ヤマザキマリ 母親とともに30万キロ走ったハイエースを語る

ヤマザキマリ 母親とともに30万キロ走ったハイエースを語る 安住紳一郎の日曜天国

ヤマザキマリさんが2024年4月21日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中で母・リョウコさんについてトーク。リョウコさんが運転して北海道中を駆け巡ったハイエースについて、話していました。

(安住紳一郎)これまではイタリア中心の生活で、日本の滞在2週間ぐらいの生活、続いてましたけど。もう今、日本の方が長い生活ですね?

(ヤマザキマリ)そうですね。だからコロナの時からもう2年半ぐらい、ずっと日本にいるようになっちゃったんですけど。そうすると、やっぱりこっちのが楽じゃないですか。もう、すぐに鍼灸院には行けるし。温泉には行けるし。食べたいものをいろいろ食べられるし。デパ地下はあるし。「ああ、日本っていいな」みたいな感じになっちゃって、だんだん動くのが怠惰になっちゃって。でもコロナが明けた頃、さすがにイタリア家族から「あんた、嫁だよね? 時々、ちょっと戻ってきてもらいたいんだけど?」みたいな感じになりまして、それで戻るようにしましたけど。でも、だんだん移動が億劫になって。やっぱり、遠いね! ヨーロッパは。遠い。ドアツードアで20何時間は、さすがに50代半ばになってくるとちょっとしんどいんですけど……みたいな感じで。

(安住紳一郎)そうですか。元々はね、ずっとイタリア中心に生活されてたので。コロナの時に日本に来て……2021年ですかね? 「ヤマザキさんが日本に長く滞在している。これはチャンス!」と思って。日曜天国では半年の間に3回、来てもらうという。ハイペースで(笑)。

(ヤマザキマリ)すいません(笑)。本当、すごかったですね。

(安住紳一郎)で、もうエピソードが出尽くしたかと思いきや、もう出せば出すほど、絞れば絞るほど出てくるっていうね。

(ヤマザキマリ)だってこれ、一応台本あるけど、台本通りにしゃべれたことは今まで、一度もないじゃないですか。。ただの一度も。

(中澤有美子)たどり着けない(笑)。

(安住紳一郎)もう本当にね、瞬間的に嘘ついてるんじゃないか?っていうぐらい、エピソードが出てくるんですよね。

(ヤマザキマリ)そう。自分で言っていて、自分で嘘くさい気持ちになってくるんですね。皆さんの反応を見てると。「私、ひょっとしてすごく流暢に今、嘘をついてるんじゃないか?」みたいな感じになるんですよ。でも、そんなことないですから。なかなかそういうフィクションを瞬時に組み立てるのって、あんまり得意じゃないんで。そこはあったことしか、語ってませんが。

(安住紳一郎)またドラマチックな人が周りにいるんですよね。

ドラマチックな人々を集める磁石

(ヤマザキマリ)よりによってね。最近、私のことを「そういう風な砂鉄を集める磁石だ」と言った人がいます。そうやってワーッて砂鉄が集まってくるんだよ。いろんな、他の人の人生にはなくてもいいようなことが全部、集まってくるっていう風に言われました。

(中澤有美子)磁力が強い(笑)。

(安住紳一郎)お母さんのリョウコさんの話も1時間、2時間ね、エピソードが盛りだくさんで。お嬢様だったのが北海道に渡って。そして、できたばっかりの札幌交響楽団に入って。

(ヤマザキマリ)そうです。そしてそうこうしてるうちに、どんどん凄まじい人になっていって。最後はハイエースを運転しながら、走行30万キロ。後ろのドアが錆びて走行中に外れて落ちるっていう。もう、あれはうちの母と同じですよ。あのハイエースは。「そこまでして走るか? 新しいのに乗り換えればいいじゃないですか」「でも、まだ行けるのよ。まだ走れるのよ!」って言って。

(安住紳一郎)で、北海道内をグルッと自分で運転して、バイオリンを教えて。それで2人のお嬢さんを育てるっていうね。

(ヤマザキマリ)そうですね。もう凄まじい……。

(中澤有美子)食べ物とともに帰ってらして。

北海道中をハイエースで駆け巡る

(ヤマザキマリ)でも、ああいう人が家にいると、私もだんだん何て言うのかな? うまく空気が読めなくなってしまうっていうかね。「これぐらいのことなら、やっていいのかな?」みたいな感じになっちゃうじゃないですか。やっぱり。あれがもうちょっと落ち着いた人だったら、今の私ももう少し、いろんな抑制が……。

(安住紳一郎)いやいや。

(ヤマザキマリ)その目つきは何ですか? 「そんなはずはない」って?

(安住紳一郎)絶対に無理(笑)。

<書き起こしおわり>

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