星野源 2023年紅白歌合戦 寺尾聰・福山雅治・北川悠仁との『蛍の光』を語る

星野源 2023年紅白歌合戦 寺尾聰・福山雅治・北川悠仁との『蛍の光』を語る 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2024年1月2日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で2023年大晦日の紅白歌合戦の模様を振り返り。『蛍の光』を歌う際に寺尾聰さん、福山雅治さん、北川悠仁さんとわちゃわちゃしながら歌っていた際の話をしていました。

(星野源)紅白歌合戦の話、感想もたくさんいただいてます。なので、紅白のお話をしたいと思います。私、昨年の31日、第74回NHK紅白歌合戦出場しました。ありがとうございます! 『生命体』という曲を歌わせていただきました。9回目。ありがたいですね。9年連続、9回目。本当にありがとうございます。出させていただきました。楽しかったです。

感想メールをいただいております。23歳の方。「紅白歌合戦、家族みんなで集まってテレビを見ました。私は家族が大好きです。しかし、私の家庭は両親の仲がとても悪く、常日頃、父と母は全くコミュニケーションをとらず、罵り合いをしているような状況です。そのような家庭環境が私は嫌で、窮屈で、逃げるように一人暮らしを始め、大好きな音楽やアニメに没頭して毎日を過ごしています。そのような状況でも、大晦日は私も実家に帰省し、なぜか家族全員でテレビの前に集まります。紅白が始まってからも、両親はいろいろなことをワイワイと言い合いながら(少し不快に感じることもありましたが)見ていました。

しかし、星野さんの演奏が始まると、家族全員で何も言わずにじっとテレビを食い入るように見ていました。そして演奏が終わると父が一言、ポツリと『すごいな』とだけ言って部屋を去っていきました。不器用でコミュニケーションを取ることが難しく、喧嘩ばかりの家庭でも、同じ音楽で感情を共有できたのではないかと思い、言葉にできないくらい嬉しかったです。星野さんの演奏が日々、私の生きる理由になっています。パワフルで素敵な音楽をありがとうございます」という。

いやー、ありがとうございます。こちらこそ、ありがとうございます。なんかさ、紅白歌合戦って、すごいね。そうなんだよね。なんか、こういう場を作るよね。うん。なんかやっぱり今、いろんな環境で1人で見れたり……スマホもあるし。NHKプラスもあるしさ。やっぱり1人で見たりとかも全然できるわけじゃん? でも、やっぱりなんとなく集まれるような場所にいる人は、なんとなく集まって見るみたいなさ。なんか、そんな番組だよね。で、僕は中学とか高校とかの時は、それが苦手でした。家族で見るのが。

本当にキラキラした場所をテレビでやっていて、つらかったの。すごい見てるだけでつらくて。なぜかというと、これは主に僕がなんですけど。自分が何者でもなさすぎて。将来の不安とかがありすぎて。特にさ、学校に行けなくなった時とか。高校に行かなかった時期があるんですけども。その時期とか、やっぱりさ、年越しの紅白なんて、本当につらいわけ。輝きすぎていて。で、ヒット曲がガンガン流れてさ、どんどんキラキラしてるし。なんかもう本当につらくてつらくてしょうがなかったんだけど。

でもなんか歳を取って、それこそ自分が出る側に……ありがたいことにね。本当に奇跡だと思うんすけど。奇跡のように。本当に、作家の寺ちゃんもそうだけど。出る前からさ、お仕事を一緒にしてるじゃない? で、紅白に出ることになる前までさ、寺ちゃんは「星野さんは絶対に出る人だ」っていう風には言ってたけど。紅白マニアの寺ちゃんだけは言ってたけど。俺は1ミリも思ってなくて。でも、本当にそうなってからの感想をいただいて。それこそ「家族で一緒に見ることができました」とか、それこそ「普段全く話さない家族と一緒に見たのが思い出になりました」みたいな話を聞いて「ああ、なるほどな」みたいな。そういうお話を聞く時に「ありがたいな。ありがたい場所だな」っていう。あと、今年は本格的にコロナの規制がね撤廃されてからの初めての紅白だったじゃない? だから幕が開けてさ、客席を見てさ。パーン!って、華やかじゃない? 俺、そこが一番、泣きそうなっちゃってさ。「すごい華やかだな!」って思って。

いや、俺、その壇上にいるじゃん? いるんだけど、なんかあの時のさ、家族で3人で一番後ろで、すごい引いた場所で見ている自分となんか、すごい重なっちゃって。なんか、「華やかなことができるって、すごい幸せなんだな」と思ったの。華やかなことができて、華やかなことを楽しめる人たちがいて。やっぱり客席が本当にみんな、笑顔じゃん? で、テレビを見ている人は客席って、あんまり見えないじゃん? でも、出ている人は見えるんだよ。それでみんな、めっちゃ笑顔なの。本当に嬉しそうなんだよね。それでね、泣きそうになるんですよ。だからなんかそれを「ああ!」って思いながら見れたのはすごく嬉しかったなと思います。

そんな感じでですね、たくさんメールをいただきました。熊本県の方。「紅白、お疲れ様でした。『ルビーの指環』で16年ぶり3度目の出場された寺尾聰さんが放送後のインタビューで『昔、僕のドラマに出た時は新人俳優さんと思っていたけど、あっという間にスターになった』と源さんのお話をされていました。昔のドラマのお話もされたのでしょうか? 教えてください」。ありがとうございます。そして、もう一通。「私は現在、21歳の栄養士です。中学生の頃から源さんのファンなのですが、今回初めてお便りを送りました。紅白歌合戦、テレビで見ていたんですが、結果発表の際、福山雅治さん、星野源さん、寺尾聰さん、北川悠仁さん、大泉洋さんとなんだかわちゃわちゃしてるように見えたんですが、その時のお話を聞けたら聞きたいです」(笑)。

いやー、聞いてよ! もうさ、俺はこの話ししたくてしょうがなかったのよ! もう。壇上にいる時から。それでエンディングでね、福山さんとMISIAさんの大トリを聞いてる時に、もう袖というか、ほぼ客席の前みたいなところがあって。ちょっと前まで審査員席があったところ。花道ね。で、今は審査員席が昔に戻って、一番前のね、客席のところになったんだけど。舞台面というか。で、そこに並んでスタンバイしてるんですよ。そこで最後のMISIAさんの曲紹介を有吉さんとかがする、そのちょうど後ろだったんです。僕。たまたま。で、僕の左隣が寺尾聰さんで、そのさらに隣が北川悠仁さんだったんです。

で、北川さんとはいつも割と並び順がすごく近くて、紅白のたびにお話をさせていただくんですけど。で、話をしていたんですけど。もう曲も鳴っているし、客席も暗いのでただただ歩いていくんですよ。スタンバって。で、立ってしばらくしたら「ああ、寺尾聰さんが横にいるな。黒柳さんとの時間、すごく面白かったし。歌もよかったな」って思いながら前を見ていたら、寺尾聰さんが僕のちょい前だったんですよ。なので、すっごい反って。背中をすごい反って、音楽が鳴っているから僕の耳に「君の音楽は面白いね」って。「ええっ? 本当ですか。ありがとうございます!」「音楽もお芝居も続けなきゃダメだよ」って言われて「ああ、ありがとうございます!」って。

「音楽もお芝居も続けなきゃダメだよ」(寺尾聰)

(星野源)僕はすごい前に『優しい時間』っていうドラマで共演させてもらって。で、覚えていると思ってなくて。「もしかして、覚えてくださってるんですか?」って言ったら「もちろんだよ」って言ってくれて。「うわっ、嬉しい!」と思って。そしたら、その僕の腕をグーン!って、なんていうか、腕を組むみたいな。で、隣の北川さんの腕もグーン!って組んで(笑)。「ええっ?」とか言いながら。で、ちょっとなんか、それは聞こえなかったんだけども。「◯◯が※※なんだよ」って言っていて。でも、音楽も鳴っているから聞こえなくて。なんか、寂しいのかな? くっついていたいのかな?って思って。全然もう、支えますっていう気持ちで腕を組み、右手を添え。それで、有吉さんが話してる時に、モニターが目の前にあるのよ。で、僕がたまたま抜かれる位置にいたの。そしたら、僕が抜かれるたびにさ、俺の腕を揺らすのよ(笑)。寺尾さんが俺を揺らすのよ。「寺尾さん、ちょっとやめてください……ちょっと、揺れちゃっているんで」っつって(笑)。

ちょっと……いたずらっ子すぎるでしょう!(笑)。そう。でもそれで、なんて面白い人なんだっていうか、気さくな人なんだろうと思って。僕、ドラマでご一緒できた時にはあんまりお話はできなかったし。イメージとしてやっぱり、すごく真剣な方だっていうイメージがあったんですよね。あと、厳しい方だったりするんだろうな、みたいな感じで。単に勝手に予想してたんですけど。そしたらめちゃくちゃおちゃめで。で、その花道でのところも終わって。もう最後の『蛍の光』を歌う時にも、ずっと腕を組んだり。あと、最終的にね、『蛍の光』を歌ってる時に北川さんが寺尾さんの肩を組んでるみたいな感じになってると思うんですけども。あれは北川が組んでるんじゃなくて、あれは寺尾さんの一本背負いの途中なんです(笑)。

あれは、寺尾さんがグググッと手を回して、一本背負いの途中みたいな感じにして「俺の肩を抱け!」って言っていて。そしたら、僕の前ですよ? 隣じゃなくて、前の福山さんが僕のところをグーン!って(笑)。首をグーン!ってやって(笑)。そう。だから、あれはわちゃわちゃしてたっていうか、なんていうか。もう、すごい時間でした。あれは。もう、「うわー!」みたいな(笑)。いや、本当になんていうんですかね? 先輩、優しいなと思いました。

寺尾聰&北川悠仁・福山雅治&星野源『蛍の光』

なんていうか、僕は後ろに下がろうと思って。なんていうか、前の方が抜かれるじゃないですか。で、前に出ようとは、したくないじゃないですか。やっぱり。あと、やっぱり前の人が目立ってほしいと思って。でも、それを気づくか気づかないかはわかんないですけど。前に出そうっていう感じを感じて。だからすごく嬉しかったですし、楽しかったし。もう『蛍の光』を歌いながらも「これ、絶対にラジオで言う!」って思って(笑)。「もう、これはラジオで言いたい!」みたいな。まさにラジオエピソードみたいな。そんな感じでしたね。

あと、『生命体』をすごく高い場所で……あれ、47階とかだったかな? 47、8階ぐらい。屋上でね、歌わせてもらって。僕、前も『Same Thing』の時にも屋上で、めっちゃ寒かったんですけど。でもなんか今年、大晦日はあったかくなるみたいな話、あったじゃないですか。だから、ちょっと期待してたんですよ。でも、いわゆる地上近くは割とあたたかかったと思うんすけど、やっぱり47階ともなるとめっちゃ寒くて(笑)。もう、しょうがないと思いながらね、やらせていただきましたけども。すごいストリングスアレンジを加えて、ちょっと特別バージョンという形でやらせていただきました。

久しぶりに美央さんとね……僕のストリングスをいつもやってもらっていた美央さんと久しぶりに仕事をして。非常に楽しかったですし、演奏もめちゃくちゃ気合いがみんな、入ってましたし。僕もめっちゃ気合が入っていたんですけど。すごく楽しくやれて、本当によかったなと思います。NHKプラスでまだ見れるみたいなんで。ぜひ見てください。あとYouTubeでちょっとだけね、見れたりするので。ぜひ『生命体』、見てください。

<書き起こしおわり>

星野源 YOASOBIとの紅白後の年越しジャンプを語る
星野源さんが2024年1月2日放送のニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン』の中で紅白歌合戦終了後にYOASOBIのayaseさん、ikuraさんと一緒に年越しのジャンプをしたことについて話していました。
タイトルとURLをコピーしました