星野源さんと細野晴臣さんが2023年7月11日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で最近、聞いている音楽についてトーク。昔の音源を聞くことが多いという2人が、YouTubeの古いミュージックビデオやライブ映像の音質、古いiPodで聞く音源の音質の魅力について話していました。
(星野源)じゃあ、続いてのメール。横浜市の方。「細野さんが最近、聞かれている音楽が知りたいです」。
(細野晴臣)これは困ったな……。僕も毎週、ラジオやってる時にやっぱりね選曲したりすんで聞くけど。新しいの、かけないんだよね。
(星野源)やっぱり昔の曲が多いですか?
(細野晴臣)それで3、4年前までは、なんか楽しくやってたの。
(星野源)ラジオの選曲を。
(細野晴臣)「40年代の」とか、気楽にね。何の目的もなく、古い音楽をいっぱいかけて。で、ある時から……自分が聞いてきた歴史順にかけて。それが60年代、70年代……80年代になるとちょっとつらくなってきたんだよね。テクノ。
(星野源)うんうん。テクノの時期。
(細野晴臣)そうそう。で、YMOをかけたり。で、結構その頃、いっぱいかけたら、誰かが「いよいよ細野さんはテクノをやるんじゃないか?」って言っていたりして。
(星野源)ああ、そうか。期待しちゃうから。
(細野晴臣)まあ、決して嫌いじゃないんですけどね。でも、なんかそうやって自分がやってきた音楽をずっと最近、聞いてすごしてきたかな? ラジオを作るためにね。
(星野源)ちょっとディスカバリーというか、振り返って。
(細野晴臣)やっぱり振り返る時期に来ちゃったのかな?
昔から聞いてきた曲を振り返る時期
(星野源)なんか、僕もあんまり新しい音楽を聞かなくて。やっぱり昔を振り返ることがちょっと多いんですけど。
(細野晴臣)と言ったって、あれでしょう? 10年ぐらい前でしょう?
(星野源)いやいや、でも60年代、70年代が一番多いです。生まれる前のがなんか、好きですね。
(細野晴臣)ああ、生まれる前。なるほどね。へー! 誰が好きなんだろう? 「誰」ってことはないか。
(星野源)なんかいろいろ……でも、ソウルミュージックとかR&Bとか、そういうのがやっぱり好きなので。で、なんかそういうアルバムとか……あとは何だろう? YouTubeに最近、いろんな映像が上がっているじゃないですか。昔のも。
(細野晴臣)今はいろいろと見れるね。
(星野源)で、結構ジャズ系の人とかも……なんかテレビで1回だけやったセッションとか、そういうのも上がっていて。そういうのを見ちゃうんですよね。
(細野晴臣)そのYouTubeの古い動画とかも、今は豊かだよ。なんでも見れるもん。そういうの、僕も見ちゃいますね。
(星野源)で、昔の映像で、ミュージックビデオとかで「これ、すごい最高だな!」と思って。それで実際にそのレコードとかCDを買って。そういうのって、サブスクリプションになかったりするので。それで聞いたりするんですけど、それを聞くと、なんて言うか、その映像はVHSとかβとかに録って、何回も見た後にYouTubeにアップしてるから、なんていうか、テープマスキングがされていて。その、磁気テープの音に変わっていて。で、それをYouTubeを通して聞いてるので、「そっちの方が良かったわ」っていうことが結構あって。
(細野晴臣)それ、あるね!
(星野源)買って「あれ? なんかすごいHi-Fiだけど……」って(笑)。
(細野晴臣)すっきりしちゃっていて。
(星野源)そう。すっきりしちゃって。「あれ?」みたいな。「あれ? このベースの丸みが……角ばっているんだけど?」みたいなのがあって。それが今、ちょっと面白いですね。
(細野晴臣)特にYouTubeって圧縮してるしね。それがいいんだよね。
(星野源)だからHi-Fiなものも、もちろん聞くは聞くんですけど。
(細野晴臣)わかるね、それ。同じ。
(星野源)なんか耳も疲れないんですよね。そっちの方が。なんとなく。
(細野晴臣)ちょうどいいところが聞こえるんだよね。いい帯域になって。
YouTube動画の音質の方がちょうどいい
(星野源)あと最近、僕は昔のiPod……まだ、モノクロで表示されている時、昔のゲームボーイみたいなiPod。初代とか2世代目ぐらいの時のやつ。
(細野晴臣)あれ、いいんだよね。デザインもね。
(星野源)デザインもすごく良くて。で、その頃の圧縮技術ってたぶん今より全然良くないんですけど。その時にいっぱい入れたものがまだ残っていて。それを聞くんですけど、超いい音なんですよ(笑)。
(細野晴臣)いいなー(笑)。
(星野源)それにSP盤とか7インチとか、あとはCDもですけど。その時いっぱい買っていた曲をいっぱい入れてたんですよ。
(細野晴臣)それが今、聞けるってのはなかなか……そういう、いないよ。
(星野源)でも、そこからもう、取り出せないんですよ。なんていうか、もう取り出す術はなくて。しかも、バッテリーはもうなくて。ずっと繋ぎ続けてないと……だからその中にしかなくて。
(細野晴臣)それはそれは、余計に愛おしいね。
(星野源)愛おしくて。で、しかもまだハードディスクなんですよ。中が。SSDとかメモリーとかじゃなくて、ハードディスクだから、よく聞くとちょっとカリカリって聞こえるんですね(笑)。なんかなんかちょっと、生きてるみたいな感じで。
(細野晴臣)最近、なんか静かだから。生きてる感じ、しないもんね。なるほど。
(星野源)なんか、ちょっと話が逸れますけど。細野さん、車もお好きじゃないですか。最近、車って静かになっていて。それはいい部分もあると思うんですけど、なんかちょっと生きてる感じがしない時があって。ちょっと怖い時、ありますね。なんか。
(細野晴臣)特に電気自動車なんか、そうなんだろうね。
(星野源)そうですね。ヌッと現れて「うわっ、いる!」みたいな(笑)。
(細野晴臣)歩いている人に近づくと、みんな大変だよね。全然気がつかないからね。
(星野源)わざとあれ、音出したりしてますもんね。「ファー……」みたいな。スピーカーみたいなのから。不思議ですよね。
今夜の #星野源ANN は、細野晴臣さんをゲストにお迎えして音楽の話をじっくりお届けしました!
皆さんの質問から派生して“モチベーション”や、これからについてのお話も。
細野さん、ありがとうございました!ついに発表となった #LIGHTHOUSE のお話もぜひタイムフリーで!https://t.co/x7ZmVf150H pic.twitter.com/Qbv6H9e0mZ
— 星野源 Gen Hoshino (@gen_senden) July 11, 2023
<書き起こしおわり>