吉田豪さんと博多大吉さんがTBS Podcast『大吉ポッドキャスト いったん、ここにいます!』の中で全日本女子プロレスのデタラメな魅力について話していました。
(博多大吉)でも全女もデタラメでしょう? 僕はそれこそ、豪さんとかが携わってた雑誌で情報を仕入れてましたけど。
(吉田豪)リアルな揉め事をそのままリング上に出す団体だったので。
(博多大吉)だから書ける範囲でしか、たぶん書いてないでしょう? あの頃の。
リアルな揉め事をそのままリング上に出す全日本女子プロレス
(吉田豪)そうですね。ただもう、本当にそのままでしたからね。取材で現場に行くじゃないですか。試合でありえないことが起きてるわけですよ。要は、デビューしたばっかりの若手が何かやらかしたのか、わかんないけど。完全にターゲットにされて。先輩がまっすぐそいつに向かって思いっきり顔面にパンチを入れたりとか。思いっきり蹴りを顔面に入れたりとか。
(博多大吉)もうプロレスでも何でもないやつ。
(吉田豪)「うわあ……」ってことが日常的に行われるというか。SUN族っていう、当時全女が隣のビルで喫茶店をやってたんですね。
(博多大吉)アルファベットで「SUN族」ですよね。
(吉田豪)で、そこで取材とかをしてると、そこの上に寮っていうか。小人レスラーの方とかが住んでいたり、選手もいたりとかして。で、階段がバーッとあるんですけど。取材をしていると「ダーン! ゴロゴロゴロッ!」って音が聞こえてきて。見ると新人レスラーが何かされたんでしょうね。ゴロゴロ転がってるんですよ。
(博多大吉)階段からゴロゴロと?
(吉田豪)「ええっ?」っていうことが日常的に……。
(博多大吉)練習の一環、だったのかな? その頃は。何だったんだろうな。足でも滑らせたのかな?
(吉田豪)ただ、そういうような揉め事を全て、軍団抗争にするんですよね。あそこが頭おかしいのは。当時のフリーダムフォースとか、ああいうのって本当にいじめられてた人たちを全部、ひとつの軍にして……とか。
(博多大吉)それで「先輩と戦いなさい」っていう。
(吉田豪)本当に敵対している人たち同士で軍を作らせて。「リアルな人間関係をそのままリング上で出しましょう」って(笑)。
(博多大吉)いやいや、そんなトーンで言って出せるもんじゃないでしょう?(笑)。
(吉田豪)っていうことをずっとやってたわけじゃないですか。有名ですけど、言ってない悪口を相手に言って。「あいつがこんな悪口を言ってたぞ」って言って焚き付けて。思いっきり感情むき出しの試合をさせて、その試合にフロントの人たちがお金を賭けていてたみたいな(笑)。
(博多大吉)最悪! 最悪ですよ、本当!
フロントの人間が試合結果で賭けをする
(吉田豪)いや、でもこれがすごい事で。賭けが成立するプロレス団体はたぶん全女ぐらいだったはずなわけなんですよ。要は、内部の人が賭けられる団体っていう。
(博多大吉)ねえ。言いづらいけどね。内部の人でも結果がわからないっていう。
(吉田豪)ありえない。それはね、面白いに決まってるんですよ。何が起きるかわからない。
(博多大吉)だし、やっぱり実際、我々も夢中になってね、あの頃の女子プロレスを見てましたからね。
(吉田豪)それで今、話を聞いても裏話も面白いですしね。それは最高です。
(博多大吉)それはね、ムック本も永遠に出ますね。これはね。そういうのがね。
(吉田豪)だから、ちょっとこの世界に首を突っ込んだだけでも「うわっ、面白い!」と思えたんですよ。話を聞いてて。
(博多大吉)じゃあ、なんだろう? あまりにも環境が変わって、いろんなことが起こって。人によってはちょっと引いちゃうというか。「うわっ、何、この世界?」って思う人も……。
(吉田豪)プロレスに失望する人もいるかもしれないけど、逆ですよね。
(博多大吉)豪さんはもう前のめりで。
(吉田豪)「すげえ!」って。知れば知るほど、深いみたいな。
(博多大吉)で、その女子プロレスの雑誌からまた、いろいろな雑誌に向かわれるわけですけど。この続きは次回、お願いしたいと思います。
(吉田豪)はいはい!
<書き起こしおわり>