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吉田豪が語る タモリとヒクソン・グレイシーの共通点

吉田豪 長野美郷にヒクソン・グレイシーのサムライっぷりを語る たまむすび
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吉田豪さんがTBSラジオ『たまむすび』でタモリさんとヒクソン・グレイシーの間に見出した共通点について語っていました。

(赤江珠緒)さあ、今日豪さんのテーマ、タモリさんとヒクソン・グレイシーさんということですけども。

(吉田豪)これがですね、半年ぐらい前にタモリ論バブルみたいなのがあったんですよ。

(博多大吉)いっぱい出ましたよね。

(吉田豪)タモリ本が山ほど出たんですけど。その中で文藝別冊の『タモリ』っていう本が出て。それで僕、原稿をたのまれたから、すごい気軽に今回のテーマの原稿を書いたんですよ。そしたら、出てから気づいたんですけど、すごい真面目な本だったんですよ。


タモリ: 芸能史上、永遠に謎の人物 (文藝別冊/KAWADE夢ムック)

(博多大吉)(笑)

(吉田豪)ええとですね、筒井康隆さんとか坂田明さんとか山下洋輔さんとか大橋巨泉さんとか、本当にタモリさんと深く関わった人たちが語る本みたいな感じで。僕のこんな妄想原稿みたいなのがすごい浮きまくってて(笑)。

(赤江珠緒)がっつり正攻法でみんな攻めたんですね。

(吉田豪)そうなんですよ。しくじった!っていう感じで。だから、ここでちゃんと紹介した方がいいかな?こっちならハマるだろうと。大吉さんから見て、タモリさんはどんな方ですか?

(博多大吉)いや、あんまりお付き合いないんですけど。僕は正直。もう、あのままとしか言いようがなくないですか?テレビで見るまんま。

(吉田豪)なんか、九州方面のつながりとかは?

(博多大吉)あの、うちの相方が中学校の先輩にあたるということで。タモリさん、森口博子さん、博多華丸さん、氷川きよしさんが、4人でタモリさんの家でメシ食ったとかあるらしいですけど。僕はもう、言ったら中学校違うんで。

(吉田豪)(笑)。あ、そういう。

(赤江珠緒)そこで区別されるんですか。

(博多大吉)だから『お前は別だもんね』みたいな感じなんです。

(赤江珠緒)うわっ、狭き門ですね、それはちょっと。

(博多大吉)でもそれも嫌な感じとかじゃなくて、普通なんです。『だってそうだろ?中学違うんだから』って。だから、なんて言うんでしょう?ずーっとテレビで見るまんまでしたね。変わってないですよ。

(吉田豪)赤江さんもいいとも何回か出てますけど、どうでした?

(赤江珠緒)そうでした。出させていただきましたけど、本当になんか大吉先生がおっしゃるように、あのまんまで。で、私はメイク室で二人きりになった時とかに、なんかちょっとお話した方がいいかな?と思って話しかけると、それに本当に丁寧に答えてくださって。『タモリさん、字キレイですね』とか言うと、『ずーっとね、僕は小さい時から書道をね、人のやつを上からなぞってね、練習したんですよ』みたいな。淡々と話してくださる方でしたね。うん。優しいっていう印象ですけど。

(吉田豪)僕もだから、接点は微妙で。タモリ倶楽部に3回出たことと、アルタで打ち合わせまでしたのにいいとも出演の話が何度か流れたっていうだけの接点なんですよ。

(博多大吉)打ち合わせまでして。しかもアルタで。

(吉田豪)で、テレビに出るタモリさんを至近距離で見るたびに思うのは、その圧倒的な自然体ぶりなんですよね。僕が最初にタモリ倶楽部に出たのが、いまから15年前の1999年6月8日放送の『収集家の宴 第1回ものタメ王座決定戦』っていう、いろんなコレクターが集まる回に出たんですよ。その時に印象的だったのが、収録中にテープチェンジのタイミングでタモリさんが隣にいる、みうらじゅんさんもゲストだったんで、みうらさんに話しかけていたのが、『俺この前、変な夢見たんだよ。誰かに追いかけられて、逃げる時高いところから飛び降りた瞬間に、プリッとウンコが漏れて。それで、「あっ、俺、ホモだ」って気づいたんだけどさ』っていう。

(赤江珠緒)(笑)

(吉田豪)本当、死ぬほどどうでもいい話をずーっとしてるのを、カメラとかスタッフの人がみんな待ってるんですよ。っていう状況がすげーいいと思って(笑)。なんのオチも無い話をずーっとみんなが聞いている感じ。

(博多大吉)どんなタイミングでもタモリさんがしゃべりだすとね、みんなちょっと、1回作業を止めるというか。聞いちゃうんですよね。本当、どうでもいい話(笑)。

(赤江珠緒)本当、どうでもいいな。この話は(笑)。

(吉田豪)放送にも使われないっていう。で、2度めが2007年11月9日放送のタモリ倶楽部『カール・ゴッチ追悼 ジャーマンスープレックス大賞』っていうのがありまして。浅草キッドさんと山本小鉄さんがゲストで。キッドさんと小鉄さんと僕で雑談をしてたんですよ。そしたらそこにタモリさんが合流してきて。キッドさんが素早くエスケープしたんですよね。で、逃げ遅れた僕がタモリさんと小鉄さんのゴルフ談義に巻き込まれて。話に入ることもできなくて困り果てたっていう(笑)。

(博多大吉)ちょっとね、中座するわけにもいかないし。

(吉田豪)っていうかもう、タモリさんが横に来ちゃったんで出れないんですよ。

(博多大吉)なるほど。間に挟まれて。

(吉田豪)そこでずーっとゴルフの話に頷いているしかなくて(笑)。うわー、全く・・・どうしよう?っていう。本番が始まったら、タモリさんが前田日明後援会やってたんですよね。そういう話とか、田辺エージェンシーとアントントレーディングっていうタバスコとかマテ茶とかを取り扱っていた猪木さんの貿易会社があったんですが、それがマンションの隣同士で、いろいろ関係があったっていうこととかを突っ込んだら、『そうなんだよ!』って笑顔で答えてくれたのは覚えてるんですけど、タモリさんが具体的になにを話したのか?とかの記憶がほとんどないんですよ。正直。

(博多大吉)いいリアクションはしてくれたっていう記憶はあるんですね。

(吉田豪)面白がってはくれているんだけど、タモリさんがなにを言ったかな?って。いつもだいたいそうなんですよね。3度めが2011年11月26日放送の『もしアイドルヲタクがタワーレコードの社長だったら』っていう。

(博多大吉)いろんな企画、あるなー。タモリ倶楽部。

(吉田豪)タワレコの嶺脇社長っていうのがアイドルヲタだったっていう話のやつなんですが。その時のタモリさんについては、スッと現場に現れて、スッと本番に入って、スッと終わらせて、スッと帰っていったっていうことしか覚えていなくて。

(博多大吉)たしかに。特にタモリ倶楽部、そうですよね。いつの間にか来て、いつの間にか帰っちゃうんですよ。だから毎回、一応誘われるかな?と思って、タモリ倶楽部の後は仕事を入れないように、実は華丸と二人でやってるんですけどね。1回も誘われたことないです。

(吉田豪)(笑)。飲みに行ったりとか、あるらしいですけどね。

(博多大吉)ね。なんもない。スーッと帰られる。ものすごい動揺する。だから。いつの間に!と思うぐらいね。本当にタモリさん、そうですよね。

(吉田豪)そういうところから、このひたすら肩の力を抜いて自然体のまま億単位のギャラを稼ぐ最強の男っていう意味で、タモリさんとヒクソン・グレイシーには通じるものがあると思ってるんですよ。

(博多大吉)自然体で。

(吉田豪)自然体です。

(赤江珠緒)はー。なんか仰々しさみたいなのは全然ないんですね。スーッと。

(吉田豪)そうなんですよね。そういうわけでヒクソン・グレイシーについて説明してみたいんですけど。ヒクソンはブラジル出身の柔術家で、1959年生まれの現在54才。通称400戦無敗の男で、ヒクソンが日本で一躍有名にしたのは1997年10月11日、PRIDE1での高田延彦戦。高田になにもさせることなく、1ラウンド4分47秒 腕ひしぎ十字がためで一本勝ちしたというね。大吉さん、あの試合はどんなスタンスで見てました?

(博多大吉)僕、福岡にいて、その当時。で、福岡にいるプロレスファンって、なんて言うんでしょう?映画見てるような感覚だから、あんまり現実味がないんですよ。で、こん時に忘れられないのが、97年の10月11日。僕、中洲のスナックで、三沢光晴さんと飲んでたんです。

(吉田豪)ええーっ!?

(博多大吉)で、東スポか日刊スポーツの方がいらして。やっぱり僕もプロレスファンで、この日三沢さんと飲んでるけど、やっぱり気になるじゃないですか。

(吉田豪)当然。三沢さんも気にはなっているけども・・・

(博多大吉)どうなのかな?で、なんか東スポの人たちが速報が入ったみたいで、結果をコソッと教えてくれたんですけど。三沢さんにも言ったんですよ。そしたら三沢さんが、本当に顔色をひとつ変えず、『ふーん』って言って、なんかそのまんま女の子としゃべりながら飲みだしたから。

(吉田豪)(笑)

(博多大吉)マジか!?と思って。だから、あれ?これプロレス界にとって大変なことが起こったはずなのに・・・

(吉田豪)大変なことですよ。馬場さん、怒ってましたよ(笑)。

(博多大吉)でも中洲で三沢光晴は、もう本当に微動だにしなかったです。『ふーん』っつって、飲んでました。

(吉田豪)三沢さん、だってね、『俺はヒクソンを投げられると思う』って言ってましたもんね(笑)。

(博多大吉)『まあ、高田じゃああだろうな』ぐらいのことを思って真露を飲んでいたかはわかりませんけど。それはね、すごい覚えてます。

(吉田豪)まあとにかく、この試合もそうなんですが、ヒクソンが衝撃的だったのはそれまでの格闘家と違って、とにかく肩の力が抜けてるんですよ。で、スッと相手の懐に入って、あっさり勝負を決めるっていう。で、なんでそんな戦い方ができるようになったのか?っていうのが、彼の著書『ヒクソン・グレイシー無敗の法則』っていう2010年ダイヤモンド社の本なんですが。これを読むとわかるんですよ。ヒクソンがそうなったきっかけは、ヨガの先生から動物の動きを真似する独自の呼吸法のレッスンを受けたことらしいんですけど。大吉さん、ちょっとヒクソンになったつもりで次の文章を読んでください。


ヒクソン・グレイシー 無敗の法則

(博多大吉)ヒクソンになったつもりで?ちょっとできるかわかりませんが。『それは、私が習ったことのある伝統的なヨガとは違っていた。この拳法の先生から教わったのは、動き方と呼吸法だ。猿のように歩く、ジャンプする、蛇のようにじっとしている、いろんな動物の動きを真似しながら呼吸をする。先生に「自分が猿になったところを想像して」と言われると、私は物に抱きつくなど、いろんな動きをした』。

(赤江珠緒)これで・・・強くなる?

(博多大吉)マジっすか?

(吉田豪)で、これをさらに極めていくんですよ。まずは鷹になって、それから違う動物になってくるっていうのを続けていくらしいんですけど。最終的にどこまで極めたのか?っていうのをちょっと大吉さん、これも読んでください。

(博多大吉)続き、あるんですね。わかりました。『20回以上のレッスンを重ねたある日、いつものように先生が指示を出した。「動物の動きを始めたら、目は見ているものを素通りするはずだ。なんの分析もしてはいけない。ここに誰かがいることはわかる。でも、いくつなのか、若いのか、年寄りなのかはなにもわからない。動物のように見るだけだ。なにかが存在することはわかっても、分析しない。動物だから、なんの感情もなく、ただ性質を感じるだけだ。」その時、電話がかかってきた。先生は「いいからそのまま続けて」と言い残して出て行った。私はそれを続けた。「やり遂げた!」と感じた時、私は窓枠にのっている自分に気づいた。部屋を見渡すと、先生が泣いていた。私は1時間15分もそんな状態だったのだという。全く意識が無いままで』。

(赤江珠緒)えっ?えっ?

(吉田豪)ヒクソンが鷹になりきって、窓枠にのって1時間15分そんな状態だったんですよ(笑)。

(博多大吉)で、それを見て先生が泣いていた。

(吉田豪)泣いちゃった。『こいつはここまで鷹になりきるとは!』っていう。すごいですよね。無意識で、窓枠にのっちゃうんですよ。で、鷹のフリしてたんです。ずっと。あのヒクソンがあの真面目な顔で。

(赤江珠緒)ええっ!?そうですか・・・

(吉田豪)最高じゃないですか。その光景を想像するだけでヒクソンが好きになれるっていう。

(博多大吉)へー。意識なく、鷹になっちゃうんですね。

(吉田豪)で、このエピソードは『ヒクソン・グレイシー 心との戦い方』っていう、これ2013年新潮社の本なんですが。こっちにも登場してまして。そっちだと、ヒクソン曰く『目をつぶり、頭の中にサル、ライオン、トラ、カエル、ヘビなどを思い浮かべ、その動物になったつもりで一心に動いた。体をくねらせて歩き、急に走り出したり、両手をバタバタさせて飛ぶような格好をしたり、宙返りをしたりしているうちに我を忘れ、それを見ていたヨガの先生がこう言った。「もうこれ以上、君に教えることはない」』という。


心との戦い方

(赤江・大吉)ほー。

(吉田豪)だからヒクソン曰く、『それはエンプティ・マインド、もしくは無我の境地と呼ばれる状態で、グレイシー一族の中でも無我の境地に達したり、動物のような呼吸法を習得したのは私だけだった』ということなんですけどね。僕が思うに、タモリさんもイグアナの真似を極めたりとか、間寛平さんと共演するとお互いサルになって戦ったりしているうちに無我の境地に到達したんじゃないか?というね。

(赤江珠緒)あ、なるほど。

(博多大吉)言われてみればタモリさんも。

(吉田豪)やけに動物になりますよね。そしてなった時は本当無我の境地でやり過ぎるじゃないですか。テレビだってことを忘れるぐらいの長時間やっている感じの。

(博多大吉)たまにね、アルタのお客さんを置いてけぼりにする時もありましたもんね。

(吉田豪)そうです。そうです。で、ヒクソンはこのレッスンのおかげでリング上で一切動じない男になったと。本人曰く、『リングに上がって対戦相手を前にした時、見えていたのはシマウマだった。大抵のファイターは感情を次々とぶつけてくる。それを見ていた。肉体として見ていた』っていうね。

(赤江・大吉)へー。

(吉田豪)たぶんテレビでゲストとからんでいる時のタモリさんもこんな心境だったんじゃないですか。

(赤江・大吉)(笑)

(吉田豪)ヒクソンのように『相手を分析することもなく、ただ眺めて、何をするか頭で考えるのではなく、相手の動きに感覚的に対応するのである。私がイメージするのは流水だと。少しでも隙間やくぼみがあれば、あっという間にそこに入りこんでしまう。そこに意思は全くなく、自然な動きがあるだけ』と。この姿勢でタモリさんね、多分トークしてるんじゃないかと。スッと水のように入る感じ。

(赤江珠緒)ねえ。いいともで毎日毎日ね、いろんな方が出てこられるわけで。

(博多大吉)いや、テレホンに関してはね、これそうじゃないですか?

(吉田豪)あれ、分析したらたぶん壊れますよね。しんどくて。もうなにも考えないで、ハッと入っていくような(笑)。

(博多大吉)1個1個ね、その日のゲストの勉強とかをやってらんないですよね。

(吉田豪)ちなみに作家の樋口毅宏さんが去年の7月に出した『タモリ論』っていう本がね、これがすごい売れたわけですけど。その本の中でタモリさんのことを一見、『その強さやすごさが伝わりにくい、まるで武道の達人』と表現してたんですよね。『合気道の達人のようだ』っていう。だからいま言っている話に近いと思うんですよ。そういう。ただ樋口さんもタモリさんに学んで肩の力を抜いて、あえて下調べもしないで記憶だけで原稿を書いたんですよね。この本。


タモリ論 (新潮新書)

(赤江珠緒)えっ?えっ?

(吉田豪)そうなんですよ。ぼんやりした記憶で書いたから、それがこの本が売れた理由だと僕は思ってるんですね。ただその結果ちょっと、有吉佐和子さんがらみの描写でトラブルになったりもしたんですよ。

(博多大吉)トラブル?

(吉田豪)要は事実誤認というか。有吉さんがいいともで、樋口さんは曖昧な記憶であることを断りながら、途中から完全に暴走して観客を呆れさせて。要は帰らなかったっていう話を書いたんですけど、それは遺族から事実と異なると指摘を受けて、当時の映像を入手して確認したら記憶がすり替わっていた。ので、お詫びしますみたいな感じでいっていたんですが。要はそういうことなんですよ。記憶で書いているから、『それは違う!僕が思うに・・・』みたいな感じで、誰もがタモリ談義をしたくなる作りになっていたから売れたと思うんですよ。みんなが思う、俺が思うタモリを言いたくなるっていう。

(博多大吉)いいですか?有吉佐和子さんのやつって、あれですよね?ずーっと居座った・・・

(吉田豪)そうです。そうです。

(博多大吉)あれって・・・

(吉田豪)居座ったのは事実ですけど、そのへんの描写はだいぶ違ったってことですね。

(博多大吉)完全に暴走したと。観客を呆れさせたと。呆れてませんでした?僕なんか見てた・・・

(吉田豪)僕も見てました。

(博多大吉)ねえ。さんまさんが途中から出てくる・・・

(吉田豪)あれもまた筋書きがあり説とかいろいろあったりとか、ややこしいんですよ。

(博多大吉)あ、なるほど。そうなんですね。いや、おかしいっちゃおかしいですもんね。なんでこの人、いつまでもいるんだろう?みたいなね。

(赤江珠緒)84年。へー。

(博多大吉)これ、大事件でしたよ。

(吉田豪)で、ちなみにこの『ヒクソン・グレイシー 無敗の法則』が出たのが2010年だったんですけどね。この当時、『経済的には最悪な状態だった』って書いてあって。『数年前まではブラジルに農場を持ち、リオのイパネマビーチに部屋を所有し、カリフォルニアのマリブに家があった。しかし、いまは何も持っていない』っていう。

(博多大吉)だって、ファイトマネーめっちゃ高いでしょ?

(吉田豪)億単位でね。毎回もらっていた人なんですけど。その理由は離婚して元夫人に全てを渡したせいだったっていうね。『長い間、私たちの結婚生活はうまくいってなかった。妻は私がしたことがどうしても許せないと言うようになり、私は妻と一緒にいても胸の高鳴るような幸せを感じることができなくなっていた』とか書いてあって。要は浮気がバレたってことくさいんですよね。ヒクソンが。

(赤江珠緒)(笑)。えっ、そうなんですか?

(吉田豪)たしかに、僕が取材した時も、夫人をやけに恐れていて。夫人が離れた瞬間に下ネタに付き合ってくるみたいな感じで(笑)。あれ?とは思ってたんですけどね。

(博多大吉)そんな怖い感じの夫人だった?

(吉田豪)そうなんですよ。

(赤江珠緒)そこは無我になれなかったですか?夫人の前で。

(吉田豪)ぜんぜんでしたね(笑)。で、その結果ヒクソンは『ライフスタイルを変えた。普通の車に乗り、普通の商品を買う。節約をする。クレジットカードは使わず、贅沢はやめてみた』と。『でも、心の中にはいつもくっきりとした自分のイメージがある』ということなので、ヒクソンが心の中で描いている自分のイメージについて、大吉さんちょっとこれも読んでください。

(博多大吉)まさにこれ、ヒクソンの心のイメージですね。『最高の食事をしている。誰にも負けない素晴らしい食生活だ。品質の高い有機栽培の食品に、しぼりたてのジュース。眠りの質にもこだわっている。テンピュール社のマットレスは寝心地が最高だ。もちろん、ベッドでも最高の男だ。どうがんばっても、誰もかまわないだろう。これがいまの私の気持ちだ』。

(赤江珠緒)大吉先生、『かまわない』じゃない。『かなわない』。かまわないだと、寂しいじゃないですか。

(吉田豪)(笑)。かまってくれないわけじゃないですよ。

(博多大吉)急に、ヒクソンがテンピュール社のマットレスのことを言い出したんで、ちょっと動揺してしまいました。すいません。『どうがんばっても、誰もかなわないだろう。これがいまの私の気持ちだ』。

(吉田豪)そうなんですよ。

(赤江珠緒)どういう境地に?

(吉田豪)急にベッド上でも無敗だっていう話をし出すんですよね。で、さらに格言っぽいことを言おうとして、おかしなことになってるんでちょっとそれも読んでください。

(博多大吉)『人生は食べること、セックスすること、仕事をすること、そういうなにもかもを合わせたもので、それらはどれも人生のよろこびなのだ。女の子を口説いて、家に連れて帰り、最高の時間を過ごすという戦略があるとしよう。それでも、状況によってはベッドに誘うのは明日にして、今日のところは「じゃあ送っていくよ」と言って静かな時間が過ごせれば、明日はもっとチャンスがあるかもしれない』。

(赤江珠緒)なにを言ってるんだ!?

(吉田豪)なんの話をしてるんですよ!?っていう。

(赤江珠緒)ちょっと待って。ヒクソンさん、あれ?

(吉田豪)ヒクソンはいつも戦略を練っている人なんですけど、こんな戦略まで練っていたっていう(笑)。

(博多大吉)ちょっとね、甘噛みしながらで申し訳なかったですけど。

(吉田豪)なぜかやたらと下ネタばっかり語りだすんですよ。

(赤江珠緒)そうですね。しかも、離婚されてからものすごくエンジョイしてるっていう感じが出てきますね(笑)。

(吉田豪)で、さらにはすごい真面目な仙人みたいなイメージが強かった人なんですが、こんなことも言い出すんですよ。『私はいつも、できるだけかっこよく、流行を取り入れ、おしゃれに見えるように心がけている。人からどう見らてれるのかを意識している。それに無関心でいるわけにはいかないからだ』。

(博多大吉)へー、ヒクソンが。

(吉田豪)『なりたい自分について、心の中にはっきりとしたイメージを持ち続ける。そして次に鏡を見ながら、「俺はいい男だ。強い、力がある」と言おう。そうすれば生まれ変われる』っていうね。だんだん僕の中でヒクソン像が崩れていくんですよ。毎日鏡を見て、『俺はいい男だ』って言っている姿を想像するだけで、好きになれるじゃないですか。ヒクソンも人間なんだなっていう。

(博多大吉)もっとね、俗世間からね、離れた人だと思ってましたよ。

(赤江珠緒)さっきの仙人っぷりはね。

(吉田豪)インタビューでも本当に仙人みたいな哲学的なことしか言わない人だったんですけど、こんなことも言ってるんですよ。『インタビューを受ける時も、私は多くを語らない方がいいと信じてきた。口にする言葉が少ないほど、人々の好奇心は増し、期待度は膨らむ。インタビュアーから質問されたことを、なんでもかんでもベラベラとしゃべってしまったら、人々が知りたいことなどなくなってしまうし、私のイメージが壊れたかもしれない。それがもし、たったひとつだけ、短い格言を引用するか、質問について最小限のことしか答えなかったらどうだろう?私の立場は守られるし、ビジョンも伏せておける』っていうね。本当、ただ幻想を作っていただけなんですよ(笑)。

(赤江珠緒)そう。しかも大事なことをしゃべっちゃうっていうのはどうなんでしょう?

(吉田豪)タネ明かしているだけなんですよ(笑)。でも、これもタモリさんに近いっていうか。タモリさんもインタビューを受けない人だし、あんまり自分語りをしないじゃないですか。

(赤江珠緒)あー、そっかそっか。そうですね。

(吉田豪)ただ結論として、ヒクソンは15年で3試合しかしてなかったのに、タモリさんは毎日お昼の顔として仕事しながら、このスタンスを守っていたっていう意味で、タモリさんの方が確実にすごいんだなって。

(博多大吉)いや、もう圧勝ですね、これね。タモリさん。

(吉田豪)圧勝ですよ。っていう風に思いました。

(博多大吉)へー、ヒクソンって3試合しかしてないんですか?

(吉田豪)ですよね。

(博多大吉)この15年で。で、もう引退ですよね、さすがにね。

(吉田豪)引退です。まあね、稼いだお金は奥さんが全部持って行っちゃいましたけどね。ちなみにヒクソン・グレイシー無敗の法則っていう本の最後に、ヒクソンは最近の総合格闘技についてこう書いているんですよ。『ファイターは賞金のために試合を受ける。その賞金もますます上がり続けている』って。お前が言うな!っていう(笑)。お前が上げたんだっていう。

(博多大吉)あなたがきっかけでね。この方きっかけで偉いことになって、最終的に最近あんまり見なくなりましたから。

(吉田豪)最終的に総合格闘技はやっていけなくなっちゃったんですよ。日本で。ギャラが上がりすぎて。どう考えてもペイしなくなっちゃったんで。全部この人のせいです!(笑)。

(赤江珠緒)でもいまも、素晴らしい・・・

(吉田豪)若い奥さんつかまえて、幸せに。そうみたいですね。

(博多大吉)なるほどね。でも、あると思います。タモリさん=ヒクソン説。

(赤江珠緒)ねえ。流水のようだっていうところ、なるほど!と思いましたね。

(吉田豪)あのへんはかなり近いと思うんですよ。ただ、本当にこれがあまり近いと、タモリさんも離婚する可能性が出てきちゃうから。そこは心配なんですよ。

(博多大吉)そこだけは違うように。

(吉田豪)そうそうそう(笑)。

(赤江珠緒)わかりました。

<書き起こしおわり>

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