星野源とtofubeats 製作スタイルと曲が降りてくる瞬間を語る

星野源 tofubeatsの顔が好きだからラジオジングルをオファーした話 星野源のオールナイトニッポン

tofubeatsさんがニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』にゲスト出演。楽曲や歌詞の製作スタイルや、「曲が降りてくる」ことについて星野源さんと話していました。

(星野源)じゃあ、次。どんどん質問に行きます。兵庫県神戸市の方。(質問メールを読む)「よくアーティストさんが曲を製作する時などに、『曲が降りてくる瞬間がある』などと聞きますが、お二人はどんな時に降りてきたりするのですか?」。あります? 降りてくること。

(tofubeats)僕はですね、こういう質問をよくされるんですけど、全くないです。

(星野源)ああ、そうですか?

全く降りてこないtofubeats

(tofubeats)机に座って「よし、やるぞ!」っていう時にしか思いつくことはないし、苦労しないといい曲はできないなって思います。基本的に。

(星野源)でも歌詞も書くじゃないですか。歌詞も、じゃあ机の前で?

(tofubeats)そうですね。パソコンでいつも書いているんですけど、普段からもうメモを取っていて。

(星野源)ああ、でも思い浮かんだことはメモしておいて。

(tofubeats)そうですね。でもそれを「えいっ!」って歌詞にするのはやっぱり机の前とか、喫茶店とかでも一生懸命やらないと無理ですね。

(星野源)うんうんうん。

(tofubeats)星野さんはどうですか? あります?

(星野源)僕も基本は机の上で、パソコンと、一応ノートと、ギターを持って。iPhoneのボイスメモを立ち上げてずーっと歌いながら録音するみたいな。だから、基本的に全部机で。で、たまーに、フッとメロディーとかが浮かんだ時に、それこそメモだとか録音してみたいな。で、2回だけ、ほぼ全部降りてきた時があって。

(tofubeats)ああ、なるほど。

(星野源)2回だけ。人生で。

(tofubeats)いや、でも2回あったらもう、十分ですよ。すごいですよね。やっぱり。えっ、それはいつ降りてきたんですか? その2回は。

(星野源)ええと、ハタチぐらいの時にSAKEROCKの『慰安旅行』っていう曲があるんですけど。

(tofubeats)アンセムじゃないですか。

(星野源)おおっ、ありがとうございます。『慰安旅行』をアンセムって言ってくれるなんて俺、うれしいくて。

(tofubeats)マジっすか? いま、なんかいろんな人がすごいうなずいていると思いますよ。

(星野源)へー。いや、ごめんなさい。SAKEROCKの話になっちゃって申し訳ないんですけど。SAKEROCKやっている時、本当に手応えが全然なくて。「誰にも伝わってないんじゃないか?」っていう思いの中……あ、これこれ。いまかかっていますけども。

SAKEROCK『慰安旅行』

(tofubeats)本当にちょっと、勘弁してくださいよ。我々、聞いていた世代がプロになっているいま。

(星野源)そういうの、言われたのはじめてで。

(tofubeats)そうですか?

(星野源)で、お客さんだけがどんどん増えていったの。だから業界の人とか誰もスルーみたいな状態で。お客さんさんだけどんどん増えていって。だから味方がお客さんしかいなかった感じなの。

(tofubeats)そうなんですね。

(星野源)だからなんか、いわゆるジャーナリズム的なところからも結構無視されていたし。始めた頃、ずっと1人で営業とか行っていたんだけど。それこそ、CDを手持ちでレコード屋さんに持っていって。「これを5枚お願いします」って。

(tofubeats)やっていました。僕も(笑)。

(星野源)やっぱり? そういうの、大事だよね(笑)。

(tofubeats)納品書とか、書いていたんですね。

(星野源)そうそう! 納品書を書いて(笑)。

(tofubeats)星野さんにも納品書を書いていた時があったんすね(笑)。

(星野源)あったあった。それで、5枚取ってくれて超うれしくてみたいな。はじめて。何軒か、ものすごい冷たい対応をされて(笑)。

(tofubeats)ありますね。で、売れ残ったやつも自分で取りに行くんですよね。

(星野源)そうそう。自分でね。「どうですか?」って電話して、「全然売れないよ。まだ全然残っているよ。ちょっと取りに来てくれない?」って言われて。「ああ、すいません」って取りに行って、みたいな。

(tofubeats)で、学生の時とか僕、その売上を当てにしたりとかしていて。「ああ、売れてないんだ」みたいなのとか、ありましたね。はい(笑)。

(星野源)なんか、そうそう。そういうのから始まっていって。で、ちょっとずつっていう感じだったんで。やっぱりその、歌……インストだからさ。なんかその、「やっぱり歌じゃないと……」みたいなのとか、いっぱいあったんですよ。「インストだと、ちょっと」みたいな。

(tofubeats)でもこんなね、歌心のあるインストってあんまりないんですよね。他にね。

(星野源)うれしいですね。なんかその、あんまり自分の中でインストと歌が差別がないので。そう。なんかどっちも歌心があればいいと思っているので。すごいうれしいです。

(tofubeats)ですよね。

(星野源)で、今回の『FANTASY CLUB』もインスト曲が多いじゃないですか。それもすごくうれしくて。

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(tofubeats)そうですね。僕は本当にあんまり考えていないんで。インストと歌物とか。あと、ボーカルが基本、音量がちっちゃいとかもあるんで。

(星野源)ああ、そうか。

(tofubeats)結構そうっすね。意識しないで作っちゃうとちっちゃくなっちゃうんですよ。あんまり歌詞とか聞こえなくてもいいや、みたいに思っちゃうんで。

(星野源)でも今回は歌詞が、歌詞カードを読むとものすごく、なんて言えばいいんだろう? 苦しくなるっていうか。

(tofubeats)そうですか?

(星野源)なんて言うか、いまは「あ、どうもどうも」っていう感じでトーフくんがいるけど、なんかすっごい……なんて言えばいいんだろう?

(tofubeats)闇を抱えている感じ、しますか?

(星野源)ちょっと闇を抱えている感じはする(笑)。「闇」っていうか、なんて言えばいいんだろう? すごくやっぱり考えているっていうか。でも、悩んでいることとかあるのかな? みたいな。

(tofubeats)いやいや、もう何も悩んでないです。

(星野源)本当に?(笑)。でも、悩んでなかったらこの歌詞、書けないよ! 悩んでるっていうか、考えていなかったら。

(tofubeats)ああ、そうですね。一生懸命はやっていますね。そうなんですよ。

(星野源)だからその現状とか、あといろんなことに違和感とか不満とかいろんなものを感じているんだろうなとは、やっぱり思う。

(tofubeats)そうですね。真面目な話、まあそういうアルバムになっていますね。

(星野源)なっているよね。それをじゃあしようと思ったのか、そうなっちゃったのかは1曲聞いてからお話を聞いてもいいでしょうか? じゃあその『FANTASY CLUB』。新しいアルバム。今日発売ですよね?

(tofubeats)本当に今日発売です。

(星野源)『FANTASY CLUB』の中から、曲紹介をお願いします。

(tofubeats)じゃあ、聞いてみてください。tofubeatsで『BABY』。

tofubeats『BABY』

<書き起こしおわり>

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