吉田豪と矢口真里『あの頃。男子かしまし物語』を語る

吉田豪と矢口真里『あの頃。男子かしまし物語』を語る SHOWROOM

矢口真里さんが2020年2月25日放送の『猫舌SHOWROOM 豪の部屋』に出演。吉田豪さんと劔樹人さん原作で映画化される『あの頃。男子かしまし物語』についてトーク。当時にモーオタシーンなどについて話していました。

(吉田豪)じゃあ、飲みましょうか?

(矢口真里)いただいて、いいですか?

(吉田豪)もちろんです。

(矢口真里)じゃあ、皆さんもよろしければ。

(吉田豪)見ている方も飲めたら。

(矢口真里)じゃあ、乾杯! お邪魔しまーす! ああ、美味い! 美味いっ!

(吉田豪)フフフ(笑)。「CM、来ないかな?」って(笑)。

(矢口真里)CM、無理っすよ(笑)。

(吉田豪)でしょうね(笑)。

(矢口真里)ど、どういうことですか?(笑)。

(吉田豪)CMが一番難しいですからね、そりゃあね(笑)。

(矢口真里)フフフ、今が一番クリーンなんですけどね(笑)。

(吉田豪)ですよね。それはわかります。

(矢口真里)本当になんにもしていないですから。

(吉田豪)ねえ。きちんと家庭があってね。お子さんがいて。

「今が一番クリーン」(矢口真里)

(矢口真里)はい。家庭も大事にして。子供もいるし、お薬の方もしていないです! もう絶対、本当に大丈夫です! 今が一番クリーンです!(笑)。

(吉田豪)「今なら何の問題も起こさないのに」っていう(笑)。

(矢口真里)でもね、逆に怖いですよ、やっぱり。CMとか出ちゃったら、やっぱり背負うものがひとつ、増えるじゃないですか。

(吉田豪)今の時代は現在進行系以外のも来るじゃないですか。過去のも。

(矢口真里)過去のも。でも過去は私はもうほとんど出たでしょう。もうたぶん全部出ちゃっているから、もうないですよ。本当に。中学の頃にヤンキーの友達がいたぐらいですね。あと出ていないのは(笑)。

(吉田豪)THE NIGHTでちょこちょこ出る話、面白いですよね(笑)。成人式かなんかで実家に戻ったらヤンキーに囲まれて……みたいな(笑)。

(矢口真里)そう(笑)。帰りに原付で追いかけ回されるっていう成人式の苦い思い出はあったんですけど。私はヤンキーじゃなかったんで。ちゃんとヤバい先輩には従っていた方なので。

(吉田豪)フフフ、ちゃんと?

(矢口真里)はい。それぐらいなので、今はもう本当に何もないですね。

(吉田豪)来年公開のハロープロジェクトのオタをテーマにした映画があるの、知っています?

(矢口真里)ああ、見ました。

(吉田豪)『あの頃。男子かしまし物語』っていう。

(矢口真里)松坂桃李さんが主演の。

(吉田豪)そうです。あれが僕の友達が原作なんですよ。

(矢口真里)ええーっ!

劔樹人原作・映画『あの頃。男子かしまし物語』

(吉田豪)その友達がモーオタをやってた時代も知ってて。東京のモーオタシーンに……僕はモーオタではなかったですけど、友達が全部オタだったんで一緒に遊んでて。それで大阪に行くとそいつとかが僕のイベントとかをやってくれていて。その時代の話なんですけど。

(矢口真里)へー!

(吉田豪)で、矢口さんはたぶん原作も知らないだろうから説明をすると、当時の出来事のメインとして……まあちょっと言いづらいんですけど。矢口さんのスキャンダルの時にオタが真っ二つに割れるバトルに発展みたいなことが原作とかでは描かれているんですよ。

(矢口真里)ええーっ! 出ますよ。

(吉田豪)えっ、それに?

(矢口真里)もう撮影、終わりました?

(吉田豪)終わっちゃいました(笑)。

(矢口真里)終わったんかーい! 出ますよ、そんなの!

(吉田豪)言ってくれれば本人出演があった?(笑)。

(矢口真里)全然やりますよ! いや、「いつオファーが来るかな」って思っていたんですよ。ネットニュースを見ながら。「いや、松坂桃李くんだしな。出たいな」と思っていて。なんのオファーも来ないから。

(吉田豪)映画ではどれぐらい描かれているのかわかんないですけども。実はその重要な局面があの時で。矢口さんご本人の前ではなかなか言いづらいけど、本当にあの時、すごい戦いが行われてたんですよ。「矢口を守れ!」派と……みたいな。

(矢口真里)それはなんかニュースで……署名運動とかを新聞で見ました。1万人ぐらい集まったとか。

(吉田豪)だからその映画のモチーフになってる原作者のお友達で亡くなっちゃう人がいるんですけども。その人は「矢口を守れ」で。「事務所に座り込みに行く! 抗議しなきゃいけない!」とか言ってた人なんですよ(笑)。

(矢口真里)ええーっ! 出ますって! すげえ重要なポイントじゃないですか!

(吉田豪)で、RHYMESTER宇多丸さんとかも「矢口を守れ」派の筆頭で。

(矢口真里)マジっすか!

宇多丸も「矢口を守れ」派だった

(吉田豪)そうなんですよ。で、最近そのへんの思い出話をする機会が多くて。

(矢口真里)へー! じゃあ映画、見ます。いつ公開なんですか?

(吉田豪)来年ですね。まだまだ1年あるんですけども。

(矢口真里)もう撮り終わっちゃったんだ。なんだ、出たかったなー! なんか、あややを好きになって、それきっかけでハロオタになったみたいなやつでしたよね。たしか。

(吉田豪)そうです。まだ当時、正確にはハロオタという言葉もなかったという。まだモーオタぐらいしかなかった時で。

(矢口真里)ああ、なるほど。たしかに。

(吉田豪)で、最近そのへんの思い出話で爆笑したのは矢口さんが辞めて。それで中野サンプラザだったのかな? 矢口さんがいないサンプラザがあって。で、宇多丸さんとかが「矢口が辞めて正解」ぐらいに言ってる人が多い中で「俺たちは矢口を守らなきゃ!」みたいな風にいきり立っていて。「矢口が来れないサンプラザに俺たちが矢口を連れて行かなきゃいけない!」って言って、矢口真里のキャップをかぶって乗り込んだっていう(笑)。

(矢口真里)ええーっ? 宇多丸さんたちが?

(吉田豪)そう。3人で揃いの矢口真里キャップをかぶって(笑)。

(矢口真里)そんな話、一切聞いたことがないですよ。

(吉田豪)あの時期、宇多丸さんも気が狂っていたんですよ(笑)。「俺たちがやらなければ!」っていう。

(矢口真里)ああ、そんなにだったんですか? なんかすごくいつも褒めてくださるし、その当時から好きでいてくださったんだなっていうのわかるんですけど。

(吉田豪)たぶん全然知らないと思うんですよ。宇多丸さんが当時、RHYMESTERで『笑っていいとも!』のテレフォンショッキングに出たんですよ。その時に、直前にモーニング娘。のオタクのトークイベントに呼ばれてて。そこで「いいともに出るんだったら、こういうことをしなきゃダメだ」とかみんなに言われて。それでジャケットの中にモーニングのTシャツを着ていって。それでタモリさんにオタトークをやるっていう戦いをやったんですけど、その結果ヒップホップの世界から「あいつ、ちょっとどうかしてる」みたいな感じで叩かれて(笑)。「なんでお前、ヒップホップが世に出るところでモーニングの話をしているんだ?」っていう(笑)。

(矢口真里)なんか……すげえ責任を感じるんですけど(笑)。いや、そこまでとは知らなかったです。

RHYMESTER『笑っていいとも!』テレフォンショッキング

(吉田豪)あの時代、みんなが、いろんなオタの人たちの「表に出る以上はモーニングの話をしなきゃいけない」っていうことで。謎の義務感で戦ってたんですよ。

(矢口真里)でもそう考えると、昔ってオタクってもう……もう本当に秋葉原の。

(吉田豪)そうです。そういうイメージ。

(矢口真里)ですよね。でも今のオタクってちょっとカッコいいじゃないですか。その、より知ってるみたいな。詳しい人たちみたいな。

(吉田豪)不思議なのはモーニング娘。があれだけ国民的に人気があった時期なのに、モーニングをある程度の年齢で応援していると結構迫害される時代だったんですよ。

(矢口真里)そうです。だから握手会に来る人でも、なんかすごい偉い人なんだろうなっていう人が並んでたりするんですよ。でも、その人は「社長です」みたいなことは言わずに握手していくんですね。でもその次の人が「こいつ、社長だから」とか「こいつ、すごい有名人だから」とか言ってくるんですよ。それで、その言われた本人も「いやあ……」みたいな。ちょっとまんざらでもないみたいな感じで通り過ぎていくから、「ああ、本当なんだろうな」っていう。だから当時、社長さんとか結構大物が土日にモーニングのTシャツに着替えてストレス発散しに来るっていうのが結構多かったらしいんですよ。

(吉田豪)僕も見ていて思ったのが、その当時のモーオタがすごい美しい世界だと思ったのが、暇がある人って金持ちと無職なんですよ。それで金持ちと無職の両極に分かれていて、そこにヒエラルキーが全くないんですよ。貧乏人と金持ちが同格で遊んでいて「ああ、ここはすごい美しい世界だな」って(笑)。

(矢口真里)フフフ、「美しい世界」まで行きました? ああ、でも平和ですよね。

(吉田豪)だってそこには階級がないんですよ(笑)。

階級がないモーオタたちの美しい世界

(矢口真里)たしかに……でも、もし貧乏だとしたらですよ? 地方は回れなくないですか? それで私はニートだとしてもボンボンだと思ってるんですよ。じゃないと、たぶん地方に毎回来たりとかは……だから時間があるお金持ちか、本当のお金持ち。

(吉田豪)このへんがね、あんまり僕は詳細は言えないんですけどね。当時、貧乏人が遠く行く秘訣があったんですよ。

(矢口真里)あら! なんだろう?

(吉田豪)言わないですけどね。

(矢口真里)いや、怖い!

(吉田豪)怖いんですよ。恐ろしい時代だったんですよ。

(矢口真里)ああ、そうなんだ。じゃあ……まあ、言ったらお金持ってなくても来てた?

(吉田豪)そう。やつらは。金がない人間は「会場推し」って言ってね、中にも入らず。会場の前でオタクと飲んでるだけっていう。

(矢口真里)へー! そういう人もいるんですね。

(吉田豪)いる。山ほどいますよ。特殊な文化。

(矢口真里)やっぱりね、一番人気があった頃って、もうチケット取れないみたいな時期がうちらにもあったんですよ。だからたぶん外で出待ちとかは……やっぱり今、考えたらあれ、本当に有名人だったなみたいな気持ちに……。

(吉田豪)フフフ、それぐらいの感じなんですか? 大変な位置でしたよ(笑)。

(矢口真里)そういう気持ちになりますね(笑)。

(吉田豪)あと当時は……今がもうほぼなくなってますけど、当時怖かったのがワイヤレスマイクの音を傍受して盗むみたいな。ワッチみたいな文化があって。

(矢口真里)ああーっ、あったあった! 外からね、電波を飛ばして……みたいな。

(吉田豪)それを傍受してっていう恐ろしい文化があって。

(矢口真里)ありました。ただそれ、もう言わしてもらいますけど。嘘もめちゃめちゃ出回ったんですよ。雑誌とかで。それでめっちゃ怒られるの、私たちですから。

(吉田豪)「お前ら、こんなこと言ってるのか?」って。

(矢口真里)そうです! 言っていないことが半分出回るじゃないですか。

(吉田豪)はいはい。確認しようがないですからね。

嘘がめちゃめちゃ出回っていた

(矢口真里)本当にこっちが怒らなければ嘘を書き放題だったから。私なんて、もうタバコも吸ったこともないのにどこかの雑誌ではヘビースモーカーって言われてましたから。「なぜ?」っていう。だからそういうのが当たり前の世界だったから、もう嘘とかは気にせずに生きてましたけども。今はもう絶対耳に入ってくるじゃないですか。ネット社会だから。だから嘘のことがあったとしても、ネットで返せるですよね。

(吉田豪)まあね。AbemaTVとかでもね、ああいうところだったらいろいろ言えるから。

(矢口真里)そうなんですよ。だから私は生放送が大好きです。編集されないから。

(吉田豪)フフフ、なるほど。

(矢口真里)はい。だからやっぱり1個、自分の番組があるっていうのは強いですよね。すごいオープニングでもう本当にアイドルに関係ない話を延々とするっていう(笑)。

(吉田豪)オープニングトーク、できますからね(笑)。

<書き起こしおわり>

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