星野源さんが2023年7月18日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で高校2年生の時に松尾スズキさんのワークショップに参加し、そこで松尾スズキさんから言われて勇気をもらった言葉について話していました。
(星野源)続いてのメール。兵庫県21歳、「ステルス豆鉄砲」。「僕は先日、就職活動で第一希望の企業の最終面接を受けてきました。その企業はおもちゃやフィギュアを作るメーカーで、漫画やフィギュアが大好きな僕にとって憧れていた企業でした。採用人数がかなり少なく、さすがに受かるわけないと思いながらダメ元で選考を受けていたのですが、奇跡的に最終面接まで残ることができたので『とにかく後悔のないようにやりきろう』と思い、自分の個性全開で挑みました。そして最終面接を受けた数日後、その企業から連絡が来て内々定をいただくことができました。
きつかった就職活動が終わった開放感と、憧れの企業から内々定をもらえてもらえた嬉しさで、オナニーを超える快感を味わうことができ、最高にスカッとしました。趣味をそのまま仕事にすることができて、本当に本当に良かったです」。おめでとう! すごい! ねぶり棒です! よかったね、ステレス豆鉄砲。よかったね! すごい。あの、ごめん。「内々定」ってどういう感じなの? でも、もうここまで書いてるってことは「OKでしょう」ってことなのかな? どうなんだろう。「ほぼほぼ」みたいなね。
これで、もしダメだったらラジオ的には120点です!(笑)。なんですけど、ラジオ的には最高なんだけど、いや、でもこれはさすがに就職していただきたい(笑)。いやー、でもよかったじゃない? すごいね。ちょっと……内定じゃないんだもんね。細かく言うのもあれだけど。いや、でもすごいじゃない? だって前になんかさ、ちんちん隠し芸大会の話をしたみたいな面接のところかな? わかんない。なんか、そんな話をしてたような気がするんだけど。そこだったとしたら、すごい素敵な会社じゃない?
いいじゃない。いや、すごい。もし完全に就職できたら、教えてください。あと、星野源フィギュアをぜひ作ってください(笑)。おもちゃね。ついでに野上フィギュアもぜひ作ってあげていただきたい。あとは、あれですよ。なんだろう? あのね、ちょっとこんな段階でこんなこと言うのもなんだけど。俺、松尾スズキさんに言ってもらえてすごく、すごく勇気をもらった言葉があって。それは僕が高校2年生の時に松尾スズキさんのワークショップを受けて。
高校2年生の時に受けたワークショップ
(星野源)高校2年生で、周りに大人計画が好きな人がその頃はいなくて。今はいっぱいいるけど。1996年とかかな? 7年とか、そこらへんの時で。だいたい、みんな大学生とか、20歳以上の人が多かったの。その小劇場系を見に行く人って。当時はね。もちろん、全国にはいたかもしれないけど、僕の周りには全くいなくて。1人で大人計画を見て興奮してるような学生だったんですけど。
それで「会いたい! ワークショップを受けてみたい!」と思ってワークショップを受けたの。高2で。その時に、もちろんいろんな……それこそ演劇をたくさん経験してる役者志望の人がいっぱい来て。で、もちろん「松尾さんと一緒に仕事したい」みたいな人いっぱいいるわけ。
だからもう、すごい競争率っていうか。その中で、たまたま……たぶんなんとなくのきっかけで僕も、書類みたいのはなんとなく通れて。僕も参加できて。でも、なんかね、みんなやっぱり面白いから。面白い人しかいないから。小劇場の若手の面白い人ばっかりで。それこそ若手じゃない、40代の人とかも、「これをさらにチャンスに」みたいな感じで来ていて。みんな超すごくて。
その中ででも、もちろん自分なんかはあれだと思いつつ、超楽しかったの。超楽しくて自分のなんか限界みたいなのを超えて、楽しくやれたんです。その中で「参加した人の中から一番を決める」っていうのがあったの。それで、僕は一番じゃなかったの。で、後から聞いたら2番だったらしいの。それもすごいことじゃん? すごいことなんだけど、その時は知らなかったんだけど。でもなんか、周りからは「星野源くん、すごいよかったよ」って。先輩だからかもしれないけど、「よかったよ」って言ってくれたのもあって。なんかすごく嬉しいなって思ってる中で、松尾さんが「こういうところでちょっとでも結果を残した人は、絶対に次も結果を残すんだよ」って言ってたんですよ。
「その時に1位じゃなくても何か1個、きっかけを残した人って、その時ではなかったとしても、何かの段階でもう1段階、行くんだよ」って言ってたんですよ。それは、根拠は言ってなかったんだけれども。でもそれって、俺の中で「なんだかわからないけど、俺はもう1段階、行けるかもしれない」ってその時に思ったの。その時は一番じゃなかったんだけど。だから僕はその時、めちゃめちゃ勇気をもらったんですよね。それで今、ありがたいことに、事務所ですけど。劇団員じゃないですけども。大人計画というところに所属することができて。たまたま、その後になってっていうのがあって。
だから、たとえばこのステレス豆鉄砲がもし万が一、ダメだったとしても、たぶんね、あるんですよ。次の段階が必ず。なのでそれはぜひ、覚えておいてください。へー! 素晴らしい! そんなわけで引き続き、スカッとしたことを募集しております。
(中略)
内々定=ほぼ採用
(星野源)内々定のメール、来ました。東京都の23歳の方。「企業は決まりとして内定を内定式のある10月1日まで出すことができないので、現実的に内々定=採用と考えて大丈夫です」。なるほど! じゃあ、おめでとう! 素晴らしい!(拍手)。おめでとう! めでたい! よかったですねー。じゃあ、もう本当に……楽しそうね! フィギュアとかおもちゃ作りって。いいなー。夢の職業。うらやましいです。なんかいつかね、仕事ができたらいいですね。仕事したいな。今のうちにツバをつけておこう。ねえ(笑)。お願いします。
(中略)
(星野源)そうか。内々定ね、おめでとうございます。本当にだから、すごいよね。すごい大変じゃない? 就職活動もそうだしさ。しかも一番、行きたいところに行けたわけでしょう? 努力もすごいあっただろうし。それ以外にもたくさん、いろいろとあっただろうね。誘惑みたいな。「ここに行った方がいいんじゃないか」みたいな。あと、自分の自信を「ない」って思った方が楽になる時ってあるんですよ。自分を信じないで諦めた方が楽みたいな。でもそれをね、諦めないで頑張ったのはすごいですね。素晴らしい。
で、あとやっぱりこういうのを聞いていて思うのは、ラジオでこういうめでたいことがあると、そうじゃなかった人がね、結構悲しいんですよ。聞いていて。「ああ、俺はそうじゃなかった。でも、おめでとう」みたいな。泣きながら笑顔で「おめでとう」みたいな。俺は割とラジオを聞いている時、そういうタイプだったの。
で、その人に向けてなにか言うことがあるとすれば、「俺はそっち側でしたよ」ってすごく思うの。なんかいつも、みんなが通常に行く道とか、一番優先して行く道みたいなところに行けなくて。行けなくて、行けなくてこの道を選ぶしかなくて今、こうなっているっていうのがあって。なんか、その人の行く道って「運命が決まっている」とか、そういうことじゃなくて。めっちゃ頑張った人は頑張った人なりに、その人の川ができるみたいな。土地に川ができるみたいに、そういう風に流れっていうのができていくと思うんですよね。
なので、ダメだったから自分がダメだったというよりかは、そういう道を自分は歩いていて。そこの道が意外といい最後につながっているかもしれないよ、みたいなのはすごく思うので。よかったら覚えておいてください。
夏バテ気味&湿気で髪型がアニー状態の星野さん…。
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— 星野源 Gen Hoshino (@gen_senden) July 18, 2023
<書き起こしおわり>