都築響一・玉袋筋太郎が語る スナック魅力と取材する意義

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都築響一さんがTBSラジオ『たまむすび』にゲスト出演。スナック愛好家の玉袋筋太郎さんとスナックの魅力や取材する意義について語っていました。


(小林悠)こういうところ(独居老人)に目をつけられるのもそうですし、あと秘宝館の本とかも出されていて。結構他の人がこれまで気づかなかったところにもパッと気づかれてそれをスッと本にされますよね。そういった感覚はどこから養われてるんですか?

(都築響一)そうですね。よくね、『どうやってそういう隙間を探されるんですか?』みたいなことを聞かれるんだけど、違うんですよね。こっちの方がメジャーだと。

(玉袋筋太郎)これだ!そうだ!

(都築響一)だってたとえば『今日はどこに飲みに行く?』みたいな感じで、ワインバーにするか?とか、シングルモルトが美味い店とか言ってられるのは東京と、あと2・3都市だけですよ。だって、日本の95%の繁華街はスナックしかないわけよ。居酒屋の後に行くのは。

(小林悠)えっ、そうですか?

(玉袋筋太郎)そうでしょう!本当、そうですよ。僕もやっぱりいろいろ回りますけど。

(小林悠)そういう認識はあまりなかったです。

(都築響一)チョイスなんかないわけ。だけど、世の中グルメ本は死ぬほど出てるじゃないですか。立ち飲み屋からなにから。だけどさ、日本でいちばん多い飲み屋であるスナックっていうのは、いままで一冊もなかったんですよ。本当に。

(玉袋筋太郎)なかった!そうですよね。

本当はみんながやっているけども、あえて触れられてないもの

(都築響一)だからそれはおかしいと。だからマイナーなものを探していくんじゃなくて、本当はみんながやっているけども、あえて触れられてないものっていうのを30年ぐらい前からずっとやっているっていう感じですね。最初の『TOKYO STYLE』っていうのもそうですけど。雑誌に出てる住まいっていうのはみんなかっこいいわけじゃない。だけど、その雑誌を作っているやつだってそんなところ住んでいるわけじゃないんですよ。

(玉袋筋太郎)やっぱりそうですよね。モデルルームみてーな部屋とかね。あんなね。

(都築響一)あんなのいるわけないでしょ?だから、東京に住んでいる若い子のほとんどは家賃10万以下の狭いところで、グチャグチャで。だけどそこでさ、本当に悲しいか?っていうと、意外と楽しく生活してるわけじゃない。だからそっちも出してあげないとよくないと思うんだよね。みんな劣等感を抱くから。

(玉袋筋太郎)うん。そうですよね。

(都築響一)だから雑誌でキレイな家を出すってことは、僕たちはそれを見るとさ、『ああ、キレイな部屋だな』って。うれしくはないんだよ。それで自分の部屋を見ると悲しい感じになって。

(玉袋筋太郎)なりますよ!

(小林悠)それに引きかえ・・・って。

(都築響一)で、劣等感になるわけじゃない?だからもう1点だけでも、いいソファーを買わなきゃ、みたいに思うわけよ。そうすると、そういうインテリアショップに行くわけじゃない。それで買うじゃん。1点。そうすると、またね、家具屋が売れるから雑誌に広告を出すわけじゃん。そしたら雑誌がまた儲かるわけじゃない。そういう風にやっていく消費のサイクルっていうのがあって。それが悪いとは言わないけど、そうじゃない人もいっぱいいるんだっていうね。家のことなんてどうでもいいと思っている人がいっぱいいるっていうのも。それでもどっちにする?っていうチョイスを与えてあげないと、よくないと思うんだよね。メディアっていうのはさ。

(玉袋筋太郎)はい。

(都築響一)だけど、一方向しかさ。飲むならお洒落なところじゃなきゃ、とかさ。そうするとさ、『俺はスナックしか行ったことねえ』っていう人はさ、劣等感持つじゃない?やっぱり。だけど、スナックもあるし、ワインバーもあるよっていう両方あればさ、自分の好きな方選べるでしょ?

(玉袋筋太郎)ほら!だからホテルだってそうですよ。リッツカールトンとかさ、ああいうところ泊まるのもいいけど、湯島のラブホテル泊まるのも。

(都築響一)そうですよ。

(小林悠)(笑)。侘び寂びですね。

(玉袋筋太郎)侘び寂びなのよ!

(都築響一)だってそのさ、浮いた4万円をご飯に使う方がうれしいっていう人だっているわけじゃない?

(小林悠)何回もご飯行けますね。

(玉袋筋太郎)行けますよ!だから、そういうことですよ。だから、間違ってないんだな。俺のスナック活動は。

(都築響一)そうですよ。

(小林悠)だって、『書を捨てよスナックへ行こう』って書いてあるぐらいですから。その筋にね。やっぱり、多くの人、行った方がいいですか?スナック。

(都築響一)いや、だけどさ、こういうこと自体おかしいっていうか。これ、全国放送ですよね?だいたいは。東京都心でこれ聞いている人は、『そうかな?』って思うかもしれないけど、地方で聞いている人は『なに言ってるの』って感じですよね。だってスナックしか行くところないんだから。

(小林悠)若い人もいるんですか?たとえば20代とかでも。

(玉袋筋太郎)いるいるいる。

(都築響一)だから東京だとやっぱりスナックは年配の人のもんだと思うけど、地方だとそれしかないんだから、こっち側にはお父さんチームね。こっち側のテーブルには息子チームって。で、気を遣って1曲ずつとか。

(玉袋・小林)(笑)

(都築響一)そうそう。そういうところの方が圧倒的だと思いますよ。ただね、テレビもラジオも雑誌もそういうところは見ないっていうさ。だからそういうところで生まれ育った人が東京に仕事するようになったとか、学生で出てきてお洒落なバーしかないっていうと、やっぱり劣等感を持つじゃないですか。そうすると自分の故郷に対してね、卑屈な感じにもなると思うし。そういうの、すごいよくないと思うよね。

(玉袋筋太郎)なりがちですからね。そういうのに。

(小林悠)なりがちですね。

<書き起こしおわり>
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