YOUと星野源 ラジカル・ガジベリビンバ・システムを語る

YOU 星野源に「友達になってください」と言われた瞬間を振り返る 星野源のオールナイトニッポン

YOUさんが2021年2月16日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』にゲスト出演。星野源さんとラジカル・ガジベリビンバ・システムについて話していました。

(星野源)僕、ちょっと聞きたかったんですけど。

(YOU)はい。

(星野源)僕、高校生の時、演劇オタクで。

(YOU)うん……。

(星野源)なんでそんな声が暗くなるんですか?(笑)。

(YOU)いや、なんかさ、うん……それで?(笑)。「演劇オタク」?

(星野源)オタクっていうか、演劇をやってたんですよ。それで、まだ当時は高校2年生だったんですけど。それで大人計画とか、宮沢章夫さんとか知ってる人が周りに全然いなくて。

(YOU)ああ、だよねー。

(星野源)それで1人で下北沢に行って。いろんな小劇場を見たりとかして。それで自分でも演出をしたりとかしていたんですよ。

(YOU)うん!

(星野源)その時にちょうど、ラジカル・ガジベリビンバ・システムの『レトロスペクティブ』っていうのを川勝さんとかとやったりしていて。その上映会とかがあったんですよ。その、ラジカル・ガジベリビンバ・システムっていう宮沢章夫さんがやっていた演劇なんですけども。でも、途中でファッションショーがあったりね、YMOのメガミックスが流れたりとか。竹中直人さんとかシティボーイズの皆さんとかが出てたりして。最高にすごい……もうコントだったりとか演劇があって。

(YOU)そんなことも知っているのね。

(星野源)そこにYOUさん、出られていましたよね?

(YOU)お世話になっていました。

(星野源)そのお話をちょっと聞きたかったんですよ。ずっと。どんな経緯で出ることになったのか?っていう。

(YOU)だから、さっきも言ったんですけど……とにかく私、不良だったんですね。高校生まで。

(星野源)ちなみに、どんな不良だったんですか?

(YOU)いわゆる、喧嘩をしたりとか。相手の学校の校章を取り上げたりとかしていたんですね。

(星野源)フハハハハハハハハッ!

(YOU)私はやってないんですけど……あの、ダメですね(笑)。

(星野源)アハハハハハハハハッ! 一応、生放送なんで(笑)。

(YOU)そうですね。あの、そういった、週末にこう、とてもすごい人数で集まってみたりとか。そういった感じだったんですね。なので、音楽だけは好きだったんだけど、あんまりカルチャーっていうのは本当にロックだけですね。

(星野源)そうか。ロックミュージックだけ。

(YOU)本当にロックだけ聞いていて。それで、卒業……18ぐらいからなんか、そうですね。クラブ的なところに行き始めて。

(星野源)ピテカントロプスとか?

(YOU)ピテカン……そうですね。私は、新宿と西麻布にいたんですけど。でも当時、だから私はハタチぐらいの時って大人がまだ全然遊んでいて。だからサディスティック・ミカ・バンドのミカさんに……クラブで桑原茂一さんとか。みんなクラブで会った感じで。だからハタチぐらいで。そこからなんかすごい……それで私、ちょっと日本のことをバカにしていて。「とにかくイギリス」っていう感じだったんですけど。で、なんか頭を殴られたみたいにいろんな、日本のそういう曲。ロックとかも聞きだして。それこそ本当に、シーナさんとか。

(星野源)はい。シーナ&ザ・ロケッツ。

(YOU)ちょっと知ってはいたけど……みたいな人にガンガン会うようになって。東京の遊び場で。

(星野源)なるほど。クラブだったりで。

(YOU)そんな流れでやってる時に、なんかそのラジカルのスタッフさんと私がいたのはちっちゃい事務所だったんですけども。その話の流れで「素人の女の子を4人ぐらい入れたい」ってなって。だから本当に偶然、そこに入れられるまで、だから私は宮沢さんのこととかも全然知らなかったんですけど。だから第一衝撃がラジカルですよね。

(星野源)そうですよね。

第一の衝撃がラジカル

(YOU)そこでもガンッ!ってなって。お芝居を見たりとか。それこそ昔の映画を見たりとか。そういうことも……だからもうグワーッても巻き戻してやり出すみたいな。それで、バンドの人たちとも知り合っていって。なんか本当にロックステディとか全然知らなかったものとかを聞いて。

(星野源)えっ、じゃあ音楽よりも先にラジカルだったってことですか? その音楽界隈の……。

(YOU)そうですね。

(星野源)えっ、そうですか! めちゃくちゃ面白い!

(YOU)だからすごいその、出会いに恵まれて。だから本当に私は東京のそのサブカルの大人の人たちとか、かっこいい人たち。そのへんから学んで。で、いろんな人に会ったりしていて。そこからの、ダウンタウンさんだったので。

(星野源)そうなんですね! ヤンタンでラジオでご一緒したのはその後あたりからだったんですか?

(YOU)そうですね。だいぶ……2年後ぐらいか。だからすごい恵まれていて。私的にはものすごい恵まれていて。そんなんで。だから、偶然なんですよ。

(星野源)そうなんですね!

(YOU)すごい衝撃でした。

(星野源)うんうん。今ってなんとなくその、音楽も演劇もお笑いも別々な感じがすると思うんですけど。その当時の、あれは80何年ぐらいかな?

(YOU)80年代初頭ぐらい?

(星野源)半ばぐらいとかかな? そのくらいの頃って、クラブカルチャーと演劇が繋がっていたり。その演劇の中で今一番、海外も含めて日本で一番尖っている人たちが音楽をやっていたりとか。全部クロスオーバーしてたんですよね。

(YOU)そう。だから私、なんかめちゃくちゃやっていて。ラジカルにちょっと出させてもらって、その直後に遊眠社に出てたりして。

(星野源)マジっすか!? えっ、夢の遊眠社?

(YOU)1回だけ……それこそ「ド素人の若い人を青山の公演で使いたい」って野田秀樹さんが言った時に、またなんかそこにぶち込まれて。

(星野源)それもショックですよね。カルチャーショックっていうか。

(YOU)膝、ぶっ壊れてましたね。

(星野源)ですよね!(笑)。

(YOU)みんな、だって3メートルぐらい飛ぶから。「なに、ここ!?」って思って。

(星野源)フハハハハハハハハッ!

(YOU)もう怖くて怖くて。でも、よくしていただいたんですけど。なんかね、めちゃくちゃなんですよ、私。だから。

(星野源)なんていうか、出会いっていうか。そういうものでどんどんどんどんと……。

(YOU)そう。だからほら、「やりたいことがない」とか……私、いまだにやりたいことがないんですよね。だから、それでも結構楽しめるんですよ。そう思って。なんか、やりたいことないと劣等感っぽく……。

(星野源)そうですね。うんうん。

(YOU)私も親だから、なんか子供に「なんかやりたいことを見つけて、なんでもやりなさい」とか口から自然に出るんですけど……でも、ない人っていっぱいいて。「ああ、私もねえわ」とか思って(笑)。だから、やりたいことがなくても「楽しいな」って思って。だからそうやって、やっぱり「やってみませんか」って言われた時に興味があったら……だから割と本当にポンポンと、転職っぽいですよね。

(星野源)いろんなところに。

(YOU)うん。全然悪いと思ってないんですよ。途中でやめたりするのを(笑)。

(星野源)うんうん。最高ですよ。全然悪くないですよね。途中でやめても。

「やりたいことがない」でも大丈夫

(YOU)そうなんですよ。だから割と本当に恵まれて、ですね。そうなんです。だから割とゴリゴリに目指してなくても、意外とチャンス……人に出会うチャンスとかってあるなと思って。感心してます。人様に。

(星野源)うんうん。なんか、流されたりとか……流れがなんとなくそうになっちゃって今、そうしてるみたいなのって、ちょっと「流されてる」みたいに言う時もあるけど。それも全然悪くないですよね。

(YOU)そう。で、その流れたところで……そこでちょっと私、不良だったので。やっぱり負けん気があるので。意外とそこで頑張るんですよ。

(星野源)ああ、そこでは頑張るんですね。

(YOU)うん。だからそういうのがあれば……そうですね。だから逆らっていったりとか、割と全然しないんですよね。フワーッと。

(星野源)流された先で頑張る?

(YOU)うん。そうですね、そうです。だから、どこに行くか、こんなに歳を取ってるのにまだわからないですけど(笑)。

(星野源)アハハハハハハハハッ! まあ、でもこれを聞いてる人はめちゃくちゃ勇気をもらったと思いますよ。

(YOU)いや、本当に自信を持ってください。私……FAIRCHILDだったんですよ?(笑)。

(星野源)いやいやいや!(笑)。

(YOU)アハハハハハハハハッ!

(星野源)「FAIRCHILDだったんですよ」は通用しないですよ。「あのFAIRCHILD」ですよ! そう思っているのはYOUさんだけなんですよ!(笑)。あ、この後、『ねほりんぱほりん』です!

YOUと星野源 FAIRCHILDを語る
YOUさんが2021年2月16日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』にゲスト出演。星野源さんとかつて自身が所属したバンド、FAIRCHILDについて話していました。

(中略)

(星野源)ぱほりんさん、さっきCM中にラジカルの頃のゲキヤバ話を聞かせてくれてありがとう!

(YOU)とんでもないです。もう私、だから本当に今度ね、世の中が変わったら5時間ぐらい、話してあげる。

(星野源)すごい楽しみ! もうわくわくする(笑)。でもね、その頃の演劇をみんな見て……今の芸人さんがやってるコントの源流があそこにありますからね。

(YOU)そうですね。

(星野源)本当にすごい人たちだったんですけども。その中にいたんですね。

(YOU)いや、ちょっとですけど。やっぱり刺激的でしたね。だいぶ。高校の時の喧嘩してた時よりも全然ショックが大きかったです。

(星野源)アハハハハハハハハッ! 喧嘩してたんだね、ぱほりんは(笑)。

(YOU)そうなのね。私は本当に。

(中略)

(星野源)千葉県のハタチの方からのメールです。「春から大学3年生ですが、やりたいことや夢がなく、それがすごく悩みでした。YOUさんのお話を聞いて、『これといったやりたいことがなくてもいいんだ』と思えて心が軽くなりました。人とのつながりや自分の興味、『好き』という気持ちを大切にして心が躍る方に進んでみようと思いました。『私、FAIRCHILDだったんですよ?』は爆笑しました」という(笑)。

(YOU)フフフ(笑)。もうね、FAIRCHILDだったのに立派に生きているっていうのはね。

(星野源)だからFAIRCHILDも立派なんですよ!(笑)。

(YOU)皆さん、本当に……だから、あれですよね。「あっ、楽しそう!」って思ったことがあったら、もう全部飛びついてやってみて。

(星野源)そこで頑張ってみる。

(YOU)頑張ってみる。つまんなかったら、次!

(星野源)次!(笑)。それ、すごくわかりやすいし、とても大事ですよね。それって。

(YOU)大事です。

気になったら飛びついて頑張る。つまらなければ、次へ

(星野源)僕も中高と演劇と音楽しかやっていなかったので。なんか将来の夢とかなかったんですよ。とにかく、目の前の面白そうなことをやっていて。高校を卒業する時に「これ以外、やれないんだけど」って思って。

(YOU)うんうん。

(星野源)それで、お腹も弱かったんで。「通勤電車とかもちょっとつらいな」って思って。「じゃあ、もう演劇と音楽をやろう!」って決めて。それも流れの中にあったので。とてもわかります。

(YOU)はい。大丈夫です。楽しんでください。

(星野源)そうですね。楽しんでください。

<書き起こしおわり>

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