宇内梨沙さんが2023年5月25日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で自身のYouTubeチャンネル「宇内梨沙/うなポンGAMES」において、動画配信設定のミスにより、多くの『SEKIRO』実況動画の配信者への著作権申し立てが通知されてしまった問題について話し、謝罪をしていました。
(宇多丸)ということで、今日はですね、ちょっと宇内さんからオープニングを借りて、お話を。直接、ご自身からしたいというお話がおありということなんで。ネット等のニュースとかでね、もう既になんとなく経緯をご存知の方もいれば、そうじゃない方もいると思うんで。そこも含めてぜひね、宇内さんからご説明いただければと思う次第でございます。じゃあ、早速始めましょうかね。
(宇内梨沙)アフター!
(宇多丸)シックス!
(宇多丸・宇内)ジャンクション!
(宇多丸)ということで、宇内さん、まずは何があったとかね、そんなあたりからも。全くご存知ない方も結構いらっしゃると思うので。
(宇内梨沙)そうですね。主にTwitterであったり、あとはネットメディアで報じられていたりなどでもう、アトロクリスナーさんでもご存知の方は多いかと思うんですけれども。TBSテレビが運営するYouTubeチャンネル「宇内梨沙/うなポンGAMES」というYouTubeで動画を投稿しているコンテンツがありまして。その名の通り、私がメインとなって様々なゲームを……。
(宇多丸)ゲームを愛してやまない宇内さんが。
(宇内梨沙)ゲーム大好きな私が、夢を叶えさせてもらっているという形でゲーム実況をやらせてもらっているんですけれども。5月23日の18時頃にフロム・ソフトウェア様から発売されています『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』のゲーム実況動画の配信設定を変更した際、制作スタッフが誤って「コンテンツID」というところを操作してしまい、本来は「無効」にするべきところを「有効」にしてしまったということなんです。
(宇多丸)これはつまり、『SEKIRO』というゲームの配信の著作権主張というか。他の人がその配信をすると「それは違法ですよ」っていう風にキャッチしちゃうような。「私がこの件の権利者です」っていうような?
(宇内梨沙)そうですね。その映像や音声など、全ての権利を所有しますというようなボタンを有効にしてしまいました。
(宇多丸)これって、そういうTBSとか、いろいろオフィシャルチャンネルを持ってるところに割り当てられるような機能というか?
(宇内梨沙)そうですね。コンテンツIDというものは、企業であったり、そういった大きいところが保有する権利といいますか。私も、すみません。運用までには普段、関わっていないので。そのYouTubeチャンネルの設定であったり、システムを私も熟知しているわけではないんですけど。
(宇多丸)アップをする時に、そのアップするスタッフがやる部分でちょっとミスが起こっちゃったという。
(宇内梨沙)そして、それによりですね、同じ『SEKIRO』の同じ動画シーンを配信していた全ての動画に対して、著作権の申し立てを適用してしまうということになりました。ちょっとわかりにくいんですけども、私がその時に生配信していたシーンですね。
(宇多丸)そのステージというか。
(宇内梨沙)ちょうど私は、それが「#13」に当たるんですけれども。そのシーンを過去に動画で投稿していた、生配信していた方たち全てに「私が権利があります」という風に主張をしてしまった。で、あらゆる方にその権利の申し立てが届いてしまったという。
(宇多丸)その間、申し立てが来た人っていうのは、その皆さんが元々上げていた動画っていうのは止まっちゃったりするんですか?
(宇内梨沙)そうですね。そういったことになってしまいまして。ただですね、こちらもそんなことが起きてるとは全く私も知らなかったので、事態の把握に数時間ほどかかってしまいまして、対応が少し遅れてしまったことをまず、本当に申し訳なく思っております。で、このコンテンツIDの設定に関しては、しっかりとその日の24時までに停止し、申し立てについては取り下げています。
(宇多丸)じゃあ、その間違った状態になっていたのは何時間ぐらいなんですか?
(宇内梨沙)18時から24時前には取り下げだということなので、6時間くらいですかね。
(宇多丸)とはいえ、『SEKIRO』というのはもう世界中でプレイされてるゲームだからね。それは結構、数はね、あったりするんでしょうね。
(宇内梨沙)ということで何より、今回『SEKIRO』というタイトルが本当にこれだけ話題になって……ネガティブな意味で話題になってしまって、本当にこのゲームを作られていますフロム・ソフトウェア関係者の皆様には大変、申し訳なく思っていますし。何より、ゲーム実況動画を配信している動画配信者の皆様、今回これが適用されてしまった皆様には本当にご迷惑をおかけしたと思っておりますので。
私としても非常に、お詫び申し上げたいと思っております。そして、こういったことがTBSテレビの公式ホームページにも掲載されています。今回、著作権の申し立てを適用された動画配信者の皆様のお問い合わせ先も掲載していますので、関係者の方はそちらにご連絡いただけたらと思います。はい。というのがTBSとしてのこちら……。
(宇多丸)だから、この事態の収拾というのは、ちゃんと皆さんが納得できる形で、いずれはつくことを願ってやまないし。もちろんうなポンGAMESね、楽しいコンテンツというか。宇内さんにとっての本当に大事な場ですから。もちろん、ミスをしてしまったことは本当にね、避けるべきというかさ。もちろん、ミスなんかしないに限るし。ご迷惑をかけてしまっているのは本当に残念なことで。
できるだけ、リカバーを……どこまでなるか、わかりませんけど。するべきだというのと同時に、僕はこれ、ちょっと全然……ある意味、その当事者じゃないから。これを見ていて思ったのは、「我が振り直せ」で気をつけなきゃいけないと思ったのは、やっぱりその人為的ミスっていうのは起こりうるわけで。結構、ネットとかってミスが大きく、収拾がつかないところに広がりやすいっていうのかな? その裾野がどこまでか把握できないところまで、1個のミスが大きいところに広がりかねないんだなっていうのは、すごい思って。
なので、結構ネットっていうのは我々の暮らしの中で欠かせないし。で、その発信者側としてネットを利用する場合っていうのもね、私自身はSNSとかはやってないけど。たとえばRHYMESTERの宣伝とかでも使うわけですけど。なんというか、そこのネットの便利さの裏腹の責任っていうか。みたいなところはすごい……それと同時に、だからもしシステムを作る側だとしたら、やっぱりその簡単にこういうことが起きないような防止システム、フェイルセーフシステムがやっぱりあるべきでしょうね。
僕、聞いた限りだと似たようなトラブルってやっぱりちょいちょい起きているみたいで。その、権利主張って結構でかいことだから。そこをなんか、もうちょっと……わかんない。ミスが起こりづらいような感じにするとかっていうのもこれは、私は当事者じゃないんで。被害者でもないんで。傍から見て思うのは「ああ、そういうところを今度は気をつけるべきなんだな。自分がやる側としては、そうかな」なんて思ったし。宇内さんもね、もちろんその動画の顔として、責任を感じられてこうやってお話をされてますけど。それは、皆さんに納得ができる形で頑張ってクリアしていくとして。
ゲーム実況そのものは……というか、宇内さんにとってゲームは命ですから。ゲーム実況こそ、夢なわけですから。それはある意味、好事魔多しと言いましょうかね。やっぱりやっていく中では、いろんなことが起こりますんで。これを糧にというべきか、勉強のあれにするしかないよね。
(宇内梨沙)そうですね。何よりもTBSテレビとしては本当に今回、その適用された動画配信者の皆様に対しては、深くお詫び申し上げたい。そして、お問い合わせしていただけたらと思っております。これが、会社として……会社に所属するTBSアナウンサー宇内梨沙としての言葉なんですけれども。ここからは、私個人の思いをちょっとお話させてもらいたくて。
今回、私のことを心配してくださっている方がたくさんいらっしゃって。特にアトロクリスナーさんであったり、普段YouTubeチャンネルを見てくださっている方たちが「なぜ宇内さんが矢面に立って謝罪したりしているんだ?」って。いわゆるネット記事の名前に出てくるのも、私が一番最初に出てきますし。「どうしてそうなってしまっているんだ?」という声をたくさんいただいていて。それに関しては、私自身の思いもあるということを伝えたくて。
そもそも、ネットテレビって文化が全く違くて。私はどちらかというと学生時代から、ネットとゲームで育ってきた人間なので。その文化をある程度、知っている。そちらの方に寄り添っている人間だと自分では思っていまして。その上で、自分の名前を冠するYouTubeチャンネルでどう対応するべきなのか?っていうのを、私の思いで動かさせてもらったというか。
なので、自分の個人的なTwitterで謝罪をさせていただきましたし。それはやっぱり普段、一緒にYouTubeチャンネルを運営しているスタッフさん。普段から本当に私も信頼していますし。その方が起こしてしまったミスを、私は「私がやったことじゃないから」っていうことで、そんな静観はできないですし。同じチームとして、迷惑をかけた方に謝りたいっていう気持ちはすごく強くあるので。その心配してくださる気持ち、とっても嬉しいんですけれども。私の思いがあるよという風にリスナーさんに伝えたかったです。安心してください。
(宇多丸)だから、そりゃそうよ。それはもちろん、そうだと思います。うなポンGAMESなんだしね。座長としてっていうのは、それはそうだし。でも、皆さん、宇内さんはこれを受け止めて、ちゃんと真摯に対応しつつ、前向きにやってこうっていうことですから。まあまあ、でも、あとは我々も……とはいえね、ミスはどこかでなにか、我々の人生でも起こりうるわけで。起きないに越したことはないけれども。だから、そのミスが大きくならないようななにか、手を事前に打っておくみたいなことが本当に、世の中は大事かなと思ったりしますな。これはね。
(宇内梨沙)あとは、こういったもうミスが二度と起きないように。運用に関してはこれから、より一層気を引き締めて行っていきたいと思います。
(宇多丸)それはそうですよ。この番組の打ち合わせなんかをしててもね、結構反省してね。「これは良くないな、あれは良くないな。気をつけましょう」って。でも打ち合わせをしてると「またやってるよ。どうなってんの?」みたいなことって、あります。私もです。私も、なんべん言っても直らない件っていうのはあったりしますからね。だから、それは少しずつ良くしていくとか、気をつけていくとか。で、なにかしてしまったら、本当にちゃんと、謝罪は当然のことで、対応してくっていうことしかないわけだよね。あとはその、なんというか、『SEKIRO』ね。ここから先も……。
(宇内梨沙)本当に私はゲーム業界のなにか、力になりたいっていう思いもあって、ゲーム実況させてもらってるっていう面もあるので。なんか「宇内さんのプレーを見て、諦めていた『Bloodborne』もう一度、トライしてクリアしました」っていう声とかをもらうと、すごく嬉しいんですよ。
(宇多丸)はいはい。フロム・ソフトウェアのゲームって、非常に歯ごたえがあるんですね。難しいんです。
(宇内梨沙)なかなか難しい、難易度の高いゲームで。だから『SEKIRO』もまたね、いろいろ落ち着いたら、エンディングまでいけたらなと思っております。
(宇多丸)ということでございますんでね、皆さん、ご納得いただけましたでしょうか?
(宇内梨沙)大変、お騒がせいたしました。
(宇多丸)いやいや、でもまあ、本当に起こってしまったことはあれだけれども。お疲れ様でございました。
(宇内梨沙)はい。お時間いただき、ありがとうございました。
(宇多丸)でもある意味、毎日の放送でこうやって生の声が届けられるっていうのは、ありがたいことじゃないですか? もちろん、SNSという場でいろんな発信はできますけど。こうやってご自身の声でさ、堅苦しい台本ではなく、本当に今、宇内さんが自分の言葉で話すというので。自分で話せるっていうのは……逆に言うと、そういう場があるのにしゃべらないというのは絶対、これはないわけで。毎日、放送をやってる人間としてはそれは、うん。なんていうか、話すことは話さないと、とかね。ありますよね。
(宇内梨沙)いや、本当に……宇多丸さん、いつもありがとうございます。
(宇多丸)なにをおっしゃる。私は何もしてませんよ。私は単にゼルダで寝不足で、ずっとボーッとしているだけですから。
(宇内梨沙)いやー、癒やされますね、ゼルダ。
<書き起こしおわり>