能町みね子さんがニッポン放送『久保ミツロウ・能町みね子のオールナイトニッポンGOLD』の中で、偶然病院で聞いた80代ぐらいの女性同士の自虐風自慢とスピリチュアルの話を紹介していました。
(能町みね子)あの、私たち、よく『自虐風自慢はよろしくない』って言うじゃないですか。
(久保ミツロウ)うん。
(能町みね子)つい、でも私たちもやってしまうこともありますけど。
(久保ミツロウ)やっちゃうんですよねー。
(能町みね子)自分で自虐のつもりでいるんだけど、人から聞くと自慢に聞こえると。で、私たちもきっと少しは自慢している気持ちもあると。なるべく、やめましょうと思っているんですけど。
(久保ミツロウ)そうですね。
(能町みね子)この間、私、ちょっと病院に行きまして。で、後ろでおばあちゃん2人がしゃべっていたんですよ。もう、たぶん都内に住んでいる結構お金を持っているね、富裕層のおばあちゃんだと思うんですけど。
(久保ミツロウ)富裕ばあちゃん(笑)。
(能町みね子)富裕ばあちゃん2名が。富裕層2名がいてね。その2名は、そこでどうも出会ったっぽいんですよ。たぶん、たまたま待合室で隣り合って。なんか何気なく世間話をしてたっぽいんですよ。
(久保ミツロウ)はい。
(能町みね子)それを聞いていると、おやおや?ってなってきて。おばあちゃん、途中で年齢を言ったのね。年齢っていうか、何年生まれを言っていたので、何才かわかったんですけど。昭和13年生まれって言っていて。13年だから、77才ぐらいなんですよ。たしか。
(久保ミツロウ)すごい。私より47才上だ。
(能町みね子)そうですよ。アラエイティーですよ。アラエイティーの2人だったんですけど、なんと、自虐風自慢してたんですよ。
(久保ミツロウ)なんと!昭和から引きずった自虐風自慢があるんですか?
アラエイティーの自虐風自慢
(能町みね子)あるんですよ。アラエイティーが、やるんですよ!初対面同士で。で、思わず私、Twitterにメモしました。片方のおばあちゃんがですね、その方はもうきれいな白髪で。揃えた白髪の方で。『中3の孫が、息子と一緒にいま海外に行っている。息子の仕事の関係で。で、来年海外から帰ってくるんだけども、ずーっとインターナショナルスクールでしょ?だからこっちに帰ったら、大変だと思うの』っていう自虐風自慢をしていたんですよ。
(久保ミツロウ)はー・・・
(能町みね子)それに対して、その1個上のおばあちゃんが、『それは大変ですね』って言った後、『うちも、創業から50年たって、息子が継いでくれているんだけど。四谷の店を。50年たって息子が継いでくれているんだけど、私も足が痛いのに、どうしてもまだわかんないって言って呼ばれちゃうの。だから、大変』って。
(久保ミツロウ)ほー。
(能町みね子)おおーう。
(久保ミツロウ)なんか、私が思っていたおばあちゃんと違う。
(能町みね子)自虐風自慢って、80になってもできるんだよ。
(久保ミツロウ)できる。できるし、あとやっぱり、本当にそれは辛いと。悩みとしては結構しっかりしてあることではあるんですけど。
(能町みね子)本当、悩みだとは思うんだけど。
(久保ミツロウ)だけど、結構ベースとなっている生活レベルが、超上。
(能町みね子)超上なんですよ。そうなんですよ。で、そこに片方の旦那さんが来たんですよ。で、片っ方の人は旦那さんも連れてきていて。で、旦那と一緒に。旦那を挟んでまた話し始めて。そしたら、今度、80代なりの、アラエイティーなりの、スピリチュアルの話をし始めて。
(久保ミツロウ)ん?
アラエイティーのスピリチュアル
(能町みね子)私たちも、同世代の人がね、異様に血液型にこだわったり、まあ星座とかこだわったりすると、『ちょっとスピってんな?』って思うじゃないですか。『ちょっと危険だな』って思ったりするじゃないですか。片方のおばあちゃんが、『奥さん、何年生まれなんですか?』って聞いて。で、『昭和13年なんですよ』って言ったら、『あら、そしたら私のひとつ上だ。寅年でしょう?』って言って。
(久保ミツロウ)うん。
(能町みね子)そしたら、寅年のおばあちゃんが『そうなの。だから、幸せなの』って。
(久保ミツロウ)ホワッツ!?(笑)。
(能町みね子)えっ!?って思って。『寅年だから幸せって、なに?そこのイコールの仕組みは?』って思ったら、その言われたおばあちゃんも、『そうよね。寅年は幸せよね』ってなって。
(久保ミツロウ)なに?常識なの?
(能町みね子)寅年・・・なんか私たちが『B型はちょっとひねくれている』みたいなことを、きっと80才くらいの人は『寅年は幸せ』でインプットされているらしいんですよ。
(久保ミツロウ)マジか!
(能町みね子)で、『丑年は縁の下の力持ち』らしいんですよ。
(久保ミツロウ)っていうか、その年に生まれた人、みんな縁の下の力持ちになっちゃうの?
(能町みね子)そういうことよね。丑年生まれのクラス、全員縁の下の力持ちですよ。
(久保ミツロウ)マジか!
(能町みね子)寅年生まれはクラス全員幸せですよ。『寅年生まれだから、こうしてどうにか、旦那もいるし、子どももちゃんと巣立ったし。すごくいま私、幸せ』って言っていて。『あっ、普通の自慢だ!』と思って。
(久保ミツロウ)そこ、自慢するんだ(笑)。
(能町みね子)そこ、普通の自慢。寅年は自慢もする。だからね、あの、ぜんぜん年齢が違っても、別のスピリチュアルと別の自虐風自慢があるから。私ら、逃げらんねえなと思ってね。
(久保ミツロウ)その年にはその年にあった、それが待っているってことなんだね。
(能町みね子)待ってるんですね。だから私も30年下とかにも、また新しいスピリチュアルが生まれますよ。
(久保ミツロウ)そうだよね。なんかいまの若い子のスピリチュアル、またなんかあるよね。きっと。
(能町みね子)絶対あると思う。私らが5、60になって『B型がどうの・・・』とか言ってたら、『えっ?5、60代の人って血液型とか言ってる!』みたいなことになりかねませんよ。
(久保ミツロウ)そうですよ。特に私たちの世代とか、まあ若い子もそうなんですけど。友達に占い師がいるとか、結構多いじゃないですか。
(能町みね子)ああ、はいはい。
(久保ミツロウ)そうなってくると、もうね、占いを人に見てもらうってことが結構、いまカジュアルな気がするんですよね。
(能町みね子)そうだね。
(久保ミツロウ)で、私、陰陽師の知り合いもいるんで。
(能町みね子)ええっ?なにそれ!?
(久保ミツロウ)そうそう。だからちょっとお祓いしてもらったりとか。
(能町みね子)ええー?
(久保ミツロウ)気楽に。でも、タダでしかしてないから。
(能町みね子)タダでしてんの?職業ではない?
(久保ミツロウ)『ああ、じゃあそれ、お祓いしとく』みたいな。
(能町みね子)軽くやってくれんの?
(久保ミツロウ)でもなんか、面白いなと思って。
(能町みね子)えっ、じゃあちょっと私、今度なんかあったらたのんでいいですか?
(久保ミツロウ)あ、相談する。相談する。
(能町みね子)ちょっとお電話します。そんな話、知らないわ。
(久保ミツロウ)だからいまはスピリチュアルがすごく変わった人がやるものじゃなくなってきているなと。
(能町みね子)ああ、たしかにそうですね。
(久保ミツロウ)しかもそこで、知り合いを介しているってなっちゃうと、また別の付き合い方ってできるのかな?って。
(能町みね子)そうですね。タダの人、いるね。たしかに。私の周りでも、いるわ。タダでしかやってくれない人。
(久保ミツロウ)うん。やっぱりなんかあると思う。そう。スピリチュアル。
<書き起こしおわり>