菊地成孔と大谷能生 『80年代のひどさをナメるな!』

菊地成孔と大谷能生 『80年代のひどさをナメるな!』 dommune

菊地成孔さんと大谷能生さんがDOMMUNE『JAZZDOMMUNE 18』に出演。清水靖晃さんの『ベルリン』を聞きながら、そのライナーノーツのひどさについて話し、80年代のひどさについて語っていました。

菊地成孔と大谷能生 松本人志『さや侍』の音楽を絶賛する

(大谷能生)しかも、(『ベルリン』の)ライナーノーツがひどいんだよね。『ぺたんこぺたんこ、どうのこうの』とかさ。このライナーがね・・・俺が読んだ日本の中でワースト3に入るライナーノーツで。

(菊地成孔)これはひどいよね。思い出した。

(大谷能生)で、ライナーノーツ振られてるのに、書く人が『僕はインストのアルバムは苦手なので、あんまりちゃんと書けないと思います』って言いながら、自分で勝手に、自分でこれに歌詞でもなんでもないポエムみたいなものを、全曲に対して。

(菊地成孔)平山雄一さん。知ってる?

(大谷能生)平山さん。知ってますよ。TVKとかでよく見ますよ。

(菊地成孔)へー。

清水靖晃『ベルリン』ライナーノーツのひどさ

(大谷能生)これは『3重人格』っていう曲で。ライナーノーツが普通に『本物は誰だ?清水靖晃版』とか言って、すごい適当な・・・

(菊地成孔)『私は清水靖晃です。クラシックはいいですね。心が和みます』。

(大谷能生)とかこう、書いてあるっていうね。

(菊地成孔)まあ、ひっどい。

(大谷能生)これ、ちょっとアップにして(画を)抜いてもらえます?抜く価値あると思う。

(菊地成孔)あの、みんなさ、80’sをさ、いまの若い人はナメてるよね。

(大谷能生)ナメてるね。こういうものを。

(菊地成孔)80’sがチャラチャラしてるだけだと思っている人たちが多いんだけど。80’sっていうのはチャラチャラしてる上にクズなんだっていう(笑)。80’sをクズだってわかりもせずにさ、80’sは金があってうらやましいとか、80’sダメだって言ってるやつらは全員もう、ウジ虫の鳴き声だよ。

(大谷能生)本当だよね。

(菊地成孔)そんなやつらのつぶやきはさ。

(大谷能生)ねえ。いちばん最初のタイスキとか、そういうの食わせたいもんね。

(菊地成孔)(笑)

(大谷能生)そいつらにね。あの、よくわかんないスープみたいなやつにレタスをこうやってシャブシャブして食うだけみたいな。あんな食べ物、食わせたいよ。いまの男どもに。

(菊地成孔)いや、本当。

(大谷能生)それをね、4千円とか払ってね。

(菊地成孔)あと、なめ猫とかさ、幸福行きとかさ。とにかく俺は100回くらい行ったけどノーパン喫茶とかさ。

(大谷能生)ノーパン喫茶とかね(笑)。

(菊地成孔)80’sをナメんじゃねーよって言いたいよ。80’sはひどかったんだから。

(中略)

(大谷能生)濱瀬さんの曲、聞いてみましょう。それは結構いい感じの曲なんですけど、ライナーがとにかくひどくて。そのライナー(の画)を抜くだけでも価値があるっていう。2曲目。『ゼップ』っていう曲。よいしょっと。ここのね、これよ。この曲で・・・

(菊地成孔)これ、いいよ。

(大谷能生)『濱瀬くんちの便所のスリッパ』っていうタイトルになっているの。これ。

(菊地成孔)(笑)

(大谷能生)『ペタコンペタコン』とか書いてあるの。この平山雄一が。これはじっくり吟味して読んでほしい。

(菊地成孔)まあ、本当だね。

(大谷能生)これ、いいんですよ。この曲。

(菊地成孔)これ、いいよね。

(大谷能生)これのライナーノーツのタイトルが『濱瀬くんちの便所のスリッパ』ですから。許しがたい・・・

(菊地成孔)まあ、いかにね、ジャズ批評がこんなもんだったんだっていうことが・・・

(大谷能生)そうそうそう。本当、片手間に書き飛ばしてさ。これでいいんだったら、いくらでもいいよね。

(菊地成孔)これ、あのまあ、若い人にはわからないかもしれないけど、要するに80年代だけが腐ってたんじゃなくて、もともと腐っていたものに、ブーストがかかったっていう(笑)。80年代は。

(大谷能生)ブーストがかかってこうなったっていう(笑)。ダメなものに対して、もうすごい、こうターボがかかっちゃったんだね。

(菊地成孔)ターボがかかったの。それが・・・あん時全部にターボがかかったね。

(大谷能生)本当に。本当に。

<書き起こしおわり>

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