大島育宙 大河ドラマ『光る君へ』の見どころを語る

大島育宙 大河ドラマ『光る君へ』の見どころを語る 文化放送

大島育宙さんが2024年2月13日放送の文化放送『西川あやの おいでよ!クリエイティ部』の中で第6話まで放送しているNHK大河ドラマ『光る君へ』の見どころを紹介。第7話からでも追いつける『光る君へ』を楽しむポイントを話していました。

(大島育宙)大島育宙の「オーシマが推します」。

(西川あやの)今日は今、放送中の大河ドラマ『光る君へ』。

(大島育宙)はい。皆さん、ご覧なってますか?

(西川・バービー)見てまーす!

(大島育宙)じゃあ、もう見てる前提で肩の力を抜いてしゃべっていきたいと思いますけれども。面白いよね?

(西川あやの)面白い! というか私、もっとあれなんだと思っていたんですよ。源氏物語の話だと思っていたら、紫式部の話なんですね。

(大島育宙)そうですね。源氏物語は創作なので。基本的に大河ドラマっていうのは「史実ベースの話をする」っていうお約束があるので。そこは、絡んでくるのかな?っていう予想もあったんですけれども。大河ドラマの公式側から「源氏物語内の世界は描かれない」ということが。

(西川あやの)がっつり式部周辺でしたね。

(大島育宙)はい。紫式部の人生を吉高由里子さんが演じていくという話になっていますけれども。お二人、ご覧なってるということなので、説明は少なくていいかなということで。その魅力をしゃべれたかなと思っております。

(西川あやの)でもまだ間に合うでしょう?

(大島育宙)まだ全然、間に合いますよね。一昨日、6話が放送されたところなんですけれども。そこまでに何を押さえておけばいいか?っていう話もね、ちょろっとしゃべれたらなと思っているんですけれども。近年の大河ドラマの中でも、かなりとっつきやすい方だなと僕は思うところが大きく三つ、ありまして。まずひとつ目はですね、妄想の余地が広いということですね。これは時代がですね、大河ドラマ史上、過去から2番目に古い時代を扱ってるんですよね。で、一番古いのは平将門を描いた『風と雲と虹と』っていう、1976年の作品なんですけど。それは900年代前半の話ですけれども。

今回は900年代後半なので、めっちゃ古い。だから資料は残っているようでいて、残ってないみたいな感じなんですよね。で、余白・空白の部分も結構多いので、その部分を物語として足すことができる。「こことここを線でつないじゃえ」みたいなことをも縦横無尽にできる。でもそれを近現代……たとえば江戸時代とか幕末とかのところでやっちゃうと、過去の史実を1個、否定してそれをやらなきゃいけなくなるんですけど。でも今回はない部分を足しているだけなので、それは嘘とは言い切れないっていうことを脚本の大石静さんがやってるっていうことですね。

物語を足す余地が大きいお話

(西川あやの)大石静さんが。私、文学部で周りにやっぱり式部研究とか、清少納言とかの古典の子たちがいたんですけど。やっぱりね、資料がないんだって。で、紫式部日記とか、そういう創作物とか……で、紫式部が書いたかどうかもわかんないし。というので、すごい苦労をしてました。でも、だから楽しいんだ?

(大島育宙)そう。だから楽しい。しかもその権力者側の、最終的に勝った人の言い分しか残らない時代とかでもあるし。その書く余裕とか暇があった人の日記しか残らないみたいな時代でもあるので。1人の人物の視点からだけが大量に膨大に資料を残されているみたいなことだったりするので、その穴埋めがしやすい。なので、一番書きやすい時代なんじゃないのかなとかも思ったりしますね。

で、二つ目の面白ポイントとしては、さっき西川さんもおっしゃった源氏物語との絡みがあるということですね。源氏物語自体の中身の話っていうのは出てこないんですけど、源氏物語の存在っていうのが確実にドラマ内に侵食してるっていうところが多々、ありますよね。だから源氏物語を漫画『あさきゆめみし』とかで読んで知ってるとかいう人からすると、毎回わくわくするところがいっぱいある。で、僕が一番面白いなと思ったのは子供時代の紫式部。まひろという、まだ吉高由里子さんになる前の子供時代の彼女がですね、藤原道長になる前の三郎という少年と会う時に、その紫式部として後々に書いた源氏物語の光源氏の設定を自分の身分にしてるんですよね。

(西川あやの)ああーっ! それで嘘をついていたんだ!

(大島育宙)そう。それで嘘をついていて。ということは、あの時点でも源氏物語の構想がある天才少女だったっていう設定になっていて。でも、そんなわけないじゃないですか。そんなわけないぐらい遊んでいいっていうことをやっていて。そういう、端々に源氏物語の存在とか、物語の世界観とかが着実にこの歴史物語の中ににじむようになってるっていう奥ゆかしさみたいな。これもめっちゃ面白い。だから結局、源氏物語を楽しんいでる。「源氏物語を予習したのに源氏物語は今回、全然出てこないんかい!」っていうこともなくて。何倍も楽しめる要素にはなってくるっていうことですね。

で、三つ目の要素。これが一番ね、みんなSNSとかでも楽しんでますけど。キャラクターの魅力が漫画っぽくて面白いっていうところですね。芸人さんがいっぱい出てますよね。ロバートの秋山さんが演じている藤原実資というキャラクターですけれども。これ、さっき僕がまさに言ったように、とにかく日記を残していた人物なんですよね。記録をとにかく大量に残していて。小右記っていう、この人の記録が後々の時代考証の中で一番使われてると言ってもいいぐらいで。とにかく生真面目な人物。で、ドラマ内でも過去の前例を重視していて。「ムダな改革は許さん!」みたいな、とにかく真面目な人物として描かれてますよね。

で、この大河ドラマで今回、面白いのはユースケ・サンタマリアさんが演じる安倍晴明のモデルとなった安倍晴明(はるあきら)とロバート秋山さん。テレビで一番ふざけてる2人が一番、真面目な役をやってる。こういうところも面白いんですけど。

ロバート秋山(藤原実資)、ユースケ・サンタマリア(安倍晴明)

(大島育宙)あとは、はんにゃの金田さんがね、もうめちゃくちゃ貴族に見える藤原斉信。

(西川あやの)かっこいい役ですよね。

(大島育宙)で、この人はのちのち、清少納言とくっついたり離れたりとか、いちゃいちゃするっぽいので。ファーストサマーウイカさんとわちゃわちゃする可能性が結構高い。

(バービー)へー!

(大島育宙)なので、ここは結構コントっぽく見られるのかなみたいな、みたいな。

(西川あやの)なるほど! だからこういう配役なんですね?

(大島育宙)なのかな?って僕はちょっと、睨んでるんですけどね。

はんにゃ金田(藤原斉信)とファーストサマーウイカ(清少納言)

(大島育宙)で、吉高由里子さん。まひろですね。紫式部という名前ではまだないんですけれども。そのお付きの方として、元カラテカの矢部太郎さんが出ていたり。あとは小遊三師匠が怪しい役で出てきたりとか。

(西川あやの)絵師(笑)。

(バービー)いやー、よかった!

(大島育宙)あんな人、いないですからね(笑)。とか、ザブングルの加藤さんが高貴な顔の四角い方として登場したりとか。だいぶそういうところも遊び心がある。で、そんな人たちを抑えて今、『光る君へ』はファンの中でダントツ人気のキャラクターは誰かというと、本郷奏多さんが演じる花山天皇というですね。

(西川あやの)最高! わかる! 漫画っぽい!

(大島育宙)ドスケベで最低な、素行のとても悪い天皇なんですけれども。本当によく、こういう風に落とし込んだなというアダルトなね、彼の異常行動っていうのをちゃんと大河ドラマでギリギリ放送できるセクシーなところに収めてるみたいなところもみんながテンションが上がっている部分ですね。

(西川あやの)本郷奏多さん、すごいうまいですよね! 昔から、その不真面目な聞かん坊みたいな。

(大島育宙)そう。愚帝なんだろうなって。でも、彼には彼なりの思想もあるんだろうなっていうところをちゃんと出してますね。

一番人気は本郷奏多の花山天皇

(大島育宙)それで今、見てない方。何を押さえればいいか? 第7話から見るという方はまず、まひろ。紫式部になる人物ですね。吉高由里子さんと藤原道長。これ、藤原氏の頂点を極める人物ですね。道長は柄本佑さんですけれども。この2人が両思いっぽいということをもう認識しておけばいいのかなと思いますが。ただ、これは史実ではありません。この物語の主軸がまず、史実ではありません。でも、源氏物語という物語を書くにあたって、当時「紙」がめちゃくちゃ貴重だったんですけれども。それを藤原道長という有力なお金持ちの人物がサポートして、紙を提供していたっていう風には言われているので。人間関係としてはあったと言われているんですけども、子供時代からあんなに恋仲だったみたいなことはないんですけれども。これはもう、2人の恋物語がどこまでくっつくのか?っていうところを見るのは、楽しみですよね。

で、まだ見てない方が押さえておくべきこととしては、主人公まひろのお母さん。これを国仲涼子さんが演じてるんですけれども。そのお母さんはまひろが子供の時に殺されましたよね? で、その犯人が道長の兄であるということですね。これものちのち、絶対に生きてくるだろうと思うんですけれども。これも史実ではありません。これも物語を面白くするために作られたものです。あと、道長のお父さんですね。段田安則さんが演じている藤原兼家ですね。この人物がどんどん天皇家と仲良くなって。それで栄華を極めようというモチベーションで生きているお父さんであるということ。この3点だけわかってれば、7話からでも見られるんじゃないかなと思いますので、ぜひとも皆さんにも参加してほしいですね。

(西川あやの)あと、大河で紫式部やっているのに、吉高由里子さんが吉高由里子さんすぎるっていうか。歩き方とか、十二単を着て廊下を歩いている時でも「吉高由里子さん!」ってなっているところがすごいなって。

(大島育宙)そうですね。雅なテンションも出てる感じもするんだけど。でも、なんかCMとかバラエティの時の吉高由里子っていう感じもちょっとして。やっぱり、本来は宮中に入るはずではない身分の人が才能によって宮中に入ってきてしまうっていうところがあるので。なんかね、ちょっと身分不相応なものを着させられてる感じみたいなのもあるし。他の人たちよりも賢すぎて浮いてる感じみたいなのも含め……ちょっと浮いてる感じっていうのがやっぱり素晴らしいですね。それがこの紫式部の吉高由里子さんとファーストサマーウイカさんの清少納言。このツートップが今後、バチバチやり合っていくという話にもなると思いますので、非常に楽しみでございます。

(西川あやの)今、日曜午後8時からNHK総合で。あとNHK BSで毎週日曜午後6時から放送していますね。今日は今、放送中の大河ドラマ『光る君へ』をご紹介いただきました。

<書き起こしおわり>

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