか?っていうと、笑っていいとも!が最終回を迎えるにあたって、安倍首相がいいとものゲストに出たんですね。

(荒川強啓)はいはい。

(プチ鹿島)で、それがどうやらゲンダイ師匠はちゃんとチェックしてるらしくて。真正面から批判していたんですね。っていうのは、安倍首相がいいともでストレスが多いってことをタモリさんと『どうやって息抜きしたらいいですかね?』っていうトークをしたんですが。ゲンダイ師匠はですね、『安倍はタモリに「若いころは上手く息抜きできなかった。ストレスを溜め込まないようにしている」と告白していた。だが、首相ともなればストレスを抱えるのは当たり前だ。それに耐えられないから頻繁に息抜きが必要というのなら、最初から重責を担うべきではないだろう』と。

(荒川強啓)ほー(笑)。

(プチ鹿島)ものすごく怒られてるわけです。

(片桐千晶)厳しい。

(プチ鹿島)はい。で、この2日間、3日間ずっと『この笑っていいとも!は失敗だった』っていう記事を。どれだけ見てたんだ?っていう(笑)。愛をむしろ感じてしまったんです。で、そんな中、この間の選挙ですよね。ゲンダイ師匠はずっとやっぱり、『このままで、そんな自民党を勝たせていいのか?』というのをずっとキャンペーンを張っていて。12月1日分『安倍チルドレン90人落選 当選確実は25人』ということで。『首都決戦 野党3倍増いけるぞ』というので。ところが、世論調査がわかってくるにつれ、ゆらぎだすんです。

(荒川強啓)ええ。

(プチ鹿島)『東京1勝24敗 衝撃データ』。これ、12月5日ですね。『これでいいのか?首都圏野党壊滅危機』。12月8日。そして、まあ結果を受けて、デイキャッチでも紹介しましたけども。選挙翌日。『自公圧勝ペテン選挙』っていうことで、ゲンダイ師匠の怒りが爆発されるわけですね。ただ、これで僕、言いたいのは、やっぱりこう、新聞って公正中立をとか言いますけど、僕はやっぱり事実をきちんと伝えるのであれば、主観とかメッセージ性が強く、なんだったら偏っていても僕はいいと思うんで。だからこういうタブロイド紙を、たとえば夕刊フジとかはどちらかというと政権寄りの見出しが多い。青木さんともやりましたけど。

(片桐千晶)うん。

(プチ鹿島)やっぱりこういう2つを読み比べていくと、ひとつを否定するんじゃなくてね。面白いんじゃないか?ということで。とにかく、ゲンダイ師匠が熱いです。来年からも動きを追っていきたいですけども。

(荒川強啓)なるほど。はい。この1年を日刊ゲンダイの紙面から振り返ってもらいました。

(プチ鹿島)(笑)。なかなかない企画です。

(片桐千晶)なかなかないですね。

(荒川強啓)時事芸人プチ鹿島さんでした。

(プチ鹿島)ありがとうございました。

(荒川・片桐)ありがとうございました。

<書き起こしおわり>

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