プロ空頭と高野政所 都市対抗野球の応援を語る

プロ空頭と高野政所 都市対抗野球の応援を語る ラジオ

「魅惑の社会人野球」のプロ空頭さんががアシパン学園『ジャスティスナイトオンライン』に出演。高野政所さんと社会人野球の魅力を語る中で、都市対抗野球などの独特な応援について話していました。

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かつて東京に存在したDJバー『Acid Panda Cafe』が、その”文化的梁山泊”の側面をフィーチャーしたコミュニティ『アシパン学園』として再始動します。

(高野政所)というわけで、じゃあ後半戦は例の魅惑の社会人野球の世界をご紹介をしていただいてよろしいですか?

(プロ空頭)アシパン学園、こういう通信講座もやろうじゃないかという話があったじゃないですか。ちょっとそれをイメージしながら。モデルとしてできないかなということで、パワーポイントを作らせてもらいました。じゃあ、まず社会人野球について。「サウナ、街中華、都市対抗! 実は社会人野球がYAVAY!」ということですね。まあ、サウナにしても街中華にしても昭和のおっさんの遺物だったものがいま、再評価されてるじゃないですか。

(高野政所)うん。たしかに。再評価されてますね。

(プロ空頭)実は社会人野球も昭和の異物だと思われていたんですけど、掘ってみたら結構ヤバかったというのを発見しちゃいましたて。じゃあ、次です。社会人野球ってどんなカテゴリーなのか?っていうことで。アマチュア野球のカテゴリーでして。年齢的にはもう中学を出たから、クラブチームに入れるんですね。で、一般的にはトヨタ自動車とか、あとはNTT東日本とか。そういう企業が持ってるチームはだいたい高校を卒業してから就職するような形ですね。ただ、実力的に強いチームだと大学卒以上じゃないと入れないんですよ。それは人事的なバランスということよりも、力的な問題があって。

(高野政所)力的な問題?

(プロ空頭)体力と技量的な。それでレベルというものを縦軸に置いてますけど。プロ野球の二軍とたまに練習試合をやって、勝っているんですよ。

(高野政所)ああ、そうなんですか。じゃあ、実力はかなりあるということですね。

(プロ空頭)あるんです。プロ野球の二軍は若手中心だから、その経験を積ませるためっていうところもあるんですけど。それでもやっぱり同年代のやつとやらせて勝っちゃう。

(高野政所)ちなみに社会人野球はアマチュア野球なんで、選手は野球だけで生計を立てているわけではない?

(プロ空頭)それはなかなか難しいところで。その会社に勤めているということで、お給料を貰ってるんですけど。

(高野政所)いわゆるサラリーマン的な仕事?

選手の様々な契約形態

(プロ空頭)なんですけれども、出勤しないで練習しかしていないっていうチームもあれば、半分仕事をやって、午後から野球をするところもあれば、フルタイム働いて午後6時からっていう部活スタイルのところもある。

(高野政所)ああ、チームによって違うんですか。

(プロ空頭)全然違うんですよ。

(高野政所)強さとかもそれで変わってくる?

(プロ空頭)明らかに違いますね。

(高野政所)やっぱり野球だけやってるやつはめちゃくちゃ強いとか?

(プロ空頭)ただ、その後が問題なんですよ。野球だけの連中って、正社員じゃないケースが多いんですよ。契約社員で選手として上がったらそのままさようならっていう。

(高野政所)じゃあ、野球要員として完全に雇われているということですね。

(プロ空頭)逆にフルタイムとか、半分以上やってる場合は野球を上がった後、そのまま会社に残る。だからちゃんと仕事を覚えてもらわないといけない。だから明治安田生命っていうチームがあるんですよ。そこはその野球チームの入社枠っていうのがあるんですけど。ある程度、下駄は履かせてくれるけど入社試験は他の人と同じようにやるんですよ。筆記をやって、面接やって……っていう。だから大卒の人しか入れないし、そこそこのレベルの大学なんですよ。

で、「ああ、こいつはちゃんとした成績で卒業したな」っていうやつしか入れないんです。というのは、その野球を上がった後、ちゃんと会社の仕事をしてもらわなきゃいけないから。しかも、保険っていうお金を扱う商売だから。で、明治安田生命はプロに行くやつって、この間ヤクルトに1人、ようやく入ったんだけど、基本的にプロに行くやつがいない。なんでか?っていうと、実力っていう問題もあるんだけど、みんなプロに行きたがらないんですよ。

(高野政所)あえて?

(プロ空頭)明治安田生命は野球を引退してだいたい5年ぐらいすると、最初は営業所長っていうポストについて、その地区の保険の勧誘のおばさんたちをまとめる役のところに行くわけです。それで、確定申告を気にする年収ですよ。会社、辞めるわけないじゃないですか。

(高野政所)それは辞めないですね。

(プロ空頭)それでそこからどんどん上がっていったら……っていう。

(高野政所)じゃあ、めちゃくちゃ勝ち組じゃないですか、そういう意味では。

(プロ空頭)そう。普通に東大野球部出身で明治安田生命に行くとか、そういう感じです。

(高野政所)へー! しかも好きな野球がやれるって、最高ですね。そんな選手たちがやってる世界。

(プロ空頭)かと思えば、いまは人不足っていうことで、人を集めるっていう目的で。「野球チームを作ったから来てくれ」っていう感じでやっている静岡の運送会社であるとか。あとは栃木の人材会社とか。埼玉の土建屋とか。

(高野政所)そういう会社が社会人野球に参戦しているという。「参戦」ってリーグがもちろんあるわけですよね?

(プロ空頭)リーグっていうか、地区連盟があって。そこの連盟に加盟して。全国大会が年に2回あって、それ以外に地域で細々とした大会があって。ただ、やっぱりいちばんターゲットにするのは「都市対抗」っていう真夏にやってる大会があるんです。これはもう、90年やってる大会で。

(高野政所)90年!? すごいな。

(プロ空頭)日本ダービーよりも回数が多いんですよね。

(高野政所)へー! 知らなかった!

(アボカズヒロ)新日本製鐵とか、よく聞くあれですよね?

都市対抗野球・応援団の予算

(プロ空頭)あれです。あれです。東京ドームで真夏にやっている全国大会で。大人の甲子園ですよ。企業は本気で金を出してやったらこんなになりました!っていう。先に言っちゃいますけど、応援団のバジェット(予算)っていくらか、この間、聞いたんですよ。山形にきらやか銀行っていう地銀があって。そこが初めて……チームを作って、銀行の合併とかいろいろあった中で、ちょうど50年目に初めて全国に出た。

ただ、予選のノウハウしかないから初めて東京ドームに行くにあたっていくら金がかかるのかわからない。で、きらやか銀行は山形市のチームなんですけども、同業で隣の仙台市に七十七銀行っていう……だからあの渋沢栄一の国立銀行条例でできた国立銀行の末裔です。第一勧銀の元の第一銀行みたいな。で、その由緒正しき地方銀行のチームがあって、そこは予選で負けちゃっていたんですよ。

で、そこにきらやか銀行が聞きに行ったんですよ。「いくらぐらいかけて、その応援団をどうやって送り込んだらいいか?」っていう。やりかたが全くわからないから。それで同業、同地区のよしみで全部を教えてくれたっていう。「予算、いくらい準備されたんですか?」「まあうちは二回戦まで行くことを考えて予算を立てて。だいたい1億ですね」っていう。

(高野政所)マジで!? そんな突っ込んでるんですか? へー! そもそもその、そういう企業が野球チームを何で持っているんですか? 宣伝のため?

(プロ空頭)宣伝のためとか、どっちかっていうと会社が一丸となる目標がほしい。シンボルになるものがほしいっていう。で、なかなかみんなで同じ現場、1ヶ所に集まって「いっせーの、せっ!」で会社名を言うっていう機会ってないじゃないですか。愛社精神というか帰属意識というか。そういうのがほしいんですよ。

(高野政所)なるほど。一体感を持たせるためにやってるんだ。

(アボカズヒロ)国威発揚ならぬ社威発揚だ。

(プロ空頭)そうなんですよ。あと、そういうCSR(企業の社会的責任)じゃないけども。外部向けには野球の振興とか、「私たちはこういう文化的なものにも力を入れてますよ」ということであるとか。あとは地域貢献であるとか。

(高野政所)とはいえ、その一体感を出すという目標はありますが、そこまで世間の人は言うても注目していないですよね?

(プロ空頭)していないです。昔は企業城下町という形で地域の人、工場がある町を巻き込んで。関連会社とか下請けの人を連れてワーッと行くっていうのはあったんですけども。でもいまはそういうのじゃないじゃないですか。

(高野政所)さして興味、持たないですよね。企業のチームには。

(プロ空頭)そうそう。応援に行く交通費とかもあるし。それで企業城下町型のチームもあれば、そうでないチームもあって。それで僕が最初に「社会人野球、ヤバいな」って思ったのが中学3年ぐらいの時かな?

(高野政所)えっ、そんな時に行ってたんですか?

(プロ空頭)「ロッテファンだ」ってさっき言いましたけども。だんだん川崎球場の箱推しになっちゃいまして。

(高野政所)ああ、球場が好きになっちゃった。

(プロ空頭)「その川崎球場でタダで見られる野球があるらしいぞ」っていう話を聞きつけて。平日の放課後、3時半ぐらいに行ったら大の大人が金属バット使って狭い川崎球場で殴り合いみたいな野球をやってるわけですよ。

(高野政所)「殴り合いみたいな野球」って、どういうこと?

(プロ空頭)15対13とか。

(高野政所)ああ、とにかく点数がポコポコ入るっていう。

(プロ空頭)その当時のピッチャーに言わせると「ホームランを打たれなきゃOK」っていう。つまり、ヒットならOK。なぜなら、大学野球を出て、大学の同期はプロに行っていたりするので。レベルで言うと、大学でトップのワン、ツーがプロに行って、スリー、フォーが社会人野球に行くわけですよ。だから、レベルが高い。それで、プロは木製バットだけども社会人野球は金属バット。

(高野政所)そうか。もうパカンパカン飛ぶんだ! なるほど! じゃあ、割とダイナミックなんですね。見てて楽しいんじゃないですか?

(プロ空頭)それで当時はその連中、(プロ選手は参加できなかった)オリンピックに行っていましたから。

(高野政所)ああ、そうなんですね。じゃあもう実力は折り紙付きのやつらが金属バットを使っていたら、そりゃあ……っていうね。でも、見ていて楽しいんじゃないですか?

(プロ空頭)面白いです。派手なんです。それが平成に入ってからもやっていて……っていう。当時の試合で決勝戦、5回の時点で9点差ついていたのに追いついてひっくり返して……みたいな。そういう試合をやっていて。やっている方はたまったもんじゃないっていう。

(高野政所)ちょっとケタが違いますね。

(プロ空頭)大味なんですよ。で、またそこで1人のおじさんがずっとがなっているんですよ。応援団が。平日の昼間、みんな働いていていないわけですよ。でも、応援団が来てる。

(高野政所)それ以外の一般のギャラリーというのは、ガラガラっていうことですか?

(プロ空頭)身内しかいない。それで、そこから社会人野球を見に行こうとは思っていたけども、なかなか行くタイミングがなくて。そのうち、競馬を始めるようになって。ウインズ後楽園っていう場外馬券売り場があって。それで夏の間、東京とか中山で競馬はやらないから、だいたい場外馬券売り場に行っていたんですよ。で、ちょうど8月。東京ドームで都市対抗野球をやっていたんですよ。それで、えのきどいちろうさんがラジオで「都市対抗野球の観客席は異常だ」みたいな話もしていたので、意を決して行ってみたんですよ。そしたら、観客席がヤバかった!

(高野政所)ヤバかった。

とにかくヤバい観客席

(プロ空頭)カルチャーショックしかない観客席。「新幹線が到着するたびに応援席を埋めていくJT」「観客動員が異常なJR東日本と日立製作所」「いきなり内野席でお祭りを始める」「集団で跳躍する日本生命応援団のブラバン」っていう。

(高野政所)じゃあ、ひとつひとつ聞いていきたいんですけども。「新幹線が到着するたびに応援席を埋めていくJT」ってどういうことですか?

(プロ空頭)まず、見に行った試合が仙台市代表のJT(日本たばこ)vs 大阪市代表の日本生命。で、日本生命の方でその時に投げていたピッチャーがオリンピックで投げていたピッチャーだったんで。「ああ、こいつ知ってる。やっぱり球が速いな」なんて見ていたんですよ。で、ふっとJT側の方見たら、あるタイミングでゾロゾロゾロッて1ブロック埋まっていくわけですよ。で、よく見ると「山形」とか「仙台」とか「秋田」とかっていうボードを持っているんですね。それで団体の新幹線が上野駅に入って来るたびに、そのゾーンが埋まってくるんです。タバコ農家の方。

(高野政所)タバコ農家が応援しに来るんだ。へー!

(プロ空頭)動員。

(高野政所)そうか。招待されて来ているんだ。

(プロ空頭)そんなだってJTの社員が来るわけないじゃないですか。それで東京ドーム客席を埋める。「埋める」って言ったら普通、下の内野席を埋めるのかな?って思うじゃないですか。そうじゃなくて、上段を埋める。ぎっちりと埋めてくる。それで「へえ、すげえな」って思って。

(高野政所)「人気あるじゃん!」って思ったわけですね。

(プロ空頭)それで、その時は外野で見ていたんですよ。ノンケだから内野なんか入っちゃマズいって思って、まず様子見で外野でボーッと見ていたんですよ。そしたら真正面に見えたのが日本生命の応援団のプラバン。上手いんですけど、なんか遠くでピュンピュン飛んでいるんですよ。で、チューバが応援席を上下に駆け回っているですよ。飛び回って、跳ねている。

(アボカズヒロ)でもチューバってデカいですよ?

(プロ空頭)そう。抱えて。「なんだ、こりゃ?」っていう。アマチュア野球でしかも会社が金を出してるわけだから、ある程度まあまあ形になったもんかな?って思っていたけど、ポップすぎやしないか?っていう。 様子おかしいって思って。それで、あとは「観客動員が異常なJR東日本と日立製作所」っていう。

(JR東日本応援団の写真が表示される)

(アボカズヒロ)あれ? これはなにやら……。

(プロ空頭)これ、JR東日本の応援席です。こういうことをやるわけです。

(高野政所)駅員の格好をして、DJっぽいキャラクターがいて。これ、応援なんですか?

(プロ空頭)DJはSUICAペンギンDJ。これが応援です。全員社員です。

(高野政所)社員? 社員の中の、応援団?

JR東日本・応援

(プロ空頭)応援団。またね、JR東日本の応援団がおっかないですよ。ピシッとしている。やっぱりね、人の命を預かっている商売だから。

(高野政所)ああ、そうか。1分の遅れも許されないような。

(プロ空頭)すごいんですよ。東京予選なんか、ボケッと見ているとその次の試合のJR東日本の選手がアップをしていて、その横で応援団の人もアップしているんですよ。もう、声の出し方が異常なんですよ。もう全ての動きに「イチッ、ニッ、サンッ!」って言うんですよ。

(高野政所)それは、どういうことですか?

(プロ空頭)全部に号令をつけて。しくじったらたぶんぶん殴られるんだろうなって。

(高野政所)へー!

(プロ空頭)もっといいのもあって。ある強豪チームのチアのお姉さんがすごいんですよ。女帝っていうか。もうね、大阪ドームで見ている時に若手の子が何かでしくじったらしいんですよ。そしたらもう鼻と鼻がぶつかるような感じで15分ぐらい、ずっとマンツーマンマークでガン見して。圧をかけながら「お前、もう1回やってみろ!」っていう。そういうチアのお姉さんがいまして。

(アボカズヒロ)へー、すごい! お歳の頃は?

(プロ空頭)もう50手前ぐらいの……。

(アボカズヒロ)50ぐらいの方がチアをやっている。へー!

(プロ空頭)で、たぶんいちばん会社内でも力があるんじゃないかな?っていう。Mお姉さまっていう。これ、他地区の応援団から教わったんですけどもね。で、このMお姉さまの最高にヤバい写真もありまして。頭に来て自分で太鼓を叩くMお姉さまっていう。

(高野政所)もう我が社の応援に命をかけているんですね。

(プロ空頭)で、日立製作所の動員がヤバいっていう話なんですけども。社会人野球の観客って出来上がっている一部の人と大多数の上がっていない人たちで構成されているんですよ。動員……つまり、連れて来られている人たち。

(高野政所)付き合いできてるみたいな。

(プロ空頭)「会社の命令だから」とか。

(高野政所)若干、嫌々来てるやつとかも。

(プロ空頭)だから、焚きつける曲しかやらないんですよ。最初の1回とか2回は「まあ、ねえ……」なんて言ったのが4回ぐらいからだんだんだんだん上がってきて。

(高野政所)ああ、ちゃんと巻き込まれていくんですか。

(プロ空頭)で、もう8回ぐらいには目が釣り上がってくるっていう。そういうことをやってる実例の画を……。応援団のヤバさですね。(日立製作所の応援の動画が流れて)まず、この動員数がすごいんですよ。

日立製作所の応援

(高野政所)スタンド、ぎっちりじゃないですか。

(プロ空頭)で、上段席にも入っているのかな?って思ったら、日立が上手いのは私が「パリピ社員」っていう風に勝手に呼んでいるんですけども。たぶん応援団出身の人だと思うんですけども。いま、画面中央に映っているんですが、やたらとタオルを振り回している集団がいるじゃないですか。あれ、もともと応援団の人だと思うんですよ。そういう人たちで固めて。それで「こういう風に盛り上がってください」っていう。それでこれ、チアは立教大学の方ですね。ブラスは日立の人です。で、この曲もいいんですよ。得点テーマですね。ヨイヨイヨイっていう。で、本気の日立はこの上段席まで埋めるんです。

(高野政所)はいはい。

(プロ空頭)この試合は準決勝なんで。次の日のメンバーを工場から押さえているんで。

(高野政所)すごい盛り上がっているなー。

(プロ空頭)これが得点テーマですね。

(高野政所)得点テーマっていうのは得点が入った時の?

(プロ空頭)そうです。日立は伝統あるチームなんで、お客さんも若手の頃から連れて来られているんで、見るポイントを知っているんですよ。で、この曲はアニメ『モンキーターン』の曲ですね。それで日立のおじさんの雑談を聞いていて「あっ!」って思ったことがあるんですけど。どのチームも『残酷な天使のテーゼ』を使いだしたっていうことがあって。割と最近ですよ? もうアニメが終わってだいぶ経っていて。

2005年か6年ぐらいから一斉に使いだして。でも、おじさんって別にアニメなんか見ないじゃないですか。日立のおじさんなんて、上の席に焼酎持ち込んで飲んだりしているんですよ? 慣れているから。で、そのおじさんが「この曲、知っているよ!」って言っているんですよ。「なんで知っているのかな?」って思ったら「いつも打ってるパチンコ台だから!」って言っていて。パチンコきっかけなんですよ。

(高野政所)ああーっ!

(アボカズヒロ)たしかに、得点テーマとかってパチンコの音楽の付け方と近いかもしれないですよね。

(プロ空頭)そう。そういう意味で最強のチームが1個あって。それが、セガサミーです! 全部自社ものでできるんですよ!

(高野政所)オフィシャルでいけちゃうっていう(笑)。

(プロ空頭)だって『サクラ大戦』でみんな、大のおじさんたちが肩を組んで歌うんですよ!

(高野政所)フハハハハハハハハッ! 「走れ高速の帝国華撃団♪」って(笑)。

セガサミー応援歌『サクラ大戦』

(アボカズヒロ)脳汁が出る回路が刺激されるんですね(笑)。

(プロ空頭)で、応援団長が『龍が如く』のあの格好をしていたり。

(高野政所)フフフ、それ最強ですね(笑)。

(プロ空頭)で、専用の書き下ろしの曲も入れましたからね。

(高野政所)オリジナル曲もある。ヤベえな。気合入ってんな! すげえな。でもこれ、動員されているとはいえ、来てると楽しくなっちゃいますよね。

(プロ空頭)そうなんです。そういう感じなんですよね。日立、本当にぶち上がるんですよ。ベースのおじさんがすごくて。あんな物騒な『摩訶不思議アドベンチャー』は聞いたことがないですよ!

(高野政所)フハハハハハハハハッ! そうなんだ(笑)。

(プロ空頭)すげえ色っぽい『摩訶不思議アドベンチャー』。ベース音が「あれっ、この曲ってこんな走るベースなんだ!?」って(笑)。

(高野政所)そこでしか聞けないアーティスト(笑)。

(プロ空頭)で、明らかにそのベースのおじさんがタバコを吸いに行って、もう1人のベースの人が来たらもう全然違うみたいな。

(高野政所)ああ、上がらないんだ。

(プロ空頭)で、あとこの日立が独自にやったのがチャンステーマになるとブラバンがステージに上がるっていう。これ、新ネタでやったんですよね。

(高野政所)ちなみに、これはフリーで入る場合、入場料はおいくらぐらいなんですか?

(プロ空頭)チーム券が700円なんですけど……なぜかタダで入れるんですよ。

(高野政所)タダで入れる!?

(プロ空頭)ダータです。

都市対抗野球の入場料

(アボカズヒロ)人がいた方がチーム的にも盛り上がるから?

(プロ空頭)そういうことです!

(高野政所)じゃあ、別に金儲けは一切考えていないんですね?

(プロ空頭)そう。「どうぞ来てください」っていう。「タオルも差し上げます。応援グッズも差し上げます」っていう。「なんなら、(東京ドームで使える)1000円の金券もあげます」っていうチームもあります。

(高野政所)フハハハハハハハハッ! もらえちゃうんだ(笑)。

(プロ空頭)もらえます。

(高野政所)すごいっすね! ちょっとこれ、楽しみに行かない手はないじゃないですか! すげえな!

(プロ空頭)そうなんですよ。

(高野政所)ちなみに、この社会人野球でプロ空頭さんが推しているチームってあるんすか?

(プロ空頭)推しはスタートが日本生命で、その後に大阪ガスの推しになって。それで、ヤマハ。

(高野政所)ヤマハ!

(プロ空頭)ヤマハはね、だからブラスが……。

(高野政所)ああ、楽器会社だから!

(プロ空頭)グラウンドには野球で会社に入った人がいて、スタンドには演奏で会社に入った人がいるっていう。

(高野政所)ヤベえな!

(プロ空頭)で、またヤマハのドラムがすごいんですよ。本業の仕事はコンサートホールなんかのチューニングをやっているエンジニアの人。「ドラムニキ」って言われているんですよ。

(高野政所)「ドラムニキ」(笑)。ドラム兄貴ですね。

ヤマハ応援団・ドラムニキ

(プロ空頭)で、リズム隊が4人いるんですよ。で、この社会人野球のブラバンの異常なところが、アンプとキーボード、ドラムがOKなんですよ。

(高野政所)へー!

(アボカズヒロ)あ、他はダメなんですね?

(プロ空頭)たとえば高校野球だったら、まずドラムがいないじゃないですか。アンプもダメ。で、大学野球になるとドラムはOKなんだけど、さすがにアンプはない。

(高野政所)なるほど。そのへんも許されているんですね。より、じゃあ音響はデカいっていうことですね。

(プロ空頭)あとJR東日本も動員が異常っていうのは、その入場列が(水道橋の隣駅の)飯田橋まで行ったという。

(高野政所)マジですか! 隣の駅まで。へー! それは関係者っていうか、単純に大企業だからっていうことですよね。

(プロ空頭)そういうことですね。

(アボカズヒロ)そのために、動員用にJR、電車を増やしたりとかしないですか?

(プロ空頭)でもね、電車を貸し切りにして行くチームとかもありますよ。日立とか、あとは君津に製鉄所のある日本製鐵かずさマジックっていうチームは専用列車を出したり。あとは新幹線を貸し切りにしたりとかありますね。

(アボカズヒロ)ブラバンっていうか、音楽が楽しいですね。浜松予選とか、すごそうじゃないですか。ヤマハ、河合、ローランドって……。

(プロ空頭)昔、河合楽器のチームもあったんですよ。ヤマハ vs 河合がもう最高で!

(アボカズヒロ)そうですよね。それってやっぱり野球以外にも音楽の負けられない戦いもありますからね。

野球ではなく、音楽の負けられない戦い

(プロ空頭)それで1回あったのが、ヤマハ vs JR東日本東北という試合で。それでJR東日本東北っていうのは普門館に行っているんですよ。つまり、職場部門の吹奏楽の全国大会に行っている。で、試合前に普通の音出し、やるじゃないですか。聞いたことない、コンサート曲をJR東日本東北がかけだしたんですよ。ヤマハにケンカを売ったんですよ。先にカマして!

(高野政所)ヤバいな。見どころあるな、社会人野球!

(プロ空頭)「うおお、これはヤベえ!」って興奮していたの、俺だけっていう(笑)。「おい、これカマしたぞ! やりやがった!」っていう。

(高野政所)フハハハハハハハハッ! へー! 面白えな(笑)。

<書き起こしおわり>

※この書き起こしはあくまでもダイジェストです。トークのフル音源はExtroom『アシッドパンダ学園』に入会・有料会員登録をすることで視聴できます!

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