小島慶子さんが2026年1月13日放送の文化放送『大竹まこと ゴールデンラジオ!』の中で訃報が伝えられた久米宏さんを追悼していました。
(砂山圭大郎)さあ、小島メモのお時間です。小島慶子さんがこんなものを見た、聞いた、食べた、あの場所に行ってみた、こんなことがあったんだけど、どう思う? など日々の中で感じたことをお話しするコーナーです。
(小島慶子)はい。さっきね、速報で久米宏さんの訃報が伝えられました。なのでそのお話を急遽、しようかなと思いますけれども。久米さんはですね、私はお仕事で3年間、ご一緒したことがありまして。あれは2006年から2009年までだったかな? 番組をご一緒しまして。
で、まあ、久米宏さんはね、もうリスナーの方はよくご存じだと思いますけど。もともとTBSのアナウンサーをされていて。その後ね、もう時代を代表するニュースキャスターになられて。で、またそのニュース番組が終わってから、TBSラジオに戻ってらしてね、ご自身の番組を久々に持ちますっていう時に冒頭、最初の3年間だけでしたけどね、ご一緒する機会に恵まれました。
(大竹まこと)はいはい。
(小島慶子)で、もう私はね、テレビで見ていた人ですしね。私も当時、TBSの当時アナウンサーでしたけれども。当然ながら会社でご一緒した経験はないわけですよね。で、TBSの人たちから伝え聞く久米さんはこんな人だったよっていうことしか知らなかったので。初めてお目にかかった時にね、「わあ、本物だ!」とか思いましてね。で、まあいろんな番組の合間にもね、久米さんのお話を聞く機会があったんですね。で、まずは本当に久米さん、ありがとうございました。たくさんいろんなことを教えていただいて。番組をご一緒した中で、放送を出しながら学ぶことができたのはとても光栄なことでしたし、楽しかったなと思い出しますね。
で、どういうことを教えてくださったかっていうと、もうね、これからいろんな方が……私よりもはるかに久米さんのことをお詳しくて、長くお仕事されてた方が皆さんね、語られると思いますので。私は本当に一部分の久米さんのことしか知らないですけど。でも、すごく学びが深かったのはとにかく久米さんは予定調和ということを非常に嫌ったんですね。
「ラジオで生放送をしてるっていうことは今、この会話の中で何が生まれるかわからないってことを僕は大事にしたいから。だからもう全部決まったようなことを節をつけたような、お決まりのしゃべり方でしゃべるようなスタイルは僕のスタイルじゃないんだ」っていうことだとか。あとは「僕と一緒に話す人たちっていうのは別に僕のアシスタントとかは思ってないので。一緒に番組を、しかもその予定調和でなく、その場で生まれる会話の中で作っていくのが面白いんだよ」ってことをおっしゃってたんですね。
で、久米さんって意地悪なんですよ(笑)。なんか番組の中で私と会話していると、平気でなんかちょっとカチンとすることとか、言うんですよ。それで「あっ! ちょっと感じが悪かったな」と思って私はそこからムッとするわけですね。で、2人でムッとしたまま生放送とかもよくあって。でもね、それができたんですよ。だから。
2人でムッとしたまま放送したことも……
(小島慶子)で、そういうのはたとえば「なんだ、アシスタントの女のくせに、生意気な!」とかね、「もっとサービスしろ!」とかっていうような、そういうことはもちろんおっしゃらず。番組中になんとなく2人でなんかお互いにムッとしたら「おお、じゃあいいじゃないか。ムッとしたまま生放送、やろうや」みたいな感じで。別にそれを言葉にせずともね。まあ、それって最高の信頼関係ですから。一緒に生放送する相手に対して、そういう信頼を置いてお話になる、勇気のある方だったと思います。
で、私のようなですね、大変な若造……28歳ぐらい年の差がある親子のようなね、若造に対して。しかも初めてコンビを組んだ若造に対してもですね、そういう信頼を置いて一緒に生放送で、何が起きるかわからない生放送を、そこにあるがままの人間関係を大らかに出しながら。喧嘩したり、一緒に笑ったり、一緒に考えたりしながらやっていこうよって思ってくださったのは、本当にありがたいことでしたし。それぐらい、放送っていうものを大事にしてる方だったんだなと思いますね。
それは私はまあこういうね、放送に携わる仕事をしている上で本当に言葉ではもう言い尽くせない、多くの学びを与えていただきました。で、その「放送に携わる人は誠実であれ」ってね、言いますよね。で、もちろん久米さんだって、どんな人だって放送に携わる人はみんな、完璧ではないので。で、好き嫌いもありますから。全員に「完璧」って言われる人はいないんですけれども。
でも、やっぱりみんなそれぞれに公の器である放送に携わるのであれば、何か自分が世の中の役に立ちたいとか、誠実でありたいという気持ちを持ってる人がマイクの前に立つべきであるというお考えを久米さんなりにお持ちだったんじゃないかなと思いますし。それを放送に向き合う中でね、教えていただけたことに感謝してます。
ですから私はね、それをどれぐらい実現できるかわからないけれど。いつも、やっぱり放送に携ってる限りはそのことは忘れないでいようと思っていますので。今ね、久米さん、どちらにいらっしゃるかわかんないですけど。私もまた、引き続き頑張りますというね、ご挨拶をしたかったです。

『久米宏 ラジオなんですけど』の番組開始から3年、パートナーを務めていた小島慶子さんの言葉、とても素敵でした