スチャダラパーANIさんと麒麟川島さんが2024年6月1日放送のTOKYO FM『川島明 そもそもの話』の中で『今夜はブギー・バック』についてトーク。30周年記念ライブで披露された30年前の『今夜はブギー・バック』のデモ音源について話していました。
(川島明)さらに人生の大きな出来事として挙げていただいたのが、『今夜はブギー・バック』のヒット。これは、どうでしたか?
(ANI)これ、でもなんかそんな……「面白い曲ができたな」とは思ったけど、ここまで残るとは思ってなかったですよ。
(川島明)そもそもオザケンさんとは?
(ANI)その前から結構、仲良くて。で、フリッパーズをやめて。その間、結構仲良くなって。一緒に遊んだりとか……。
(川島明)フリッパーズ以降なんだ。
(ANI)で、その前から家も近所で……みたいな。「結構、近いんだね」みたいになって。で、なんか正月、急にふらっと遊びに来たりとか。それでその後にライブで一緒に、ツーマンみたいなのがあって。それで一緒にやって「いいね」みたいになって。で、うちらがいろんな人とやるアルバムみたいなので、小沢くんとも1曲、作ろうかっていうのでやったんです。
(川島明)そのプロジェクトのひとつだったんですか。『今夜はブギー・バック』は。
(ANI)『スチャダラ外伝』っていうので。いろいろ、スカパラとか、ゴンチチさんとかとやってるので。「じゃあ、小沢くんともやろうか」って言って。
(川島明)これ、だから先日のブギー・バックリリース30周年ライブ。その時、デモテープをね、急に流してくれたんですよね。
(ANI)すごいよね(笑)。あれ、ファンとしてはどうなんですか? ありがたい?
めちゃめちゃ小声な小沢健二のデモ
(川島明)いや、めちゃめちゃありがたかったですよ。全くメディアに出ていない、スチャさんが「だいたいこんなんで」って小沢さんに送って。で、小沢さんが自分のパートとかをちょっと歌ってみる、みたいな。それがあまりにも小さい声量なんですよ。だから「テレレレレ、テレレレレレーレレ♪」って歌っているんですけども。まだその歌詞がね、はまっていないので。メロディーだけを鼻歌で小沢さんがつけているという。でもあまりにも声が小さいんですけど、これには理由があって。「横で彼女が寝てたから」っていう(笑)。
(ANI)夜中にこっそり作っているからっていう(笑)。
(川島明)デモテープの声が……(笑)。そしてデモテープ、これがだからね、言うたら30年以上前のものだから。それを小沢健二さんが取っておいていたのもすごいし。で、何回も聞いてるから、ちょっと伸びてしまっているみたいな。キーが低いんですよね。その、エピソード0みたいな気持ちで。で、当時はメールもないですから、ファクシミリでやり取りして。
(ANI)で、うちら、その時になんか、ロンドンでレコーディングしなきゃいけないみたいな。「ロンドンでレコーディング」って、言うとかっこいいですけども。で、だからその時、アルバムをずっと作っていて。ロンドンでレコーディングするやつはあるから。それで「じゃあ小沢くん、よろしくお願いします。歌詞はできましたので。こういう感じで。テンポはこのくらいでお願いします」みたいな。
(川島明)それはもうスチャさんのアルバムだから、スチャさん主導で進めていっているわけですよね? で、これが世間で大ブレークしまして。30年たった今も、めちゃくちゃ愛されてるし。いろんな方がカバーするぐらいの、とんでもないブレークだったんですけど。この反響っていうのは、ちょっと驚きましたか?
(ANI)驚いたし、その時はなんかちょっと、嫌になったもん(笑)。
(川島明)どういうことですか? 「こんなはずじゃない」っていう?
(ANI)なんか「そればっかりか……」みたいな感じになってきて。
(川島明)ああ、そうか。ブレークしすぎて。
(ANI)だからしばらくライブとかであんまりやらなくなって。
(川島明)やりたくない?
ブレークしすぎてしばらくやりたくなかった『ブギー・バック』
(ANI)やりたくない。こればっかり目当てで来るみたいな。やっぱりその頃って若いしさ。20代ぐらいだったから。「俺たち、まだこれ以外の可能性もあるぜ!」みたいな。
(川島明)いや、もちろんそのアルバムもすごかったんですけど。まあ、ちょっとライト層からは「あれをやって」とか。
(ANI)そうね。そういうのがちょっとあって。その後も「また『ブギー・バック』みたいな曲を作ってください」とか、すごい言われたりとか。
(川島明)「また4人で」とか、心無い人が言ってくるとか。
(ANI)そう。そういうのがちょっと……「嫌だ! もっと違う曲を作りたい!」みたいな。
(川島明)正直、恩恵は受けたけど、しんどいことも増えてしまったという?
(ANI)まあ、そうですね。
<書き起こしおわり>