大岩Larry正志&モニカ『The World of GOLDEN EGGS』誕生を語る

大岩Larry正志&モニカ『The World of GOLDEN EGGS』誕生を語る ラジオ

(金麗雄)ちょっと戻ると、 モニカさん。抜擢されたっていうのはなにがあったんですか?

(大岩Larry正志)そもそもの関係性から言いますと、作者の松島……文原に改名しましたけど。と、モニカさんが大学の同級生なわけです。大学時代からの友達で。だから、その松島がいろいろと活動してるのは見てきてる。10代、20代前半ぐらいからかな? で、ゴールデン・エッグスを2004年だから僕が28、9の時。で、松島はアニメを自主制作しながらも、そういう動画とか制作してる中で僕があるバンドのCDジャケットを作ったんですよ。デザイナーとして。で、そのPVを松島が作ったんですよ。そのバンドの。

(モニカ)そうなんだ。

(金麗雄)その時はラリーさんとは接点がないままですか?

(大岩Larry正志)それが出会いです。同じバンドの、僕はCDジャケット。で、彼はPV。それが出会いですね。で、ちなみにそのバンドってのは当時、PUFFYさんにも楽曲提供したりとか。ちょっと頑張ってらっしゃったバンドなんですけど。そのバンドの仕事をしたのが僕と松島さんとの出会いで。

(金麗雄)じゃあ、モニカさんより先にそっちが先だったんですね。

(大岩Larry正志)それで「同級生だ」って紹介されて。で、「彼とやって」みたいな感じになって。だからゴールデン・エッグスをやる前に、自主制作のやつがいくつか実は、あるんですよ。世にはそんなに出てないんですけど。で、その松島がそうやってアニメを作っていた時に既に、システムとしては、ちょっと近くて。たとえば僕もよくしゃべったり、声帯模写とかものまねがあったりする。で、モニカさんは松島の同級生で器用だということで。「2人で自主制作のアニメの声をやってほしい」っていう。

(金麗雄)ゴールデン・エッグスの原型みたいな?

(大岩Larry正志)もう全然前。原型みたいな。それが最初で。「焼き肉、おごるから」みたいな感じで。

(モニカ)でしたね(笑)。

(大岩Larry正志)で、3人で録って、焼肉に行ったりとかしてたのが最初なんです。それが、だからゴールデン・エッグスが2004年だとしたら、その前の2001年とか2年とか、そのへんぐらいかな?

(金麗雄)なんでモニカさんが器用なのがわかるんですかね? そういうことをやっていたんですか?

(大岩Larry正志)ええと、なにかやっていたんだっけ? 学生時代から、なんか一緒にやっていたよね?

(モニカ)そうですね。松島がまだ……本当にそうやって、クリエイターというか。そういうアニメーションを作りたいっていうので本人が頑張っていて。で、「ちょっとモニカ、しゃべってくんない?」「ああ、いいよ。俺でよければ」みたいにして。お手伝いというか。

(大岩Larry正志)なんか演技動画もなかった?

(モニカ)ああ、そうですね。映画好きが集まるところでお互い、出会ってますから。だから「ちょっと頭を振ってみて」「ああ、いいよ。俺でよければ」っつって。

(大岩Larry正志)それはもう学生の時……俺は逆に知らないけども。もうその関係性があって。先にだから松島の中では、モニカの方が決まってたよね。「あともう1人、誰かとやってほしい」っていう時に俺と出会って。「ちょっと、やって?」みたいな感じで。それで2人で……でも、俺は知らんやから。「やって」って言われても……。

(金麗雄)まさかこんな奇跡のかけ合わせが起こるとは、みたいなね。

(モニカ)たしかに。最初の出会いの時はもう、ものすごい……ラリーさん、面白いから。で、ものまねがすごい上手なんですよ。「すごいな、この人!」みたいな。だから最初はやっぱりお互いの距離感が縮まってないんですけど。もう出会い頭からすごくて。「めちゃくちゃ面白い人がいる!」みたいな。それで最初、そのゴールデン・エッグスの前の前みたいなところで出会って。で、何となくですよね。どんどん関係性っていうのかな?

(大岩Larry正志)でもその時は2人でご飯行くとかは別になかったし。そういうことがある度に会って、ふざけてっていうのをやってたけど。まあ、年に何度か会うぐらいの。

(モニカ)制作というか。その時に集まって。「じゃあ、打ち上げに行こうか。ご飯、食べに行こうか」みたいな。

(大岩Larry正志)それだけの人というか。別に普段、会うことはなかったっていう。だからそれから、松島がいろいろ試行錯誤して、いろんなことをやっていて。「こういうアニメを……いや、違うアニメを」みたいにやっていて。その度に呼ばれてやっていて。そういうのをやっていたんやけど。それである日、急に「自分のやつを形にしてくれそうな、そういう会社が見つかって……」「ああ、そうなんや」って。で、いよいよ予算も含めて、本格的にちゃんとお願いができそうだみたいな感じの日がある時、来て。苦節何年、いろいろ試行錯誤してて。いよいよ本格展開できるぞってなって。ただ、それと「売れる」っていうのは別やから。

そういう遊びというか、趣味の延長からちょっと、人とか組織を絡めた、ちゃんとしたもの。しかも10何話とか作るみたいな、ちゃんとしたものになるみたいなことになって。「ああ、そうなんや」ってなって。「で、2人に声を引き続きやってほしい」っていうので。それで伝説の第1話、リサとレベッカのあのやり取りが始まるんですけども。ここがポイントで。今はもう、あのやり取りはできない。なぜなら、今はもう2人、仲がいいから。

(金麗雄)ああ、逆にね。あの時の関係性だからこそ生まれたやり取りだと。

まだそんなに仲良くなかったからこそ生まれたノリ

(大岩Larry正志)さっきも言ったように、あの時の関係性は2人でご飯を食べに行くわけでもない。普段、連絡をするわけでもない。それぐらいだからできたもので。だから、会話がかみ合ってないんですよ。あれは。今だと「うん」って言っちゃいそう。理解をしちゃうから。それで相手が言ってることに対して答えようとしちゃうけど。当時は、別にそこまででもないから、好き勝手なことを言って。一応、あれは同時に録ってるのよ。雑誌、目の前に置いて、いろいろとわけのわからんワードだけ拾ってしゃべったりしたんだけど。

(金麗雄)それでよう成り立ちましたね(笑)。

(大岩Larry正志)まあ、それがだから伝説というか……自分で「伝説」って言っちゃうけれども。「なんだ、これ? わけわからない2人が……」っていう風な。全く今までなかったっていうか。「この2人、何を言ってんの?」みたいな。「なにしてんの? この7分ぐらいかけて」みたいな。別に何もしてないわけですよ。最後にデモをするのとかも。「これ、何をしているの?」って。2人がなんか移動しながら……。

(金麗雄)だから逆にそのわけのわからん具合っていうのが、もうちょっとかっちりになっていた可能性があるってことですか?

(モニカ)もし仲がよかったら……。

(大岩Larry正志)だからシーズン2は、ちゃんとネタになっている。あんなめちゃめちゃなことにはなっていない。

(金麗雄)「これ、無茶苦茶やけど、やってみたら逆におもろいかもね」みたいなことになったってことですよね?

(大岩Larry正志)第1シーズンはね。まだ相手が何を考えてるか。「こう言ったら、どう返してくるか」っていうのがわからない状態でやってるから、世の中へのインパクトとしては……。「こんなのをわざわざ時間と手間をかけて大人たちが作っているんだ。どんな大人たちなの?」みたいな目で見られたというか。そんな感じで。

(金麗雄)それ、でも実際になってみたら「えっ、逆におもろい」ってなりますけども。現場だと、どんな感じだったんですか?

(大岩Larry正志)面白かったけど、売れるとは思ってない。そんなの。

(モニカ)「大丈夫かな?」って(笑)。

(大岩Larry正志)そう。で、さっきも言ったように、先に声を録って。声だけで編集して、後からそこに一生懸命、何十時間とか何百時間かけて、絵をつけていくわけですよ。で、それにミュージシャンの方がちゃんと音楽を……「We are golden eggs♪」ってテーマソングを作ったりとかして。で、それが最初、キッズステーションで流れるってなって。2005年の1月ですよ。

(モニカ)そうですよ!

(大岩Larry正志)それで俺、家でケーブルテレビに当時、入ってたから。「キッズステーション、映るぞ」っていうことで、松島と見たから。

(モニカ)いやー、感動しましたよね。

(金麗雄)作った後、しばらく経ってからなんですか? それ、決まったのは。

(大岩Larry正志)いや、制作会社がそういう、オンエアする先ももう営業していて。同時に。そのつもりで、その尺の、何分みたいなんで考えて作ってたから。もうオンエアはどこかでさせるみたいになっていて。

(金麗雄)なるほど。で、それがいよいよ決まったと。

(大岩Larry正志)あれがだから、自分たちのわけのわからんというか。それが画面から流れてきて。ねえ。何も知らずあれを見た人たちは本当にどう思ってたんだろうかって。本当に(笑)。

(モニカ)「何だ、これ?」みたいな(笑)。

(大岩Larry正志)毎週ね、週に1回、#12かな? までやってるんで。で、「ローズです」。

(モニカ)「マリーです」。

(ラリー&モニカ)「ローズマリーです。もりもりー、クッキング~!」。

(大岩Larry正志)とかって言ってね。実際に料理をして……とか。

(モニカ)その映像を見て。

(大岩Larry正志)「なんなんだ、この番組は?」って。しかも、そうやってCSでしかやってなかったのに。2005年でしょう? 2005年の1月にオンエアーが始まって、2005年の間にはもうトークイベントをやってるんですよ。ニッポン放送の地下で。そこに200人ぐらい集まって。モニカさんは……出てないかも。平日のあれで。

(モニカ)そうですね。なんか僕、最初の方で覚えてるのはプロレスラーみたいなマスクを……「顔を出せない」ということで。それがものすごい暑くて。で、なんか汗ダラダラかいて。でもなんか、人前でしゃべってるみたいな。それがすごい印象にありますね。

いきなりイベントで200人集客

(大岩Larry正志)それもおかしい話で。「どんな2人がやってるんだろう?」って……「2人がやってるらしい。アドリブから作っているらしい」みたいな。そういうのでトークイベントに行ったら、そんな人が……(笑)。

(モニカ)なんかマスクしてて、汗をここからダラダラ流して……(笑)。

(金麗雄)たしかに、今やったらさっきの話じゃないけども、SNSがあるから。だいたい、その度合いがわかるじゃないですか。「今、バズってきてるぞ?」みたいな。でも、当時はないわけでしょう?

(大岩Larry正志)ない。

(金麗雄)でも、そのトークイベントをやろうっていうのは、なにかしらの反応があったから?

(大岩Larry正志)DVDを出してる会社と組んで。あの時は一応、mixiとかがあったけど。で、作家の鈴木おさむさんが見てくれているっていうことで、ゲストで。で、鈴木おさむさんが来てくれて。「あれ、すごい面白いよね!」ってみたいなことを言ってくれて。最初、オンエアーから1年以内にやっていたから。200人とか呼んだっていう、それが最初で。僕もだから当時、SNSがないから。そういうのを見て「ああ、200人も集まるんや」みたいな。で、向こうも向こうで「ああ、こんな人がやってるんだ」みたいな。まだ僕とファンの方たちもお互いにどう接したらいいのかがわからないみたいな(笑)。で、声優じゃないし。僕ら、一般人だし。

(モニカ)僕、鈴木おさむさんがいらっしゃってた時に、プロだからスイッチがパーン!って入るじゃないですか。楽屋でご挨拶をした時と、人前に出てる時の違いっていうか。「うわっ、すごいのを見たな。こんなに違うの!?」みたいな。そんな感動はしましたけど。

(大岩Larry正志)で、それが2005年でしょう? 2006年には……ああ、もうこんな時間か。じゃあ、ここで話を分けよう。シーズン1とシーズン2で(笑)。

(金麗雄)じゃあ、まずその1の間で好きなキャラクターっていうのを聞きたいです。

(大岩Larry正志)僕はもう、あれですもん。もう、ミシェル。フランス語の。もうあれは100%、僕提案のキャラクターですから。(フランス語的アクセントで)「フランス語風に……話すの……」っていう。これを僕が「どう?」って言って、1話丸々やるっていう。まあ、シーズン2にも出ますけども。

(モニカ)別にこれ、自分じゃなくてもいいんですよね?

(金麗雄)いや、自分で。

(モニカ)自分のか。シーズン1で? じゃあ、「トリ蔵です」。かな?

(大岩Larry正志)ですよね。あのダジャレ、この人の自前ですからね、ちなみに(笑)。

(金麗雄)トリ蔵、めちゃ好きですけどねー。

(大岩Larry正志)当時ね、なんかダジャレを貯めていたの。あれだからじゃなくて、その前から貯めていたよね?

(モニカ)なんかダジャレ、好きでしたね。

(大岩Larry正志)だからこそ、あのキャラクターをやったのかもしれないけども。

(モニカ)そうなんでしょうね。

(大岩Larry正志)だからもう、なんだろう? 僕たちの技術、センスに頼られているわけ。意識を含めた、ノリ。ワード。

(モニカ)引き出しを開けましたね。

(大岩Larry正志)そのフランス語風に日本語をしゃべるなんて、どこでやるかわからんけど。ずっと大学時代からあったネタやから。

(モニカ)笑ったな。収録は本当に楽しくて。一番、間近のファンというか。間近でラリーさんがしゃべっているのを見て。

(大岩Larry正志)でも、シーズン2もいろいろやるじゃないですか。本当に思うのは、2分の1なわけですよ。キャラクター、どっちか。ラリーがやっているキャラ、モニカがやっているキャラ、50:50分なんですけども。「好きなキャラって、何?」って言ったら、だいたいの人がモニカさんのを言う。「私、あれが好きなんですよ」「俺、これが好きなんですよ」って。「いや、それは俺のじゃない。1/2、外してるよ」「ええと、じゃあ◯◯」「それもモニカさんの」って。マジで偏るんやけども。

(金麗雄)ああ、人気キャラはモニカさんので。

(大岩Larry正志)全部。人気あるのを3つ、4つと挙げていっても、5つ目ぐらいでやっと俺のが出てきたりとか。というのを10回、20回じゃないぐらい、経験しているから。

(金麗雄)ちなみにラリーさんので言うと、好きなキャラってなんなんですか?

(モニカ)僕はミシェル先生とか。勉強を教えてるけど、自分で自分の世界に入っちゃうみたいなの。「本当にこの人、面白いな」と思って(笑)。

(大岩Larry正志)面白いね(笑)。

(一同)フハハハハハハハハッ!

<書き起こしおわり>

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