鳥嶋和彦さんが2023年9月25日放送のJ-WAVE『ゆう坊&マシリトのKosoKoso放送局』で声優の野沢雅子さん、東映アニメーションの森下孝三さんを迎えてアニメ『ドラゴンボール』についてトーク。『ドラゴンボールZ』とタイトルを変更してリニューアルした理由について話していました。
(Naz Chris)鳥嶋さん、今日はどういう話をしていくという?
(鳥嶋和彦)やっぱり『ドラゴンボール』がなぜここまで……日本だけじゃなく、世界中で支持されてるか?っていうのは当然、漫画の力もありますけど。やっぱり何といってもアニメーションの力が大きい。で、このアニメーションをずっと支えてくれた恩人。僕からすると「3人の天使」って呼んでいるんですけども。野沢雅子さんと、それから演出・監督の森下孝三さんと今日は実は都合でいらっしゃられなかった脚本の小山高生さん。この3人が特にね、僕にとっては本当の恩人なんで。この3人をお呼びして……今日、小山さんはいらっしゃらないんで。野沢さんと森下さんと『ドラゴンボール』のアニメの話をいろいろしようかなという意図です。
(Naz Chris)野沢雅子さんはもちろん、国民的ないろいろなキャラクターの命の吹き込み主として皆さん、知っていると思うんですけど。森下さんをぜひ、鳥嶋さんからご紹介していただけないかなと。
(鳥嶋和彦)森下さんはなんでここにいらっしゃるのかというと……実は、いきなり嫌な話になるんですが。僕は途中で「『ドラゴンボール』のアニメーションのアクションが今ひとつだな」って思い始めて。というのは、原作の『ドラゴンボール』もだんだん人気が下がっていく中で、悟空をもう1回クローズアップして。「悟空は強くなりたいキャラクターだ」っていうことで、悟空の戦いを中心にして人気を上げていったんですね。で、特にその中で一段、戦いのレベルを上げるためにピッコロっていう、本当に悪い奴が出てきて。それとの戦いを始めたんですけど。そこのところのアニメーションが、実は僕が思ったように描かれていなかった。ここにあるんですけどね。
(Naz Chris)ああ、ドラゴンボールのコミックスが。オリジナルの方のコミックスですね。ピッコロ大魔王を……。
(鳥嶋和彦)そう。撃ち抜くシーンがあるんですよ。
(Naz Chris)ピッコロの体の中心を悟空が突き抜けるという。
悟空がピッコロを倒すシーンがアニメでは思ったように描かれなかった
DRAGON BALL 名場面
・孫悟空がピッコロ大魔王を倒す場面
ピッコロに追い詰められ絶対絶命の悟空の最後の力を賭けた一撃。「オラの全てをこの拳にかける!!!!」と言い、放った一撃は読んでいるこちらも鳥肌がたった。 pic.twitter.com/ziclSY6ups— りんちゃん~孤高のガンマン~ (@pikkoro165) March 15, 2014
(鳥嶋和彦)これが、原作でものすごく大事なシーンだったんですよ。死闘の末、悟空がピッコロを撃ち抜くんでね。で、ここのシーンがアニメーションではいともあっさり描かれてしまっていて。それが僕が思うイメージと大幅にずれていて。これを見た時にね、「このままでは『ドラゴンボール』の戦いをアニメーションにはちゃんと描いてもらえない」と。なので、演出・監督・脚本を違うスタッフにやってもらいたいなと思って。
それでアニメーションに詳しい大徳くんっていうね、僕の仕事仲間に相談をしたら「鳥嶋さん、今だったら『聖闘士星矢』のアニメーションを作っているところにすごく優秀なスタッフがいますよ」って。それですぐ、プロデューサーのハタノさんのところに行って、「監督・演出、それから脚本家の方(森下さんと小山さん)を紹介してください」って言って、紹介してもらって。で、お会いして仕事をお願いしたところから、付き合いが始まって。
(野沢雅子)ああ、そうなんですか。
(鳥嶋和彦)で、ちょうどそれが悟空が大きくなって出てくるちょっと手前ぐらいのところから、森下さんたちに入ってもらって。それで、そこでフジテレビのプロデューサー。今もフジテレビにいらっしゃる清水賢治さんが「中身を一新して変えるんなら、タイトルも変えましょう。そうすると、宣伝予算を使えるから。『新番組』ということでもう1回、再スタートしましょう」っていうアイデアになって。で、森下さんとか小山さんとか僕とかが「タイトルをどうするか?」っていうことでいろいろ相談したんだけど、いいアイディアが出なくて。で、野沢さんの声優指名と一緒で「原作者に一任しよう」っていうことになって。で、鳥山さんから出てきたアイディアが『ドラゴンボールZ』だったんですよ。
(Naz Chris)ええっ、知らなかった!
(森下孝三)そうだよね。
「Z」の意味
(鳥嶋和彦)で、「『Z』の意味はどういう意味?」って言ったら「いや、鳥嶋さん。アルファベットのZの後はないでしょう? ということは、この後はもうありませんよ。これ以上のものはないですよってことです」って。「これはもう、このタイトルで決まりだね」ということで。『Z』編は監督・演出は森下さんなんです。だからここにいらっしゃるの。本当に森下さん、ありがとうございました。
(森下孝三)いえいえ。そのおかげでこの歳まで東映アニメーションにいられて。
(野沢雅子)そんなことないですよ。
(森下孝三)以前は鳥嶋さん、東映アニメの定年が60だったのね。で、『ドラゴンボール』のアニメが終わったのが47ぐらいかな? 「あと13年、どうしようかな?」って思ってね。「えっ、『ドラゴンボール』、終わっちゃうの?」みたいな。大変だったけども、鳥嶋さんのおかげで今日、75まで働いてますよ(笑)。
(鳥嶋和彦)何を隠そう、東映アニメーションの会長ですからね(笑)。登りつめたんですからね(笑)。
(野沢雅子)そうですよ! すごいですよね。私、「森ちゃん、森ちゃん」って呼んでいて。とんでもないんですよ。会長さんなのに「森ちゃん」って。でももう、新人の時からずっとじゃないですか。だから、こう上がっていくのも見てるわけじゃないですか。すごいんだなって。私たちなんて、声優ってそんな、上がるなんてないじゃないですか(笑)。
TOKYO M.A.A.D SPIN | J-WAVE | 2023/09/25/月 27:00-29:00 https://t.co/Q7V2M54hSd #radiko
ゲスト:鳥嶋和彦 (Dr.マシリト) / 野沢雅子 (声優) / 森下孝三 (東映アニメーション株式会社 代表取締役会長)
神回。#ドラゴンボール #野沢雅子 #鳥嶋和彦 pic.twitter.com/YBirSDtAXY
— Elisa ³⁹ (@Eli_bebe_dbz1) September 25, 2023
<書き起こしおわり>