能町みね子さんが2024年6月8日放送のTBSラジオ『ナイツのちゃきちゃき大放送』の中で芦原妃名子さんの漫画『セクシー田中さん』のドラマ化に関して発生したトラブルと、それによって芦原妃名子さんが亡くなってしまった事件に関する日本テレビ、小学館の調査報告書が発表された件について話していました。
(能町みね子)あと、フリーランスの話もしておきたいんですけど。フリーランスがすごい大変だっていう話で。芦原妃名子さんの「事件」と言っていいと思うんですけど。私も一応、物書きではあるので。ドラマ化の話も、もらったことがあるんですよ。でも、本当に制作する側は調子のいいことを言うんですよ。テレビ局じゃなくて、私の場合は制作会社かな? 最初に話が来たのは。もう、たぶん嘘だろうなってことをすごい言ってくるんですよ。「キャストもこの人にオファーしたらすごい乗り気でした」とかって、めっちゃ有名な人の名前を出すんですよ。
(土屋伸之)なるほど。
ドラマを制作する側は本当に調子のいいことを言う
(能町みね子)もう私、本当9割は嘘だと思ってるんですけど。「なんかすごい乗り気で」とかって、こっちの気をドラマ化をOKさせようという風にしてきて。でも、私はいろんな事情から「その人が主役はないでしょう?」って思っていたので。「そんな有名な人かどうか、知らんけど。私の原作からしたら、それはあり得ないでしょう?」みたいな風に思っちゃったんで、断ったんですけど。なんかそんな感じがあるんで。やっぱり守ってくれる人いないと、向こうは……「向こう」って、なにをもって「向こう」と言うのか、わかんないけど。ガンガン来るんですよね。
(土屋伸之)なるほど。
(能町みね子)私もそうだけど、事務所に所属してないので。物書きとか、漫画家さんとかって、基本的に出版社で何かを出してもらうから。担当の編集者とかはいるんですけど。で、最初の窓口にはなってもらえるけど。でも、そんな全部、親身になって自分のためにっていうことではないので。まあ編集者は編集者で板挟みだし。で、元々の大元が誰だかわかんない状態で、何人かを通じてその人に話をすることになるので。相当、1人でやる場合には制作者側がめちゃくちゃ強い意志を持ってないと、押し切られちゃうっていうのはすごいわかるんですよ。なのでもう、報告書とかもだいたい……細かいところは別として、だいたい思った通りというか。やっぱり連絡の行き違いとか。向こうが「強気になれば原作者なんて、どうにかできるでしょう」みたいな立場で。報告書の中に「難しい人」っていう言い方があるんですよね。「原作者は難しい人だから」みたいな。
(土屋伸之)ああ、そういう言い方をしてね。
「難しい人」という表現
(能町みね子)そういうことが報告書に書いてあるんですけど。でも本当は「難しい人」って思われるぐらいじゃないといけないんですけど。でも向こうからすると、すごい厄介な……ただただ「厄介だ」と思われてるんだろうなっていう。それはすごい、モヤっとするところでしたね。
(土屋伸之)なるほど。たしかに。
<書き起こしおわり>