板垣恵介 自衛隊第1空挺団から漫画家になるまでを語る

板垣恵介 自衛隊第1空挺団から漫画家になるまでを語る ザ・ラジオショー

『刃牙』シリーズなどの作者・板垣恵介さんが2024年1月31日放送のニッポン放送『ナイツ ザ・ラジオショー』に出演。自衛隊の第1空挺部団に所属していた時代から、漫画家としてデビューするまでを話していました。

(塙宣之)先生自体はハタチから20歳から自衛隊をやって。第1空挺団で。習志野の。

(板垣恵介)そうよ。

(塙宣之)だって、なんだっけ? むちゃくちゃ重い小銃とかを持ちながら訓練を……。

(板垣恵介)いや、小銃はそんな重たくないんだけど。俺、機関銃だったんで。機関銃はね、12キロぐらいあるのかな? で、弾薬がたくさん……もう数が違うじゃない? 重いのよ。

(塙宣之)それを持ちながら、走ったりとか?

(板垣恵介)もう、何でもやらされた。

(土屋伸之)第1空挺団って、超エリートですよね?

超エリートの第1空挺団

(板垣恵介)あそこはね、給料が違うからね。俺がいた時代でね、5万ぐらい違ってたからね。空挺手当と、あと降下手当。あとは危険手当かなんか、あるのよ。それで普通の自衛官より5万は違ったかな? 今だったら10万ぐらい違うのかもしれないな。

(土屋伸之)それは何で選ばれるんですか? 身体能力とかですか?

(板垣恵介)あのね、もう本当にこの話をしたいんだけど(笑)。あのね、普通の部隊は体力検定1級というね、この星のマーク。ベンツみたいな。それに月桂冠で飾った、ここにバッチを付けるのよ。これが体力検定1級なのよ。で、それは空挺部隊には1人もいないんだよ。それは空挺徽章っていう落下傘とウイング、羽根の。そういう空挺隊員を示す空挺徽章っていうのがあるんだけど。これは体力検定1級も意味をするのよ。

(塙宣之)それが兼ねてるんですね。

(板垣恵介)で、他の部隊で1級がいると「ああ、あんなのつけているんだ」って、笑えるっていう(笑)。ちょっとマウントを取れるのよ。

(土屋伸之)ええっ?

(塙宣之)それも本当はすごいことなんでしょうけど。でも、それの上のやつがあるんだ。

(板垣恵介)そう。空挺徽章っていうのは、1級だっていうことになるんで。

(塙宣之)そんな体力って、何で培ったんですか? 元々、体力があったんですか?

(板垣恵介)俺はね、高校時代3年間、少林寺拳法をやったんで。そこは練習量はもう学校の中の全部のクラブの中で一番きつかったんで。

(塙宣之)学校のクラブに少林寺拳法クラブがあったんですか? 有名な先生が教えてたんですか?

(板垣恵介)有名ではないんだけど、新卒の先生なのよ。だから、大学でやっていた練習をそのまま取り入れてくれたんで。それで鍛えられたね。

(塙宣之)そういう格闘系に興味があったんですか?

(板垣恵介)めちゃめちゃあった。

(塙宣之)ちっちゃい頃から?

(板垣恵介)力道山の時代から、あった。

(塙宣之)ああ、力道山を見てたんですね。

(板垣恵介)リアルタイムで見てた。ボクシングはファイティング原田さんから見てた。

(土屋伸之)じゃあ、やっぱり好きだったんだ。

(板垣恵介)もう大好きだったよ。

(土屋伸之)でも自衛隊をやっていて、なんで漫画家になろうって思ったんですか? どういうタイミングで?

矢沢永吉『成りあがり』の影響

(板垣恵介)それはね、矢沢永吉さんの『成りあがり』という本を読み、一発で持ってかれちゃって。21歳の時。「角のタバコ屋までキャデラックで買いに行く」って……そんな面倒くさいことを本当にやってみたいなと思って。矢沢さんと対等に付き合える。そのぐらいまで出世するとしたら、もう俺はもう描くしかないなって。描く才能はあったから。

(塙宣之)子供の頃から絵も上手かったんですね。

(板垣恵介)上手かった。

(塙宣之)なんかガイコツを一番最初に書いたみたいな話をしてましたよね?

(板垣恵介)一番最初に書いたのが、近所のアパートの壁にガイコツの絵を書いた。これがね、たぶん2、3歳なのよ。

(土屋伸之)えっ? 2、3歳でガイコツの絵を? ちょっと親、心配するんじゃないですか? なんでガイコツを?

(板垣恵介)それはわからないなー?

(安藤なつ)骨格から興味があったってことですか?

(塙宣之)テレビに出ているキャラクターを書いたのか……そういうわけじゃなくて、骨のガイコツを?

(板垣恵介)書いて。でもガイコツって言ってもね、顔があるよね? これは子供でも書けるとして、胴体が難しい。だから胴体は魚の骨のようにして。

(塙宣之)それが2歳ぐらい?

(板垣恵介)3歳かな?

(塙宣之)天才じゃないですか?

(板垣恵介)うん(笑)。

(塙宣之)もしかして先生、別班ですか!?

(土屋伸之)実際に自衛隊にいたしね(笑)。

(板垣恵介)すごい上手かったの。だけど、体を鍛えたかった。強くなりたかったのよ。

(塙宣之)それはなぜ、強くなりたかったんですか?

(板垣恵介)なんかね、俺が育った釧路っていうのは治安が悪かったのよ。多くの名ボクサーとかってさ、治安の悪いところの生まれじゃない? 俺のところもおっかないところだったのよ。

(土屋伸之)喧嘩とかもじゃあ、あったんですか?

(板垣恵介)もう、すごいよ。だから今、街に出ても喧嘩を見ないっていうのが不思議なぐらい、そのぐらいそこら中で。もう、ガラが悪い。釧路は漁獲高でずっと日本一だったから、漁師は多いでしょう? それとでっかい炭鉱があって、炭鉱夫がいて。それで、アウトローの暴力団の人たちがいて。で、一般の人なんてね、普通は暴力団に手を出さないじゃない? だけど漁師とね、炭鉱夫っていうのは平気で手を出していくのよ。

(土屋伸之)すごい話だ……。

(塙宣之)じゃあ、もう体験としてそれがあって。やっぱり力つけないとやっていけない社会だったから。

(板垣恵介)学校ももう、必ず番長がいるみたいなところだったんで。コソコソしてなきゃいけなかったから。

(土屋伸之)でも実際、やっぱりそれが漫画に生かされてるわけですよね。その子供時代に見てきたいろんな喧嘩とかが。

(板垣恵介)だって30年、書いてもまだ全然飽きた感じがないわけで。書き手としてはね、飽きる感じが全然ないんで。

(塙宣之)それで21の時に『成りあがり』を読んで。その後、結構空いて……?

(板垣恵介)24だね。

(塙宣之)24の時に漫画家になる。その時、ご結婚とかはされてたんですか?

(板垣恵介)うん、してる。

(塙宣之)じゃあ、奥様とかは急に「漫画家になりたい」って言ったら?

(板垣恵介)いや、でも俺ね、なにか絵を書くことで暮らしていくんだっていうのは言ってたんだけど。「これ、漫画だよ。漫画が一番儲かってるよ!」っていうことで、それで漫画を……読者としてはずっと読んでいたんで。どういうもんかはわかっていたつもりで始めたんだよね。まあ、わかってないんだけどもね。

(塙宣之)じゃあ、どこか学校というか、塾みたいなところで?

(板垣恵介)5年間、独学でやったけど全然、手も足も出ないで。

(塙宣之)独学でやっていた時期があるんですね。

(土屋伸之)誰かに弟子入するとか、アシスタントをやるとかは?

(板垣恵介)それじゃあ、家族が食えないもん。だから他の仕事をやりながら。トラックの運転手やら、ホテルマンやらいろいろとやって。

(塙宣之)それで、格闘漫画になったんですか?

(板垣恵介)やろうと思っていたのはそうなんだけども。デビューは違ったんだよね。デビューはお化粧の話を書いたのよ。

(塙宣之)お化粧?

(土屋伸之)珍しいですね。その設定は。

(板垣恵介)スーパー化粧師。『メイキャッパー』っていうのを書いて。もう本当、その話はしたくないんだけどね。拙くて拙くて。よくこれで……っていうのを書いて。

(塙宣之)女性がメイクをするっていう話だったんですか?

デビュー作『メイキャッパー』

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(板垣恵介)メイクの天才がいて。美しくないということで不幸になった女性を……まあ男性でもいいんだけども。それをきれいな顔にしちゃうっていう。で、中島みゆきさんの『化粧』っていう曲があって。「今夜だけでもきれいになりたい」っていう。それを涙で聞いたんで。「これを実現するキャラクターを描きたい」って。

(土屋伸之)その1曲に影響を受けて漫画にするって、すごいですね!

(板垣恵介)受信機がいい(笑)。

(土屋伸之)感度がいいんですね(笑)。

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<書き起こしおわり>

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