菊地成孔さんがTBSラジオ『粋な夜電波』の中で、ロイヤルホストのバスク料理フェアのメニューについてトーク。社長の愛情ほとばしるメニューの見どころ・突っ込みどころを語っていました。
菊地成孔バスクフェア解説 予告編
(菊地成孔)メールなど読んでみましょうか。今日はフリースタイルですね。どれを読もうかな?あー、これね。スペイン バスク料理あるいはソシエダガストロノミカというタイトルです。(メールを読む)『菊地さま スタッフのみなさま いつも素敵な音楽と時間をありがとうございます。久しぶりにメールします。すでに菊地さんはご存知かと思いますが、バスクの件です。バスクなのにアンガスビーフのグリルかよ!という突っ込みはさておき、私がいちばん気になったのが、オヤジ2人がバスクのワイン チャコリを満面の笑みでグラスに注がれるというちょっとピンぼけの写真です。これがロイホクオリティーなのでしょうか?これからも素晴らしい音楽とお話を楽しみにしています』。
えー、最近聴きはじめた方にはね、1行たりとも意味がわからなかったと思いますけどね(笑)。これはロイヤルホストのメニューの話で。いまは、実はロイヤルホストのメニューに関しては1回卒業したというか、終了したんですよね。数年間かけてロイヤルホストのメニューについて私はこの番組で、まあひとつ、ジャーナリストっていうんですかね?(笑)。市井のジャーナリストとしてロイヤルホストのメニューを追い続けた男なんですけども。まあ、自分が追求した事実っていうのがまあ、やはり思った通りだったということが詳らとなりまして。1回やめたんですね。ですけども、まあやめてもですね、やっぱり不死鳥のように復活するのがロイホのメニューで(笑)。
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あの・・・いま、バスク。こちらのタイトルにあったバスクフェアなんですよ。バスク地方ってわかりますよね?イタリアとスペインの国境のところにバスクっていう。いろんなバスキーユなものが、美味しいもんがいっぱいあるんですけど。そのメニューについてなんですよ。で、まあね、リスナーさん、昔から聞いてくださっているので。ダメ出しするような了見は毛頭ありませんけども。バスクなのにアンガスビーフかよ!とかね。オーナーと料理長の西田さんが2人でワイン注いでもらっている写真がピンぼけだとかいうのは、問題のうちには入らないんですよ(笑)。大変なことが起きてるんで。で、これについてはまとめて来週ご報告します。
なんで来週ご報告するか?っていうと、この件に関しては菊地カメラですね。私のデジタルカメラを証拠物件としてですね、見ながらお話しないと伝わらないんですけど。今日は持ってくるのをわすれてしまいまして。もう、たっぷり入ってますんで。チャコリなんてヤバいですよ。あの・・・(笑)。バスク地方のワインの名前なんですけど。チャコリがどうやって記載されているかね。まあ、呼びかけましょうね。番組のファンの方は『ロイホの話、菊地がしねーから』って思わずに、行ってみてください。それでいま、もうそろそろ終わっちゃうかもしれないんで。バスク料理フェアですから。いま。
そのバスク料理のフェアから、見つけてみてください。いままでの夜電波クオリティーのことが起こってますんで。またやってるな!っていう感じでね。もう無視できない!無視できしめない!っていうね(笑)。あの、ココスに完全に移行せしめない・・・普通の使役の『せしめる』になっちゃったんで、使い方が逆に間違ってますけども。まだまだロイホは健在でございますので。チェックしてみてください。はい。
菊地成孔バスクフェア解説 本編
(菊地成孔)はい。まあ、そうですね。ジャズアティテュード。さっそくもうテッド・カーソン聞いちゃったんで、もうこれでいいんじゃないかな?ジャズはって思うくらいなんですけどね(笑)。ハードバップ60年代のB級・C級聞きはじめたら、もう本当にね。さっき言いましたけどね。その人はもう、抜け出せないですよね。完全な、韓国語で言うと『チュンドク』ですけどね(笑)。中毒症状だと思いますけども。えー、中毒と言えばですね、先週予告したからには言わねばなるまいの、ロイヤルホストのメニューが、まあこの番組で1回もう終わった話ですからね。終わった話を蒸し返すってのもね、野暮ったいですけども。
とは言えですね、『ジャズの話はいいんでロイホの話をしろ!』というメールも多数いただきまして。複雑な心境ですけども(笑)。っていうか、約束は守ってくれよということでね。そうですね。『予習しておいてくれ』まで言った手前っていうのもありますよね。予習された方、どっか突っ込みどころありましたか?ヘビー級のリスナーの方ならだいたいロイホのメニューのどこを見ればいいのか?ということはだいたい見どころはこの番組を通じてですね、しっかり教育が行き届いているエデュケーションプログラムだと思うんですけども(笑)。
まあ、前回言った・・・この話していると生で時間ねえからいいか?とにかく今回はですね、まあバスク地方に店長が行ったんですね。業者じゃなくて店長がメニューを編集してるんじゃないか?っていう推測から始まったロイヤルホスト伝説なんですが。この番組の。で、実際に店長がそうしてるってことが詳らかに・・・あ、店長じゃない。失礼。失礼。社長だ。社長。ずっと社長のことを店長と言ってました。失礼失礼。社長が実際にやってんだってことが詳らかになり、あまつさえですね、社長がメニューの中の写真に登場するようになって、もうこのロイホ伝説は1回終わったわけなんですが。
とは言え、まあ今回もですね、バスクフェアなんですよね。それで、スペインのバスク地方。これはグルメの間では有名な地域ですよね。バスクには美味しいもんがいっぱいあります。で、まあそれのフェアをいまやっています。グランドメニューと別に、バスクフェアをやっている。で、このメニューの中でですね、まあとにかく終わった話ですから。サッと簡単に説明しますね。まずですね、私が注目したのは、これはおそらく日本のファミリーレストラン史上初だと思うんですけども(笑)。『文字に対して傍点が下傍点』ってね(笑)。傍点は普通、上につくんですけど。おそらく、なんでしょうね、これは。ロイホクオリティーとしか言いようがないんですけど。『街角のバルからタパス』っていうコピーがあって。下に、傍点があります。
下傍点はそこだけにあらず。『食がすすむバスクの地ワイン』というところの下にですね、『お食事とご一緒に』。これも下傍点になっててですね。
あの、バッと見たらわからないんですけど、傍点が下についていて。すっごく不思議ですね。あとはですね、これはもうロイホのお馴染みなんですけども。ロイヤルホストはメニューの写真に吹き出しがついていて、あたかもその品物がですね、製品がしゃべっているかのようにするっていう技を持ってるんですね。それで、それを興奮してですね、とにかく社長は興奮しますから。たくさん、やりすぎちゃうんですね。やりすぎ社長なんですけども。まあ、これは愛情のなせる業であって。うれしいやりすぎですけども。かならず最後で息切れするんですよね。
今回、バスク地方なんで、いくつかのものに吹き出しがついています。ひとつは、イベリコ豚の生ハムですよね。で、もうひとつはガトーバスク。バスク地方のお菓子ですよね。そしてもうひとつは、チャコリ。これはバスクの地ワインなんですよね。で、この3つに。『たった3つかよ』っていうかもしれませんが、3つの商品がすべて吹き出しでしゃべっております。生ハムがこう申しております。『チルドで輸入 お店でスライス』。っぽいですよね。これは生ハムが言いそうなことです。いかにもね。
で、その次に、ガトーバスクがこう言っております。『バスクで出会った』(笑)。もう、このあたりからですね(笑)、全員バスクで出会ったんじゃないか?っていう疑問が出てこなくもないんですけど。まあ、でも彼がバスクで出会ったんで。社長と、これはもうロイホの社長と出会ったという意味ですけども。我々とっていう意味じゃないですよね。我々はもう、ガトーバスク出会っている方、たくさんいるわけなんで。これはもう社長と出会ったわけなんですが。もっと厳密に言うと、社長と西田さんの二人旅で出会っているわけなんですけども。ガトーバスクが『バスクで出会った』っていうのはまあ、ガトーバスクがメニューの中でしゃべるセリフとしては、まあいいんじゃないかな?と。
百歩譲って、彼の主観に立てばですね、別に突っ込むほどではないと。ツッコミ、ツッコミの世の中ですけどね。下手くそのツッコミほど嫌なものないですからね。公儀介錯人がね、首刈る方がですよ、首刈る方の刃物がギザギザだったらね、首飛ばされる方の痛みもたまったものじゃありませんから。まあ、それはともかく(笑)。さて、肝心要のね、食がすすむバスクの地ワイン、チャコリも吹き出しで物申しております。なんと書いてあるかというと・・・(笑)。すいませんね、私プロじゃないんで。先に吹いちゃうんですけど。こういう時に。チャコリの吹き出しの中には・・・一言。『チャコリ』って書いてあるだけなんですね。これはもう、どう考えてもロイホクオリティーで(笑)。これはもう、なんて言うんですかね?合理化するしかないです。
『チャコリ』『ガトーバスク』『生ハム』って言った方がですね、揃うと思うんですよね。自分の名前を名乗っていくっていうね。まあ、でもね、チャコリのすぐ脇にでっかく『チャコリ』って書いてあるのに、吹き出しが書いてあって『チャコリ』っつってんですよ。このですね、おそらく四の五の言わずにこの名前を覚えてもらいたい!っていう社長の愛情ですよね。厳密に言うと社長と西田さんの2人の愛情なんですけども(笑)。これが溢れまくってしまったということですよね。あ、西田さんは料理長ですね。はい。
あとですね、これもヤバいんですよね。スペイン料理といえば、ピンチョスです。ピンチョスっていうのは日本で言うと、爪楊枝ですかね。ああいう小さなスティックに突き刺したパーティーカナッペみたいなものをピンチョスと言うわけですけども。ピンチョスの説明があってですね。これも愛情が2つ、二重に、二倍になってしまった。これ、やっぱり社長と西田さんの分、二人分だと考えて合理化するしかないですね。『4種のピンチョス バルの代表的なピンチョス~ヒルダ~、生ハムのピンチョ、鱈のコロッケのピンチョ、チコリとスモークサーモンのピンチョ』とこう、4種のピンチョスの内容が書いてあって。で、値段が書いてあります。で、脇・・・なんて言うんですかね?こう、一層間があいて、説明があるんですけど。『ギンディージャ 青唐辛子の酢漬けとアンチョビ オリーブを一緒に食べるバルの代表的なピンチョス ヒルダとチコリとスモークサーモンのピンチョス 鱈のコロッケのピンチョスを盛り合わせました』って書いてあるんですけど。これ、さっき読んだばっかりですよね(笑)。上に書いてあるんだもん。だから2回書いてあるんですよね。この2度書いてしまう、こういったあふれる感じですよね。これがやはりロイホクオリティーですね。
あとはですね、ロイホが時々、これもロイホが周期的にかかる症状っていうかね。一種のうれしい病気の1つだと思うんですけども。『おすすめが止まらない病』っていう病気にかかるんですよね(笑)。それはどういう病気か?っていうと、メニューの中にリコメンド。バスクですからルコマンデですか?に、なるわけですけども。おすすめが出てきます。で、まあだいたいファミリーレストランのメニューでおすすめがあった場合、基本的にはおすすめは1品でいいと思うんですよね。ただ、まあ別に決まりはないですから。今回ですね、『おすすめロイヤルセット』。これは11種の野菜とエビの自家製テリーヌまたはオニオングラタンスープにドリンクバーが付いたものを『おすすめロイヤルセット』って言ってですね、バーン!とでっかく文字が。『おすすめロイヤルセット』。
あと別にですね、あらゆる料理に対してのCセットが『おすすめセット』になってるんですよね(笑)。これは、さっきと関係ないんですよ。別のものとして、どんな料理でもCセットは『おすすめセット』なんで。これをバーン!っておんなじ大きさの字で『おすすめセット』と書いてあります。ちなみにスープまたはサラダ、ライスまたはパン、ドリンクバー付きということですけどね。
さらにそれと別にですね、エビとホタテのシーフードドリアにはワインレッドの赤丸で『シェフおすすめ』って書いてあるんで。いったいどれがすすめられてるんだかもう、わかんなくなってしまうっていう状況ですね。
このおすすめのハードルを(笑)・・・ロイヤルホストビーフシチュー、これもでっかくボーン!『シェフおすすめ』なんで。まあ、全部おすすめなんだなっていうね。全ての料理をおすすめしたい!なんだけれども、まあ思いついた順に4つ、5つ書いてみましたというこのロイホクオリティーですよね。
まあ、このぐらいにしておきましょう。これでもまだ終わりませんけどね。トマトがレタスと一緒に同じ野菜ということからグリーンの○の中に書かれているっていう問題は2月に放送したばかりですが。こうしたところがロイヤルホストのメニューの突っ込みどころですので。みなさんもよく学んでですね、ロイヤルホストに行く場合はこうしたところに目をつけていただければと思います。
<書き起こしおわり>