久保ミツロウさんと能町みね子さんがニッポン放送『久保ミツロウ・能町みね子のオールナイトニッポンGOLD』の中で、青森のおすすめスポット、とびない旅館について話していました。
(能町みね子)それで、私と久保さんは弘前に一泊して。で、私はそのまんま、弘前にもう二泊して。その後、むつ市に一泊してるんですけど。そのむつ市というのは、この番組、ラジオではあまり言ってないんでしたっけ?
(久保ミツロウ)まあでも、いちばん最初に能町さんが青森で泊まったへんてこな旅館ということで、した。
(能町みね子)あ、その話でしたんですよね。とびない旅館というところがあってね。そこに私、1人で泊まりに行ったんですよ。1人で泊まりに行ったのは初めてなんですよ。
(久保ミツロウ)はい。
(能町みね子)いままで、何回か行っていて。で、久保さんとの久保みね旅でも訪ねていて。なんですけど、まあどんな宿かを説明すると、飛内源一郎さんという主人がですね、もう50いくつかな?の、人が、継いだ宿なんですけど。プラモ好き、アニメ好き、映画好きで。その趣味が全面的に出ちゃっていて。もともとは結婚式場なんかもできた大広間が、プラモでいっぱいになっているような。
(久保ミツロウ)(笑)
(能町みね子)もうとんでもない宿なんですよ。
(久保ミツロウ)いや、いい。もう飛内さんがどんな人かわかっている人しか、泊まりに来ちゃいけない宿なんだよね。
超個性的な飛内源一郎さん
(能町みね子)そうそう。それを飛内さん本人が言ってるの。飛内さんが自分のことをそう言ってるんだよ。『飛内さんがわかんない人じゃないと、ここ泊まりに来ちゃダメだからね』って言っていて。私が泊まりに行ったその日も、ちょうど予約の電話がかかってきたんだけど、飛内さん、その場で断っていて(笑)。
(久保ミツロウ)(笑)
(能町みね子)『なんか子供のスポーツ大会があるからって親が3組ぐらい泊まりに来たいって言うんだけど、なんかそんな大人は子供の大会にかこつけて飲みたいだけだからさ。そんなの来たら、飛内さん、なんか困っちゃうよ』って言って。
(久保ミツロウ)うん。
(能町みね子)で、『断ったよ、そんなの』って言って、断っちゃったんですよ。その場で。
(久保ミツロウ)(笑)
(能町みね子)飛内さんが飛内さんであることを知らない人は、泊まっちゃいけないんですよ。
(久保ミツロウ)ああー、それで怒らない人。
(能町みね子)怒らない人。そう。飛内さんがあのまんまでいることを許す人しか泊まっちゃいけない宿なんですよ。
(久保ミツロウ)本当、夏の魔物は、なんだろう?飛内さんでもあるよね(笑)。
(能町みね子)そうだね。夏の、まさに魔物ですよ。飛内さん。で、まあそこの宿はね、まあ古い宿なんですけど。私は泊まりに行って。で、飛内さんがね、飛内さんなりの素晴らしいホスピタリティというものがあるので。あの、私が来たからには、喜ばせなきゃいけないって思っているわけですよ。
(久保ミツロウ)うん。
(能町みね子)だから夜は、飲みに行こうってなって。食事は一応飛内さんが作ってくれて。結構ちゃんとしたものを作ってくれるんですけど。その後、飛内さんは飛内さんの友達を呼んで。で、私も1回会ったことがあるおじさんなんだけど。工藤さんっていう、公務員の方で(笑)。
(久保ミツロウ)(笑)。ホスピタリティ!
(能町みね子)連れて来てくれて。工藤さんと飛内さんと私でスナックに飲みに行ってカラオケやって。で、帰ってきて。で、一晩寝て、その翌日は私が・・・意外と私、青森にたくさん行ってるけど、恐山にまだ行ったことがなかったんで。『恐山に行きたい』っつったら、『じゃあ飛内さんの車で行く?』ってなって。
(久保ミツロウ)(笑)
(能町みね子)飛内さんが車を運転してくれて、恐山に行って。その後、尻屋崎っていうすごい私が大好きな岬に行って。そこまでもう、ずーっとドライブですよ。で、尻屋崎って、本当にもう何もない辺境だからさ、車も走ってないわけですよ。
(久保ミツロウ)ふーん。
(能町みね子)で、私、10数年ぶりに、なんか車運転したくなっちゃって。
(久保ミツロウ)(笑)
(能町みね子)免許はあるんだけど、もう完全なペーパーだったの。だけど、飛内さんのマニュアル車を、よりによってそこで私、なんか急に運転したくなって。
(久保ミツロウ)しかも、マニュアル!?
(能町みね子)マニュアル、マニュアル。で、飛内さんに『ねーねー、ちょっと運転していい?』って言って。で、飛内さんとそこで代わって。ちょっとだけ、もう50メートルぐらい運転して。1回か2回、エンストしながら。
(久保ミツロウ)(笑)
(能町みね子)デートですよ。完全に。
(久保ミツロウ)いや、私さ、Instagramに、Twitterもそうだけど、写真が上がっていて。『あれ?これ、デートじゃね?』って。またさ、能町さんがさ、飛内さんの写真、撮ってるじゃん。昭和のさ、決めポーズをとったさ・・・(笑)。
(能町みね子)そうそうそう。それでまあ、私が『ポーズとって!ポーズとって!』って言って飛内さんに注文して、とってもらったんだけど。本当に楽しいとびない旅館なんだけど、これがね、みんなが楽しめるか?っていうと、私には全く自信がないんですよ。
(久保ミツロウ)(笑)
(能町みね子)いきなり朝の朝食で栄養ドリンクが出るんだよ。
(久保ミツロウ)うん、それはね・・・(笑)。
(能町みね子)ご飯のお盆に、当たり前のように知らない栄養ドリンクが乗ってくるんだよ。
(能町みね子)(笑)。メジャーじゃないっていう。
(久保ミツロウ)メジャーではないやつね。
(能町みね子)で、聞くと、『だって朝から飲んだら元気になるんでしょ?』って。当たり前でしょ?っていう顔で言うわけですよ。そういうのを許せる人じゃないとダメだし、お風呂もなんか熱くて入れないけど。それも許せないといけないわけですよ。
(久保ミツロウ)(笑)。あと、弾丸トークなんだよね。
(能町みね子)すーごい弾丸トークで、全く止まらない。で、ずっとむつ市の悪口を言う。
(久保ミツロウ)(笑)
(能町みね子)青森県むつ市の悪口と、青森県むつ市が生んだ映画監督川島雄三の素晴らしさをずっと語るけど。それも耐えなきゃいけない。
(久保ミツロウ)あれ、よくやっぱり有名になってから、女子高生とか、1人で女の子が泊まりに来たりするんだよね。それをあの弾丸トークでもてなしてるの?
(能町みね子)もてなすの。女子高生もそれが楽しみで来ていて。で、女子高生・・・飛内さん、意外とそこはモラルがあるから、女子高生1人とか来ると、『えっ?』ってなって。『ちゃんと親の承諾書、もらってきて』って言って。それで、ちゃんと来てるんですよ。で、それを、その女子高生を恐山にドライブして連れて行くんだけど。
(久保ミツロウ)(笑)
(能町みね子)だからとびない旅館の素晴らしさを私、すごい味わって。やっぱりここはいいところだなと思ったんだけど。
<書き起こしおわり>