渡辺志保 MACKLEMORE『HIND’S HALL』を語る

渡辺志保 MACKLEMORE『HIND'S HALL』を語る MUSIC GARAGE:ROOM 101

渡辺志保さんが2024年5月17日放送のbayfm『MUSIC GARAGE:ROOM 101』の中でMACKLEMORE『HIND’S HALL』を紹介していました。

(渡辺志保)というわけで今日はここで1曲目、紹介したいと思うんですけれども。マックルモアという白人の男性のラッパーがおりまして。マックルモア&ライアン・ルイスという名義で『CAN’T HOLD US』とか、あとは『THRIFT SHOP』とか『SAME LOVE』とかが大大大ヒットしたので馴染み深いなと感じる方もたくさんいると思います。ただ、そのあたりのヒット曲は2012年になりますので。恐ろしいけど、もう12年も前なんだなという風にですね、しみじみと感じたんですけれども。

でもマックモアは節目節目で結構、重要な曲をリリースしていて。たとえば、そのBlack Lives Matterのムーブメントが盛んだになった時もですね、『WHITE PRIVILEGE II』。「白人の特権」というタイトルの曲をリリースしまして。それが話題になったこともあるんですけれども。

MACKLEMORE『WHITE PRIVILEGE II』

(渡辺志保)今回、マックルモアが新曲をリリースしまして。タイトルが『HIND’S HALL』という曲になります。で、この曲なんですけれども、日本のメディアでもたくさん報じられておりましたが。ここ数週間ですね、アメリカ各地の大学にてガザ地区への攻撃に反対する抗議活動がたくさん起こっております。で、この曲のタイトル『HIND’S HALL』なんですけれども、ニューヨークのコロンビア大学のハミルトンホールに生徒たちが突入して、そのハミルトンホールという講堂の名前を「ハインドホール」。正しく英語通りに読むなら「ハインズホール」っていうことになるんですけども。「ハインドさんのホール」という風に解明した、横断幕を広げるということがありました。

で、新しくね、そのホールに名付けられたハインドさんなんですけれども、ガザ地区でのイスラエルの軍事作戦中に死亡してしまった6歳のパレスチナ人の子供の名前で。そこから取って「ハインドのホール」という風に名を改めるということがありました。で、マックルモアはその全米の学生たちに勇気をもらったということで、この曲を発表したんですね。で、歌われていることはそのガザ地区への攻撃のこと。「そんな中、アメリカ。俺たちの国は一体どうなってるんだ? どういう風にそれを支援しているのか、していないのか? どちら側につくのか?」ということをラップしていたりとか。

で、「学生たちがプロテストをしていることが問題なのではなくて、問題なのは彼らが何に対してプロテストをしているか? 何に対して抗議をしていか、なんだ」というようなこともラップしています。この曲も長いバース……4つのバースにわたってマックルモアがラップをしているんですけれども。最後の方ではですね、「I want a ceasefire, f*ck a response from Drake」という一節があります。「俺が求めているのは即時停戦であって、ドレイクからのレスポンスではない」ということで。この『ROOM 101』でも時間を割いてお伝えしてきましたけれども。4月下旬から5月の上旬にかけて、アメリカのヒップホップ界というか、音楽界はドレイクvsケンドリック・ラマーのビーフで話題は持ち切りだったわけなんですけれども。

「その裏で一体、何が起こっているのか? ちゃんとそっちの方を考えた方がいいんじゃないか?」というような気持ちがこもったリリックになっております。で、「もしもあなたたちがガザにいたらどうする? もし、そこにいる子供たちが自分たちの子供たちだったらどうする?」という風に呼び掛けております。それでこの楽曲の売り上げ、この楽曲から出た利益はですね、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)に直接寄付されるということで。なにか、私ももちろんストリーミングで再生して。微々たる額だとは思いますけれどもね。その1再生における利益の額というのは。でも、ちょっといくばくかでもですね、マックルモアを通じてUNRWAに寄付するということになればいいと思いますし。

UNRWAに関しては、日本からも寄付ができます。で、UNRWAを巡ってはですね、日本政府もそうですし、欧米の政府も一時、資金拠出を停止したということがあったんですね。今年の1月に。ただ、日本はその一時停止していた資金の拠出というのを4月に再開しているという背景もあります。というわけで、非常にメッセージの強い1曲になっております。マックルモアで『HIND’S HALL』をお届けしたいと思います。

MACKLEMORE『HIND’S HALL』

<書き起こしおわり>

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