ピエール瀧さんが2023年8月9日配信のTBSラジオ『大吉ポッドキャスト いったん、ここにいます!』の中で今後のラジオについて、話していました。
(博多大吉)で、どうですか? 今のこのNetflixを中心とした、テレビ局ではない現場が今、ドラマを作る時代になりましたけど。それこそ『サンクチュアリ』とか、とんでもないセットを組んでとか、聞きましたよ?
(ピエール瀧)そうだね。別にテレビのドラマが何がいけないってわけではないとは思いますけど。やっぱり、いろんな人の思いが乗っかってるんだよね。テレビって、パブリックな場だから。それこそ、物を作る人たちの思いもあるけれども。そこにお金を出す人たちの思いもあったりもするし。
(博多大吉)はいはい。スポンサーありきですもんね。
(ピエール瀧)で、そこに出るその俳優さんというか、そういう人たちの思いもあるだろうし……っていうようなことがあるから。なんか全部を一括でやれるようなものってやっぱり少ないと思うんですよね。そのテレビとか、そういうものって。で、それじゃないところでやれて、しかもある程度のクオリティーの現場が用意されてるっていうところは、やっぱり物を作りたい人にしてみたら作りやすいでしょうし。その代わりね、評価は厳しいと思いますけど。
(博多大吉)結果が出なかったら、もう次はないっていう。
(ピエール瀧)ということもやっぱりあるでしょうし。そういう意味では、物を作って評価をしてもらえるっていう意味ではフェアなのかもしれないなっていう気はしますよね。やっぱり。で、テレビだったらね、どうなんだろう? 「視聴率」っていう話はあるのかもしれないですけど。それもどうか、わかんないじゃない? その視聴率がどこまで正しいかどうかもわからなかったりもするから。「いろんな人がやいのやいの言ってこない」っていう意味で、現場としてはやりやすいのかもしれないんですね。
(博多大吉)そういう意味で、フェアに物が作りやすい?
(ピエール瀧)まあ、それで言ったら映画も同じなんだけれども。その映画は映画で、やっぱり予算、お金が限られた中で作らなくちゃいけなかったりもするでしょうから。だからこそ、シェイプされていいっていう考え方もあるでしょうし。あとは、「これだけの中で作らなくちゃいけない」っていうしんどさもあるとは思いますけれどもね。
(博多大吉)ちなみにラジオは今後、どうですかね?
(ピエール瀧)ラジオは、いいんじゃないですか。っていうかラジオは……とはいえね、こういうポッドキャストみたいなやつって自分で、個人で出せるようなものもあったりするだろうし。
(博多大吉)ポッドキャストも何百万チャンネルとあるらしくて。
(ピエール瀧)そうでしょう? それあるし。ライブ配信でやれるみたいなやつとかもあるでしょうから。そういう意味で言うと、ものすごいコンテンツの数が増えちゃうから。そういう意味では大変なのかもしれないですけど。でも、ラジオのいいところってやっぱり聞いてる人としゃべってる人との距離感がやっぱりテレビとは違うじゃない? そういうので、なんか本音を聞いてるような感じがする時もあるし。あと、なんか余計なものが入ってない……わかんない。スポンサーの意向とか。完パケ番組は別だけど(笑)。スポンサーの意向だったりとか、作る側の意向みたいなやつじゃないものもちゃんとをやらないといけないでしょう?
特に、このフリートークでやる場合なんていうのは。そういうので言うと、すごく身近に感じられるだろうし。そこが心地よいっていう風に思ってる人たちはいっぱいいるでしょうからね。だから、すごくたくさんポッドキャストの番組はあるかもしれないですけど、そこになかなかたどり着かなかったりもするだろうし。そういう意味で言うと、局がやっているラジオのものっていうのはある程度のラインからスタートできたりするでしょうからね。そういうところでは、すごくいいのかもしれないなとは思いますけどね。
(博多大吉)この前、どうでしたか? オールナイトニッポンの55周年の時に復活でやられたじゃないですか。どんな感じでした? 気持ち的には。
(ピエール瀧)気持ち的には「またやんのか」っていうか……(笑)。
(博多大吉)「まあまあ、言われたからやるけど」って(笑)。
(ピエール瀧)「言われたからやります」っていう。言われたから、別にやりますよ。「これは嫌だとか」っていうわけでもないし、「面白そうだ」と思ったらもちろんやるし。「うーん」と思ったら「今回はちょっと」っていうのもあるでしょうけど。まあ、55周年であそこで声をかけていただいたんで。それはなんかね、応えるべきだっていうのは、もちろん卓球くんも僕も、ありましたけどね。
(博多大吉)楽しかったですか?
(ピエール瀧)面白かったですかね。まあ、2人でね、そういうフリーでオンエアーに乗るっていうものも久しぶりだったんで。それも楽しいっちゃ、楽しかったですけどね。
(博多大吉)僕、本当に昔、瀧さんに言われて。一応、心に秘めてることがありまして。
(ピエール瀧)なに?
(博多大吉)「ラジオって、誰のためにやってるか、わかる?」みたいな感じでね。
(ピエール瀧)そんなこと、言った?
(博多大吉)こんな言い方じゃなかったかな? 飲み会の時に、僕が聞いたんですよ。僕も昼の帯のラジオの曜日パートナーって初めてだったんで。「なにか心がけた方がいいこととかって、ありますか?」みたいなことを飲み会で瀧さんに聞いたことがあって。その時に瀧さんが即答してくれたのが「ラジオはリスナーさんのもんだから」って。
(ピエール瀧)まあ、昼のワイドはね。
「ラジオはリスナーさんのもの」
(博多大吉)「だから、リスナーさんのもんだっていうことさえ忘れなきゃ、大丈夫だよ」って言ってくれたんですね。で、その時にまあ、当たり前のことですけど。どうしたって自分が番組をやると、自分がやりたいこととか、自分がしゃべりたいこととか、どうしても、ねえ。そういうのをやるし、やらなきゃいけないんですけど。でもやっぱ「このことをリスナーさんのためにしゃべってるんだ」っていう気持ちというか、そういうのは……。
(ピエール瀧)まあ「リスナーさんのために」でもないけどね。ラジオってやっぱり、聞いてる人が主だと思うんだよね。そこでなんか、自分のしゃべりたいことをベラしゃべりでワーッて言ったりとか、なんか独りよがりなことをやっても、耳は傾けてくれないだろうなっていうのはあるし。特にね、『たまむすび』なんて昼ワイドだったんで。昼ワイドのああいう放送ってね、お仕事をしながら聞いてらっしゃる方だったりとか。あと何するわけでもなく、「無音はちょっと」と思って流してる方だったりとか。そういう人たちもいるでしょうから。
そこの人たちの生活のサイクルの一部じゃない? 昼ワイドなんてさ。だからそこで……本当のラジオの前で自然神経を集中して聞いてるなんてもう、微々たるもんだと思うからさ。そういうところで、そこからはみ出さないければいいんじゃないのかなっていうのと、あとは大吉くんがそもそも、向いてると思ってた。最初、大吉くんの名前を聞いた時に。
(博多大吉)ああ、そうですか。ありがとうございます。
(ピエール瀧)だから「大吉くん、いいんじゃないの?」って話したのは覚えてますけどね。
博多大吉は昼ワイドラジオに向いていると思った
(博多大吉)ありがとうございます。本当に僕、瀧さんにその言葉をいただいた時に、「ジャイアンじゃないじゃん!」って思って(笑)。勝手に「おまえのものは俺のもの」みたいなイメージだったから。「好きなこと、しゃべりゃいいんだよ!」とか、そんな感じの答えなのかな、なんて予想しながら聞いて。「リスナーさんのためにやってるんだよ」みたいな。まあ、当たり前のことだけど。それは最初のうちに教えていただけたので。はい。それを胸にやれました。ありがとうございましたという。
(ピエール瀧)うん。
(博多大吉)まあ、強引にね、このあたりで。ちょっと良さげな話を挟んでなんとかね、お茶を濁した感は否めないですけど(笑)。
(ピエール瀧)そうね。うん。「良かったように思える」ってだけだけどね(笑)。
(博多大吉)ということで、もう時間が来ちゃいました。瀧さん、また来てくれるかな?
(ピエール瀧)いいとも!
(博多大吉)すいません。やらせちゃって(笑)。
(ピエール瀧)「いいとも!」ってみんな、こうやって手で輪を作るけど。これ、「友達の輪」なんだよね(笑)。
(博多大吉)「友達の、輪!」の時なんですよね。
(ピエール瀧)だから「いいとも!」って言いながらやるのは違うんだけどね。これがラジオの限界だよね(笑)。
<書き起こしおわり>