タモリ 日本人のラップの受け入れ方を語る

タモリ 日本人とラップを語る ニッポン放送

タモリさんが2024年7月15日放送の『ニッポン放送開局70周年特別番組 笑顔にナーレ! タモリセッション2024』の中で音楽についてトーク。日本人のラップの受容の仕方について話していました。

(東島衣里)続いて、ニッポン放送の新入社員「ふうちゃん」からいただきました。ふうちゃんが笑顔になれる場所は「音楽フェス」。音楽フェスティバルだったり、このニッポン放送のオフィスの5階。編成部だったり、営業部があったりということですね。ということで、いただきました。

(タモリ)フェスもいいですよね。

(東島衣里)タモリさん、フェスは?

(タモリ)ジャズフェスは昔、よく行ってました。司会もやりましたけどね。

(東島衣里)また違った空気が……。

(タモリ)違いますよね。日本はね、これだけひとつの国で……滅びた音楽もありますけども。これだけ音楽の種類が残ってるのは世界で、まずないですよ。

(東島衣里)そうなんですか?

(タモリ)だから、いろいろな音楽が残っていて。しかも、いろいろな音楽が影響し合ってるんですよ。なんていうかな? たとえば、どこかのダンスクラブがヒップホップがダメだとか、なんか言ったらしいんだよね。なんでヒップホップがダメなのか、わかんないんだけども。たとえばラップっていうのが入ってきた時に、俺らの年齢でも全く違和感がないんですよ。乗れるんですよ。日本中、だいたいそうだと思うんです。これ、なぜかというと民謡に既にラップが主流なものがあるんですよ。

(東島衣里)ルーツがあるんですね。

日本の民謡の中にもラップ的なものがある

(タモリ)日本人とポリネシア人だけだったかな? 研究してる人がいて。音を言語と音楽に分ける処理の仕方が欧米とかとは違うんだよ。日本人だけが。だからしゃべりも音楽と思うんですよね。日本人は。だからラップはそのままですよ。

(東島衣里)まさにそうですね。

(タモリ)だからラップをやってる人は、民謡とかは聞いてないから「違う」と思っているんですけど。同じ脳が解釈してるんで。それは伝統芸能と同じなんですよ。だから全くラップはまあ、違和感がないんですよ。

(東島衣里)なるほど。

(タモリ)それでヒップホップも……ラップもヒップホップですけれども。ラップを否定するということは、伝統的な日本の音楽を否定することなんですよ。おかしいんですよ。何からこういう話になったんだっけ?(笑)。俺、わからないよ(笑)。

(東島衣里)音楽の味わい方ですよね(笑)。

(タモリ)ああ、フェスだ。

(東島衣里)フェスから。

(タモリ)だからフェスっていっぱいあるじゃないですか。あれも、音楽のひとつの聞き方としては重要な、いいものなんで。あれで笑顔になるっていうのは、もう当然ですよ。

(東島衣里)そうですね。

(タモリ)だから音楽はいろいろな聞き方がある。大きなところ、野外、室内、いろいろありますから。

(東島衣里)私、タモリさんにお会いするにあたって「音楽に素人なので大丈夫かな?」って思ってたんですけど。タモリさんが「音楽には理由がなくていい」とおっしゃってた一言。そこに心救われて。

(タモリ)ああ、理由がなくていいんですよ。だいたいね、意味なんてどうだっていいんですよ。

音楽に理由はなくていい

(東島衣里)じゃあ、このニッポン放送開局の「70周年」なんていうものは、意味を考えずに?

(タモリ)ああ、もう考えずにでいいですよ。「周年」って意味ないもん。だいたい。

(東島衣里)アハハハハハハハハッ! もうここまで各番組が盛り上がってきた中で……(笑)。

(タモリ)ああ、そうか。70周年でやっているかの(笑)。ああ、そうか。それで意味ないって……だから意味はないよ。ないんだよ(笑)。

(東島衣里)じゃあ、ラジオって、もしかして?

(タモリ)なんにも意味ない。どんなものも、意味がない。だから日本人っていうかな? その解脱の方法は、意味からの解放。意味からの解放です。

(東島衣里)今日をもって、解放されましょう(笑)。

(タモリ)解放されましょう。だから、音楽がいいんです。音楽はいいんです。意味はありませんから。

(東島衣里)じゃあ、このふうちゃんは正しいですね(笑)。はい。というわけで、ラジオ業界を支える6人の新入社員にアンケートを答えてもらいました。お付き合い、ありがとうございました。

(タモリ)あの、新入社員の諸君、本当に意味がないから。適当に頑張ってください。

(東島衣里)ほどほどに(笑)。

<書き起こしおわり>

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