安住紳一郎 福島の方言「だから」を語る

安住紳一郎 14年前に秋田のボウリング場で出会った女性に再会した話 安住紳一郎の日曜天国

安住紳一郎さんが2023年12月10日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中でリスナーから送られてきた福島の同意をする時に使う方言「だから」についてのメールを紹介していました。

(安住紳一郎)福島県の20代、女性の方。ありがとうございます。

(中澤有美子)ありがとうございます。

(安住紳一郎)「いまだに慣れないことは、福島県のある方言です。私は6年前、就職を機に静岡から福島にやってきました。初めは福島の独特のイントネーションに戸惑いましたが、半年ほどで気にならなくなり、今では実家の母親に『今、なんか福島の言葉』と言われるくらいです。あたたかい感じがして、気に入っています。ですが、いまだに難しいのは共感する時に使うん『だから』です。福島では標準語の『それね』の感覚で『だから』と言うのです。『今年は雪、多くないといいですね』『だから』『今週、頑張ったから花金にしたいな』『だから』『さっきから電話かけてくるクレーマー、何言ってるかわかんないよね』『だから』。世間話の中で突然、オチを求められている気がして、毎回焦ります。早く慣れて、福島の皆さんに認められたいです」という。そう。知らなかった。聞いたことない。

(中澤有美子)知らなかったですね。便利な同意表現なんだ。

同意表現としての「だから」

(安住紳一郎)「そうだね」とか「そうですね」っていうことなのかな? その時に「だから」って言うのかな? ちょっと、何となくニュアンスがわからないけど。どう発音していいのか。でも、普通の感覚で言うとね、「だから」って言われると「えっ、その真意は何?」みたいな。聴き直されているという。

(中澤有美子)そうですね。あとになにか続く感じがしちゃう。

(安住紳一郎)そうね。たしかにね。へー。知らなかった。ちょっと、本物を聞いてみたくなりますね。

(中澤有美子)聞いてみたい。そうですね。

(安住紳一郎)私は北国出身なんですけど。ゴミを捨てることを「ゴミ、投げる」って言う地方に育ったんですよね。それがなかなか取れなくて。いまだにゴミを捨てることを「ゴミ投げる」って言うんですよね。

(中澤有美子)そうですか。

(安住紳一郎)それがちょっとなんか、「また出してしまった」っていう感じがあるよね。だからなんか、ゴミを捨てる時もなんとなくオーバースローで捨ててみたりして。「ああ、結構ゴミを遠くから投げてらっしゃる」みたいな感じを入れてごまかすってこと、ありますよ。

(中澤有美子)後から。

(安住紳一郎)後からね、それを、ジェスチャーを入れてね。「投げるなんだよ」「ああ、そうか」みたいなね。私、学生の頃にファミリーレストランでアルバイトしてましてね。それで、お皿が少し欠けちゃったのかな? たしか。私がアルバイトして1年半ぐらい経った時に、新しく入ってきた新入りの人がレストラン業務のことについて私にいろいろ質問をしてくるんですよね。で、「頼られて嬉しいな」っていう気持ちもあったんで、いろいろ丁寧に教えてたんですけど。「安住さん、このお皿、すでにここが欠けているんですけども。これはもう、お客様に出せないお皿ですよね?」なんていう話をして。「ああ、素晴らしいところに気づいた!」なんてね。少しでも欠けているとダメだから。

「ああ、それはもう使えないね。もう投げちゃった方がいいね」って言ったんですよね。そしたら新入りのアルバイトの子がやっぱりね、「これ、投げちゃうんですか! そういうしきたりがこのレストランにあるんだ!」みたいな。そういうことになるよね? 事もなげに言っちゃったから。

(中澤有美子)ああ、そうかそうか。ちょっとでも欠けたら、もうバリンと?(笑)。

アルバイトの後輩に「ゴミ、投げて」

(安住紳一郎)「投げるんだ!」っていう。なんか納得のいかない、気性の荒い陶芸家作家みたいな感じだよ。「違うんだ!」みたいな。はっきりと傷をつけるみたいな。「ああ、そうか。周りの人が混乱しないように、きっちりと投げ割るんだ!」みたいな風にきっと、思ったでしょうね。

(中澤有美子)そうでしょうね(笑)。

(安住紳一郎)で、彼はだからちょっとでも欠けたお皿があると、下にバーン!って投げ割りそうな勢いでした。まあ、投げ割ってはいないんですけどね。「安住さん、これ投げるんですか?」って言われたから、「そう。もう投げちゃって。使い物にならないから」「ええっ?」なんて。

(中澤有美子)「ええと、どこでやろう?」って(笑)。

(安住紳一郎)「どこでやろう?」みたいな。その時に、ふと気づいたよね。我に返ってね。「ああ、違う。『捨てる』っていう意味なんだよね。うちの田舎ではそういう風に言うんだよ」なんて言ってね。そんな思い出があります。

(中澤有美子)そうですかー。

(安住紳一郎)それぞれありますよね。皆さんのね。方言は宝ですよ。本当に。

(中澤有美子)そうです。ええ。

(中略)

(安住紳一郎)今日は「いまだに慣れないこと」でお便りをいただいております。この方は生まれも育ちもいわき市という方です。「先ほどの福島の方言『だから』についてお話があったので補足します。性格には『だから』の前に小さい「ん」、後には小さい「あ」をつけて『んだからぁ』と『だ』にアクセントをつけて話します。『だ』の発音が強ければ強いほど、大いなる同意を意味します」ということです。

さらにはこちらの方。「宮城でも使います。宮城は『んだがら』です」という。「が」と濁るんですね。「んだがら」ですって。「だ」のところが強ければ強いほど強い同意になるという。「んだからぁ」っていうことかな? たしかに。「そうだよねー」っていう。

(中澤有美子)ねえ。なんか肯定してもらった感じ、ありますね。

<書き起こしおわり>

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