都築響一さんがTBSラジオ『たまむすび』にゲスト出演。玉袋筋太郎さんと新著『独居老人スタイル』について話していました。
(玉袋筋太郎)いやー、でも都築さんのフィールドワークぶり。すごい!最新のね、いただいたんですけど。
(都築響一)先週出したばっかりで。『独居老人スタイル』っていう本を出したんですけど。
(玉袋・小林)独居老人スタイル。
(小林悠)どんな本ですか?
(都築響一)これはいま、独居老人って日本語でいちばん悲しい響きを持つものだと思うんですよ。『見守らなきゃ』とかいろいろね。だけど、僕がいままで取材で出会った独居老人の人、めちゃめちゃ元気なんですよ。みんなね。
(小林悠)おいくつぐらいなんですか?だいたい。
(都築響一)70代から90代ぐらいですけど。
(小林悠)90代で一人暮らしの方、いらっしゃるんですか?
(都築響一)全員一人暮らしで。好きこのんで一人暮らしをしていて。収入はぜんぜん無いと。無いっていうかみなさん本当に慎ましいっていうか、むしろ貧乏みたいな暮らしなんだけど、ストレスもないんですよ。
(玉袋筋太郎)あー、それはいいな。
老人の自殺でいちばん多いのは三世帯同
(都築響一)いま老人の自殺とかね、結構問題になってますけど。老人の自殺でいちばん多いのって、三世帯同居なんですよ。
(小林悠)なんでまた?
(都築響一)いちばん少ないのが独居なんですよ。要はやっぱりどんな上手くいってデカい家作って、だけど嫁と上手くいかないとか。孫の世話ばっかりさせられるとか、そういうプレッシャーとストレスの方がはるかに老人を鬱に追い込むんだよね。だからお金もないけど、別にぜんぜんね。気楽に一人暮らしで好きなもん食べて、好きなことだけやっているっていう老人の方がはるかにね、ストレスないんで。ストレスがね、人を追い込むんで。やっぱり。
(玉袋筋太郎)なるほどー。たくさん登場しますよ。独居老人が。秋山◯◯さん。
(都築響一)汚部屋に住んでますけどね。
(玉袋筋太郎)スナックママさんとかね。
(小林悠)これは一般の方?
(都築響一)一般の方ですよ。全員一般の方で。70代から90代。まあ60代もいますけど。本当にみなさん、お金はなくても楽しい暮らしをしていて。たとえば息子や娘がいて、『早くお父さん、一緒に暮らしなよ』とかお母さんを呼ぶみたいなのあるけど、断ってますもんね。みんなね。
(小林悠)へー!かっこいいな。
(都築響一)1人の方がいいんだっていうね。
(小林悠)それ、お部屋の中とかの写真も出てるんですか?
(都築響一)出てますよ。
(玉袋筋太郎)出た。プッチャリンだって。道化師。
(小林悠)チャップリンさんじゃなくて、プッチャリンさん。
(都築響一)この人、浅草では有名な人ですね。いつも浅草の街をチンドン屋みたいな格好して流して。チャップリンの格好して。本当、商店街をウロウロしながら、たのまれてないのに、『ここのおかきは最高です!』みたいな自主宣伝をしてる人で。
(玉袋筋太郎)いい話だよ!あと、この流しのシンタロウさんね。有名ですよ。
(都築響一)この人も慎ましい暮らしをされてるんですけど。毎晩必ず、どんな日でも荒木町に流しに出て。自分で歌ったり、僕たち歌わしてくれたりね。めちゃくちゃな人生経験を持っている人だし。
(玉袋筋太郎)これはコクがありますねー!いい出汁、でてますよ。また独居老人に目をつけるところがまた。都築さん、すごいなー!
(都築響一)でもほら、みんな何とか独居になりたくないから、無理やりなんとかするとかね。仲間はずれになりたくないから、60過ぎて定年になってるのにまたゲートボールでイチから出直しみたいなの、あるじゃないですか(笑)。
(玉袋筋太郎)(笑)。ありますね。
(都築響一)あんまり興味のない囲碁とかやってみるとかね。そういうのってよくないと思うんだよね。僕が取材している人たちって、お金もないけどストレスもない。あと、とりあえず50年ぐらい人の言うことを聞いたことがないと。
(小林悠)えーっ!?
(玉袋筋太郎)そうでしょうね。
人の言うことを聞かない
(都築響一)ということは、だからそのかわり友達もいないんですよ。でも、友達なんて1人か2人いればいいんですよ。
(玉袋筋太郎)本当、そうなんですよね。十分ですよね。
(都築響一)人間関係を充実させなきゃとかさ、なんかいろいろ言ってるのはさ、もう嘘だよね。全部。
(玉袋筋太郎)幻想です。
(都築響一)そうですよ。
(小林悠)心強い。こういう生き方を提示してもらえると。
<書き起こしおわり>