宇多丸さんと高橋芳朗さんが2025年2月10日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション2』の中でケンドリック・ラマーのスーパーボウルハーフタイムショーについて話していました。
(宇多丸)続いてのメール。「宇多丸さん、芳朗さん、山本さん、こんばんは。今回、大統領がトランプ氏になったことで受賞者の変化や今後の音楽シーンに影響などはあるのでしょうか? また今まであったりしたのでしょうか?」ということで。今回のグラミーに限らずということかもしれませんが、いかがでしょう?
(高橋芳朗)そうですね。去年の大統領選の頃も含めて、あんまりそういうプロテストソングとか、なかったんですよ。それは第1期トランプ政権の時ともかなり、結構雲泥の差って言ってもいいぐらいですね。そこがちょっと気がかりですね。
(宇多丸)スーパーボウルでも、まあトランプ来てるからだけど。テイラー・スウィフトが画面に映ったらやっぱり一部、ブーイングがあったりとかね。もちろんトランプもいるから、当然支持者の人もいるでしょうけど。とかね。で、その中でスーパーボウル、ケンドリック・ラマーがパフォーマンスして。これもね、メールもあったんですね。「ケンドリック・ラマーのハーフタイムショー、最高でした。アメリカでは賛否あるみたいですが、ラップで客演もほぼなく1人で勝負したケンドリック、かっこよすぎました。このハーフタイムショーの解説だけでもコーナー、行けると思いますのでぜひよろしくお願いします」ということですよ。
(高橋芳朗)やっぱりトランプが観戦しているっていうところを踏まえてのかもしれないけれども。やっぱりちょっと黒人差別を訴えるようなところもあったり。ケンドリックも気骨を見せたところもあると思うんですよ。あと、ちょっとニュースになってましたけどパフォーマンス終了後にケンドリックのダンサーがパレスチナ国旗を掲げて。それでスタッフに取り押さえられたみたいな。
whoever this LEGEND is who ran on stage and on the field with the Sudanese & Palestinian flag while kendrick was performing at the super bowl and got tackled & dragged away, GOATED SO HARD. GOD BLESS. THE REVOLUTION WILL BE TELEVISED. pic.twitter.com/Apa7dNHaX4
— 𓂆 deeja⁷🫒 (@deedeehimawari) February 10, 2025
(宇多丸)当然、イスラエルによるガザへの大規模攻撃。今は一応、停戦してますけどもその後のトランプの、これははっきり言います。暴言ですね。みたいなものに対する抗議ですよね。
(高橋芳朗)ケンドリックはパフォーマンスの前半、始まったばかりのところでギル・スコット・ヘロンの有名なフレーズを文字って。「この革命はテレビで放映される(The revolution ‘bout to be televised.)」っていう風に。
(宇多丸)元は「The revolution will not be televised.」だったのを。
(高橋芳朗)そんな風に言っていたから。その辺、ちょっと意識的になったのかなっていう気もしますけどね。
「この革命はテレビで放映される(The revolution ‘bout to be televised.)」
Kendrick Lamar seems to have changed his lyrics to take a shot at Trump, who is also in attendance at the superbowl tonight…
What did he mean by “The revolution is about to be televised, you picked the right time but the wrong guy”? 🤦🏻♂️ #SuperBowl #HalfTimeShow #kendricklamar pic.twitter.com/pupwENgzEl
— 🇺🇸 Capo 🇺🇸 (@CapoQ777) February 10, 2025
(宇多丸)まあ、思うところがないわけないよね。それはね。という流れでございます。今後、まだ始まったばかりですから。どうなるか。
(高橋芳朗)どうなりますかね。
(宇多丸)パレスチナのことだってね、はっきりと曲にしたのはマックルモアだけだからね。そして、そのマックルモア、もちろん売れた、売れないとか反響のバズった、バズらないで言えば差があるんでしょうけども。こういうところで話題になるわけでもなく、みたいな。僕はやっぱりそれはちょっと、皆さん尊敬していますよ。
アメリカの一流アーティストの方々。と言いつつ、今までのこういう時に何か言ってくれるみたいなのがちょっと……それは別にアメリカのアーティストに全てを求めるわけじゃないから。まあ、アメリカのアーティストの限界だなっていう風に思うところもあったりしました。アメリカの市場っていうのを相手にしてる以上、こういうところがあるなっていうのを。
(高橋芳朗)ここ1年、2年はそういう風に思う局面が多かったですね。
(宇多丸)でも、アメリカのアーティストが万能じゃないから。それはどの国の人のどの立場の人も、いろんな限界の中でやってるっていうことだから。というのもありつつ。だからマックルモアは偉い。本当に偉かったと思いますけどね。曲も素晴らしかったし。僕にとってのベスト作品はやっぱりマックルモアです。
(高橋芳朗)最優秀楽曲賞ね。
(宇多丸)だと思ってます。
宇多丸的最優秀楽曲賞 MACKLEMORE『HIND’S HALL』
ケンドリック・ラマーのハーフタイムショー、めちゃかっこよかったですよねー。ギル・スコット・ヘロンにかけて「The revolution ‘bout to be televised.」って言ってみたり、最後の曲が『tv off』だったりと、いちいちやっていることが細かくて掘り甲斐、ありまくりです!
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