Mummy-Dと宇多丸『虹色』を語る

Mummy-Dと宇多丸『虹色』を語る アフター6ジャンクション

Mummy-Dさんが2024年1月4日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション2』で自身のソロアルバムからの先行配信曲『虹色』を紹介。宇多丸さんと楽曲制作などについて話していました。

(宇多丸)ということで、まずはソロ展開……私は当然、Dさんがソロの準備をしているのは知っていましたけども。ついに本格発表になりました。初のソロアルバム『Bars of My Life』が3月の……13日? 水曜日の発売が発表されました!

(Mummy-D)もう二転三転してさ。3月13日。やった!

(宇多丸)でもさ、3月9日。予定通りに行けば金沢公演の後に出るわけですから。そういう流れっていうかね。いいんじゃないですかねっていうのがありますけど。

(Mummy-D)いろいろと区切りがついたところで……っていう感じですかね。

(宇多丸)で、そんな中、昨日1月3日にアルバムからの先行シングルとして『虹色』が配信リリースされたという。僕ね、データとか全然入れずに聞いていて。「あれ? このトラック、誰だろう?」って思って。すごいそのサビとかのエモさ……サビでガンッてエモくなったりとか。あとエンディングのエモさとか。トラックがいいなと思って。で、RHYMESTERのトラックとはやっぱり一味違うエモさっていうかさ。

(Mummy-D)そこなんですよね。

(宇多丸)で、「誰?」って聞いたらなんと……。

(Mummy-D)これはね、タケウチカズタケくんです。僕らのMTVアンプラグドからね、バンマスとしてねやってくれていて。

(宇多丸)ブルーノートの時とかね。

タケウチカズタケ作のトラック

(Mummy-D)クマスも見に来てくれているブルーノートとかでもバンマスとしてやってくれているキーボーディストの……まあ、そういう人ですね。

(宇多丸)フハハハハハハハハッ! 「キーボーディストのそういう人」(笑)。まあ、めちゃくちゃ人間くさい男でございまして。

(Mummy-D)そうなの。でもあれでしょう? やっぱりヒップホッププロデューサーっぽくはないでしょう? トラックの作りが。

(宇多丸)そうなんです。やっぱりRHYMESTERのトラックって、基本的にはヒップホップトラックだから、基本はワンループだし。そんなに展開展開しない……キーが変わったりとかもそんなにしない。あるはあるけど。あんまりそこにエモさを凝縮しすぎないようにしてるところもあるじゃない? 『Once Again』ですらワンループだからさ。そう考えると、これは聞いていただきますけど。サビでの広がりとか、エンディングに向けて……で、エンディングでまたサビ師のDさんがまたね。

(Mummy-D)寂しい病におかされた……。

(宇多丸)違います。もう1個のね、さらにエモいサビがもう1回来るとかさ。

(Mummy-D)そうそう。まあ「そうそう」って自分で言うのもあれだけどさ(笑)。

(宇多丸)なんかさ、そのILL-BOSSTINOとの曲を前にここでかけたじゃないですか。それも込みで、なんか俺、Dがソロに行く時にどの方向に……まあ、他の曲は僕、まだ聞いてないからあれだけど。エモさっていうかさ。エモーションをRHYMESTER以上にストレートに炸裂させるというか。結構そういう感じ、あるんですか?

(Mummy-D)俺はめちゃくちゃヒップホップな人なんですけど。同時にすごく音楽好きでもあるから。やっぱりね、音楽好きなところがね、ヒップホップビートに染み出てきちゃうみたいなところがあって。意外と音楽的な瞬間とかが多いと思います。

(宇多丸)ああ、今回のアルバム全体が?

(Mummy-D)アルバム全体が。

(宇多丸)あともちろんね、テクニック全開みたいな曲もあるとは思うんだけど。その、ストレートにメッセージを……RHYMESTERだって最近はどんどんストレートになってますけど。やっぱり俺みたいな雑味がいると、なかなか出し切れないような……。

(Mummy-D)「雑味」って昔から言うよね(笑)。

(宇多丸)でもDさんの本当の内面の感情……なんていうの? やっぱりRHYMESTERそこで「調整」が行われるじゃない? RHYMESTER作品としての。でも、それを直で出すみたいなさ。その違いってやっぱりあったりするの?

(Mummy-D)そうだね。今回は、これはアルバムが出た時にまた来させていただいて……という話でもあるんだけど(笑)。

(宇多丸)もちろん。ニヤニヤしないでいいですよ(笑)。

めちゃくちゃ私的なアルバム

(Mummy-D)だから、あれよ。もう、めちゃくちゃ私的というか。プライベートというかね。ウタさんと一緒に作詞をするわけじゃないから。ここぞとばかりにさ、もう自分の生い立ちみたいな話とかもしてるし。めちゃくちゃだから今回はね、なんていうか、もう今までの53年間の膿を出し切るみたいなね。自分のヒップホップ人生に落とし前をつけるみたいな。ちょっと、まあ軽くはないよ。だから。

(宇多丸)『Bars of My Life』だもんね。「自分の人生の小節たち」ということですからね。で、今回『虹色』をこれから聞くんだけど。でもさ、これは実はすごい大きいテーマでもあるじゃないですか。個人の気持ちの発露でもあるけど。まあ、言っちゃえばどんな形のあなたであっても、どんな形の自分であっても、それを寿ぐというか。受け入れようっていうか。みたいな話じゃない?

(Mummy-D)そうだよ。

(宇多丸)これを歌おうと思ったのは、なぜでしょう?

(Mummy-D)あのね、「みんないろんな多様性があっていい」みたいなのは、別にRHYMESTERでも常に歌ってる話で。別に俺だけが持っている考えじゃないんだけど。でも、それを自分1人で表現するとどうなるか?っていう部分と。あとはね、トラックから……これはトラックありきだったの。トラックから想起された部分と、あとはこの制作期間が長かったから。もう6年もやっちゃってさ。もうブラッシュアップ病にかかっちゃって。その間に子供の成長を見ていたりとか。あとは、この1番ではね、ルッキズムに関して歌ってるのね。で、2番ではLGBTQを含め、そういうジェンダーの話をちょろっとしてるんだけど。でも別に俺としては「ルッキズムの歌を作りました」とか「ジェンダーの歌を作りました」とかじゃなくて。なんかもっと、コロナの間とかにずっと感じたことや、子供の成長とかを見ながら感じたことをぼんやりとまとめたみたいな感じなのよ。

(宇多丸)やっぱりRHYMESTERで作る時に難しいのはさ、その「ぼんやり」っていうのはさ、それはポジティブなんだけど。要は、すり合わせが必要だしさ。コンセプトも詰めるしさ。そのニュアンスをニュアンスのまま出すみたいなのって、きっとソロならではでできることじゃない? そういうことかな?っていう気がするんだけどもね。なんてことをメンバー間で話たりするのも、この曲の話をするのも今日が初めてなんだけどさ。

(Mummy-D)ねえ。ウタさんにはなんにも聞かせてないから。

(宇多丸)あのね、スタジオで漏れ聞こえちゃったやつを「えっ、かっこいいじゃん!」みたいなことは言ったけど。あえて聞かずにここまで来てるんで。ということで、1月3日に配信されたこの曲。Dさんからぜひ曲紹介をお願いします。

(Mummy-D)ちょっとね、歌詞をよく聞いてください。それでほっこりしてくれたら嬉しいかな。Mummy-Dで『虹色』です。

Mummy-D『虹色』

(宇多丸)はい。Mummy-Dさんで『虹色』を聞いていただきました。よいしょー!(笑)。

(Mummy-D)イェイ、イェイーッ!(笑)。

(宇多丸)あのさ、ストリングスとかも生で入れてってことだもんね。豪華なサウンドになっているし。でも、あの大胆な抜きのところとかさ。あれはやっぱり……。

(Mummy-D)そこがヒップホップ。

(宇多丸)Mummy-Dテイストもちゃんと入ってっていうことで。もう見事な1曲じゃないでしょうかね。(スタジオ観覧のリスナー)後藤くん、どう? 後藤くん。いい? よかった? ああ、ありがとうございます(笑)。

(Mummy-D)「OK」って(笑)。

(宇多丸)ということでDさん、アルバムリリースタイミングでももちろん改めて。

(Mummy-D)ぜひお願いします。

(宇多丸)あとはこの番組も先にまたカットとかするんだったら、配信もね、させていただきたいし。

(Mummy-D)一番いいところを聞いてくれるから。お願いよ?

(宇多丸)本当はね、古川さんにもインタビューとかしてほしいですけどね。

(Mummy-D)してください(笑)。

(宇多丸)ということで、今日は短い時間でございましたが、ソロ展開本格開始でございます。RHYMESTERからMummy-Dさんでした。ありがとうございました!

(Mummy-D)ありがとうございました!

<書き起こしおわり>

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