石山蓮華とでか美ちゃん『バレリーナ』と『私はモーリーン・カーニー』を語る

町山智浩 Netflix『バレリーナ』を語る こねくと

石山蓮華さんとでか美ちゃんさんが2023年10月24日放送のTBSラジオ『こねくと』の中で映画『バレリーナ』と『私はモーリーン・カーニー』について話していました。

(石山蓮華)先週は『バレリーナ』と『私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?』の2本をご紹介いただきまして。ありがとうございました。で、私もでか美ちゃんも見て。

(でか美ちゃん)両方、見ましたね。

(町山智浩)ああ、両方? すごいですね。

(石山蓮華)も『モーリーン・カーニー』の方は試写状をいただいて。

(でか美ちゃん)そうなんですよ。

(石山蓮華)試写で拝見しました。

(でか美ちゃん)なんか、終わった後に「これが実話をもとにした物語なんだ」という重みがちょっとね、あまりにも……。

(石山蓮華)『モーリーン・カーニー』の方は。

(町山智浩)『バレリーナ』もね、実話がちょっと元になっているんですよ。 n番部屋事件というやつですね。ただ、本当の話と違って復讐の女神がやってきて、『バレリーナ』の方は悪いやつを全部皆殺しにしちゃいますけども。

(石山蓮華)やっぱり強い女見られると嬉しいなと思って。この2本とも、どちらもすごく強い女性が出てきますけれども。また、そのフィジカルで強い人と、芯が強い人と、また別の強さがあって、どちらも良かったですね。

どちらも「強い女性」

(でか美ちゃん)あと、やっぱり『モーリーン・カーニー』の方はモーリーン・カーニーの家族がすごく支えていたというのがよかったなとは思ったんですけど。なんか、ねえ。いろんな……映画になっているのがこの件なだけで、世の中にはこんなことが、いろんなところであるんだろうなと思うと、すごく虚しい気持ちにもなったりしましたね。

(町山智浩)あれ、すごく怖いのはあの事件はアレバっていうフランスの半官半民の原発会社が中国に密かに原発の技術を売り払っちゃおうとしていて。それをモーリーン・カーニーという労組の人が暴こうとすると口封じのためにレイプをされてしまう。そこでちょっと怖いのは、そのアレバっていう会社の社長がいきなり死んじゃうんですよね。

(石山蓮華)ねえ。急に。びっくりしましたね。

(町山智浩)しかもそれを、中国に売り払うっていうのを内部告発してくれたフランスの電力公社の社員がいるんですけども。その人がまた、突然死んじゃうんですよね。

(石山蓮華)あれもぞっとしましたよね。

(町山智浩)「怖い!」って思って。なんらかの、そういうことをするプロがいるわけですよ。あれ、現代の話ですよ。というか、数年前の話なんですよ。あれって。

(でか美ちゃん)それが恐ろしかったです。順番的に私、『モーリーン・カーニー』を見て、その後に『バレリーナ』を連続して見たんですけど。なんか、その『モーリーン・カーニー』で感じたものを消すというわけではないんですけども。『バレリーナ』がやっぱりすごい爽快な物語なんで。

(町山智浩)全部忘れさせてくれるから(笑)。

(でか美ちゃん)そう(笑)。すっきりはしました。片っ端から復讐をしてくれるんで。すっきりはしましたね。

(町山智浩)『バレリーナ』はでも、画面がすごく美しかったでしょう?

(でか美ちゃん)すごく美しかったです。

(石山蓮華)たとえばあの『ベイビーわるきゅーれ』とか『ガンパウダー・ミルクシェイク』とか、いろいろな映画の「ああ、ここはきっとこれをオマージュにしているんだろうな」っていうようなシーンがたくさんあって。そこもよかったですね。

(町山智浩)タランティーノにかなり影響を受けていて。タランティーノ映画に必ず出てくるショットっていうのがあるんですよ。西部劇以外のやつには大抵、出てくるんですけど。車のトランクの中にカメラマンが入っていて。「トランクを開けると……」っていう、そのショットが出てきたでしょう? あれを撮る人は、タランティーノマニアなんですけど。

(でか美ちゃん)ああ、そうなんだ!

(町山智浩)でね、火炎放射器っていうのも、タランティーノがやったんですよ。

(でか美ちゃん)ああ、そうか。結構最後の方でね、要となってくる火炎放射器。

タランティーノマニアが作る美しい映画

(町山智浩)だからすごくタランティーノマニアではあるんですけど。画面の美しさはもう本当、今年公開された映画の中でトップクラスですよ。『バレリーナ』は。

(石山蓮華)なんかセットの作りも素晴らしかったですね。

(町山智浩)セットがすごかった! あの友達のバレリーナのアパートの部屋とかね。

(でか美ちゃん)ねえ。すごい良かったですよね。

(町山智浩)あと敵の基地がなぜかね、馬の演習場で。それの撮り方もすごくてね。あと、主人公の殺し屋なのかな? 全然わからないんですけど。プロフェッショナルが武器を買おうとすると、売りに来たのがただのおじちゃんとおばあちゃんで、ポンコツの武器しか売ってくれないっていうところもすごいおかしかったですね(笑)。

(でか美ちゃん)なんか監督さんがまだお若いから、これからどんな作品が出るのか、楽しみだなと思いました。

(町山智浩)この監督、写真を見てくれたと思うんですけども。イ・チュンヒョンさんね。とにかく見た目がよすぎるっていう。

(でか美ちゃん)監督自身も美しいというのが面白かった。

(町山智浩)「K-POPのアイドルだ」って言われても全然わからないぐらいで。韓国でも「あなたは監督をやるよりも、出た方がいいんじゃないですか?」とか言われたりしているんですよ。そしたら「僕は性格的に『こうして撮った方がいい』とか、そういうアイディアが出ちゃうから。性格的に向いてないから監督やります」って言ってましたね。

(石山蓮華)なるほどね。『バレリーナ』はNetflixで配信中なので、まだの方はぜひご覧ください。

<書き起こしおわり>

町山智浩 Netflix『バレリーナ』を語る
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